小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

「教員の業務委託」が、どうかうまくいきますように!

2018-02-28 21:57:19 | 教育ニュース
「茨城県で、教員の業務委託を検討」というニュースを見ました。
もちろんねらいは大きくなりすぎている教員の負担軽減です。
教員側の立場からいうと大歓迎な改善ですね。
ぜひ、この茨城県の取組がモデルとなり、各地方へ波及していってほしいと思います。

でも、こんな新しいチャレンジには「光」だけでなく「影」の部分も潜むものだろうと思います。
そこを事前に想定しておき、対処していくことが必要です。

ではどんな「影」がありえるか。

私が予想するのは次のようなことです。
①何が業務委託できるかを教員側が検討しなくてはならないので、そこの一手間は必ずある
②いざ取組がスタートしたら、業務委託のための計画書、依頼書的なものを教員側が作成しなくてはならない
③委託する教員と委託される業者との間で事前の打ち合わせが必要な場合があり、時間をとる
④双方の認識にズレがあり、業務に支障が生じる
⑤業務が完了したら、今度は報告書的なものを作成しなくてはならない

こんな感じでしょうか。
特にこのケースで足を引っ張ることになりそうなのが②の計画書と⑤の報告書だと思います。
この事業を展開する自治体としては必ずこれを要求するはずです。
なぜなら自治体のお金を使ってやることだから。
そこには議会なりの厳しい目があり、お金をかけた分の成果が出ているかを見張る役割があります。
実のならないところにお金を回すわけにはいかないので。
その厳しい目に対応するものとして、計画書、報告書は最低限必要になるはずです。

恐れるのは、これらの作業が煩雑すぎて
「これなら、業務委託なんてしないで、やっぱり全部自分でするわ~」
ってなってしまうことです。
そうならないように、ぜひこの事業の遂行に関してはできるだけ簡素に、効率的に取り組めるようにしてほしいと思います。

事業が軌道に乗るにはいくらかのハードルがありそうですが、とりあえず教員を助けようという一歩を踏み出した茨城県はすごいと思います。

Windows XPサポート終了の影響が職員室にも

2014-04-09 22:30:42 | 教育ニュース

本日をもって、Windows XPのサポートが終了ですね。

前々から言われていたことではありますが、昨日今日とニュースでも大々的に取り上げています。

どの企業でも買い替えやバージョンアップに苦労しているとのこと。

費用がかかるし、その手間も大変なものです。

このことはひとごとではなく、本校のパソコンも3月下旬あたりから総入れ替えしています。

「パソコンが新しくなる~♪」

と、うれしい声が一旦はあがりましたが、それだけでは済まないことがすぐに分かりました。

機材の搬入をしてから、実際に新しい機械をフルに活用できるようになるでに、かなりの時間を要すことになりました。

まず、機材が運び込まれてから、その設置までに一月ほどかかりましたね。

学校のパソコンはもちろん、市が管理しており、この入れ替えも市の運営で行われていることなのですが、この時期、各PC業者はこういった依頼を山ほど受けています。

「新しいパソコン来てるけど、いつ使えるの?」

設置の順番待ちの状態が長く続きました。

そしてついに業者の人が本校に来てくれました。

「待ってました!」

職員用と児童用、全て入れ替えるわけですから、100台に迫る数です。

がんばって設置してくれたときには、

「お~」

「気分いいね~」

と、プチ感動でした。

そして、設置を終えた業者は退散。

待ちに待った、電源オン。

「いいね~」

「新しいね~」

感動はまだ続きます。

・・・が、ここまででした。

触り続けていると、あちこちから

「ん?」

「何これ?」

「どうなってるの?」

の声が。

すぐに気付いた不具合の数々。

・プリンターがインストールされておらず印刷ができない。

・校内LANに入れない。

・校内サーバと接続されてない。

・Officeのバージョンまで新しくなっており、以前のものとの互換性に問題がある。

・以前のPCにインストールされていた、授業や校務で使う様々な便利ソフトが一切なくなってしまっている。

「・・・これじゃあ使えんじゃないか~!」

期待が大きかっただけに、がっかりの声も大きくなってしまいました。

さらにやっかいなことに、こういった不具合に対処しようとしても、市の管理するパソコンは、まあセキュリティが固い固い。

私たちではそういった部分には一切手を入れることができないようになっています。

プリンターのドライバーをインストールしようとしても、

「許しません」

と表示されるわけです。

だから、こういった不具合を改善してもらうためには、市に依頼し、そして市が業者に依頼して、そして業者の人たちが、なんか秘密の作業をしてから、やっと改善されることになります。

