小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

この時期ありがちな「担任の悪循環」を断ち切るために

2016-04-25 21:28:26 | 学級生活の攻略法
「先生、児童名簿の入力は済みましたか?」
「先生、家庭訪問計画はできましたか?」
「先生、学級経営案の提出が先週までだったんですけど…」

年度始め、教務主任の私は各先生たちに「提出物」を強いる立場にあり、提出が遅れている先生にはどうしてもこんな声かけをしなくてはいけません。
このときは、声をかけられる方も、声をかける方も気持ちが悪いものなので、できるだけこんな状況をつくらなくて済むように、双方に工夫をするものです。

自分の担任時代によく思っていたことですが、
「担任の悪循環」
を作りたくないなと、今でも強く思っています。

それは、仕事の優先順位のつけかたからくるものです。

一般的には
1 各事務処理、提出物等を済ませる

2 それが済んだら、学級の子たちとじっくり向き合う(授業を工夫したり、一緒に遊んだり)

という流れになりがちです。

言い換えるなら、1が済んでいないのに、2ばかりをするわけにはいかないということです。

限られた仕事時間をどう使うかを考えたとき、やはりまずは1を済ませることを優先してしまいます。

しかし、これが担任の悪循環を生むことになるんだと、経験を重ねるうちに気づくようになりました。

1の学級事務が済んでいないから、まずはそれを済ませようと取りかかる。
すると、当然2のクラスの子たちとの触れ合いはおろそかになる。
そして、その間に子どもたちの心は担任から離れてしまう。
同時に、学級開きとともに作りたかったいろんな学級のシステムも作れないまま、学級は乱れていく。
ついには、担任が1の事務が済んだ頃には、2の学級の方が手遅れとなり、致命的なことになる。
それは、この場面のことにとどまらず、今後の長い学級経営にも痛い影響をもたらす。
また新たな学級事務に取り組む必要性が出てきたときには、それに取り組むゆとりなんてない学級が出来上がっているので、さらに仕事の遂行が困難になる。

という悪循環です。

上の流れはかなり極端に書きましたが、これに似たものは私も若い頃少なからず経験したことがあるし、これに陥ってしまっている先生もよく見ます。

では、どうすればこの悪循環を断ち切れるか。
1と2を同時進行できるほどの腕があれば一番いいのですが、そうもいかないことも多いです。
となれば、私が思うに、発想の転換で
「2を優先する」
のがいいだろうと思っています。

まずは自分の学級をしっかりと作ることを最優先するということです。
子どもとのふれあいの中でしっかりと心をつかみ、魅力的な授業をして子どもを惹き付け、学級としての知的なルールを確実に浸透させる。
これを徹底して「最初に」やりとげることです。
そうすれば、その後の先生が1の学級事務に取りかかったとしても、子どもの心がその間に離れてしまうこともないし、学級もそう簡単には乱れません。
起動に乗った学級経営はしばらくは自力でも回転していくものです。

よほど締め切りが迫っているものについてはすぐに取りかかる必要がありますが、まだ時間的に猶予があるものならば、学級を優先すべきだと思います。

だから、今、教務主任という立場で私が努めているのは、担任に課す提出物は、できる限り締め切りを後ろに伸ばすことです。
「例年~日にしているから」
ということで締め切りを設定するのではなく、
「本当に必要な日はいつか」
というのを改めて見直し、締め切りを設定するようにしています。
そしてその間に、担任の先生たちにはしっかりと学級を作ってほしいと伝えています。

学級作りこそ、見えない締め切りが存在していますから。

だからこの時期、昼休みに子どもたちと遊んでいる先生を見ると
「やらなきゃいけないことがあるはずなのに、のんきだな」
なんて思いません。
「今やらなきゃいけないことを、ちゃんとしてるんでな」
というふうに思っています。

いつも提出物が早いA先生が今回は遅い理由

2016-04-17 21:10:12 | 教師の仕事術の攻略法
養護教諭の先生と話をしていました。
「各学級からの提出物がなかなかそろわなくて…」
この時期、保健関係では、各問診票や記録簿など、学級担任がとりまとめて養護教諭に提出しなくていけないものがたくさんあります。
全部揃わないと次の作業に進めないので、提出が遅い学級があると養護教諭は困るわけです。

この気持ちよく分かります。

私も教務主任としてたくさんの提出物を依頼している側です。
遅い学級ってあるんですよね。
どうしても。

養護教諭の先生は、提出した学級を一覧にしてチェックしていました。
それを見せてもらうと、一目瞭然でした。
どの提出物についても、早い学級と遅い学級は共通していました。

