小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

運動会練習で見える先生たちのセンス

2014-05-26 23:16:23 | 「教師-子ども」関係の攻略法
うちは運動会練習真っ最中です。
教務主任として初めて臨む運動会。
担任を外れて初めて臨む運動会。
正直、少し物足りない感じがします。
毎日担任の先生たちの熱い声が運動場や体育館に響いている中で、自分はその立場にいないのが、なんともさびしくて、そして不思議な感じがしています。
しかし、いじけるわけにもいかないので、そんな風にがんばっている担任の先生たちのサポートができるように、影の仕事をしていこうと思います。

全校練習があると、いろんな先生たちの指導の仕方を見ることができます。
全校表現の担当の先生。
ラジオ体操の担当の先生。
開閉会式の歌の担当の先生。
色別リレーの担当の先生。
応援団の担当の先生。
担任をしていないからでしょうか。
今年はやたらとこういう先生たちの「指導法」を見てしまいます。
受け持つクラスがないと、客観的になれるんでしょうか。
おもしろいものです。
先生によって、違うものです。
子どもたちの動かし方が。
全校の子たちが相手ですので、数百人を動かすことになります。
そこには当然工夫が必要です。

ある種目を担当する先生が、マイクでこう言いました。
「1年生、3年生、5年生は手を上げなさい。」
手を上げる子どもたち。
「今手を上げているみなさんは、一回目の笛で入場します。」
さらに
「手を上げているみなさん、先生のあとに言いましょう。『一回目の笛で入場』はい。」
「一回目の笛で入場」
「そうです。手を下ろしましょう」
なるほど~
うまいなぁ
って思いました。
手を上げさせることで自覚化させる。
口で言わせることで植え付ける。
しかも言葉少なく、ほんの短い時間でやってのける。
とてもスマートでスッキリした指導です。
センスを感じますね。
すぐに盗んで真似したくなります。
自然と、こういう先生が担当する種目はうまくいきますね。

実際、逆もいますね。
なんともうまくいかない先生も。
ちょっとセンスの感じられない先生です。
そんな先生ほど、必死で、言葉が多くて、時間をかけるんですけど、子どもたちを動かせない。
しかし、こんな先生たちを見るのも勉強になります。
特に今年は、私は子どもを受け持っていないので、別に下手な指導もそんなに気にならない(笑)

運動会練習で、また先生の基礎を学んでいます。



職員室で意外な人物を活躍させる

2014-05-23 21:37:19 | 教師力UPの攻略法
教務主任の立場で、とある校務支援ソフトを作りました。
エクセルを使ったもので、これがうまくいけば、先生たち、特に担任の先生たちの仕事がより効率的になるというものです。
作成に時間がかかりました。
エクセルの難しい機能も使い、途中作業が行き詰まってしまいました。
私もある程度エクセルはできるのですが、これはなかなか手強いものでした。
「うーん、まいった」
パソコンが得意な若手の後輩と一緒に作業をしていたのですが、二人とも完全にお手上げでた。
「どうするかな」
私が弱音を吐いていると、後輩が
「あっ、A先生に聞いてみましょうか。」
と。
A先生とは、事務室の先生です。
「なんでA先生?」
「前に、A先生が作ったソフトがありましたよね。あの~のソフト。あれすごかったですよ。得意なんじゃないですか。」
「あ~ あったね。そういえば。じゃあ聞いてみるか」
A先生は事務室の先生だから、普段我々がする仕事に直接関わることはありません。
A先生が職員室で私たちと一緒になにか仕事をするということはほとんどないのでえ、今回の作業についても、私は全くA先生の存在を思い浮かびませんでしたが、この後輩はよく思い浮かんだものです。

二人は事務室へ。
「A先生、実はちょっと相談が…」
「はい」
人柄がよくて、おとなしい感じのA先生です。
「実は今、~というのをエクセルで作っているのですけど、どうしてもわからないところがあって」
「はぁ」
「先生なら分かるんじゃないかと思って」
私はエクセルでしようとしていることを説明しました。
「あぁ、それなら… こうして… こうして… こうしたら… どうですか」
A先生はいくらかの数式を入れました。
「… できたぁ!」
「すげぇ!」
思わず声をあげる私たち。
「これです!これ!先生、できましたよ!ありがとうございます!」
「いえいえ、よかったです」
どんだけ他の人に聞いても、ネットで調べても分からなかったのに、A先生がすぐに解決してくれました。
私たちはもちろんですが、A先生も、少しうれしそうで、今まであんまり見なかったようなほころんだ顔をしていました。

次の職員会議。
私はさっそくそのソフトを紹介しました。
「お~」
うれしい声が聞こえました。
「ぜひこれを先生方に使っていただき、校務の効率化を図っていただければと思います。」
得意気に話す私。
そして、絶対に言おうと思っていた一言を付け加えました。
「このソフトを作るのには、A先生も知恵を貸してくださいました。A先生、ありがとうございます。」
予告もなく名前を挙げられて、少し照れ臭そうなA先生。

