小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

給食に入らせてもらうと一目で分かる?そのクラスのクオリティ

2016-01-26 21:36:55 | 学級生活の攻略法
私は立場上、いろんなクラスの補教に入ります。
出張やお休みなどで担任の先生がクラスを空けたときに、代わりに入る役目です。

私は教務主任なので、補教の調整をする役目でもあります。
「3年2組の2時間目の国語にはA先生に入ってもらおう」
「6年1組の3時間目の算数にはB先生に入ってもらおう」
とかいう調整です。
ここだけの話ですが、このとき、私はこの役得として、まだ「給食」に入ったことがないクラスがあったときは、できるだけ自分が入るようにしています。
それはなぜかというと、給食には、もろにそのクラスの様子が表れると思っているからです。
子どもたちの実態も分かるし、担任の先生の日頃の指導も見えます。

そんなものを補教で見ようとしているとなると、クラスを空けた担任の先生たちはやりにくいでしょうが、そこは勘弁してもらって。
普段担任の楽しさを味わえないわけですから、クラスのエキスをそれくらい味わうのは許してもらいましょう。

私は給食に入ったクラスでは、あーだこーだ口出しをすることは極力せず、できるだけ黙って子どもたちの動きに任せて、その様子を少し遠めに見ています。
すると、いろいろ見えるものです。

・おかわりや増量のルールが明確なクラスと、一部の子が好き放題にやるクラス
・給食当番の仕事の仕方に丁寧さを感じるクラスと、どう見てもてきとうにやってるクラス
・先生の分の給食を黙っていても準備してくれるクラスと、言わなきゃ準備しないクラス
・「いただきます」までの待つ時間の過ごし方が統一されているクラスと、そこが自由なクラス
・偏食・遅食が少ないクラスと、多いクラス
・「ごちそうさま」の時間が周知されているクラスと、「別に決まってない」というクラス
・片づけ終わったあとの、おぼんや歯ブラシの棚がきれいなクラスと、めちゃくちゃになるクラス
・グループを作ったときの男子と女子の机の間に隙間のあるクラスと、そんなものないクラス
・食事をしながらの会話がそこにいるみんなを巻き込むクラスと、会話が限定的なクラス
そして
私自身が、そこで食事をしていて、居心地がいい感じられるクラスと、そうでないクラス。

自分が担任をしていたとき
「こんなことに気を付けて指導しよう」
と思っていたことはたくさんありましたが、それを今では他者のクラスで客観的に見るようになりました。
もちろん、私だって力不足で、自分のクラスでよくない給食をさせていたころもありました。
しかし怖いのは、「よくない給食」をしていたとしても、毎日それを繰り返していると、いつしかそれがクラスの自然な姿となり、子どもも先生もそこに違和感を感じなくなるということでした。
いわゆる「悪しき習慣」としてクラスに根付いてしまうのです。

食事は人間の根本であるように、給食はクラスの根幹をなします。
給食の悪しき習慣が根付いてしまったクラスは、それがクラスの根幹になる、そういっても言い過ぎではないと思っています。

だから給食です。
だから私はいろんなクラスの給食が見たいのです。

上に挙げたような例を見ながら、担任の先生の素晴らしい指導を肌に感じるときもあります。
教務主任として、学級の、学校の充実を感じられるようで、とてもうれしくなります。

逆もあります。
普段、自分のクラスの子どもたちへの愚痴をぶちまけている先生のクラスでは、やっぱり給食もダメです。
「ねぇ、どうしてグループを作っている子と、そうでない子がいるの?」
「自由だから」
なんてクラスもありました。
がっかりです。

そんなクラスに対して
「それはよくない」
と熱く言いたくなるのは山々ですが、それはしません。
たった一回給食を共にしただけの者がたった一回の指導をしたところで、さすがに効き目がないことは見えています。
それに、悪しき習慣でも、やっぱりそれは担任の先生が作っているものですから、無断でメスを入れるのは筋違いです。
どうしても我慢できず言いたいなら、次の日まずは担任の先生に言うべきでしょう。

