小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

忘れ物を叱りますか?

2010-09-29 22:31:35 | 学級生活の攻略法

学校の先生が口をすっぱくして怒るイメージがあるものの一つとして,「忘れ物」があると思っていました。

同じく,小学生がよく怒られる理由の一つが「忘れ物」

学校もののテレビドラマやアニメでもよく見かけます。

先生「こうきくん,また忘れ物して!恥ずかしくないの!?」

お母さん「きょうこ!今朝は忘れ物ないでしょうね!体育服はもったの!?」

子ども「やっば… 絵の具忘れちゃった… どうしよう…」

忘れ物をしちゃうと,学校ではすごく大変なことみたいですね。

でも,忘れ物はしますよね。

大人でもしょっちゅうですよね。

ましてや,子どもには十分起こりえることでしょう。

もちろん忘れ物がOKというわけではありませんが,忘れ物を,それほど目くじらを立てて怒る対象にすることもないように思います。

「先生,コンパス忘れました…」

なんて申し訳なさそうに来た子には,

「はい。気をつけましょうね。どうしますか?」「…今日は貸してください。」「はいどうぞ。大事に使ってください。」「ありがとうございます。」

ぐらい,コンパクトに諭すといいでしょう。

貸し借りのルールは事前にクラス全体で作っておきましょう。

では,忘れ物が続く子になんと指導しましょうか。

避けたいのは,その子の忘れ物が続くからといって,先生がイライラしながら,あの手この手,あの口この口を使いながら長々と叱ることです。

それでは子どもも委縮してしまいますし,先生の身も持ちません。

では,これでどうでしょうか?

みんなの前で,忘れ物をしたことを報告させる!

という形をとることです。

ねらいは,先生に厳しく指導されることではなく,忘れ物をしたから情けない,そして少し恥ずかしい思いをさせることです。

「次,忘れたらひどいですよ。」

の先生の警告を破り,たかしくんがまた次の日も忘れ物をしたとします。

もうトコトコと先生のところに来て,ボソッと「先生,三角定規を忘れました・・・」と言いに来るだけで事を済ませようとはさせません。

何度も,コソッと先生に助けてもらおうなんて,都合がよすぎます。(笑)

また,何度もそれを認めていると,クラス全体で,忘れ物に対する緊張感が薄くなってしまいます。

たかし「先生,三角定規を忘れました。」

先生「はい。席に戻りなさい。そこで聞きます。」(冷たい感じで)

席に戻ったたかしくん。

先生「たかしくん。どうしましたか?」

たかしくん「 ・・・三角定規を忘れました。」

無論,周りの子もこのやりとりを聞いています。

たかしくんには居心地の悪い雰囲気になります。

そして,先生はその報告に対してどう指導するか。

少し「あきれ顔」をして,軽くため息をつくようにしながら「はい。気をつけなさい。」と答えるだけです。

忘れ物などで長い話題にしたくありません。サクッと終わりたい。

ここで「きみはもう何回目・・・」という言葉はいりません。こういうときは,そんな言葉もなく,冷たい感じのほうが,子どもには効きます。

何よりみんなの前で報告しているわけですから,その恥ずかしさだけでも大きなダメージです。

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そして,次の日にもしたかしくんが忘れものを一つもしなかったら,もちろんほめてあげましょう。

「アメとムチ」はありきたりだけどとても効きます。

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「テレビゲーム vs 大人」の勝敗を争う前に

2010-09-27 17:54:23 | 保護者への攻略法

今どきのテレビゲーム,テレビでするものだけでなくモバイル系の小型ゲームも,本当に進んでて,おもしろいですね。

私たちは先生という立場から,どちらかというとそれらのゲームと対立するような立場にあるかもしれませんが,まずは,今どきのゲームはおもしろいということを認めることから始めたいと思います。

そのおもしろさは,子どもを絶えずひきつけます。

子どもだけはありません。

大人もハマります。

ハマるように,それをねらって大手ゲームメーカーさんたちが競うように技術を開発しているわけですから,そりゃそうですよねぇ

だから,一昔前までの単純な,「ゲーム反対論」「ゲーム性悪説」は通用しないのかもしれません。

先生たちの中でも,少し年配の先生で,今どきのゲームを触ったこともない方は,一方的にゲームを否定します。

理屈はどうであれ,「ゲームはするべきではない」と一刀両断です。

だから,子どもとも話が合わない,指導が届かないことが多い。

先生は「ゲームはダメ」と断固言い切る。

子どもは「あんなにおもしろいのに,意味分かんない」と納得できない。

それほど,現代においてゲームは,強い力があります。

これは,教育者という立場からは悔しいことかもしれませんが,認めざるを得ません。

この悔しさは,保護者の皆様も同様なのではないでしょうか。

よく相談を受けます。

「うちの子,ゲームの時間がすごいんですよ。一日に何時間やってんのかしら。まったく… 先生,やめるように言ってくださいませんか?」

(ゲームを買い与えたのはおたくでしょう… いやいや,言っちゃいかんぞ)

子どものゲームに悩む多くの保護者の方に。まずは,

子どもと一緒にゲームをしてみてください!

