小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

陸上記録会で本校を他校と比べて見ちゃう

2015-10-27 20:24:07 | 教師力UPの攻略法
先日「陸上記録会」がありました。

5・6年生を対象とした記録会で、市内の全ての小学校が参加するものでした。
100m走や走り高跳びなどの、お決まりの種目で代表選手たちが競うのとともに、学級対抗長縄などもあり、1日をかけてにぎやかな記録会になりました。

この記録会に5年6年どちらの担任でもない私がなぜ参加しているのかというと、そう、役員です。
単なる役員。笑
いや、もちろんこれは大事な仕事なんですけど、やっぱり、子どもたちを引率して熱を込めて応援する担任の先生たちと比べると、なんともさびしい役目です。笑
昨年度同様、今年も1日中、熱い熱い日に照らされながら白旗や赤旗を上げたり下ろしたりしていました。
おかげで10月とは思えないほど真っ黒に日焼けしました。

さて、そんな話はいいとして。

こんな機会に、我が校の子どもたちのことがよく見える、よく分かるものですね。
他校の子と並んでみてこそ、客観的に本校の子たちの特徴がとらえられるというものです。

開会式で整列するときの素早さ
体会長の話を聞くときの目線
準備体操の動き

競技で見せる各運動能力
長縄に表れる団結力

応援席でのマナー
引率の先生の指示を聞く態度
友達を応援する声

そういったものが、この1日でよく見えたような気がします。
特に私、教務主任という立場は、我がクラスがどうこうではなく、5・6年生全体を見ようとします。
そこから、本校全体の特徴を見ようとします。

今回の陸上記録会でも、自然とそんな目で常に本校の子どもたち、他校の子どもたちを見て、比べて、としていました。

すると、本校のいいところも見えましたが、それ以上にたくさん本校の弱点が見えたような気がします。
言い換えれば、他校の方が優れている点がたくさん見えた。ということ。

客観的にとはいいながらも、どこか主観が入り、無意識に厳しい目で見ているのかもしれません。
それにしても、
「こりゃあ、明日からうちの子たちはもっと鍛えないと…!」
と思うことが多くありました。

学校に帰ったら、陸上の結果よりもまず先にそのことを校長に報告しました。笑

いずれにせよ、こうして他校と集う機会というのは貴重ですね。
子どもにいい経験になるのは当然ですが、我々先生にとっても、また今後の指導の参考にできる材料がたくさん見つけられる場になります。

あの時の「くじらぐも」の失敗を取り戻すチャンスが!!

2015-10-23 21:12:08 | 授業中の攻略法
出張で出た担任の補教で1年生のクラスに入りました。
任された授業は
「国語 くじらぐも」
活動の内容は
「くじらぐもに手紙を書こう」
ということでした。

活動については事前に担任が手紙となるプリントも準備してくれていて、書き方も子どもに説明してくれていました。
なので、私が急きょ授業に入っても、活動はスムーズに進みました。
(ちなみに、担任によってはこんな事前の準備をまったくせずに行っちゃう人もいて、それはかなり困ります)

普段は5年生と6年生の算数しかしない私にとっては、1年生のクラスに入ることにも、国語の授業をすることにも新鮮さがあり、子どもの書く手紙を見ながら、楽しむことができました。

実は、私ずっと前に1年生担任をしたことがあって、そのときにも「くじらぐも」の授業をしました。

その授業でとてもよく覚えている、というか悔いが残っていることがあります。
単元の終わりぐらいの授業で、こんなアイディアが浮かびました。
「くじらぐもから子どもたちに手紙を届かせよう」
ということで、私がくじらぐもになりすまして手紙を書きました。
内容は
1年○くみのみなさん
まいにち、おべんきょうやうんどうを、よくがんばっていますね。
えらいですね。
おそらから いつも見ていますよ。
こんど、みんなにあいにきますね。
くじらぐもより

みたいな感じだったと思います。
子どもたちが喜ぶ姿を想像しながら書きました。

そして、私のプランとしては、子どもたちにばれないように運動場の真ん中にその手紙を置おいておき、国語の授業を始める。
そして、授業がある程度進んだところで、
「空から何か落ちてきたよ!?」
と騒ぎ立て、みんなで運動場に駆けつける。
子どもたちが手紙を見つけ、大喜び。
というものでした。

そしてプラン実行。
私自身わくわくしながら手紙を運動場に置きにいくと…
「せんせい、なにしてるの~」
「な!?」
油断…
子どもに目撃され、敢えなく失敗。
ショックでした。笑

このときの悔しさはよく覚えていたのですが、偶然にもそれを晴らす場面がやってきました。
「ここでやるしかない!!」
補教の先生が勝手なことして申し訳ないですが、きっと担任の先生も喜んでくれるはず。
そう勝手に思い込み、プラン実行。
今度は手紙を置く際に見られないように十分に気をつけ、設置完了。

