小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

昨日聴いた講和が,意外にもすごくよかった理由

2012-08-28 17:52:00 | 教師力UPの攻略法

教頭先生に

「先生,悪いけど,この会に行ったくれない?どうも出席者が少ないみたいで…」

と声をかけられ,

(やらなきゃいけない仕事は山ほどあるんだけどなぁ)

とは思いながら,了解して行ってきました。

「シンポジウム」というもので,なかなか大々的にしているようなのですが,出席者が少ないとはさびしいものです。

最近増えましたよね。

シンポジウムとかフォーラムとか。

そんな感じで,特になんの期待もしないまま,少し遠し会場へ電車で向かいました。

立派なホールが会場でしたが,さすが,直前に出会をお願いされるぐらいのシンポジウム,会場の半分は空席でした。

さらに私の期待感も半減。

最初の「基調講和」が始まりました。

「眠らないでくださいね」

と始めた講師。

(眠らせないでくださいね)

と思っている参加者。

どんな人が講和するのかも特に気にしていないほど,私のテンションは↓だったのですが,ここで目が覚めました。

この講和が,意外にも,大変おもしろかったのです。

1時間の講和だったのですが,結果的に,1時間どっぷりと聴き入りました。

聴いたことは今でも強く心に残っています。

なぜこの講和がおもしろかったのか。

私も忘れないうちにまとめておきたいと思います。

1 古い話と新しい話をバランスよくする

 …古い話は終戦時の帝国議会の話を熱く語り,新しい話は最新の教育事情をおしみなく紹介していました

2 専門的な詳しいデータをちょいちょい挟む

 …現場の先生は知らない,役人さんしか知らないような最新データで興味ひいていました

3 自分のプライベートを垣間見せる

 …教員としての思い出話だけでなく,自分の実生活をさらけだすことで,聴く人は親しみを感じました

4 失敗談を語る

 …おえらいさんがおもしろおかしく失敗談を語れば,会場は一気ににこやかな雰囲気に変わりました

5 方言でしゃべる

 …常にではありませんが,熱が入った時に方言になっていて,これも親しみを覚えることになりました

6 しゃべり方に抑揚がある

 …低いトーンと高いトーン,ゆっくりとスピーディ,客観的にと主観的に,真剣な表情と笑顔と, 幅広く使い分けていました

7 間がうまい

 …1時間を淡々と同じペースでしゃべられることこそ,何より強烈な睡眠薬なんです。適度に間をとって,1時間のマンネリ化を防いでいました

8「伝えたいことがある」と,うれしそうにしゃべる

 …義務的に講演するのではなく,「自分が伝えたいことがあるからしゃべる!」という熱意が常に伝わってきました。

9 何といっても,話す人の人柄がいい

 …これが一番ですね。やっぱり言葉は「何を話すか」よりも「だれが話すか」だということを強く感じました。この人と親しくなりたいと思える講師でした。

こんな感じだったと思います。

「我が県にもこんな人がまだいたんだ」と,そこまで思えるほど,魅力的な講師でした。

同時に,「こんな先生に教えてもらったら,子どもたちもうれしいだろうな」と感じましたね。

自分はどんな風に人に話をし,子どもたちに話をしているのかな。

改めて省みる機会になりました。


一番いい指導案検討の方法

2012-08-25 14:33:03 | 教師力UPの攻略法

大きな研究授業であれば,事前の指導案検討が行われます。

授業者が作った指導案を,他者の目から見てあーだこーだ言うわけですが。

ちなみに,この指導案検討のときに,提案する先生の個性って出ますよね。

A.他の人が何と言おうと,自分の案は曲げない先生。

「私のクラスの子たちのことは私が一番知っていますから!」

周りの先生はもう何も言えなくなります。

B.他の人の意見を何でも取り入れてしまう先生。

「なるほど… じゃあそうしましょう。」「やっぱりそっちにしましょう。」

大丈夫かよ!って思われます。

どちらも極端ですが,柔軟にやれる先生が一番ですね。

さて,この指導案検討とは大事なもので,ここでいい検討がなされれば当然そのあとに実施する本番の研究授業に生きてきます。

逆に的外れな検討をしてしまうと,授業に全く生きてきません。

じゃあどうすればいい検討会になるのか。

手法はいろいろとあると思いますが,一番合理的で,一番うそのないのは

その指導案で模擬授業をしてみる検討会!