私は常に、魅力的な先生を見つけることに強い関心があります。
私にはないものをもっている先生を見つけて、真似したいと思えるものを探します。

今後もいろんなクラスの給食を見ようと思っています。


私の教室は格段の寒さなのですが、これが意外に

2016-01-23 16:54:52 | 授業中の攻略法
寒いですね~
普通の公立学校である本校は教室にエアコンや暖房器具は一切なく、この厳しい寒さの中子どもたちはガタガタと震えながら過ごしています。笑
やせてる子なんて、唇が紫色になってしまっていて、かわいそうです。笑

しかし、各クラスの教室というところは、子どもがたくさんいるその熱気で、暖房器具はなくても、なんとなく暖かくなるものです。
寒い廊下から教室に入った時は、明らかに温度が違います。
子ども一人一人が小さな暖房器具のような感じです。

一転、私が授業で使う「算数の教室」
ここは授業ごとに子どもが入れ替わり、少人数編成なのでやってくる子どもの数も少なく、さらに算数の授業なので子どもが活発に体を動かすこともなく。

…まさに極寒。

自分の教室を出て、この算数の教室に来たこたちのリアクションはみんな一緒です。
「さっぶ~~~~」
同じ教室とは思えない温度の違いです。
私が悪いわけではなのですが
「ごめんねぇ」
って言ってしまいます。笑

しかし、選択肢はありません。
やっぱりこの教室で、いつものように授業をするしかありません。
…と、この極寒教室で授業をしていて、最近気づくことがあります。

なんとなくかもしれませんが、子どもたちの「集中力」が、いつもより増しているような気がします。
課題に取り組む子ども一人一人の集中力があり、授業全体の雰囲気が引き締まっているようです。

寒さのおかげじゃないかと思うのですが。
寒さでピンと張り詰めた空気の中、授業に臨む子どもたちの意識も研ぎ澄まされるようなものがあるのではないかと。
寒くて、それ自体は居心地が悪いのは確かにそうなのですが、それが意外にもメリットをもたらしているようです。
夏の暑さでダラダラとなってしまうあの教室の、逆でしょうか。
どうやら、寒さというのは学習には適しているようです。
もちろん「ほどよい寒さ」が一番なのでしょうが。笑

それを思うと、寒い地方の方が学習がはかどり、学力が高くなるということでしょうか。
それは言い過ぎでしょうか。

来年度の教育課程 なんでもかんでもアドオン&アドオン&アドオン…

2016-01-20 22:31:02 | 教師の仕事術の攻略法
来年度の教育課程編成が山場を迎えています。
教務主任として一番のがんばりどころです。

本校の実態に沿って
「来年、うちはこれをがんばろう」
といものが自然と浮かび上がってきて、それが教育課程編成に反映されていくのは当然のことです。
しかし、それに加えて
「社会的な要請」
と言われるものも反映させなくてはいけないのが教育課程です。

国が新たな方針を示せば、それに従わなくてはいけません。
県が新たなプロジェクトを立ち上げらば、それに乗らなくてはいけません。
市が独自の路線を打ち出せば、それに沿わなくてはいけません。
PTAからの要望があれば、それも検討しなくてはなりません。

教育課程編成は、まったく大変な作業です。
なにもかもが
「今年どおり」
で繰り返すだけでいいのなら、カレンダーの日にちをちょっと動かすだけで済むのですが。笑

大変な作業ですが、上に示したようなものはすべて重要なものではあるし、それを学校現場のカリキュラムに取り入れて整理することは意義あること。
だから、どれも無視することなく、きちんと教育課程に反映させるように努めます。

