小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

私が初任者に必ず課す宿題

2015-01-26 21:41:46 | 教師力UPの攻略法
私は今年初任者指導も務めています。
こないだまで自分が指導される側だったような気がするのに、びっくりです。
でも初任者に対してそんな弱々しいところは見せられないので、指導中はえらそうにしています。笑

本校には1年目、2年目、3年目… と数人の初任者がいます。
もちろんみっちりと付き添って指導をするのは1年目の先生ですが、その他の先生たちに対しても、一応本校にいる間は彼らも「初任者」という扱いになり、私が指導教官です。

フレッシュマンらしく情けない仕事ぶりの子もいれば、駆け出しのくせにセンス抜群の子もいて、改めてこの仕事は経験じゃないと思わされます。

一応、私としては、一人一人にどんな指導が必要かを考えながら、接しているつもりです。

ですが、全員に一律に課すようにしている宿題が一つあります。
それは職員研修のとき。
「全体会で、必ず1回は手を挙げて発言しなさい!」
これです。
この宿題があるために、初任者たちは研修時間に必ず手を挙げます。(挙げさせられます)
そして、下手でも、ピントがずれてても、緊張してでも、何らかの発言をします。
発言するために、研修の最初から必死に資料に目を通しています。
発言できる材料をなんとか見つけようと。

かわいそうに。笑

いやいや、かわいそうってことはないです!
これでいいんです!
研修の時間にぼーっとしている先生にはなってほしくない。
研修は他人ごとだと思っている先生にはなってほしくない。
若いからといって遠慮する先生にもなってほしくない。
知らないことを「教えてください」と言えない先生にもなってほしくない。
恥を欠くことを恐れる若者にもなってほしくない。
研修主任の努力に思いを寄せられない先生にもなってほしくない。

そんな思いです。
研修って、二極化しがちですよね。
熱心な先生と、そうでない先生と。
そうでない先生でひどい場合は、内職か居眠りをしています。
私としては、うちの初任者たちを、若いうちからそっちへ進むスタイルを絶対に身に付けさせてはいけないと思っています。

研修に熱心であれ。
研修に主体的であれ。

私の思いが伝わっているのかどうかは分かりませんが、とりあえず初任の子たちは研修の時間にギラギラしてやってくれています。

年配の先生たちへの刺激にもなってれば幸いですね。
若いのが声だしてるんだから、先輩たちもそれなりの手本にならないと。

今日は、3年目の子に
「お前は今日は3回だ」
としました。
「えぇ!!3回は厳しいっすよ!!」
確かに、2回で終わりでした。
よく手は挙げていたのですが。笑

何のためにそうするのか 実はみんな知らなかった

2015-01-22 22:25:14 | 教師の仕事術の攻略法
本校の印刷室にこんな張り紙があります。
「A4で印刷するときは、A3でリピート印刷をしてください。」
もうずっと前から張っているもので、紙もくたびれています。

この張り紙に従って、本校ではみんなA4サイズの用紙を差し込んで印刷することはせず、A3を使うようにしています。
A3で2面に並べて印刷したあと、真ん中でカットするわけです。
これが本校のルールです。
もちろん私もそうしています。

しかし、最近ちょっと困ったことが起きました。
どうも、印刷室のA4用紙の減りが早い。
事務担当の先生が困ってました。
「どうやら、A4で印刷している人がいるんじゃないか。」

そこで、私が職員朝会で投げ掛けました。
「改めて確認しますが、A4では印刷しないでください。必ずA3でー」
多くの先生は
(もちろんだよね)
という感じでうなずいていたのですが、若干の先生がきょとんとしているように見えました。別に犯人を特定したりするつもりはありませんでしたが、どうやらその先生たちかな…

まあ、今日からA4を使う人がいなくなればそれでよしです。

職員朝会のあと、みんながざわざわと教室へ向かう中で、ある先生がふと声をもらしました。
「でもさ、あれって何でA3なの?」
それに続くように
「それ、私も知らない」
「何で?って、ずっと思ってた。聞いたことなかったけど。」
「紙の節約なんじゃない?でも… 結局いっしょか」

あれ?
みんな知らないの?
A4がだめでA3にする理由?
本当に?

