小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

「できた人は●●しなさい」のマンネリ化を防ぐために

2011-05-31 21:42:37 | 授業中の攻略法

家庭科の授業で「ソーイング」をしました。

手縫い基本として,まずは「糸とおし」

やり方を教えた後,「5回できた人は立ちなさい」という指示を出しました。

子どもたちは5回というゴールが明確になり,集中しました。

次々に「できたっ」という声と同時に子どもたちが立ちます。

ここでのコツは,全員が立ち終わるまで待ちはしないということでしょう。

苦手で大変遅い子もいるから,時間がかかりすぎます。

また,5回はできなくても座ってしている子も集中して数回はできていることが確認できるから,それで認めてあげます。

クラスの3分の2くらいが立った時点で「はい,器用ですね。立っている人は座りなさい。座ってがんばっている人も,そこまででいいですよ。」

といって活動をさっと切りました。

さて,今日はそこから少しステップアップして。

「できた人は立ちなさい」

のシステムがずいぶんクラスに浸透してきたようです。

課題に取り組む子どもたちの集中力も増してきました。

ここでマンネリ化を防ぐためにも一工夫。

社会で,グラフを読み取る場面としましょう。

グラフの読み取り方を一通り説明してから,先生の指示「では,このグラフから読み取れることを5個ノートに書きましょう。」

子どもたちの中には,もうえんぴつをにぎって準備している子もいます。

ここでいつもなら先生はこう言います。

「できた人は立ちなさい」

子どもたちもそのつもりでいます。

(早く5個書いて,堂々と起立したい!)

(たぶん,先生は起立した人に「黒板に書きにいらっしゃい」って言うよ!書きたい!)

しかし,今回の先生の言葉は意外なものでした。

「自分と,となりの人ができたら,立ちなさい。」

子どもたちは「えっ」という顔で驚いています。「どういうこと!?」

「そういうことです。」

自分だけでなく,となりの人もノートに5個書けたら,そのとき立てるのです。

そうすると…

1.連帯責任となり,となりの友だちのためにもがんばらなくてはいけない!

2.もしとなりの友だちが遅いときは,手助けしてあげられる。

3.お互いのノートを見合う機会ができ,学び合うことができる。

4.二人ともできて一緒に立てたときの喜びは大きい。

という,これまでの単純なパターンのときにはなかったおもしろさが出てきます。

と同時に,基本的な指示がマンネリ化していくのを防ぐことにもなりますよね。

「よし書けた!ゆうきくんは?…3個書けたね。」「あと2個がね…」「ここ,グラフのこの部分見ると分かるよ!」「あぁ,なるほど!」

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たまにこの形を織り交ぜてみると,単純な問題に対しても,クラス全体が結構ヒートアップしてきます。

※ただし,これも連発すると弊害もあります。やはりとなりどうしで学力的に差が大きいペアもあって,どちらにとってもストレスとなることもあるようです。

そんなペアでも「時折」だと,お互いを刺激し合うような,いい感じになれるので,使う頻度やタイミングを配慮しながらいきましょう。


私の使っている携帯はマイナー機種だけど

2011-05-29 10:57:45 | 教師の仕事術の攻略法

携帯電話はスマートフォンが人気ですね。

アプリがたくさんあって楽しめるし,それぞれのユーザーの使い勝手のいいように機種をリメイクしていける点がいいようですね。

ちなみに私もスマートフォンを使っています。

実は,スマートフォンがまだ一般的にそんなに人気がでる前に早々と購入しました。

だから購入してすぐは,周りの人たちに

「何これ?携帯?」

全タッチパネル型だから

「どうやって使うの!?」

なんて,いろいろとつっこまれましたが。

それは,代表的な「アイフォン」や「アンドロイド」でもなく,マイナーな機種に分類されるのではないかと思うのですが,これを気に入っています。

ご存じでしょうか

ウィンドウズフォンで,仕事とリンクしやすい!

