小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

「できない子」は,私をどう見ているのだろうか

2014-01-31 06:36:12 | 教師力UPの攻略法

前々回,前回からの続きです。

(何で泳げないのかな~)

って思いながら,泳ぎ方の指導をしたとしても,決してその子を蔑んで見たり,軽蔑したりしているわけではありません。

ただ,何度も言っているように,少なくとも私には

「泳げない子の気持ちが分からない」

ということです。

なぜなら,泳げなかった経験がないから。

泳げないだけでなく,体育,運動に関しては,学校でするぐらいのことはできてしまったから。

「できない子」たちは,私の指導をどう受け止めているのだろうか。

私をどんな存在に見ているのだろうか。

今度はそれを思うようになりました。

体育の授業で

「先生すごい」

という言葉は何度ももらっているし,それはそれで正直うれしいものなんですが,それだけではないのかもしれないと,思うようになりました。

本当にできず,苦しんでいる子たちは,先生(私)との間に相当な距離を感じているに違いありません。

その距離間には,さびしさや,悔しさ,冷たささえ感じるのかもしれません。

そして

(先生には私の気持ちなんて分からないんでしょ)

って,思っているのかも。

もしそうだとしたら,先生は,私は,この子たちにとって,劣等感を植え付けてしまっている,残酷な存在になってしまっているといえるのでは。

そこから,

「私だって,がんばるぞっ」

って努力する子どももいれば,そんな強くはなれず,やはりどんどん体育を遠ざける子もきっといるはず。


考えもしなかった「できない子の気持ちが分からない先生」

2014-01-30 06:37:14 | 教師力UPの攻略法

(前回の続き)

「できない子の気持ちが分からない先生」

体育の研究会だったので,体育の授業を思い返していました。

自分で言うのは何ですが,しかし実際の話,私は運動ができます。

小さいころから,今も。

体操も,ボールも,水泳も,一通りできました。

こないだも6年生の体育の授業「跳び箱」で,サッとハンドスプリングをやってみせたら,

「おぉ~!」

と,子どもたちから歓声が上がりましたが,私には難しいことではありません。

こんな言い方したら嫌味っぽく聞こえるでしょうが,実際そうなんです。

これについて何も自慢するつもりはありません。

こんな私が体育の授業をすると,当然,どんな授業も一通り「見本」らしいものを見せることができるし,いろんな技能について解説やアドバイスをすることもできます。

子どもたちには

「先生,教えてください!」

「先生すごーい」

と,体育の授業でよく言ってもらえるし,それは私にとってはいつしか当たり前の光景になりました。

私にとっての体育の授業とは,そんなものになりました。

自分が運動ができることは,体育の授業をする上で,役に立つことで,幸いなことだと考えていました。

しかし,今回の話を聞いて,自分の体育の授業を,ある種の違う視点から振り返ることになりました。

運動ができることのよさでなく,運動ができてしまうための欠点があるのではないか。

例えば水泳で全く泳げない子がいたとします。

必ずと言っていいほど,クラスには存在しますね。

そんな子たちの泳げない姿に最初出会ったとき,私は

(何で泳げないのかな~)

って思っているような気がします。

自分が泳げない経験がないから,泳ぐことは自分にとって簡単なことだから,冷たいようですが,やっぱり自然と,そう思ってしまうんです。

もちろんそんなこと口にも顔にも出しはしません。

ですが,私のその子たちへの指導はそこからスタートしてしまうんです。

このことについて,今まで疑問を感じることはありませんでしたが,今回,初めて感じました。

すっかり「まずい指導」をしてしまっているんじゃないだろうか。

(おっと,いつもより早起きした娘がまた私のひざの上に来てしまいました。)

すみません,また続きは次回


気付かされた「できない子の気持ちが分からない先生」

2014-01-28 20:57:57 | 教師力UPの攻略法

以前,とある研究発表大会に参加した時の話です。

体育の大会でした。

各学校の発表者がそれぞれの実践を発表する中で,ある先生の発表が印象に残りました。

まず,体育の発表だというのに,その先生自体が,(失礼な話ですが)体育の雰囲気がない先生でした。

ぽっちゃりとしていて,おそらく40代くらい。

とても優しく,温かい雰囲気のある先生で,その先生自身も,発表の中で

「私が体育の発表をするなんて,場違いなのですが」

「専門は音楽で,まさか体育の研究をすることになるなんて」

「めっきりの運動オンチです」

と繰り返していました。

他の参加者は,やっぱりそれなり「体育やってます!」って感じの先生が多い中で,その先生の発表は,一味違う感じがして,注目を集めていたように思いました。

「体育は苦手」

と言いながらも,その先生の発表は内容がしっかりとしていて,きちんとした成果も表れていました。

その先生の発表が終わり,質疑応答へ。

参加者の一人が,手を挙げました。

「とてもいい実践がされていて,子どもたちものびのびと育っている様子が伝わってきましたが,それは何より,先生のその温かい人柄が為すものでは」

私もこの発言に

(うんうん)

と聞いていました。

「特に,運動が苦手な下位の子たちへのサポートが手厚く丁寧になされていた点が印象に残りました。」

(うんうん)

「先生は,ご自身が運動が苦手とおっしゃっていましたが,だからこそ,そんな子たちへのサポートがしっかりとできるんでしょうね。」

(うんうん・・・ ん?)