ちなみに、読者のみなさんのところはどうでしょうか?
別にそんなルールはありませんか?
もしA3ルールがあるとしたら、その理由はご存じでしょうか?
当然のように知ってる人もいるでしょうね。
だとしたら、ちょっとうちは恥ずかしい… 笑

「マスターですよ。マスター」
私が言いました。
「マスターの節約のためですよ。」
「え?」
「マスターが関係あんの?」
本当に、知らなかったようです。
「A4で製版すると、マスターの無駄が増えるんです。A3だと無駄がないんです。」
「そうなんだ~」
「それでA3なんだ~」
「やっと分かったわ。ははは」

どうやら多くの先生がこれを知らなかったようです。
知らないままルールに従っていた。
もしくは、知らないからルールをまもっていなかった。
ようです。
張り紙にはそこまでは書かれていませんからね。
誰かに教えてもらわないと知り得ないことだったんですね。
私は誰から聞いたのでしょうか。
覚えていませんが、それを知っているから、カットする面倒さがあってもA3ルールに納得できていました。

何でもそうですよね。
ルールは、その目的が理解されてこそ守られる。
印刷室の細かなルールでもそうだということですね。
これで、面倒だとA4を使っていた人たちも、A3を使ってくれることでしょう。

それにしても、知らない人がこんなにいたなんて、少し笑えました。

一貫性と柔軟性のどちらを優先するか

2015-01-20 22:12:33 | 教師の仕事術の攻略法
インフルエンザの波が本校にもやってきました。
学級閉鎖、先生のお休み、そういったものに伴う色々な調整で教務主任として忙しくなるシーズンです。
いやですね、インフルエンザ。

さて
放課後にとある先生から問いかけられました。
「先生、実はこれなんですけど…」
その先生は、来年度の教育課程編成の作業をしていたそうです。
そして、私が先日教務主任として提案したある点について、
「やっぱり変更してもらえないだろうか」
というお願いでした。

もちろん、会議の場で通っていることなので、ここで個人的な都合で変更をするのはよろしくないことです。
ですが、その先生も熱心に教育過程編成をしてる上で、
「来年度のために、どうしても」
ということでした。
個人的なわがままではなく、きちんと学校全体を見た上での建設的な意見でした。

私は迷いました。
二択です。

A断る。
B認める。

会議のルールを守り、職場全体に混乱を与えないということを優先するならAです。
熱心な仕事ぶりを理解し、その先生を救いたいと思うならBです。

全体的な立場に立つならAです。
個人的な立場に立つならBです。

一貫性のある教務主任になるならAです。
柔軟性のある教務主任になるならBです。

さて…
どうするか!?

教務主任をしていると、よくこういう場面には出くわします。
私は全体に提案したり指示をしたりする立場にあるのですが、同時に個人的にいろいろと依頼される立場でもあります。
その間に違いが生じているときもあり、判断に迷うわけです。
私は、
「必ずA」
「必ずB」
ともならず、そのときそのときでできるだけ広い視野に立って判断するようにしています。
が、なにせまだ未熟な教務主任ですから、その判断がよいものであったかは自信がありません。
実際、まずい判断をしてしまって、職場に混乱や迷惑を与えてしまったこともあります。
教務主任とは、それほど重要な立場です。

今回の件も迷いましたが、
「B認める」
と判断しました。
それは、今回に関しては、その提案に従うこと事態が、広くいろんな人に直接影響するものではなかったからです。
関係している学年のみが、少し路線変更すれば済む程度だったので、そうしました。
「あぁ、相談してよかった。やっぱり先生ですね」
その先生のうれしそうな顔を見ると、私もそのときはうれしくなりましたが、またまた今回の判断に自信はありません。

教育過程編成上、こんなことを個別に許されるということが周知され、個人的な変更の以来が殺到してしまうはめになっては、これはまずいことです。

うーん
早く、自信のある判断ができるようになりたいです。
教務主任として確固たる仕事ができるようになりたいです。

PTA大会に「動員」をかけるそうですが

2015-01-18 12:27:26 | 雑談
もうすぐPTA大会たるものが開催されます。
発表校によるPTA活動の発表や、著名人による公講演などがあります。
今回、本校はこの事務局になっていて、この本番に向けて半年くらい前から準備を進めてきました。
私も教務主任として事務局員の一人になり、何度も夜の会に参加しました。

この大会本番には、各小中学校区に「動員」がかけられるそうです。
要するに、参加者数を確保するために、学校の規模に応じて
「~人参加してください」
と指定されるわけです。
例えば、A小学校はなかなか大きな学校だから
「50人参加してください」
のように。
そうして、トータルで~百人という参加者になり、この大会が行われます。

このやりかたは、PTA活動においてはもう慣例のものになっているのですが、ふと考えると、
…どうでしょう。
もし、この「動員」をかけなかったらどうなるのでしょうか?
何人の参加者がいるのでしょうか。
おそらく、ほとんどいないのではないでしょうか。
というのも、私がこの大会に向けた準備のなかでPの方々といろいろと話をさせてもらうなかで、そう思える話が多かったからです。
どうしても、
「させられてる」
「行かされてる」
この印象がぬぐえません。
自主的にこの大会に参加する人がたくさんいるとは思えません。