ここから始めるべきかと思います。

モノを知らずして,そのモノについて議論することはできません。

ゲームを触れたこともない年配先生の頑固な説教になるだけで,それでは子どもも納得いかないのです。

だから

1.まずは,子どもがハマっているゲームを,子どもと一緒に大人も十分体験してみる。

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2.子どもをひきつけているゲームとはなにかを理解する。

3.ゲームにハマっている子どもを理解する。

4.おもしろいと感じられたら,少なからず共感してあげる。

5.その上で,ゲームのやり方について考え,子どもと話し合う。

こういうステップを踏みましょう。

そうすれば,「ゲームをさせたくない」という気持ちをもちながらも,子どもと同じステージで話ができます。

子どもも,一緒にしてくれたおうちの人となら,その意見について考えざるを得なくなるでしょう。

もし子どもが,大人がゲームに入ってくることを嫌がったら,そのときは「買ってあげたのは私でしょう。私もして当然でしょ。いやなら返しなさい。」と,大人の権限を強く振りかざしてOKだと思います。

私も学校で,子どもとゲームの話をすることがあります。

私も少しだけはかじったことがありますので話は合います。

「マリオの隠しコイン,何個とった?とれるとうれしいよね。」

と,子どもの文化を共感してあげた上で,

「でも,もう飽きたかな。外でサッカーする方がおもしろい。」

「何時間もやってると頭がおかしくなりそうだから,あんまりしないようにしてる。」

なんてサクッと言うと,「だよね」なんて,誰かがあいづちをうってくれたりしますね。

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もし同じことを3人が質問してきたら

2010-09-26 08:31:41 | 学級生活の攻略法

図工の工作を進めていると,ひかりさんが先生の所に自分の作品をもってきて,聞きました。

「先生,タイヤをつけるには,この箱のどこに穴を開けるといいですか?」

「ここと,こことにあけると,うまく回るタイヤができるよね。」

「あ,ここか。ありがとうございます。」

すぐに,こうたくんもやってきました。

「先生,タイヤの穴はどこ?」

「ここと,ここだよ。」

「えー,ここか!」

またすぐに,あゆみさんがやってきました。

「先生,タイヤをつける穴って…」

「だからー,こことここよ。なんで分かんないかなー」

同じことを3人も続けて質問してきました。

こんなときは「なんで分かんないかなー」じゃなくて,

同じことを3人が質問してきたら,確実に全体指導が必要!

だと思います。

要するに,その部分については,クラスの多くの子が理解できていない可能性大だということです。

放っておくと,きっとこのあともっとたくさんの子が同じ質問に来るでしょう。

もしくは,分かっていないまま工作を進めて,失敗する子が続出するかもしれません。

その前に,先生が全体指導をするべきです。

「みんな,作業の手を一旦止めて,先生の説明を聴きます。顔を上げなさい。」

と,確実に聴かせます。

「タイヤの付け方で困っている人が多いようですね。本体の箱の,こことここに,穴をあけます。あなたの箱の,ここと,ここを,指で押さえてごらん。」

もちろん図工に限りません。

・テストをしていて,「この問題の意味が分からない」と聞いてくる。

・「今朝の全校体育の,集合場所が分からない」と聞いてくる。

いろんな場面が考えられると思います。

先生が「できて当たり前」と思っていただけで,子どもたちにはできないことだったのかもしれません。

または,「事前に説明したから大丈夫」と思っていただけで,その説明がうまくいってなかったのかもしれません。

どちらにしろ,同じ質問に子どもが来たら,「3人」ぐらいが目安だと思います。

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始めに来てくれた3人が,クラスの実態を教えてくれたということですね。


出張は面倒なことだけど

2010-09-25 09:18:09 | 教師の仕事術の攻略法

先生をしていて,校外の出張を命ぜられたときは(面倒だなぁ)と思ってしまいます。

…あ,これは皆さんがそうではないかもしれませんね。

以前にもいました。

「え?出張,私大好きですよ!」

っていう若い女性の先生が。

「なんで?」

「だって,子どもたちから離れてちょっと一息つけるし,他の学校の先生に会えるから。」

(へぇ~そんな人もいるんだぁ)と思いました。

まあ,確かにそこは人それぞれでしょうね。

私は,出張にもよりますけど,できるなら行きたくない派です。

学校の方が好きです。

それで,どちらにしろ出張は,その先生にとっては時間と労力を費やすものになるのは確実です。

学校で進めたかった仕事があるのに,この出張のためにストップさせられる。

そんなことが多々あります。

だから,出張にはネガティブなイメージを持ってしまいがちですが,ここは仕事人として,自分が一工夫しましょう。

出張は,意外にも仕事を進めるチャンスになる!

