小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

台風が過ぎ去った翌朝の学校で思ったこと

2016-09-27 20:16:06 | 教師力UPの攻略法
先日,台風が過ぎ去った翌朝の学校での出来事です。
その日学校に到着すると,学校中がやっぱり散らかっていました。
なかなか強烈な雨風だったようで,木ぎれや葉っぱが散乱していました。
大きな看板も倒れていたのには驚きました。

さあ,台風の翌日にはお決まりの片付け作業です。
始業前にできるだけの片付けをしないと,これからの授業や子どもたちの安全に支障をきたします。
私は軍手をして作業にかかりました。
すると,先生たちの中には同じように作業に取りかかってくれる先生もたくさんいました。
こんなときっていうのは,特に話し合いや計画がなくても,お互いのコンビネーションで作業は進むものです。
言葉はなくても,せっせと片付けが進んでいきました。

こうして台風あとの片付けに参加してくれている先生たちを見ると,
「できた人だな」
って思います。
誰が何するなんて,決まっているものはありません。
気付いた人がやっているんです。
気付いた人でも,自分の仕事を優先して,片付けはやっていない人もいるかもしれません。
だから,気付いて,さらにできる人がやっているんです。
こういう先生たちは,おそらくほとんどが
「今朝は台風の片付けがあるから」
と,いつもより早めにでてきたり,作業用のジャージで出勤していたりしているのでしょう。

トータルで,とても優れた先生です。
こんな一場面に,職員の資質というのが顕著に表れていると,私は思っています。
極端な言い方ですが,普段どんなにえらそうなことを言う先生でも,こんなときに汗をかいて作業できないような人なら,
「あんたの言うことなんて従いませんよ~ こないだ台風のときやってなかったでしょ~」
って言いたくなります。(笑)
もちろん言いませんけど。(笑)


おまけに。
子どももそうでした。
私たちが作業をしていると,
「手伝います」
と駆け寄ってくる6年生が何人もいました。
すごくうれしいですね。
6年生らしい頼もしさを感じるし,同時にとても助かります。
こんなときに自ら判断して片付けをできる子なんていうのは,内面的にかなりのものが育っていると思っていいでしょう。
こないだは,こうして6年生が学校を掃除する姿を見た何人かの1年生も,真似して片付けをしていました。
とてもかわいらしく,誇らしい光景でした。

教室の壁に 「リ」ズニーシー?

2016-09-22 22:21:02 | 学級生活の攻略法
とある低学年の学級の補教に入りました。
補教に入ると,まず目に入るのがそのクラスの掲示物です。
各クラスいろんな工夫をしていて,それを見るのがおもしろいです。
結構,掲示物にクラスのカラーが表れるという側面は強いと思います。

そのクラスは,この時期らしく
「夏休みの思い出新聞」
のようなポスターを並べて掲示していました。
子どもたち一人一人が,夏休みの思い出を作文や絵にしたり,中には写真を貼ったりもしていました。
私はそれを一枚一枚眺めながら
(へぇ~ 楽しそう~)
低学年らしいかわいらしい夏休みを想像していました。

すると,ふと気付きました。
「リズニーシーに行きました。」
という一文を書いている子がいました。
「リズニーシー?」
一瞬「?」となりましたが。
それから先の文章を読んでみると
「ディズニーシー」
の間違いであることがすぐに分かりました。
低学年らしい間違いです。
かわいらしい間違いです。
おもわず私もクスッと笑っちゃいました。

…が,問題なのは,これがこのまま掲示してあることです。
この子の間違いは,みんなの目にさらされることになります。(ちょっとおおげさな言い方ですが)
担任の先生は見てないのだろうか。
見たけど気付いてないのだろうか。
気付いたけどそのままにしているのだろうか。
そこはよく分かりませんが,実際こうして外部の者である私がぱっと見て,そこに違和感を感じるということは,やはり間違いをそのまま掲示することはよくないように思いました。

自分が担任だったころを思い返しても,こういう経験はあったように思います。
掲示するものに間違いがあってはいけないのでチェックをしはするのですが,クラスの子の数は多く,見落としが出てしまう。
そしてあとからそれを見た別の人に指摘される。

一番見られたくないのはやっぱり保護者でしょうね。
この子の親は当然ですが,他の親にも見せたくないですね。

「リズニーシー」
そのクラスの担任の先生には,あとから教えてあげました。

学校とお金 うそのような本当の話

2016-09-19 07:22:20 | 雑談
とある研修会に出たときのことです。
他校から来てる先生たちと研修の合間にちょっと雑談をする中で(研修よりもこっちが盛り上がることも)驚く話を聞きました。

いわゆる「学校とお金」の話です。
本県は広くて,いくつもの地区で構成されています。
学校を運営するお金はそれぞれの地区に任されている面が大きいので,
裕福な地区=裕福な学校
貧乏な地区=貧乏な学校
という構図が明確です。
ここで聞いた話は2つのうち「貧乏な学校」を転々としてきた先生の話でした。

「それはもう悲惨」らしくて
・消耗品費0円。授業で使う材料は担任が100均でいつも買う。
・コピー機の横に名簿が置いてあり,誰が何枚コピーしたかチェックするようになっている。
・学校に大型テレビは1台しかないので,授業で使うときは予約制。
・事務室からチョークをとるときは1本ずつしかダメ。
・教室は当然,職員室にすらエアコンはなし。
・石灰は運動会以外使用禁止。体育で運動場にラインを引くときは足で引く。

