小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

他県の大会で発表してみると

2013-11-27 22:35:03 | 教師力UPの攻略法
またまた ですが、すっかり更新をご無沙汰してしまいすみません。
言い訳ですが、この11月後半に、大きな仕事がつまってたけいました。
まずはとある大きな研究大会での発表。
その翌日に教職員バレー大会。
そしてさらにその翌日に学校の学習発表会。
という三連チャンでした。
今はそれらがやっと終わって、ほっとしているところです。
さすがに疲れました~
最後の学習発表会と、夜の打ち上げが終わったときには、本当にぐったりしてました。
翌日のお休みの日、家族とちょっと出掛けたんですが、あまりの眠たさに、久しぶりに妻に運転を代わってもらうほどでした。。。
ようやくその疲れもとれて、いつものリズムが戻ってきた感じです。
まあ、個人的にこの三連チャンが今年の大きな山場だと思ってましたので、どれも無事に終えられてよかったです。
さて
その三連チャンのことを書こうと思うのですが、では順番に大会での発表のことから。
昨年度に大きな研究公開をした流れで、今年もその実績発表の依頼をいくつか受け、今回もその一つでした。
今回の大会は規模が大きく、県外に出て泊をつけて臨みました。
発表の際、でかでかとした垂れ幕(講演会とかでよく見るあれ)に、自分の名前が書いてあるのを、生まれて初めて見ました(笑)
俺も偉くなったもんだな~
なんて(笑)
学校を出て単身、完全アウェイな感じの中でがんばりました。
発表自体はうまくいったと思っています。
発表後の質疑だけでなく、会が終わってからも多くの先生が色々と訊ねてくださり、手応えを感じました。
「資料がほしい」
とメールアドレスをくださる先生もいて、大変恐縮でした。
この発表のためにたくさんの準備をしなくちゃならなかったわけですが、やはりいい経験をさせてもらいました。
また一つキャリアを積ませてもらいました。
ところで
大きな研究大会で、各県から多くの先生が集まったこの会。
私にとっては、普段井の中ばかりにいた蛙が外に出て刺激を受けるいい機会になりました。
やっぱり、先生のカラーって、県ごとに違うんだなって思いました!!
会場で世話役をしてる先生たちの人当たり
お偉いさんたちの話の内容
会自体の進め方
研究発表に対する指導助言の内容
指導助言する先生の立ち位置
そして
私と同様に、他県の先生も何人か研究発表したんですけど、その中身がまあ~みんなそれぞれで、内容も方法も、使う言葉までも全然違うもので、それが面白かったですね。
その県なりの主流っていうのがきっとあるんでしょうね。
また、公開授業も見ることができたのですが、これまた面白いものでした。
全然違うんです。
先生も、子どもも。
授業を構成する一つ一つにも違いが見られて、新鮮でした。
いや~
ところ変われば教育変わる
ですね。
正直、私は私の地元の教育に慣れてしまっているので、ここでは色々と違和感を覚えるというか、若干の居心地の悪さを感じてしまいましたが、それは単純にそう受け止めるべきではないはずです。
それぞれのよさを見つけていくべきでしょうね。