だとしたら、どうなんでしょうか。
もちろん子どものためのPTA活動であり、今回の大会もそれに一役買っているはずなのですが、その主旨がありながらも参加者は「動員」でしか集まらないというのは、本来のあるべき姿ではないのは、言うまでもありません。

でもすっかりそれが当たり前の形になっていて、だれもそこに異論を唱える人なんていなくなっている。
そこに一種の危惧を感じます。

PTA大会たるものの形は本当にこれでよいのだろうか。
PTA大会たるものが本当に必要なのだろうか。

教務主任として関わるまでは、そんなこと考えたこともありませんでしたが。
ちなみに私も親です。
数年後にはPになって、この種の活動に加わるわけです。

いろいろと考えさせられます。

「歯車の反比例」苦し紛れにやった授業は

2015-01-13 21:53:34 | 授業中の攻略法
前回の続きです。

私が大の苦手にしていた,6年生「歯車の反比例」の授業。
直前にひらめきました。

「今日の授業では,みんなに歯車になってもらいます。」
きょとんとする子どもたち。
私も苦し紛れの思いつきでしゃべっているので,ここから先の説明ももちろんノープランです。
「えーっと,まず,そうだなぁ…」
みたいな感じで。(笑)

私が思いついたのは,こうです。
子どもたちに歯車になってもらう。
歯数8個の歯車の場合,8人の子で円を作る。
そして回る。
基準となる子を一人決めて,その子に帽子をかぶせておく。
その子が何周したかを数えるようにする。

ということです。
お分かりいただけますでしょうか。
この要領で,歯車Aと歯車Bの2つの円を作り,同時に回して,その仕組みを調べるというものです。

えーっと
歯車Aは歯数8個,子ども8人で固定です。
歯車Bの方は,いろいろと歯数,人数を変えていき,歯車Aの動きとともに,どう動きが変わるかを調べます。
ここで重要なのは,歯車Aの円と,歯車Bの円が,うまく噛み合って,最後までずれることなくきちんと回ることです。
そのためにこうしました。
「2つの歯車の接点で,出会うのは二人だけです。
出会った二人は,その場でハイタッチしてください。」

私の一通りの分かりにくい説明が終わり,とりあえず子どもたちは言われるがままに机を精一杯教室の後ろに引き,広くできたスペースに二つの円,二つの歯車を作りました。
そして
「じゃあ,いくぞ!
歯車の人たち!絶対ずれるな!
見てる人たちは,ぼうしをかぶっている子が何周するかを数えるんだぞ!
よし!
よーい,スタート!」
2つの歯車がゆっくり回りだしました。

「おー」
「あはは」
「歯車だ。歯車だ。」

円になった子たちがゆっくり歩いて回るだけなので,動きにダイナミックさは何もないのですが,確かに歯車ができました。
出会ったところでハイタッチする二人がかわいいです。
「あ!歯車Aが1周したぞ!」
必死な私。
「ほら!次はBが1周した!」

当然,歯車Bは人数が増えると,回転数が減っていきました。
その様子は,黒板で表にもまとめながらいきました。
最終的には,歯車Bは歯数,人数を24人まで増やしたので,窮屈でちっとも進まない円になり,歯車Aがぐるぐる回るのと対照的で,それはそれでおもしろかったようです。

以上,私が苦し紛れにやった歯車の反比例の授業です。
いかがでしょうか。
なんの教材研究も含まれていないので,算数的に問題点がたくさん含まれるていることでしょう。

しかし,子どもたちの反応はよかったですね。
机上の算数が一転して動きのある体験的(と言えるのか?)な算数になりました。
そして,私が一番この授業で苦しんでいた
「歯車のはたらきを実感させる」
「歯数と回転数が反比例することを実感させる」
というのに,少なくとも去年までの授業よりは迫ることができたのかなと。

いやいや
何度も繰り返しますが,思いつきの授業ですので,なんの自慢をできるものもありません。
ただ,
なんというか
授業は最後の一瞬まであきらめるなと。(笑)
ぎりぎりのところまで知恵を絞り続けろということは,教訓になりました。
ときには,教科書は先行実践に頼ることなく,自分が本当に必要と思うなら思い切ったルート変更もありえるんだと。
それをやってみての良し悪しは結果としてあとから出てくるもので,それをまた次回に生かしていくものなんだと。
もし私が今回何のチャレンジもせずに,簡単に表にまとめるだけの授業をしていたら,何の結果も生まれず,何の進歩もなかったところでしょう。

「チャレンジ」

普段の授業でどれだけやっているでしょうか。
意外な展開になった授業から,また自分の普段の授業を省みるきっかけになりました。