そして、この一覧を見ると、興味深いことがありました。

「あれ?A先生はいつもこんな提出は早いのに、今回はまだなんですね。どれも出してないですね」
「そうなんですよ。どうしちゃったのかな~ って、私も思ったんですけど… 私が思うには」
思うには?
「お隣のクラスのB先生を待ってるんじゃないかなって」

なるほど~

B先生は今年転入したばかりの先生で、まだ本校のノウハウは分からない立場の先生です。
学年主任も努めているA先生は、このB先生と一緒に提出しようとしているんじゃないかと。

きっとその通りだと思いました。

B先生のお世話を丁寧にするとともに、こういった面でも学年の足並みを揃えることを重視しているということだと思います。

「いい先生ですね」
「優しいですよね」
「待ちすぎて〆切を過ぎることだけはないようにしてほしいですね。ははは」

こういう見方で見てみると、逆の学年もあることが分かります。
「この学年は、主任の先生だけ提出していて、他の学年はまだですね」
「そうなんですよ。ここには初任者もいるから、この学年こそ足並みを揃えてほしいんですけどね。初任の子、大丈夫かしら」

学年のまとまりや、運営のスタイルっていうのは、仕事をする中の色々な場面で伺えるものですが、提出物にもそれが見えるんですね。

私も提出物を集める側の立場ですが、そこまで考えたことはありませんでした。

となると、単に遅い先生を一概に
「早くっ」
て、せかすわけにもいかないような気がしてきました。

私にとって、最初の算数の授業で欠かせないこと

2016-04-11 21:59:33 | 授業中の攻略法
また今年も算数の授業がスタートしました。
5年生と6年生の算数を担当するのも今年で3シーズン目。
算数が専門でもなんでもない私が、教務主任という立場が先に立って、それに伴って算数指導がセットがついてきています。
さすがにもう
「専門じゃない」
というセリフは使ってはまずいような気がしてきました。笑
ここまでやったからには、ある程度の専門性は身につけなきゃいかんでしょう。
今年もがんばります。

さて
4月。
出だしの1~数回目の算数授業で、私が絶対に欠かさないようにしていることがいくつかあります。

1 先生としてのオーラを全開に示す
「教師としての誇りがある」「算数指導に自信がある」「子どものことが大好きだ」そういったものを、言葉で、態度で、精一杯示します。
このオーラこそが何よりも先立つものだと思っています。

2 子どもの心をつかむ
担任でない私が、他者のクラスの子たちの心をつかむのは簡単ではありません。
笑わせたり、感動させたりする小話をしたり体験をさせる工夫に精一杯頭を使います。

3 怒ると恐いことを分からせる
ネガティブな表現に聞こえるかもしれませんが、これってやっぱり必要なんです。
特に担任でない私たちにとっては。
担任がいないところでは甘えようとする子たちも多いのです。
ある程度容認できる部分もありますが、授業における1線は絶対に譲れません。
ルールをしっかりと示し、それを守れないときには先生がものすごく怒ることを、実際にその場面をもって示すようにしています。

4 算数が楽しいことを味わわせる
内容で楽しませる、方法で楽しませる、両方アプローチします。
内容で楽しませるときは、算数クイズのような問題で盛り上げます。
方法で楽しませるときは、リズムの良い授業の中で、たくさん発表させ、子どもたちの動きを活性化します。

そして、これらに加えてもう1つ。

5 担任の信頼を得る
これが不可欠です。
担任の先生に「この先生にうちの子たちの算数を任せて大丈夫だ」そう思ってもらいたいのです。
最初の1、2回の授業だけでそう思ってもらうにはどうすればいいか。
それには、私の教室で授業を終えた子たちが、教室に帰って
「先生、算数楽しかったよ!」
「今日の問題解けたよ!」
そう言わせるのが1番です。
ということは、結局最初の1~4がきちんとできるかにかかっているということです。

担任の先生たちには学級開きのスタートが肝心なのと同じように、私には算数授業開きのスタートが肝心です。
ここでつまずくと、後から取り戻すのはかなりの苦労が必要になるのも、体験済みです。

3年目にもなると、どうしても慣れが生じて、小手先で軽くやってしまいそうになるものです。
しかし、私には3年目の算数でも、子どもたちには1年目の算数です。
子どもたちの緊張感や期待感と同じ気持ちで、謙虚に、謙虚に臨みたいと思っています。

3月末、転入してくる先生たちの噂話が耳に入るんだけど

2016-04-06 21:27:05 | 教師力UPの攻略法
この4月に本校にも数名の先生たちが転入してきました。
学校の先生ならではですね。
春に同僚との別れがあり、すぐそのあとに新しい同僚との出会いがある。
そしてそれぞれ当然のように次の場所で仕事をスタートする。
学校の気風を刷新するのにいいものだと思います。