私には便利な機種です。

私もそこまでデジタル通ではないので,最新のスマホ事情は詳しくないのですが,このウィンドウズフォンは,出回っている数としては少ないのではないかと思います。

それこそ,私が購入した頃は,少しは宣伝もしていましたが…

これは,その名の通り,スマートフォンのOSがウィンドウズです。

パソコンと同じウィンドウズです。

だから,ウィンドウズのパソコンと幅広くリンクします。

動画や音楽,インターネットなどはもちろんそうですが,うれしいことに,この機種の中にはオフィスの,「ワード」「エクセル」「パワーポイント」も入っています。

ワードやエクセルは,このスマートフォン上でだいたいの基本的な編集操作ができます。

パワーポイントは閲覧のみで,編集はできなかったと思います。

学校の仕事は,私や私の周りの先生たちはほとんどが「ワード」「エクセル」です。

きっと,多くの学校でもそれが占めているのではないでしょうか。

だから,仕事用に作ったいろいろな文書を,そのままスマートフォンに入れて,閲覧したり編集したりすることが可能です。

これはなかなか便利です。

持ち歩きたい文書を,紙媒体で持ち歩かずに,すべてデータとしてスマートフォンに入れて持ち歩けます。

私が一番気に入ってるのが,教務主任が作ってくれている年行事,月行事,週行事のエクセルデータを持ち歩けることです。

教務主任の先生は,これらのデータを学校内のサーバに保存しますので,他の先生たちは自由にデータを共有することができます。

そこで,私はマイスマートフォンに入れちゃいます。

これで,家でもふとしたときに予定を確認することができます。

「家族で旅行に行きたいけど,6月はいつが空いてたっけ?」

なんてときに。

また暇な時に先の予定をチェックしては,

「お,そろそろ次の授業参観のネタでも探さないと」

なんて先を見通すこともできます。

また,わざわざカレンダー機能を使わなくても,この行事予定表をマイカレンダーにしてしまって,自分の予定もここに書き入れいていけば,仕事とプライベートと合わさったカレンダーがすぐにできますね。

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マイナー機種であまり売れ筋でもないのでしょうが,この機能に着目して私は選びました。

※私の知恵不足で,ひょっとしたら他の機種でもそういったことができるアプリがあるのかもしれませんが…  もしご存じの方いらっしゃったら教えてください。


お?珍しくちょといい授業だったんじゃないかなぁ

2011-05-26 18:29:10 | 授業中の攻略法

珍しく3日連続の更新です。(笑)

ブログ村ランキングに参加させてもらっていますが,ページの右側に「人気記事」というコーナーがあります。

あれって,どういう基準でランク付けしているのかは示されていませんが,あそこに記事が紹介されると,またうれしいものです。

さて

今日のタイトルのとおり,時折

「今の授業,ちょっといい授業だったんじゃないかなぁ」

って手ごたえのときがあります。

本当に,たまーに,ですけどね。(笑)

でも,何時間という授業をしてきて間違いなく言えることは,いい授業の裏には間違いなく「いい教材研究」があるという基本です。

経験を重ねてくると,教材研究をちょっとさぼって,小手先で授業をしてしまおうとすることがあるのも正直な話です。

そこでうまく子どもたちをのせて,盛り上がった授業になることも,集中させる授業になることもありますが,やはり本当の「いい授業」とは言えないことは,誰よりも授業者である自分が分かっています。

教材研究の甲斐あって,「いい授業」ができたときは,教師としてたまらなくうれしいものです。

たった一時間でも,その感動で,やっぱりいまだに大きい。

なにごとにも変えられないものだと思います。

珍しく,そんないい授業ができたときは,余韻に浸るだけでなく,

授業後の板書や,子どものノートをデジカメで記録しておく!

ことを欠かさずに。

研究授業であれば誰かがビデオを撮影してくれていたり,授業記録をとってくれていたりしますが,ある日の一時間の授業にそれはありません。

だから自分で記録します。

今は便利なデジカメがあります。

授業後の1~2分でちゃちゃっと記録できます。

その授業の足跡が残っている,板書と子どものノートを記録し,一つのフォルダにしまっておきましょう。

それは自分の財産になるし,またこれから先に「いい授業」を作り上げる際のヒントになります。

運よく同学年を受け持つことがあったら,追試できる優れた実践記録にもなります。

さらに,学年末に子どもたちに見せてあげて,

「こんな勉強したよね。まじめに,よくがんばったんだよね。」

なんて,学習の思い出を振り返る材料にだってできます。

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教材研究をすれば必ずいい授業になるというものでもないし,まずそれだけの教材研究をできる時間や労力を確保するのも難しいのが現状ですが,そんな記録をとりたくなる「いい授業」を,できるだけやっていきたいものです。


どんな子も「やらざるをえなくなる」

2011-05-25 17:54:51 | 学級生活の攻略法

課題への取り組みに意欲の低い子がいます。

読みたがらない。

書きたがらない。

話したがらない。

考えたがらない。

動きたがらない。

そんな姿は教師にすぐに伝わるもので,こちらもつらくなります。

「やらなきゃだめでしょ!他の子だってみんな…!」

なんて怒鳴ってしまいたくもなりますが,いい先生であれば,怒鳴る前に考えるものでしょう。

そして,課題を与えている自分の方に反省すべき点があることに気付きます。

「この子には,どんなふうに課題を与えれば…」

子どもの関心はそれぞれだし,正直に意欲的になれないものがあったとしてもおかしくはないと思います。

でも,だからといってやらないのはよくない。

意欲的になれない中でも,できだけのことをする姿勢を身につけさせたいです。

一つ,効果が得られやすい手立てとして

選択肢を用意して,子どもに選ばせる!