やり方一つです。

出張に行き,その会に出席するだけの機会にしてしまうと,自分の仕事は進むはずがありません。

(もちろん,出張の義務は果たすわけですが)

そこで活用したいのが,出張時に多く生まれるスキマ時間です。

・会場までの移動時間(電車やバスの場合)

・会場間の移動時間や休息時間

・恒例染みた開閉会のあいさつ(これもスキマ時間に入れちゃいましょう)

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出張時には結構こんな時間が多いものです。

そんなゆとりは,逆に学校にいるとなかなかもつことができません。

だからこそ,こんな時間にたっぷり仕事を進めちゃいましょう。

では,どんな仕事をするか。

必要な書類を持ち込んで処理することもできるでしょうね。

今週の週報に載せるネタをメモしておくと,帰ってつくる作業が楽になります。

カレンダーに今後の仕事のスケジュール整理することも重要です。

私がよくするのは,教材研究です。

来週新たにスタートする新単元をどう進めていくか,構想を立てます。

このとき役に立つのが携帯電話。

メモ機能にいろいろと書きこんでいくと同時に,インターネットで先行実践や資料を検索します。

普段はなかなかじっくり時間をとってのぞむことができない教材研究ですから,とてもラッキーな感じがします。

ですので,出張が入ったら,必ずその会に必要な準備に加えて,スキマ時間に進めたい仕事を準備して,出かけるようにしましょう。


先生が名前を呼んでくれるというだけのことで

2010-09-24 17:46:57 | 授業中の攻略法

例えば授業中に「教科書の○ページを開きなさい」と,指示を出したとします。

たったこれだけのことでも,子どもが30人いたとすると,30通りの「教科書開き」があるものです。

サッとそのページを開き,姿勢まで正す子。

一生懸命ページをめくっているけど,そのページを見つけられない子。

やっと机から教科書を出そうとする子。

先生の指示すら聞いていない子。

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教科書を開くという,たったこれだけの動作ではあるが,おもしろいものです。

そして,ここに遅い子がいると,授業のテンポが悪くなりますよね。

基本的に,早くできている子に合わせて進めたくなります。

でも,その一方で,遅い子も含めて全員のしっかりとした学習を保障したい。

「たくまくん!先生は今何と言いましたか!?」

なんて,ぼけーっとしている子に喝を入れる先生の声も,毎度のことになってしまってはむなしく響くだけ…

どうにかして,こんな場面でできるだけ敏速に,パッと活動させられないだろうかと考えると,

できた子の名前を呼んであげる!

という攻略法にたどり着きます。

単純なことです。

子どもは,教科書を開き,さらに姿勢をよくして,先生に(先生!開きましたよ!)のアイコンタクトを送ります。

それを受け取り即座に先生は「ゆいさん。」と一回その子の名前を呼んであげます。

そのうち,次々に子どもが教科書を開きアイコンタクトを送ってくるので,

「とおるくん」「ともこさん」「しょうたくん」「りなさん」・・・

と連続で名前を呼んであげます。

こうすると子どもは,名前を呼ばれるだけだけど,そこには「教科書を早く開けたね。えらいよ。」の意味がこもっているのだから,うれしくなります。

すると,他の子も名前を呼んでもらいたくて,活動を敏速にしようとします。

集中力の欠けていた子や,先生の指示を聞き逃した子がいたとしても,どんどんと呼ばれる友だちの名前に,「え?なに?なに?自分もしなきゃ」と焦りだします。

この子たちを叱ることなく,授業の流れに呼び戻すことができるわけです。

だいたい,早かった12,3人ほどを呼び終わるころには,全員が教科書を開き終えているでしょう。

そして,これには結構な教師の腕がいる。

まず,教室の隅から隅まで,アイコンタクトを見逃してはいけません。

そのために,先生は黒板に背中がくっつくほどのところまで後ろに下がって構え,教室全体を見渡します。

次に,子どもの名前を連続でスムーズに言えること。

訓練が必要です。

※最初のうち,子どもたちがまだこのシステムを理解していないときは,「○○さん,開きました。」とまで言ってあげてもいいですね。