なんです。

まさしく百聞は一見に如かず。

紙面上であーだこーだ言うよりも,実際にそれで授業をやってみる。

周りの先生たちを子ども役にして,提案者が指導者として。

子ども役になった先生たちは,普通の指導案検討ではなかなか難しい「子ども側からみる授業」を体験することができます。

授業とはもちろん子どもにとっていいものでなくてはなりませんから,この立場で感じたことや,そのあと出される意見は大変貴重です。

授業者の先生はすべてを吸収したいところです。

ただし,模擬授業をするなんていうのは,時間も労力も,そして勇気もチームワークも必要です。

「やりましょう」と言いだす先生がいてくれて,

「OK!」と賛同してくれる先生がいなくてはいけません。

そんな積極的で,暖かい雰囲気のある職員室が理想的ですね。


研究授業があること,子どもたちに黙っとく?伝える?

2012-08-24 11:16:25 | 教師力UPの攻略法

近いうちにクラスで研究授業をするというとき,先生は子どもたちに何と言うでしょうか。

とういより,まずは「何か言うでしょうか。」

ですね。

中には,最後まで黙っておく先生もいるようです。

研究授業本番になって,ぞろぞろと教室に入ってくる先生たちに子どもたちが驚き,

「え,なに!?」

「まさかあれ?研究… なんとかってやつ!?」

みたいな感じに。

先生は

「この授業を先生たちが見に来られますが,いつもと変わらぬ授業です。気にしないでください。」

のように平然を装います。

この先生としては,研究授業は子どもたちにとって特別なものではなく,普段通りの姿で授業を受けてほしい。

そういうねらいがあるんでしょう。

・・・・・が,これはいかがですかね。

いくら「いつもどおりに」って言われても,子どもたちは後ろにいるたくさんの先生たちを全く気にせず授業ができるでしょうか。

きっと落ち着かないものでしょう。

「何しに来てるんだろう…」

「だれが来るんだろう…」

「私も見られてるのかな…」

「私はどうすればいいのかな…」

なんて,頭の中でいろんなことを想像しては,気の弱い子なんかは,このいつもと違う状況に少なからず混乱することだってあるでしょう。

この気持ちは分かりますね。

私たち大人だってそうでしょう。

仕事をしているところに,急に,えらそうな年配の方たちが入ってきて,だまーって仕事の様子をじろじろ見出したら,そりゃあ気が気でありません。

居心地悪くてたまりません。

普段通り仕事をしろと言われても,それ以上に

「この人たちは何者!教えて!」

って気持ちになります。

私は思いますが,

研究授業に際しては,子どもたちにもその内容と意味を伝えておく!

ほうがいいと思います。

内容については

「来月10月23日月曜日の5時間目にこのクラスで研究授業をします」

「教科は算数で,単元は分数の割り算です」

「学校内の先生たちが全員見に来られます。30人ほどです。」

このことをきちんと事前に伝えておきます。

直前まで内緒にするというのは,やっぱり酷です。

そして,研究授業の意味。

ここが大事です。

「先生たちは,算数の授業の仕方についてみんなで研究をしています」

「このクラスの授業を通して,その研究をより深めようとしているんです」

「このクラスでする理由が分かりますか?研究をするのにバッチリな,いいクラスだからですよ。」

「このときは,先生たちのためにも,はりきって授業にのぞんでください。」

ぐらい伝えたいところです。

研究授業が自分のクラスであるってことは,直観として子どもたちはいやなものでしょう。

中には喜ぶ子もいるかもしれませんが,多くの子にとっては,やっぱり居心地の悪いものです。

それを,できるだけ前向きな気持ちにさせてあげるのがねらいです。

結果として,いい授業をつくることが一番の願いですから。

学年や,クラスの子たちの雰囲気によって,研究授業について何と語るかは変わってくるでしょうが,その子たちに適した,きちんとした内容に説明と,やる気をもたせる話を事前にしておきたいものです。


研究授業の本番をどこにもってくるか

2012-08-22 22:46:03 | 教師力UPの攻略法

先日,一回目の指導案検討がありました。

夏休みモードだから,先生たちも頭を切り替えるのに必死な様子でしたが。(笑)

提案するこちらとしても,そこらへんの空気を読んで,ゆるめにしゃべってきたつもりです。

先日「授業は一人でつくらない」という記事を書きましたが,この検討会も(そこまで熱はまだありませんが)いろんな視点からアイディアや疑問を出してもらい,参考になりました。

やっぱり自分じゃ気付いていないことってたくさんあるんですね。

当たり前に,スムーズにいくと思って書いていることも,ある人の目か見るとなにか気付くことがあったりして。

指摘されて

「なるほどですね~」

なんてことがいくつもありました。

まだ授業本番までは2ヶ月ほど時間があるので,そういった先生たちの声も集めながらじっくり作っていきたいと思います。

さて

「授業本番」という言葉が出てきましたが,研究授業について思うことがあります。

研究授業の本番は,本時ではなく,その前時,前々時・・・ にもってくる!