そして国語の授業開始。

子どもたちがくじらぐもに手紙を書き終えたくらいに、演技スタート。
「みんな、いいお手紙が書けたね。
(窓の空を見上げて)はぁ~今日は天気がよくて、本当にくじらぐもがやってきそうだね。」
「来ないよ」とつぶやく子どもあり。
無視して演技続行。
「ん?なんか、今、空から落ちてきたよ。」
子どもたち
「え?」
「あれ?だれも見なかった。ほら、今ひらひらって、空から紙が落ちてきたよ」
「うそだ~」
「だって、ほら、その紙があそこに落ちてるよ」
「え~!」
「どこどこ~!」
「わっ 本当だ~」
「なんだあれ~」

「もしかして、くじらぐもがみんなに手紙をくれたんじゃない!?」
「ありえな~」
「よし、じゃあ見に行こう!」
運動場へ駆け出す1年生。
と私。
最初に拾い上げた元気ものの男の子が
「おぉ~!」
そして何人かで手紙を読み上げる。
「1年○くみのみなさん…」
「なんだこれ~」
「うそでしょ~」
「先生が置いたんでしょう~」
「先生教室いたじゃん!先生じゃないよ」
「え~じゃあだれ!?」
「くじらぐもだよ~」

騒ぎが収まらない子どもたち。
作戦どおりです。笑
数年越しの作戦成功でした。

得意技は「学年会の盗み聞き」

2015-10-19 22:05:48 | 教師の仕事術の攻略法
私は教務主任として学校の現状を把握する必要があり、そのための情報収集に努めています。

そんな私がよくするのが
「学年会の盗み聞き」
です。

本校でも週一回、放課後に学年会の時間があって、私はこの時間になると職員室内を徘徊しだします。
不自然な感じに。笑

学年会では、それぞれの学年の
・授業の進み具合
・今後のスケジュール
・学習指導面での課題
・生徒指導上の課題
・学年経営の今後の方針、重点
・各担任の悩み
・保護者との関わり
・やり残している仕事
などが話し合われますが、これはまさしく私の知りたい情報です。

こんな情報をいちいち先生たちに聞いて回るなんてことはできないので(よほどのことがなければ)、これを「盗み聞き」するんです。
学年主任の先生に、こういった情報の報告を求めたり、学年会で使った資料の提出を求めたりするという方法もあるのでしょうが、私としては、それは少しやり過ぎな気がするし、先生たちの手間を一つ増やすことになるので、やっていません。

とある学年の学年会で、こういう声が聞こえてきました。
「校区文化祭に出品する作品を準備しなくちゃね

そのための広幅用紙は、毎年事務室からもらえてたけど、今年ももらえるのかな。

作品の提出締め切りは○日って教頭が言ってたけど、もう少し延ばしてくれると、△日にする図工の作品が出せるんだけどね。

他の学年の作品と内容がかぶらないかな。」

私はこの声を受けて、事務室、教頭、他学年主任に働きかけることができます。
そして、必要な調整が先回りしてできるようになるわけです。

私が動かなければ、それぞれの学年の先生が個々に動くことになるのですが、その手間を少しでも省くことが私の役割だと思ってます。

たった1つの活動で見えた5つもの力

2015-10-15 22:00:42 | 学級生活の攻略法
6年生の算数。
単元「立体の体積」で、「すい体の体積」を考える場面。
これは発展的な内容です。

同じ低面積と高さの「柱体」と「すい体」
「すい体の体積は柱体と比べるとどうなるのだろうか。」
子どもたちの予想は
2分の1(これが一番多かった)
3分の1
3分の2
5分の2

「では調べてみよう」というときに、私はこう問いました。

「どうすれば調べられるでしょうか」
理科の実験方法を問うような感じです。
使える道具としては、

四角柱の模型(中は空っぽ)
四角すいの模型( 〃 )
大量の砂

この3つを準備しました。
「この3つを使って調べます。さあ、どうですか?」
すると、子どもたちは口々に
「四角すいに砂を入れて…」
など、つぶやき出しました。

そこで、指示を加えました。
「では、その方法をノートに書きなさい。」
子どもたちは書き出しました。
書き終わるころに、さらに指示を加えました。
「では、しばらく先生はここで黙っていますので、書けた人から起立して、その方法を読み上げなさい。」
何人かの子が
(えっ)
と、発表することへの抵抗を示す表情をしました。
さらに続けました。
「1回に立てるのは1人だけです。もし誰かとかぶってしまったら、口は開かず、譲り合いまなさい。では、どうぞ」