耳を疑うような実話が続々出てきました。
「運動場に足でラインを引くって,ギャグですね」
「でも本当なんですよ」

私もいくつかの地区を回ってきた中で,財政的な格差は少なからず感じていましたが,ここまで貧乏な所は経験がありませんでした。
結論,みんなが声をそろえるのは
「県内平等にしてほしいよね」
ということでした。
こんな貧乏な思いをしている学校がある一方で,裕福にしている学校があるのも事実です。
ある地区では,全学級に大型電子黒板が配置されていたり,普通教室にエアコンが設置してあったりします。
同じ県内でこんなに格差が生じるのは,教育の機会均等からするとどう見ても問題です。

この問題に,そこを経験してきた現場の先生は気付いていますが,もっと上の立場の人たちは気付いていないのでしょうか。
それとも気付いているけど,どうしようもないのでしょうか。
(おそらくそっちだろうとは思いますが)


「提案力」がある先生たちに共通する特徴

2016-09-13 06:45:20 | 教師力UPの攻略法
職員会議などでしゃべる先生の特徴を見ているとおもしろいものです。
(こんなことを見ておもしろがっていること自体がよくないのでしょうが 笑)
みんなそれぞれに癖があったり,緊張していたり,焦っていたり。

中にものすごく上手にしゃべる先生がいます。
いわゆる「提案力」というものに優れている先生です。
その先生が言うことは,すっと入ってくるし,分かりやすいし,提案されたことに対して「はい,そうしましょう」と納得できるものです。
あまりに上手な提案に,うっとりするぐらいのレベルの人もたまにいます。
真似したくなるほどです。
この「提案力」がある先生たちに共通する特徴を考えてみました。


1 自信にあふれている
やっぱりこれが1番かなと思います。
その立ち振る舞いが堂々としていて,一種のオーラが出ています。

2 しゃべりが流暢
これも提案力の前提でしょう。
たどたどしい,かんでばかりのしゃべりにはうんざりしてしまいます。
上手なしゃべりには「速さ」「抑揚」「間」などに精錬されたものを感じます。

3 裏付けが十分なされている
提案している内容についての裏付けが十分になされていると,その提案自体を強めます。
この「裏付け」というのは幅広く存在するもので,提案内容に関する
・組織・戦略・戦力・影響・利益…
これらを提案資料に明記していたり,していなくても提案者がしっかりと持っていたりすると,聞く側としては「すごっ」って思わされます。

4 味方をつくっている
上手な人は一人で戦いません。
必ず味方を事前に作っています。
提案の最中に反撃を喰らったとしても,援護射撃してくれる人を作っておき,さらにどのように援護射撃するかも計画立てています。


5 普段の仕事ぶりから説得力がある
これは提案うんぬん以前に,
「この人が言うなら,その通りだ」
と思わせることになります。
普段から努力している先生や,周囲の人に親しまれている先生は,それ自体がその先生の強みになりますね。

6「上から目線」と「現場目線」のバランスが絶妙
「上から目線」もある程度は必要です。
トップダウン型の強いリーダーシップで他の先生たちを巻き込むことができる資質です。
でも常にこれだけでは下はついてきません。
時には現場の先生たちの立場に下り,同じ目線でものを考えられる資質も必要です。
上手な先生はこの2つを絶妙に使い分けます。


ざっと考えてみてもこれだけ浮かびました。
本当はもっとあるような気がします。
自分も教務主任の立場からいろんな提案をしますが,1~6のどれができていてどれができていないか…
自信がないもののほうが多い気がします。笑

高校入試問題を見て唖然

2016-09-06 21:00:37 | 雑談
とある研修会で,小中高の先生が一同に介して教科指導等について協議するというものがありました。
私は算数部会に参加しました。
高校の先生と一緒に研修をするというのがとても珍しい機会なので,高校の先生の話にとても興味がありました。
そこでは
「特別に」
という形で,最近の高校入試の数学の問題を見せてもらうことができました。
そして,正答率の低い問題などについて解説をしてもらったわけですが…

ここで,その問題を見て唖然としました。

なぜかというと,
「問題が,自分たちの頃のものとそっくり」
だったからです。

自分たちが試験を受けたのは,言うまでもなくもう相当昔の話です。
そのころの問題と,現在の問題が,何も変わっていないように見えたのです。
私の記憶違いかと思って,他の小学校の先生にも尋ねてみたら
「その通りだよ」
「変わってないですね」
と,みんな口をそろえていました。
そして,私と同じように,みんな驚いた顔をしていました。

時代が変わり,教育が変わり,求められているものも変わっているはずなのに,入試は変わっていないというのは,どういうことでしょうか???
今の教育でより重要とされているのは
「思考」「表現」
といった部分のはずです。
だから,小学校の諸テストや調査では,そこら辺を問う問題が多くなってきています。
しかし,今回見た高校入試の問題の中身は相変わらず
「知識」「技能」
を問うものばかりだったのです。

高校の先生にこのことを尋ねてみると,あまりピンとこない様子で
「さあ,どうでしょうか…」
「県教委がまだそこまで追いついていないんじゃないかと思います。」
程度の回答でした。

この状況は本県だけのことなのでしょうか。
他県では入試問題も刷新されているところがあるのでしょうか。
それが知りたくなりました。

「大学入試の方が変われば,高校入試も変わる」
という話も出ました。
上の方から変わらないと,下は変わらないものでしょうか。
でも,もっと下の小学校は変わっているのに…