なるほど 「厳しくする」+「仕事を増やす」=「楽になる」

2013-11-14 23:17:31 | 教師の仕事術の攻略法

子どもの毎日の宿題。

漢字のミスが目立つようになりました。

間違った字を書いて提出しているわけです。

そもそも学力的にも,生活態度的にも課題の多い子たち。

漢字のミスを正すと同時に,宿題への気の緩んだ取り組み方に喝を入れる必要があると思いました。

さて,どうしようかな。

まず,担任の私がより厳しい目で,間違いがないかをチェックするようにすることは確実に必要でしょう。

時間はかかるようになりますが,仕方ない。

担任の役割です。

さらに,隣どうしでもチェックさせよう。

よりフィルターを増やして,緊張感を増す作戦です。

そのとき

「間違った字に絶対に丸をしないこと!もしそんなテキトーな丸を見つけたときは,丸をつけた人を厳しく注意しますよ。」

これくらい強調していおきます。

隣どうしで丸つけをさせて,それを先生に提出させ,私の目でもう一度チェックする。

うん… もうひと押しほしい。

よし,決めた。

私は,漢字はできばえによって

「AA」 全て正しい字で,かつ丁寧

「A」 全て正しい字で,ある程度丁寧

「B」 間違いがある,もしくは全て正しくても雑すぎる

の評定をつけるようにしていますが,この「B」をもらった子は

「ペナルティとして,次の宿題ではさらに漢字プリントを増やします。」

とまでしました。

「えっ…」

この宣言に険しい表情の子どもたち。

気が引ける気持ちはよく分かりますが,それくらい必要だと感じました。

漢字プリントを準備する手間や,さらにチェックする宿題が増えることを思えば,またまた先生の仕事が増えることになりますが,これも仕方ない。

さあ,実行!

そして,2週間ほど経ちましたが…

漢字のミスは,すっかりなくなりました。

実行した最初のうち,2・3ありましたが,それを見逃さず,本当にペナルティを課したところ,それがまた子どもたちの目に映り,緊張感を増しました。

それ以降,漢字宿題の取り組みはぐっとよくなりました。

とりあえず,ねらいどおりです。

今,子どもたちは窮屈な思いで宿題の漢字を書いているかもしれませんが,そうした緊張感ある学習に取り組む姿勢が習慣となり,身についていけば,だんだんと荷が軽くなっていくはずです。

だから,この子たちには継続しようと思います。

そして,「忙しくなるだろうな」と覚悟していたチェック作業ですが…

これが意外と,そうはなりませんでした。

今までより厳しい目で漢字を見ようとしているのですが,そう時間がかかりません。

なぜかというと,単純に,ミスがなく,丁寧に書かれた漢字は,結局どの子が書いても全てほぼ同じ形をしているわけで,見る側として,とても見やすいんです。

そうなると,一字一字をチェックしていくというよりは,なんというか,きれいに並んだ真っ白なパズルの中に,型がズレているものがないか,違う色のものが混じってないかをチェックするような感じになりました。