事務室の先生は、職員会議の場にはいるけれども、発言をすることもほとんどありません。
それだけでなく、普段から事務室にこもって仕事をしていて、先生たちのように派手に振る舞って、活躍を見せる場もありません。
しかし、もちろん学校にとってはとても重要なポジションで、重要な仕事をしてくれています。
そんな先生に、今回はスポットを当てたいと思いました。
他の先生たちにとっては意外な人物の活躍だったことでしょう。
でも、A先生が関わっているということで、なおさら今回のソフトに興味を持ってくれるだろうし、使ってみようと思ってくれるのではないかと、それもねらいとしてもっていました。

教室ではよく言われる「逆転現象」
普段活躍しない子が活躍したり、多くの子が予想しなかったことが起こったりすることです。
逆転現象で、授業やクラスはおもしろくなります。
担任はこの逆転現象をねらっていろんな仕掛けをするものです。

私は教務主任として、職員室で逆転現象を起こすことをねらおうと思います。
当たり前の先生ばかりでなく、意外な先生に活躍のスポットを当てられるように。














研究授業を頼みにいくなら、こんな先生の所へ

2014-05-17 12:06:24 | 教師の仕事術の攻略法
今年度の研修主任が相談に来ました。
「これからの研究授業についてなんだけど…」
研修主任が必ず悩むところです。
「授業者を誰にしようか」
私は今年教務をしていますが、昨年度まで研修をしていましたので、相談しに来てくれました。

研修主任の思いとしては、
「いい授業をしてほしい」
そして
「授業を頼んだら、快く引き受けてほしい」
というものです。
その研修主任も、ある程度自分の中でプランを持っていたようで
「A先生とB先生とC先生… にお願いしようかと思ってるんだけど」
と。
挙がった名前を見ると、なるほど、頼めば引き受けてくれそうな先生ばかりでした。
授業もある程度のものはできそうです。

しかし、一応研修の先輩として、ここは一言アドバイスさせてもらいました。
「先生、断らなさそうな人から選んでるでしょ」
「うん、当然でしょ」
「違うよ。この人は絶対断るでしょって人から当たっていかないと。」
「は?なんで?」
「そんな人のところからまずお願いに行って、断らせないと。」
「断らせて、どうなるの?」
「断ったことで、仕事上のパワーバランスが動くんだよ。」
「パワーバランス?」
「断った先生は、断って申し訳ないと思う。」
「うん」
「断った先生を許した先生は、立場がひとつ上になる。大事なお願いを一回断ったんだから、次何かするときは協力してもらえるようになる」
「そんなもんかな…」
「いやらしい話だけどね。そうなんだよ。そうやって研修体制を固めていかないと。」
「ほう」
「それともうひとつ。断った先生も、自分のところに研究授業のお願いに来てくれたってことは、うれしいもんでしょ」
「それはそうだね」
「研修主任が頼りにしてくれたってことが、その先生にとっては研修に対して好印象をもつことになる」
「うんうん」
「逆に、自分には何の声もかけられないまま、研究授業のメンバーが決まってしまっていたら、これは気分悪いはず」
「うんうん」
「そう。だから、研究授業をお願いにいく順番としては、まず絶対に断りそうな先生から」
「いっぱい足を運ぶことになるからめんどくさいね」
「うん。めっちゃめんどくさいよ。でもぼくもやってたよ。体育の授業をおばちゃん先生たちにお願いに行ってたよ。断られたよ」
「まじで あははは でもさ」
「ん?」
「もし、意外にも断らずに引き受けてくれたら?」
「…ラッキーじゃん」
「ラッキーっていうか、それが下手な授業しそうな先生だったらどうするの」
「下手な授業をしてもらったらいいじゃん。何より研修が深まるよ。その先生も、それを見たみんなも。」
「そっか。そんなもんか」


話は転がりに転がって、面白い結末に

2014-05-15 19:49:29 | 雑談
A先生が私に言いました。
「教示用の時計がほしいんですけど…」
私が教務主任ということで、相談してくれたんでしょう。
「資料室にはいくつかありましたよね。」
「えぇ でもどれも動きが悪くて。」
「そうですか。ちょうど備品購入希望を出す時期ですもんね。私のほうから算数主任に相談してみます。」
「ありがとうございます」
ということで、話は私から算数主任へ。

「先生、教示用の時計がほしいという声が上がってるんですけど。動きが悪いそうで」
「そうですか。じゃあ、今あるやつを私も見てみます。必要そうなら購入希望を出します。」
「お願いします」
そして時計を見た算数主任は、必要と判断して事務の先生へ。

(ここから先の話は、私は聞いていないので想像です)
「算数部として、教示用の時計の購入を希望したいのですが」
「分かりました。この様式に記入して提出してください。」
希望を受けた事務の先生は、本当に購入する必要があるか、自分の目でも時計をチェックしに。