しかし、意義あることだからと、やみくもに新しいもを加えるだけの作業には限界があります。

○「道徳の特別な教科への格上げ」が近いので、学校では指導計画を見直し、新たに一単位時間ごとの綿密な授業プランを作ろう

○「外国語活動の低中学年での実施」が見込まれているので、その準備として低中学年が外国語とふれあう時間を増やそう

○「小中一貫教育」の重要性が言われているので、近隣校との合同研修や交換授業を実施し、連携を強化しよう

○市が「ふるさと教育」として年間30時間の授業実施を求めているので、全教科の指導計画を見直し、時数を確保できるようにしよう

こういったものを、現行の教育課程にアドオン、アドオンしていくだけでは、当然教育課程ははちきれてしまいます。
というか、現場の先生、子どもたちがはちきれてしまいます。
限界があるものです。

もし限界に達しているならば、「アドオン」と同時に「スクラップ」もしなくてはいけないのです。

上の人たちは
「何が必要か」
はよく考えくれるけど
「何が不必要になったか」
はあまり考えてくれないようです。

だから、「スクラップ」に関しては、現場で考えるしかないのです。
しかし「スクラップ」の作業は簡単ではありません。
だって、今まで教育として行ってきたものに
「無駄」
「もう必要ない」
なんて感じられるものはほとんどないものです。
どんなことだって、先生たちも子どもたちもまじめにコツコツと取り組んできました。
だから、全員承諾の「スクラップ」なんてものはなかなか生み出せず、結局現場としても
「じゃあ、なんとかがんばろうか」
と、アドオンに走ってしまいそうになるわけです。

先生たちの中には、こういった動きに必死で反対する方もいます。
何か新しいことを始めようというときに、水を差している感じになってしまうし、正直教務主任の私の立場からも、こういった方たちがいると作業が滞るので困ってしまうのですが、でも、私は客観的にはこういう声は大事だと思っています。
アドオンにブレーキをかけてくれる人は、教育現場には貴重です。
私は、教務主任という立場からも、個人的にも、こういった声にはしっかり耳を傾けて教育課程編成にあたりたいと思っています。

と同時に、やっぱり作業をストップさせるわけにもいかず、上からの通達を無視するわけにもいかず…

あらためて、教育課程編成は大変です。
ですが、がんばります。

クイズに答えたがってた子たちが、最近は…

2016-01-16 14:21:38 | 授業中の攻略法
私は5、6年生の算数を担当していて、子どもたちが自由に取り組める
「算数クイズ」
のようなものを常に出題しています。
例えば
「12345=6170 左の式のどこかに+ - × ÷ の記号を入れて式を完成させなさい」
「トランプが52枚あります。ある日太郎はトランプを並べてみると、どうも何枚か足りない気がしました。4枚ずつ並べても、8枚ずつ並べても、12枚ずつ並べても、16枚ずつ並べても、1枚あまってしまうのです。さて、トランプは何枚足りないでしょうか」
「5階まで上るのに10分かかるエレベーターは、25階まで上るのに何分かかるでしょうか」
のような問題です。
(3つ目の答えは分かりますか?50分ではありませんよ~)
こういった問題を算数の教室の後ろに掲示しておき、子どもたちがいつでも挑戦できるようにしています。
答えが分かった子は私にこそっと伝え、正解なら表に名前を書き、その表の名前が10人になったらまた新しい問題が出てくる。
そんな流れです。
好きな子たちはこの問題にハマって取り組んでます。
間違えても何度もチャレンジし、
「先生、新しい問題まだ!?」
とうれしそうな顔でやってきます。
私もやりがいがあります。
4月から始めていますが、もう100問近い問題数を出しています。
おかげで算数の教室の壁は横も後ろも問題でいっぱいです。

この算数クイズの取り組みに、最近変化が起きました。
一部の子たちが、問題を出したがるようになったのです。
「先生、問題作ったんですけど、これどうですか!?」
最初のときは驚きました。
見てみると、正直、問題としては物足りなかったので
「よく作ったね。でもまだまだかな」
と突き返しました。
すると、それ以降何度もそうやってもってくる子たちが出るようになりました。
そして、本当におもしろい問題を作ってくる子も表れて
「こりゃおもしろい!採用!」
と、次回の問題に採用される子も出てきました。
「よっしゃー!採用されたー!」
正解したとき以上の大喜びでした。