その作業にまた1~2週間…。

さすがにプロである業者の人たちも、かなりの数のパソコンを相手にするわけですから、作業をしながら、うんざりしているのが、私たちにも伝わってきました。

(こりゃあ、大変なことだな)

そして、やっとのことで作業が済み、「これで本格的に使えるぞ!」となり、使ってみると、確かに使えるようになってはいるのですが、やはりまた、細々とした不具合が出てくる始末。

このパソコンではできるけど、あっちのパソコンではできない、とか。

こんな感じなので、春休みの年度をまたぐ大事な時期に、今年は先生たちみんな、すごく苦労していました。

なかなか仕事が進まない。

ひどいときなんて、プリンターと接続できているパソコンが一台しかないなんて状態のときがあり、みんな列を作っていました。

そして、私は今年から教務。

こういったトラブルの矢面に立たされる立場です。

「先生、どうしたらいいですかね?」

そんな質問がまず私に飛んできます。

そして業者との窓口になるわけです。

いやな役目でしたね。

仕方ないけど。

あれから、何度も業者の人に入ってもらい、だいぶ状況はよくなり、前のように当たり前の環境で、とまではいかないまでも、なんとか仕事が進められるようになりました。

いや~

XPのサポート終了。

PC業界のみなさん、学校という所にも大きな影響が出ていますよ~


「ネットパトロールを強化する」のニュースに一言

2013-08-12 12:19:13 | 教育ニュース

8月頭に,県大会での発表が済み,それ以降,夏休みを満喫させてもらってます。

(それまでは,(思いがけず)そのための準備が超忙しかったから,いいでしょ!)

実家にもゆっくり帰省しました。

じいちゃん,ばあちゃんが二人の孫にデレデレ。

家事も任せられるし,私も妻も,すっかり居心地がよくなって,予定よりも何日か多く滞在しました。

あとは,まだまだ小さい我が子と遊んで回る日々です。

貴重な時間,大切にしたいと思います。

その間,またまたブログの更新がずーっと滞ってしまいました…

すみません。

こんな調子じゃ,読者の方々も離れていってしまうよなぁ

って思いながら,それでもなかなかパソコンに向かわず。

久しぶりの今回は,最近の教育ニュースを取り上げてみたいと思います。

こんなニュースが流れました。

文部科学省は,インターネットでのいじめや中傷の書き込みをいち早く見つけるため,いわゆるネットパトロールを行う費用を各地の教育委員会に補助する方針を固めました。

ということです。

これ,大賛成ですね。

費用をあてられた教育委員会は,確実に,早急に有効活用してほしいと思います。

学校でも,情報モラルなどに関する指導は進めていますが,こういったネットパトロールということまでは到底できません。

そんな時間もないし,できる人もいません。

ということで,必要な専門知識をもっている外部機関へ委託するというのは,当然の方法だと思います。

つい先日,本校でも夏季校内研修の一つとして,情報モラルに関するものをしました。

そこでは担当の先生と,招聘した指導主事の先生から,最新のネットいじめの事例が多く出されました。

その複雑さや悲惨さに,「え…」とため息をついてばかりの時間になりました。

年配の先生たちが,最近の子どもたちのネット事情に精通していなくて,いろんな事例に驚くのは分かりますが,今回,私も多く驚かされました。

私自身,ICT等にはある程度精通しているという自負があったのですが,いつの間にか,私さえも追い越されているという現実を知りました。

正直,これじゃあ十分に子どもたちにネットモラルのことを指導することはできないとも思いました。

以前,ちょっと前までは,そんなことなかったのに。

恐いものです。

今の子どもたちはネットと深く関わり,依存していきていくわけで,その傾向は今後益々強くなるでしょう。

学校ではそのことを強く受け止め,これまで以上に情報モラル等に関する指導に重点を置くようにしなくてはいけません。

しかし,そのことを分かってはいても,実際に現場が変わるかというと,それがなかなかそうはいかないのが現実です。

文科省がなにか提言しても,教科書が変わっても,現場はまだ変わらない。

そういう体質があります。

先生たちは目の前の子どもと向き合いので精一杯で,教育の方法変えるというゆとりがありません。

言われても,できません。

今回のネットパトロールの強化は外部に委託するものであり,直接学校現場に関わる仕事はないのかもしれませんが,学校もこのことを受けてより意識を強くする必要があることは言うまでもありません。

ネットやICTに関しても,最新の事情を知っておくために,先生は自らその分野に首をつっこむ姿勢を常にもってなくてはいけないと,今回私は改めて強く感じました。

自分の生活や仕事に必要な範囲で関わるのではなく,子どもたちが関わる範囲には自分も足を踏み入れてみる,そういう意識です。

めまぐるしく変化する現代のネット事情において,それは簡単なことではないでしょうが。

本校のように,校内研修で定期的に取り上げるのは有効な策の一つです。


「小学校の英語教科化」に一言

2013-05-22 22:43:19 | 教育ニュース

このブログに新しいカテゴリーを加えました。

ズバリ「教育ニュース」

教育に関連する最新のニュースについて,一小学校教諭が現場レベルで一言物申させてもらうという… のをやってみようかな?