(これか… なんとか修理できないものかな… 工作が得意な主事さんに相談してみるか)
ということで、話は主事さんに

「先生、この時計なんだけど、修理できませんかね。」
「ほぉ 動きが悪いですね。うん…できるかもしれませんね。やってみます。」
主事さんは、修理の作業に入りました。
すると、間もなくして校長先生が通りかかりました。
「何をしているんですか?」
「この時計の動きが悪いから、修理しようかと思って」
「あぁ それなら私がしたことがあります。私に任せてください。」
ということで、時計は校長先生の手に。

校長室に工具を持ち込んで、部屋にこもって修理をする校長先生。
私もその姿を見ました。
(あら?なんで時計が…校長室に?)
とりあえずスルーしました。

どうやら修理ができたようです。
うれしそうに時計を持ち歩く校長先生。
そこへ、A先生と同学年のB先生が通りかかりました。
「あれ?校長先生、その時計どうしたんですか?」
「あぁ、壊れてたから修理したんだよ。ほら、もう使えるよ。」
「おぉ~ありがとうございます。授業で使えますね。」

そして職員室。
B先生は、何気にA先生へ。
「校長先生が、教示用の時計を修理してくださっていましたよ。」
キョトンとするA先生。
「え?なんで?校長先生?」
A先生が私のところにまたやってきました。
「先生、時計の件、校長先生にお願いしたんですか?」
「いいえ、私もよくわかりませんけど、直ったみたいで、とりあえずよかったですね。買わずに済んだ。あははは」
「そりゃそうですけど… んん?」

A先生 → 教務(私) → 算数主任 → 事務の先生 → 主事さん → 校長先生 → B先生 → A先生

と、話が転がったわけです。
私も後からこの話をさかのぼって追いかけてみて、この全容が分かりました。
わかったときは、面白いと思いました。
この話に関わったひとはたくさんいるけど、みんな話の出所や、その他に関わっている人のことは知らずに話を次から次へとつないだような感じです。

あまりに面白く感じたので、書いちゃいました。
すみません、なんのためにもならない記事になりました。(笑)


管理職… 全く無縁な話だと思っていたのに

2014-05-13 22:30:06 | 教師力UPの攻略法
よく卒業生が会いに来てくれます。
まだブカブカした中学校の制服を着た初々しい姿がいい感じです。
「先生~!」
と職員室の私に向かって廊下から手を振ってくれます。
「ひまだね~小学校に来るなんて」
「忙しいけど、会いに来てあげてるんですよ~」
そして
「中学校の先生は厳しい」
とか
「英語の勉強が意味わかんない」
とか
「小学校がいい~」
とか、ぺちゃくちゃしゃべります。
仕事が忙しくて
「はいはい…」
なんて冷たい対応をしてしまうことも多いです。(笑)

こないだ来た女の子が話してくれたこと。
「先生、今年担任外れたでしょ」
「うん。(外れたって…)」
「うちのお母さん言ってたよ。今年、先生すごく元気がないって!」
「え?そうかな…」
そんなつもりはないのですが、周りの人にはそう見えるのでしょうか。
いかんなぁ
たくさんの子どもに囲まれることがなくなって、職員室にいることが多くなったから、たまたまそんな姿を見たひとは、確かにそう思うかも。
うーん、どうにかしてイメージ挽回しないと。

さらに、女の子の話は続きます。
「知り合いの人が言ってたんだけどね」
「うん。(もう落ち込む話はしないでよ)」
「算数の先生とかになる先生ってね」
「うん、(やっぱり私は対外的には算数の先生なわけね)」
「近いうち、教頭先生とかになるんだって」
「ほ?」
「だから、先生も、ほら、ありえるんじゃない?」
「教頭先生? …あはははは」
「笑ってるね。」
「だって、ありえないでしょ」
「え~ …それもそうだね。先生はないかもね」
「ないない。あはははは」

この子の意外な話に、思わず笑ってしまいました。
言われてみれば、教務をした先生が、その先は管理職になるというのは往々にしてよくあるパターンなのでしょうが、それが自分とはまったく結び付かないような気がして。
しかし、私もそんな立場になったんだなぁ ってことに気付かされもしました。
でも、年齢的にはまだまだでしょ…

そんな矢先、ふと校長先生に言われました。
「管理職試験、先生は受ける気があるのか?」
おぉっっと!
「いや…」
なんとも情けない声と表情で首を傾けるだけです。
「ははは まぁもう少し先の話だけど、考えてみてもおもしろいぞ」
あぁ、とりあえず
「受けなさい」
的なごり押しが来なくてよかったです。

今までそんなもの考えたこともなかったし、管理職になる気なんて一切ありませんでした。
しかし、年齢的にも、教務主任という立場的にも、そんな話と無縁だった頃とは変わってきているですね。

いやぁ~
子どもとドッジボールしてるほうが楽しいんだけどなぁあ~