というやり方です。

例えば,計算ドリルをやりたがらないつわものがいたとします。

そんな子には,

「このページのステップ1とステップ2,どちらかでいいです。どちらをしますか?」

「え~ じゃあステップ1。」

例えば,宿題の漢字書き取りをよくさぼる子がいたとします。

そんな子には

「今日は,15ページと16ページ,好きな方を選んで書いていいです。どちらにしますか?」

「…16ページの方かな」

例えば,掃除をできないやんちゃぼうずがいたとします。

そんな子には

「ほうき,ぞうきん,黒板,3つあります。今日は好きなのを選んでいいですよ。」

「よっしゃ!なら,黒板!」

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選択肢があってそこから選ぶことができるようになったことで,子どもにとっては一方的に課題を「やらされている」感が薄まります。

逆に,自ら課題を選ぶことになるので,気持ちも乗ります。

そして,自分で選んだわけだから責任感も生まれて,やらざるをえなくなります。

選んだ結果,やっていることは若干本来の課題より簡単になっていたり量が減ったりもしますが,この子にしてみれば,おおむね「合格」です。

選んだ課題をしっかりできたら,すかさずほめてあげます。

「できるじゃないですか!立派立派。」


「音読が終わった人は●●しなさい。」 ←●●には?

2011-05-24 18:01:47 | 授業中の攻略法

授業の中では,先生が指示を出し,子どもたちが課題に取り組むという場面がたくさんあります。

そのときには,子どもが集中して取り組めること。

取り組んだ中身がよくできていること。

時間をかけすぎず,てきぱきとできること。

そういったことが望ましい姿となります。

そのために,先生は指示を出す言葉を工夫したり,子どもたちが取り組みやすい環境を整えたり,また課題自体を工夫したりと,いろいろと手立てを試みます。

今回は,望ましい姿の中の「集中して取り組める」「てきぱきとできる」といったところをテーマに考えてみたいと思います。

例えば国語の音読に取り組ませる場面。

先生「教科書10ページから14ページを1回音読します。」

子ども「開きました。」

先生「5ページあります。スラスラと読むことを心がけましょう。」

子どもたちが課題に取り組む準備ができました。(…と,実は,ここまでたどり着くのにも一苦労があったりもするものですが)

そして,先生は「はじめましょう」の最後の指示を出す前に,もう一つ指示が必要です。

子どもたちは,この課題が終わったらどうすればいいのかをはっきりと示しておくことです。

これをしないと,課題を終えた子たちが「どうすればいいんですかぁ」状態になり,クラスがごちゃごちゃしていくことになります。

そこで先生は言います。

「できた人は○○しなさい。」

さて,この○○に当てはまる言葉,どんなものがいいでしょうか。

ケースバイケースでいろいろとあり得るとは思いますが,基本として使えるものは

「できた人は立ちなさい」

この「立ちなさい」のよさとしては,

1.できた子とそうでない子がはっきりと区別できる

2.はっきりと区別できるから,まだできていない子も早く立ちたくて集中する

3.「立つ」という行為が,できた子にとってはちょっとした自信を表わすことになる

4.クラス全体の進行具合が見とれる

ということが挙げられます。

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ですから,何か課題を取り組ませるときに「できた人は立ちなさい」という指示を多く出していると,子どもたちにも浸透していき,自然な形となっていくでしょう。

ちなみに,私もいろいろな指示を試しているのですが,それぞれにメリットもデメリットもありそうです。(課題にもよりますが)

「できた人は座りなさい」(立って音読させて)

 →できていない子が目立つ形になってしまい,ちょっとかわいそう

「できた人はいい姿勢で先生に合図をください」

 →できてすぐはいい姿勢をうれしそうにするが,長くはもたない

「できた人は先生のところに音読カードをもっていらっしゃい」

 →印を付けてあげられるが,ガチャガチャしてしまう

「できた人は,ドリル17番に取りかかりなさい」

 →ドリル17番への取り組みが中途半端になってしまう

これらも使えないことはありませんが,基本は「立ちなさい」かと。

そして,今度は立った子たちがしばらくして退屈そうになってしまうので,立った子たちには板書で次の指示を出しておくといいですね。

「立ったまま,小さい声でもう一度音読しましょう」

すると,教室全体の「音読の雰囲気」が崩れません。