ぐらいで試しに今回やってみます。

このブログも記事数が650ほどになり,話題も多岐にわたるようになってきました。

正直,ネタも尽きることがあるわけで(笑)

このブログを続けるためにも,またブログの幅を広げるためにも,この新しいカテゴリーが活躍してくれればなと思います。

一番は読んでくださる方の反応です。

これまで「攻略法」として書いてきた記事は,なかなかうれしい反応が多かったので,(リンク先の「ブログ村小学校教育では,投稿記事はほぼ必ず『注目記事』にランクインさせてもらっています」)今回始める「教育ニュース」も,それらに負けない反応が見られたら,それなりのニーズがあるものとして,続けていきたいと思います。

もしそうでなければ,これはボツになるまでですね。(笑)

さて,第一回目に取り上げるニュースは

「小学校の英語 正式教科に」という提言案が出されたというニュースです。

政府の教育再生実行会議は,国際的に活躍できる人材を育成するために,今の小学校英語を5・6年生より前の学年から実施すること,正式な教科にすることなどを検討するようもとめる提言案をまとめました。

安倍総理は「徹底した国際化を断行していく必要がある」と述べました。

安倍総理,今絶好調なだけに,教育の分野における「改革」にも意欲的で,しかもそれが実現されていく可能性は大きいのかもしれませんね。

もしそうなれば,私たち現場の小学校教員は,また大きな影響を受けることになります。

外国語活動が導入されて一定の時間が経過している今でさえ,やはり英語を子どもたちに自分で教えることへの抵抗や苦手感がある先生はたくさんいるのが現状です。

どこかに

「なんで小学校の先生の私たちが英語を教えなきゃならんの!?」

みたいな感情が根強く残っている。

そんな先生が多いはずです。

(やはり年配の先生に多いかな?)

そりゃそうです。

自分が小学校の先生になったときは,英語を教えるなんてことは求められておらず,当然そのスキルは磨いてきていないわけですから。

極端に言えば,英語ができない人でも,小学校の先生にはなれたわけです。

そんな先生が,今は「英語を教えなさい」と言われるようになり「私,英語できませんが」と顔をこわばらせています。

この先生たちの厳しい状況について,上の人たちもなんとかサポートしようとはしてくれています。

教材,教具を支給してくれたり,ALTを配置してくれたり,様々な研修会を開いてくれたり。

そこに救われている面も大変大きいと思います。

「小学校の先生」に関する既存の固定概念を打ち破り,英語を教えることに前向きになり,自らの英語語学力や,その指導法を学ぼうとできる先生になることが求められています。

今回,教科化されることになれば,いわゆる「テスト」などによる「評価」をしなくてはいけなくなり,当然教える側の責任はより重くなるといこと。

「苦手だから,なんとか歌やゲームを工夫して楽しく盛り上がらせて…!」

なんてことだけでは許されません。

よりグローバル化されるであろう今後の社会において,子どもたちがより英語に堪能であるべきだという意図はよく分かるので,私としては,教科化されて,小学校においてよりみっちりと英語の学習を進めていくことには賛成です。

ここで強く思うのは,

じゃあ私たち小学校の先生が,確実に子どもに英語を教えられるように,私たちを管理している人たちが責任もって行動をとってください。

ということです。

政府が英語を教科化したから,すぐに子どもたちの英語が堪能になるわけではありません。

現場に丸投げされた状態では,下手すれば,先生たちの英語を教えるスキルは何も変わっていないまま,無責任なテストや評価が行われるということになりかねません。

自主的に研鑽を積む先生はいるかもしれません,残念なことに,それができる先生はそう多くないはずです。

だから,先生全員が確実に英語の研鑽を積む「システム」を国には作ってもらいたい。

子どもを変えるために教育を変えたいなら,まずは「教育者」を変えることからでしょう。

ぜひ,そのプロセスを確実に踏んだ上で,この提言を実現化していってほしいと,現場のものとしては強く願います。

以前に中学校の英語の先生と話をする機会があり,おもしろいことを聞きました。

「小学校で外国語の授業が始まりましたけど,中学校の英語の先生という立場から一番強く望むことはなんですか?」

と尋ねたところ

「間違った英語を覚えて進学させないでほしい。」

という答えでした。

そりゃそうでしょうね。