いくつか続けて授業中ネタを書いています。
梅雨の長雨の中,授業に力を入れられる時間が増えているからです。
教師はやっぱり授業で勝負。
いい授業をできたあの感触は最高です。
授業がつまらなかったあの感触は最低です。
気がつけば1学期も残り1ヶ月。
いい感触をできるだけ残したいものです。
さて
高学年を担当している今年。
授業の中でも高いものを望み,それにチャレンジさせるような指導をしたいと思っています。
国語のより深い読みに挑ませるのもそうだし,グループ活動をより活性化させるのもそうです。
そして,今回は「発表」について。
手を上げて積極的な子が発表するというオーソドックスなやり方をベースにしながらも,変化を求めます。
最近私が好きなのが
書けた子から立って発表してください。指名はしません。
という発表のさせかたです。
例えば発問
「1の場面を読み,おもしろと感じたことをノートに書きなさい」
としたとします。
すると,みんな黙々とノートに向かいます。
スラスラとえんぴつが進む子。
頭を抱えて悩みながら書く子。
2行で終わる子。
10行を超える子。
それぞれいて当たり前です。
こうなると,書き終えるゴールがそれぞれになります。
早く書き終わった子は,しばらく待つことになるし,ある程度の時間で「やめ」と先生が区切れば,遅い子は最後まで書けません。
そこで
「できた子から発表」
です。
1 書き終えた子は,ノートを持って起立する。
2 自分が書いたものを読み上げる。
3 もし,起立した子が同時に複数いた場合は,アイコンタクトで譲り合い,一人が読む。
4 一人が読み終えたら,また書き終えた別の子が立ち,同様に読み上げる。
という発表の仕方です。
こうすると
◎ 書き終えた子は待つことなく,発表の出番が来る。
◎ 発表し終えたあとも,別の子の発表を聞くことができる。
◎ まだ書き終えていない子は,早かった子の発表を耳に入れながら,参考にすることができる。
◎ 何より,先生が声を出して指名することなく,次から次に子どもたちの発表が続く様子は,知的な雰囲気を醸し出す。
というよさを感じています。
私は好きですね,これが。
ただし,言うまでもなく,
「先生が指名しないのに子どもが自ら発表し,しかもとぎれることなくそれが続く」
という状態は自然にはできず,子どもたちに一定の力が必要です。
普段から発表することに前向きになる指導をしておくこと。
友だちの発表を聴くことを徹底させておくこと。
友だちに譲れる優しさや関係が築かれていること。
そんなことが不可欠です。
そして,この発表に,子どもたちは勇気がいります。
自ら立ち,沈黙の中で声を出すわけですから。
コツとして,先生は発表してくれた子に
「○○さん,ありがとう」
と必ず声をかけること。
普段は子どもの発表に対し先生が「ありがとう」は,あまり言うものではありませんが,今回は勇気を出して発表し,それがクラスみんなのために勉強になったという意味で,「ありがとう」です。
この先生の言葉に,まだ発表していない子たちがやる気になり,次の発表が続くというわけです。
先生は,子どもの発表を板書したり,発表してくれた子のノートに丸をつけに行ってあげたりする役になります。
この発表がうまくできるようになると,クラスにまたいい雰囲気がつくられます。