これは私にとっては意外なことだったけど、とてもうれしい変容でした。
出された問題を受けとる側だった子たちが、問題を出したいという意欲をもつようになる。
受動から能動へ。
これはすごく望ましい成長だと思えます。
その態度もうれしいですが、問題をつくる思考力にも感心させられます。
そこが育っていることに、またこの取組のやりがいや成果を感じます。

またこうして自作の問題を持ってくる子が増えるのを楽しみに待とうと思います。
すべてがいい問題というわけではありませんが、そのやる気だけでも十分です。

「水泳25m全員達成させる5つの攻略法」って過去に書いたけど… 何だったっけ?

2016-01-13 21:21:43 | 教師力UPの攻略法
このブログももう長くなりますが、私は個人的にこのブログを本にしています。
あ、もちろん出版されるようなものではありません。笑
ブログを本にしてくれるサービスがありますよね。
あれです。
せっかく続けているから記念にと思って。
1冊が400ページぐらいの本で、もう7冊になっています。

それで、こないだ過去のものを軽く見返していたら
「クラス水泳全員達成おめでとう!~その攻略法」
という記事がありました。
このブログ、最初のころはタイトル通り「攻略法」として、先生のハウツー的なものを書いていました。
(今ではずいぶんスタイルが変わりましたが)
この記事では、当時のクラスが水泳25mを全員達成できたそのハウツーとして、5つの記事をえらそうに書いてました。

私は本でその記事を読み返す前に、いったん本をふせて、思い返してみました。
「5つの攻略法って何だったっけ?」」
もちろん自分が書いた記事だし、なんといっても自分の実践として大事にしているもので、自分には間違いなく身についているものだろうから、思い出すのは難しくないはず…

しかし
「…出てこない。5つも出てこない!」

きっとこういうことだろうというのが3個ほどは出てきましたが、5つは出てきませんでした…
残念。
うーん、担任を2年間もしていないとこうなるのか…
水泳の指導を2年間もしないと、忘れてしまうのか…
それにしても、自分があみだした「攻略法」なはずなのに…

年月とともにキャリアを積み、立場が変わり、新たに身につけているスキルもあるだろうし、内面的に成長できている点もあるだろうとは思います。
それは時として仕事をしている中で実感できることもあります。
しかし、今回分かりました。
一方で、さびついていっている部分もあるんだということ。
例えば今、私がクラスをもって水泳を指導したとしても、何にも頼らず自力で指導するだけでは、きっとクラス全員を25m泳がせることはできないということです。
これはもちろん水泳に限った話ではないはずです。
学級経営、学習指導に関するいろいろなものが剥がれ落ちている可能性があるということでしょう。

残念なことですが、これは事実ですし、これは必然です。
仕事とは、たった一時期の成功をもって、それが永遠に続けられるというものではないということ。
その後も腕を磨き続けてこそなんだということ。
そんな甘いものではないということです。

自分が書いたブログに、教えてもらいました。
水泳をクラス全員25m泳がせる5つの攻略法とは

1 妥当な目標を掲げる
→子どもの実態、先生の指導力等を十分に踏まえた目標を掲げることから

2 クラス全体のテンションを上げる
→目標の先にある目的を明確にし、子ども主体の取り組みへとシフトさせる

3 教え合うシステムをつくる
→泳げない課題は個別にバラバラ。だからマンツーマン指導が絶対に必要。

4 絶対的な運動量を確保する
→とにかく「量」を泳がせること。体育の基本を忘れないこと。

5 結果だけでなく、その過程を評価するスタンスを忘れない
→「バタ足が前より強くなっていたよ!」「どうやったら泳げたの?」そんな声掛けができる先生に。

でした。
なるほど。