少し前の話になりますが
3月も末になり、職員の異動が明らかになると、
「今度来る○○先生って、~みたいよ」
みたいな噂話がよく耳に入ります。

この手の噂っていうのは、誰がどんな風にして発して、広めているんでしょうね。
自分がしたことがないから、いつも不思議に思います。
同時に、県内広しといえども、つながりって多いもんだなと感心します。

いい噂が耳に入ってきたときはうれしいですね。
「すごくいい先生みたいよ」
「仕事できる人だって~」
「バレーが上手って聞いたぞ」
そんな先生が自分の学校に来るなんて、大歓迎です。

こちらはいいといして、問題は逆。

悪い噂が耳に入ることだってあります。
「保護者とのトラブルが多いみたいよ」
「職員会議でやたらうるさいんだって」
「かなり問題あるらしい…」

実は、そもそも噂話っていうのは、こちらの類の情報が飛び交うことの方が多いようです。
今回、本校にやってくる先生たちについても、こちらが欲しているわけでもないのに、やたらとこの類の話が飛び込んできました。
そうすると、出会う前から不安がよぎるものです。

そして、4月。
この新しい先生たちとの出会い。
「あんな噂があったけど、どんな先生だろう…」
出会って数日ですが、私は教務主任という立場上、転入者と話す機会は早速たくさんあります。
そして知りました。

「なんだ、すっごくいい先生じゃん」

これ、いつもそうなんです。
みんなそうなんです。
本当に。
みなさんは、そう思いませんか?
悪い噂を聞かされたけど、会えば全然そんなことなかったってパターン。

私の周りで起こる偶然なのかな。
いや、そうも思えません。
そうではなくて、やっぱり学校の先生なんていうのは、基本、いい人なんだと。
そいうことじゃないかと思うんです。
子どもの前に立ち、愛し愛されることをめざして仕事をする人なんていうのは、いい人なんだと。
しかし、仕事を続けるうちに、いろんな環境の中でいろんな人にもまれ、よくない方向へとねじ曲がっていくものも少なくない。
そうなったときに表れる、自分の中のよからぬ人格。
学校の先生とは言え、そんな一面があるのも自然なこと。
耳に入ってくる噂というのは、この一面、ごく断片的な部分を拾い上げたものにすぎないのだろうと、そう思うんです。

しかし、前の学校でねじ曲がってしまった先生たちも、異動し、新任地に足を踏み入れたその瞬間は、ほとんどの人が気持ちも新たにリセットし、また基本の自分に戻っているものでしょう。

だから、私の出会う先生たちはみんないい人なんだろうと。
4月の新しい出会いは、私にとってはいつもいいものです。

大事なのは今後です。
このいい先生たちが、本校でどう変わっていくのかは、ここがどういう職場になるかが大きく影響するはずです。
ということは、私ががんばらなくてはいけません。
私の役目は、先生たちが働きやすい職場を作っていくことだと思っています。

私も経験を重ねるうちに、もう覚えました。

「噂は一切あてにならん」

小学生攻略法 今年の校務分掌は…!

2016-04-05 07:28:33 | 教師力UPの攻略法
「今年の校務分掌は…」
みたいな出だしで書くブログももう結構な回数になっています。
このブログも細々と、長々と、よく続いているなと思います。
我ながら。

同時に
「今年の校務分掌は…」
なんて記事を前回書いたのはついこないだのような気もします。
一年の早さに驚きます。

さて
平成28年度の私の校務分掌は
「教務主任」
「高学年算数指導」
でした。

結論、何も変わらず。笑

タイトルからちょっと意外な展開を予想した人、ごめんなさい。

ということで、この立場も3年目になります。
3年か~
この4月での異動もあり得たし、自分の中ではこんなに長くこれをすることになるのは意外だったのですが。
学校への残留も、教務の継続も
「学校運営上必要だから」
と校長が言ってくれたので、快諾しました。
(みんなに言ってるセリフかな 笑)

この立場をしていると、特に4月が気が滅入る時期になります。
新しい子どもたちと出会い、新しい学級をつくる担任の先生たちがうらやましく感じるのです…
それをよそ目に、資料印刷や文書作成や壊れたものの修理やあれこれのトラブル対応に明け暮れる私…

きっとまたそんな4月が始まるのでしょう。
もう慣れましたが。

しかし、重要な立場だし、自分のキャリアの上でも貴重な経験になっていることも重々承知です。
3年目ですので、この立場のクオリティを高める努力をしようと思います。
何か新しいことをしてみたいですね。

がんばります。

ということで、平成28年度も教務主任、算数指導という立場からあれこれブログにつづろうと思います。
お付き合い、よろしくお願いします。