「きっと,できない子の気持ちがよく分かる先生なんだと思います。私にはそれがなかなかできなくて。とても参考になりました。ありがとうございました。」

(・・・あ)

最後まで聞いて,ずしんと胸の奥に来るものがありました。

「できない子の気持ち」

という言葉です。

(今の先生は,「私にはそれができない」と言ったけど,それって… 思い切り自分にもあてはまるのでは)

(私は,できない子の気持ちが分からない先生なのでは)

それ以降の話はあまり耳に入らないほど,考え込んでしまいました。

(続きは次回)


何度言っても聞かない子に

2014-01-27 06:44:27 | 「教師-子ども」関係の攻略法

いわゆる

「何度言っても聞かない子」

っていますよね。

同じ問題行動を何度も繰り返す,手強い子です。

こんな子が表れたら,対応は大変なのですが,この子に変化が表れる日を楽しみに,気長に付き合っていくようにしています。

その付き合い自体を楽しむぐらいの,心の余裕をもっていたほうがいいですね。

さて

どうすればこの子に効果があるのか。

先生もあの手この手考えるところです。

何と言えば効くのか。

どんな風に言えば効くのか。

なにかしら飛び道具はないだろうか…

しかし,この子にとっては,先生の大抵の言葉は,もう聞きなれたものになってしまい,響かなくなっている可能性があります。

先生がやることは,もう心の内が見えてしまっていて,この子にとっては意外性がなく,「はっ」と思わせるにはインパクトが弱いものになっているんです。

では,その「意外性」からの「インパクト」を求めるべく,工夫してみることは価値がありそうです。

例えば

同じ言葉を,違う先生に言ってもらう!

という方法があります。

このときは「違う先生」にお願いする必要があります。

「先生,うちのクラスにどうしても聞かない子がいるんですけど…」

こんな相談やお願いをできるように,普段から同僚とはいい関係を築いておきたいですね。

「…と,あの子に言ってみてくれませんか。」

頼まれた先生としては,変な感じがするかもしれませんが,事情と依頼人の意図を飲みこんでくれる先生なら,上手にしてくれるはずです。

このとき,頼む側としては,その子の指導に「お手上げ」状態になっていることを,他の先生に示すような感じがして,情けない気持ちがするかもしれませんが,それは違うと思います。

なかなか改善が見られない子の指導を,「自分一人でなんとかするんだ」と意地を張るのは,必ずしも得策とは言えません。

自分がだめなら,複数でやる。

組織の力を借りる。

それが王道です。

自分が困っていることを他の先生に示したくない,隠そうとする先生ほど,度量が小さいと思います。

こんなときは,堂々と力を借りた方がいいです。

さて

この子は,いつもの人でなく「意外な人」から言われたものだから,「インパクト」を受けたはずです。

そして,「これは本当に直さなきゃ」と考えるきっかけになれば,効果ありです。

そして,もしこの子に少しでも変容が(悩んだ顔ですら)見られてたときは,そこですかさず担任がほめてあげましょう。

「お!やればできるじゃん!」

いつも同じことを言い続けた人が,いつもと違うことを言えるうれしい瞬間です。


作文を早く書き終える子と,まだ書き終わらない子と,必ずいるから

2014-01-24 06:43:47 | 授業中の攻略法

6年生の国語でレポート文を書かせています。

一時間の授業で書き終えるぐらいの量の,小レポートです。

毎回テーマを変えて,3時間やりました。

こんな活動をさせると,子どもたちはそれぞれで書くスピードが違うものだから,書き終わりの時間がバラバラです。

要領よく早く終わる子。

悩んで時間のかかる子。

授業をしてて難しいのは,この,早く終わった子とまだ書いている子たちが混在する時間です。

終わった子たちをどうするか。

まずいのは,

・何の指示も出さず,放っておくこと

・「待っていなさい」という無意味で冷たい指示

・「何度も読み返しなさい」という限界のある指示

でしょうね。

早く終わった子たちは,早く終わったがために学習の機会を奪われているようで,損しています。

やはり,早く終わった子たちには,さらにそれ以降も確実で意味のある学習の機会を与えることですね。

私はこうしています。

書き終わったら…

1 レポートを黒板に張る

→「私はできた!」ということを示すことになるし,小さな達成感につながる。

2 先に黒板に貼ってある友だちの作品をとる

3 自分の机に持ち帰り,読む

4 裏に感想やアドバイスを書いてあげる

→学びの交流が広がる

5 その作品を黒板に返し,また次の作品をとる

こうすると,早く終わった子も空白の時間を過ごすことはなくなるし,早く終わった分,友だちの作品に触れる機会もでき,学習を深められます。

そして,教室が騒々しくなることもなく,知的な雰囲気がほどよく継続されます。

新たな課題を準備しなくても済むし,先生としても,まだ書き終わってない子に回れるので,いいやり方だと感じています。