算数の授業ではほとんどしたことがないような活動に、しばらく子どもたちは神妙な面持ちで、書けた子たちも起立していいものかどうか、躊躇していましたが1人の子がサッと立ち上がり、発表しだしました。
「まず、四角すいに満タンに砂を入れて…」
私は、共感的にうなずいたり、言うことに沿って身振り手振りをしたりしながら、黙って聞いていました。
すると、2人目以降は、次から次に続きました。
そして、本の数分のうちに、全員の子が発表してしまいました。
その間、私は一切口を挟みませんでした。
ちなみに、子どもたちが出したアイディアは

A
四角すいいっぱいに砂を入れて、それを四角柱に移し、それが何回で四角柱いっぱいになるかを調べる。
→これが最も多く、私もこれしか想定していませんでした。

B
四角柱いっぱいに砂を入れ、それを四角すいですくいとり、何回で空っぽにできるか調べる。
→なるほど、Aの逆

C
両方に満タンに砂を入れ。それを同じ形の容器にそれぞれ写しかえ、量を比べる。
→ほお。でも使える道具に制限があるので、残念。

D
両方に満タンに砂を入れ、その重さを図る。
→絶妙。でも道具の問題かな。

これらに加えて
「四角すいを、半分に切って三角すいにして…」
という意見を出した子がいて、私には理解ができなかったのですが、子どもたちの中にはそれが理解できた子もいて、また今度その子にはゆっくり聞き直してみたいと思っています。

以上のいろんなアイディアが出て面白かったのですが、私がこの活動で感心したのは、幾通りもアイディアが出たこと以上に、
「5つの力」
をはっきりと見ることができた点でした。

全員が発表し終えたとき、子どもたちに話しました。
「今、きみたちができたこと

1 調べる方法をちゃんと考えられた

2 それを分かりやすい文章で書けた

3 それを人に声で伝えられた

4 起立のタイミングが重ならないように、友達の様子をよく見て、思いやって、譲り合ってくれたおかげで、混雑することなく、スムーズに発表が続いた

5 友達の発表を、じっくり聴けた

以上、5つものことが、できたんですね。とてもすごいですね。しかも、誰一人欠けず全員ですよ。下学年の子ならできないでしょう」

子どもたちはうれしそうに、誇らしそうにこの話を聞いていました。

私は何もおおげさなことは言っていないと思います。
5つの力は本当のことです。
正直、こういった活動が苦手な学年だったので、それを刺激しようというねらいで、こんな活動を仕掛けたのですが、それがこんなにもうまくできたことに、私はうれしく思いました。

1つの活動で見えた5つの力。

これができるのなら、もっといろんな活動を仕掛けて、もっともっとたくさんの力を見つけ、伸ばすことができるんだろうとも思いました。

うちの6年生、少し見直しました。

担任のリーダーシップには二種類ある

2015-10-07 20:53:20 | 学級生活の攻略法
担任をしていない私にとっては、担任の先生たちの立場が羨ましくもあり、ついつい客観的にそれぞれの担任の先生の特徴を見てしまいます。

本校にもいい担任の先生たちが何人もいます。
その先生たちが子どもと接する様子を見ては
「また自分が担任になったときは…」
なんて考えています。

ふと気づきました。
「担任には2種類のリーダーシップのとりかたがある」

タイプA
子どもたちとは一線画した位置にいて、子どもたちとは異質の圧倒的な存在感で子どもを引っ張っていくリーダーシップです。
このタイプの先生は、とても頼れる先生で、子どもたちはこの先生を憧れるような眼差しで見つめます。

タイプB
子どもたちと同じところにいて、同じ目線でものを見て、同じ話題をし、同じ遊びで盛り上がります。
その中で、子どもに共感し、子どもに親しまれ、それでいてその子ども集団の中心にいてみんなを引っ張っていきます。

いかがでしょうか。

本校にも、この2つのタイプ、それぞれの先生がいて、やり方は違っていても、どちらともとても上手にクラスをまとめています。

私の目からも、とてもいい先生です。

見方を少し変えると、Aタイプの先生は、「遠心力」が働く先生でしょうか。
その先生が中心にいて、その先生から外に向かって子どもたちが進んでいく感じです。
子どもたちは、いつも後ろには頼もしい先生がいる安心感あります。
学級全体としては、中心にぶれない柱がある安定感と、外に向かって飛び出す子どもたちのエネルギーに満ち溢れています。

タイプBは逆に、先生に「求心力」が働くクラスでしょうか。
中心にいる大好きな先生に向かって、外側の子どもたちが集まってきます。
中央でぎゅっと固まる形になり、これまた安定感があります。
その中にいる子たちは居心地がいいものでしょう。

この2つのリーダーシップを使い分けられる先生がいたら、これはまたかなり優れた先生ですね。
子どもたちの実態、学年、学校の特色、保護者や地域の要望、校長の方針… そういったものに沿って、使い分けることができれば、お見事です。

私は、担任時代どっちだったかな?

若いころはBだったかな。
少しずつAになっていったかな。

あ、どちらも中途半端だったかな。笑