小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

子どもの予想外の発表に,思わず

2012-10-15 23:06:32 | 授業中の攻略法

6年生の国語で「やまなし」の授業をしています。

今日は「時を表す言葉」を見つけてみました。

5月

12月

分けてみてみると,少ないながらもいくつかの言葉が見つかるものです。

「幻灯」と賢治さんが言っているとおり,なんとなくぼやっとした景色の中にも,それぞれの「時」を表す言葉を注意深くとらえてほしいと,私なりにねらいをもっていました。

12月の方をしたときのことです。

子どもたちは集中して,教科書に目を近づけながら探しています。

なかなか見つけられない子もいましたが,そのうち

「あった」

「あ,これかも」

という声が上がるようになりました。

・夏から秋の間に

・月の光

・やまなし

そういった言葉です。

季節という時を表しているもの,一日の中の時を表しているもの。

きちんと描かれていることが分かると,子どもたちも小さな発見に小さな感動のようでした。

これらの言葉は私が「予想」していた言葉でもあり,これらが一通り子どもたちから出された時点で「ほっ」としましたし,本時のねらいをおおむね達成できたと思いました。

ちょうど授業終了のチャイム。

・・・と,そのとき。

「まだあります」

と手を挙げる子が。

周りの子たちと同様に,私が驚きました。

(もうないはず)

その子は

「お父さんの『もうねろねろ』というセリフです」

と。

・・・・・・・・・・・なるほどぉ

クラス全員が同じリアクションでした。

発表に一瞬きょとんとし,発表の内容を黙って検討し,そして共感,納得しました。

私も。

いやいや,全く教材研究不足でした。

6年生で何度か「やまなし」をしているという横着な自負から,改めて詳しく読み返すこともしていませんでした。

反省です。

私のそんな反省をよそに,子どもたちは先生なんて放っといて,その子の発表に盛り上がりだしました。

「『ねろ』ってことは何時だ!?」

「9時ぐらいでしょ」

「俺的には10時くらいだけど」

「まだ幼いかにの兄弟だよ。7時ぐらいじゃないかな」

「違うよ。『遅いぞ』って言ってるんだよ。夜更かししてるってことだよ。」

「だから…」

「11時?」

「そんな時間まで兄弟だけで『外』にいるはずないでしょ」

「お父さんもそんな時間まで放っとかないでしょ」

「じゃあ…」

近くの子たちとあーだこーだ言っている声がたくさん聞こえました。

もちろんはっきりとした何時という答えは出ません。

「自分が一番ぴったりだと思う時間を書いておきなさい。それでよかろう」

という無責任な(笑)指示を出して終わりました。

この,予想外の発表から生じたこれらの小さな話題が,やまなしを学習する上で必要であったかどうかということは置いといて。

大事なのは,子どもの側から出た発言に,子どもたちが自然と反応し,自然と対話を生んだということです。

ただ,単純に,おもしろい1シーンになりました。

おもしろい話題になりました。

次またこの部分を読むときに,多くの子たちがこの話題を思い出してくれるのではないかと思います。

思い出せるものがあるということは,この部分に,この作品に自分なりの特別なものを持っているというとになるでしょう。

私は教材研究不足の先生でしたが,それが期待できるだけで十分です。

国語はまさしく「言葉のおもしろさ」ですね。

私も子どもたちと一緒になって勉強させてもらっている気分です。

さて

教師の教材研究を超える子どものおもしろい見方や考え方を大事にする授業を!

と,まとめます。


机間を前進したりバックしたり

2012-10-10 21:18:56 | 授業中の攻略法

受け持っている6年生も(担任のひいき目ですが)ずいぶん授業態度が落ち着いてきました。

シーンとした真剣な雰囲気の中,鉛筆が動くカリカリとした音だけが響く教室。

子どもたちの机間をぐるぐる回りながら感じたことを一つ。

とても細かいことですが一つ。

机間巡視は,方向によって前進とバックを使い分ける!

なんのこっちゃと思っているでしょうが…

机間を先生が歩くとき,パターンは大きく2つに分けられます。

A「子どもたちの前から後ろに向かって歩く」場合と

B「子どもたちの後ろから前に向かって歩く」場合です。

Aは黒板側から教室後方に向かって歩き,Bは逆ということです。

それを踏まえて

「A前から後ろに歩くときは先生は前進する」

要するに普通に歩くということです。

理由1:子どもにとっては,先生が自分の横に来るまでの間,先生の姿が見えているから,先生もその間は正面から対した方がよい

理由2:子どもの横を通りすぎれば,その子には先生は見えないので,先生も背中を見せてもよい

そして

「B後ろから前に歩くときはバックする」

要するにお尻から進んでいくということです。

理由1:子どもにとっては先生が真横に来るまでは先生の姿が見えないから,それまでは先生も背中を見せていてよい

理由2:子どもの横に来た時に,先生と顔を合わせ,それから先もその子には先生の姿が見えているから,先生も正面から対した方がよい

ということです。

いかがでしょうか?