そんなものは,目を凝らして見なくても,一目で分かります。

「AA」の中に潜む「B」は,見つけやすいんです。

そして,この効果は宿題のみならず,もちろんテストにもつながりました。

間違いの少ないテストって採点が楽になります。

なるほど,これは私にも新発見でした。

漢字について厳しくし,それに伴って自分の仕事を増やそうとすると,逆に今までより楽になりました。

これって,漢字のみに限ったことではなさそうです。

学習指導,生徒指導,学級経営,そしてその他の校務。

積極的な取り組みは,それ自体労力や時間を費やすものだけど,その効果が上がった時に,逆に仕事はぐんとやりやすくなる。

そういうものでしょう。

反対に,甘くしたり,手を抜こうとしたりすると,逆に忙しくなるという結果を招くんでしょうね。

うんうん,それもよく分かる気がします。

子どもに対して「これくらいいいか。」なんて見過ごしていると,あとからその子たちに痛い目に遭わされるということ,ありますよね。


勉強が苦手な子だけど,最近目が輝いているわけ

2013-11-05 21:52:20 | 学級生活の攻略法

クラスに勉強が苦手な男の子がいます。

勉強全般に関して意欲にもムラがあるし,理解力も低い。

理解ができないから,また授業へのテンションが下がる。

そして勉強が遅れた分,次の勉強にも支障をきたす。

この悪循環です。

一般的に勉強が苦手な子はこのサイクルをたどることが多いですよね。

どこかでこの悪循環を断ち切ってあげるべく,どこかにメスを入れて,何とか抜けださせてあげようとがんばる先生。

もちろん本人も早く抜け出したくて,努力をします。

…が,その努力も,必ずしも長続きして実を結ぶというわけでもなく。

この子も,6年生の今年に限らず,過去の学年までもそうして苦しんできた子の中の一人です。

勉強をしていない時間は,とても人懐っこくて,少し幼い感じがして,だけどふとしたときに気が利いて,また独特なユーモアもあり,人に好かれています。

私も,正直学習指導に手は焼くけれども,毎日からかってはかわいがっています。

そんな私に好意を抱いてくれているのか,休み時間はよく私のそばにいて,他愛もない話をしてくれます。

昼休みにも遊びに誘ってくれます。

ときどき,あまりにもくっつきすぎるものだから

「ちょっと,暑苦しい!あっち行け!」

と突き飛ばします。(笑)

そんな,クラスの中でもかけがえのない存在のこの子。

授業中には暗い顔をしていることが多いのですが,最近,明るい生き生きとした表情をよく見るようになりました。

はて…

勉強が分かるようになったのだろうか?

テストの点は…  ありゃりゃ  相変わらずじゃないか。

じゃあ,前と何が変わったんだ?

答えは,その子がいつも私にしてくれる話や,個人的に提出しているノートの中にありました。

この子は最近,自分なりの,自分だけの勉強をするようになりました。

歴史が大好きで,ありとあらゆる歴史上の人物や出来事を,家で得意のインターネットで詳しく調べては,下手ですがノートにまとめて,私に見せたり,得意気に話をしたりしてくれるようになりました。

はっきり言って,この子が調べてくるところは,小学校レベルの教科書には全く取り扱われないほどマイナーなものも多いのですが,(真田幸村… 寺田屋事件… 真珠湾攻撃… ジャンルはバラバラ)そんなこと構わずこの子はどんどん調べてきます。

でも,この子の中じゃ,歴史の授業をしている中で,自分が調べたこととなんとなくリンクするものがあるんでしょう。

ときどき「あぁ,そういうことか」のように独り言を言っています。

このブログでも何度か書きましたが,私が歴史好き(特に坂本龍馬)なもので,この子が調べてくることに私も個人的に興味があり,休み時間に二人でマイナーな話で盛り上がることもあります。

それが,またこの子にはうれしいのでしょう。

歴史だけでなく,算数でも表情が明るくなりました。

こちらも成績は相変わらずなのですが,なぜか,この子は「予習」をしてくるようになったのです。

なぜか,なんて言うと失礼ですね。

「予習」という学習の仕方があることは子どもたちに話をしているので,この子もそれを実践しているということでしょう。

始めは驚きましたが,この「予習」に,学力の低い子が手応えを感じているようです。

授業にいつも遅れをとるのが当たり前だったので,少しでも授業の先を行っているという感触が,うれしいのでしょうか。

ただ,さすがに教科書をまんべんなく予習して,必要事項を全て抑えてくるなんてことはできていません。

予習している範囲はごく一部です。

その一部も,予習段階で理解できているかどうかはあやしいです。

しかし,確実に授業より先に教科書を見て,ノートにちょこっと写してきていて,その「ちょこっと」が,授業の中で出てくる瞬間を楽しんでいるようにも見えます。

こんな自主的な学習を,私が勧めたわけでも強制したわけでもないのに,この子が自分であみだして実行,継続している点には驚かされましたし,高く評価しているところです。

自分で,学習に関して生きる道を作りだした。

そんな感じです。

なるほど,この子を見てて学びました。

広く浅く学習することが難しい子でも,狭く深く学習するという方法が向いている場合がある!

小学校の学習は基本的に「広く浅く」です。

勉強が苦手な子は,これが苦痛なわけですが,自分の関心に沿った狭い部分を,どんどん掘り下げていくという学習は,結構できる場合があるということです。

もちろん,今後もそんな学習だけしておけばいいというわけではありませんが,そこに学習の楽しさや喜び,自己肯定感を感じることができるならば,ぜひそうさせてあげたいと思います。

勉強が苦手な子を救う,一つの方法かと思いました。