この意識が大事だろうと。

要するに,本時を単元の8/10時間目にもってくるなら,その前の7時間目,6時間目,さらにはそれ以前に照準を合わせて,そこでベストな授業をつくるつもりでやるべきということです。

言うまでもなく,授業は子どもたちの姿で勝負です。

その子どもたちの姿というのは,たった一時間の授業で急変することはありません。

前の時間までちっとも発表しなかった子たちが,この時間だけ急に積極的に発表しだすなんてことはあり得ない。

子どもたちの姿っていうのは,子どもたちの能力っていうのは,コツコツといつもの授業の中で積み上げられていくもの。

今日の授業で子どもたちのいい姿が見られたとしたら,それは前時までの授業がよかったから,そういう見方もできます。

研究授業を考える際にこれは重要なことです。

研究授業の本番だけなにか特別なことをして,子どもたちの特別な姿を引き出そうなんて考えないことです。

研究授業本番では,「いつも通りの子どもたちの姿」が出るよう努めること。

それは,いつもしっかりとした授業をしていれば,そんなに難しいことではないはずです。

その代わり,そのためには前時までの授業でしっかりと子どもを鍛えておく必要がある。

言いかえれば,研究授業の本番は,前時までにある。

そういうことです。


研究授業 賢い授業者と賢い参観者

2012-08-18 12:53:17 | 教師力UPの攻略法

研究授業のことを考えています。

研究授業って,先生の積極性が表れる仕事の一つですよね。

毎年研究授業をしている先生はえらいです。

毎月研究授業をしている先生は手本です。

一方で,もう何年も研究授業をしていないという先生がいるのも事実です。

年配な人に多いかな。

身近なところにもいたりして,残念です。

さて

研究授業で大事なこと,今回は結論から

授業者も,参観者も,研究授業にはテーマがあることを大前提にする!

「研究」ですから,その研究の「テーマ」があるのが当たり前です。

ただし,次のような場合のみ例外です。

初任者研修の定期授業

○年目研修の課題授業

小中連携会の授業参観としての授業

などは,個人的なものであったり,ただ「しっかりと授業の準備をして,見せる」ことが目的な授業ですので,これは「研究授業」と名をうっていても,特にテーマはない場合も多いです。

これら以外の,いわゆる一般的な研究授業ならば必ずテーマがついてきます。

研究授業をすることが目的なのではなく,研究を進めていく中で,その研究を深めるために授業をうつ,その意識が肝心です。

例えば

「討論の学習において,言語活動がより深まるようにする」

「跳び箱の学習において,どの子も意欲的に取り組むようにする」

こういった「研究テーマ」です。

中には大きな研究テーマから降りてきて,小さなテーマを掲げる授業もあるでしょう。

賢い授業者というのは,これらのテーマをしっかりと意識し授業をつくり,そのテーマが見える授業をします。

また賢い参観者というのは,そのテーマを視点にして授業をみて,吟味し,授業後の検討会でもテーマに沿った質疑や討議をします。

こういったメンバーでできる研究授業は,きちんとテーマが深まり,研究が有意義なものになっていきます。

いわゆる成功の授業です。

一方で,賢くないバージョンも起こりえます。(これが本当に多い)

賢くない授業者は,テーマはそっちのけで,自分がしたい授業をします。(テーマを意識する余裕がないのか)

賢くない参観者は,テーマなんて度外視して,自分がみたい部分をみて,授業後の検討会でもテーマから全く離れた関係のない意見をします。

結果,何が深まったのか分からない,労力と時間だけ使ってしまったという研究授業になります。(授業者,参観者は自己満足している場合もある)

こうなってしまうと残念です。

授業をつくる要素というのは本当に多くて,そこに参加する人たちがそれぞれに違う要素に注目してしまっては,話題がそろいません。

限られた時間の中で,授業者も参観者も何かを得るためには,それらの要素の中から1つ2つをピックアップして,そこにしっかりと焦点を当てなければいけないものです。

それを共通にみんながしてこそ,わずか45分の研究授業,その後の60分の検討会で得るものが出てくるものです。

そのことを分かっている賢い授業者,参観者でいたいものです。