実際に授業中にやってみると一番分かると思うのですが・・・

机に向かっている子どもにとって,見回っている先生の動きや視線というのは気になるものでしょう。

プリントに一生懸命取り組んでいるのに,歩く先生の背中ばかり見えていては,さびしいはずです。

「先生は見てくれている」

これがあると,またがんばれるものです。

そのためにも,先生は工夫して,できるだけ子どもたちの視線の中にあるときは子どもたちに背中を見せず,向かい合っていたいものです。

・・・・真剣に机に向かう子どもたちの中で,そんなことを考え,思いついていました。

私も集中せねば(笑)


ご近所さんにも,やっぱり私はそう呼ばれる

2012-10-08 23:09:42 | 教師力UPの攻略法

先日,地域運動会に参加しました。

私も地域住民の一人として,自分の住む校区チームの一員になり,同じチームの方たちと汗を流すことができました。

学校の先生をしていると「運動会」っていうのは珍しいものではないですが,職場での運動会とはまた全然違う運動会を楽しむことができました。

さて

この場でもそうでしたが,普段でもそうなんです。

ご近所の方々が私に声をかけてくれるときには

「あぁ,先生」

と。

先生・・・・・。

妻が笑いながら

「ここでは先生じゃないのにね」

うん,そのとおり。

職場では,学校では先生ですが,そこから離れると私は先生という立場ではない… はずなのですが。

率直な感想として,こんな風にプライベートの場でも,「先生」と呼ばれることに,少し嫌気がしました。

そこまで強烈な嫌気ではないのですが,できればそう呼んでほしくない・・・

ぐらいの感じです。

「公私を区別する」

ということは,校務員として教職員として職場からも求められる態度の一つです。

同時に,私もそれは大事にしようと努めています。

職場にプライベートを持ち込みたくないし,プライベートに仕事を持ち込みたくない人です。

家で一切仕事はしません。

そのときそのときで,自分がいる立場で,自分のベストを尽くす。

それが私の大切にするところです。

・・・が,例えば日曜日のゆっくりとした時間に,娘と近所の公園に散歩に行ったとき,そこで出会う地元の人たちにも

「先生,娘さんも大きくなりましたね~」

声をかけてもらうことは大変うれしいですし,私が学校の先生であることを知ってくれていることも光栄なことなんですけど。

(ここでは先生じゃないんですよ~)

って心の中では思っていたりします。。。。

ま~,最近ではもう当たり前になってきて慣れてきたし,どうこう語るほどのことではないとも思っているのですが。

しかし,こういうことですね。

学校の先生は,職場を離れても,周りの人から見れば,「先生」

なんでしょう。

客観的に考えてみると分かる気もします。

それは自然とそうなることだから,私たちの立場から否定できるものでもないんですね。

周りの人はそんな風にとらえていること,少なからず感じておかなくてはいけないでしょうね。

いつも「先生らしく振る舞わなきゃ!」とまでは思いませんが,学校の先生っていい職業で,一般の人からすれば立派な仕事という印象でしょうから,それに負けないい人柄ではいなきゃいけないでしょうね。

先生という仕事,改めてその特殊性を感じます。


運動会は大盛況で終了 そして…「ん?」

2012-10-03 23:23:26 | 学級生活の攻略法

もう,少し前のことになりますが,本校の運動会が無事に終了しました。

前回の記事で書いたとおり,台風17号が心配されたのですが,奇跡的に予定通りの日曜日に実施できました。

近隣でも延期を決定した学校があると聞く中で,よくできたなぁって驚きもこめて思いました。

実施の決定は正解で,どんよりした空ではありましたが,雨も風もなく,終始すずしいぐらいの天気で実施できました。

本当に奇跡的でした・・・

私自身,「運動会延期を経験したことない記録」は,また一年更新されました。

よかったよかった。

受け持つ六年生の子たちにとっても,すばらしい運動会でした。

さて

運動会後の一周目を送っています。

6年生学年全体として,なにかと「ケガ」が多く重なっています。

大きなケガではないのですが,保健室で手当てをしたり,念のために病院で診てもらったりするケガです。

う~ん・・・

学年主任という立場から,私も悩まされるところです。

子どもたちの様子を見ていると,ケガをするほど無茶なことをしたり,ふざけたりしていることはないのですが,

保健室の先生に言われました。

「6年生,ちょっと疲れてますかねぇ」

そっか・・・

運動会がんばったもんねぇ。

「最上級生」「最上級生」と繰り返し釘を刺されながら,本当によく動いていました。

この重なっているけがは,それから解放されて少しほっとしているところに,注意力が欠けてしまってのケガなのかも。

と思わされました。

であれば,気を抜かないことを指導するのも必要ですが,

休めるときには休ませる学級経営も!

担任として意識しなくてはいけません。

「休む」と言っても,学校で子どもたちに何もさせないわけにはいきません。

いろんな活動量を調整することはできるでしょう。

宿題なんかも配慮できそうです。

そしてなにより「リラックスできるクラスの雰囲気づくり」が大事でしょう。

体と同時に,子どもたちの気持ちを休ませてあげたいですね。

「がんばろうがんばろう!」だった学級の雰囲気に,一段落をつける。

次にまたがんばらなくてはいけない行事もしばらくするとやってくるでしょうが,それまでのほんの短い間ぐらいは,休ませてあげることも必要です。

総じて,1年間を見通した,重点を置くポイントをうまく配分した学級経営をしていきたいものだと思いました。