小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

あんなに欲しかった「空き時間」を手に入れたけど

2014-10-26 21:57:54 | 教師力UPの攻略法
「空き時間」
いわゆる、受け持つ授業がない時間のことで、普通、先生たちはのどから手が出るほどほしいものです。
中・高校の先生たちは専科制で、どの先生にもそこそこの空き時間があることが多いのではないでしょうか。
一方、小学校の先生は違います。
小学校の先生で空き時間が十分にあるという先生はほとんどいないでしょう。
わずかにしかない先生や、まったくない先生だっているはずです。
本校の場合も、低学年の先生たちは専科の授業はなく、日中子どもたちに付きっきりです。
中学年で週に1か2、高学年で3から5ほどの空き時間です。

さて、私はというと、小学校の先生としては珍しく、たくさんの空き時間があります。
多くて週に10時間ほどあります。
教務主任という立場上、与えてもらっているゆとりです。
これまでの担任時代にはこんなに空き時間があったことはなかったので、ずいぶん一日の仕事の流れが変わったように感じます。
さあ、10時間もの空き時間があるので、十分に仕事が進められるかというと…
意外にもそうでもありません。
教務という仕事の多さ、難しさ、複雑さに加えて、私が不馴れな点もあり、10時間で十分な空き時間とは思えないのが現状です。
結局、空き時間がどれくらいあるのかが問題なのではないということでしょうね。
空き時間が少ないときには、それを見越してその中でもなんとか仕事を進めようと努力、工夫するもの。
逆に、空き時間がたくさんできたとしても、今度はそのたくさんの時間の中でそれなりにもがくことになる。
与えられているたくさんの時間には、そういう意味もある。
きっとそういうことなんじゃないかと思う最近です。

あ、そうか。
初めて手にいれたたくさんの空き時間ですが、そこには「教務」という授業が当てはまることになり、そう考えると、これは「空き」時間とは呼べないということでしょうか。笑


「算数の先生」である私の弱点

2014-10-20 20:56:26 | 「教師-子ども」関係の攻略法
高学年の子どもたちに算数の授業をしていますが、私の弱点は
「担任じゃない」
ことです。
担任じゃない先生が授業をすることは決してネガティブな部分ばかりではないとは思いますが、今回はあえて「弱点」と表現したのには理由があります。

それは、担任じゃない私には、授業をしている子どもたちとの確固たる信頼関係が築けていないということです。
もちろん、もう授業をして半年以上経つなかで、私なりに子どもたちとの関係づくりには努めてきているつもりですが、私がどんなに努力をしたとしても、やはり担任のそれにはかなわないだろうと思います。
子どもたちは、私の説明にうなづいてくれるし、私のくだらない話に笑ってくれます。
中には
「先生の授業分かりやすいです。」
なんてうれしい一言を言ってくる子もいます。
しかし、それらはやはり算数の授業における一側面に過ぎず、表面的なものであり、私と子どもたちの関係の深い部分をつなぐには物足りないものがあるだろうと思っています。

それができるのは、担任です。
一日を同じ空間で過ごし、同じ目標をもって歩み、楽しい時間だけでなく辛い時間も共有している、担任のみです。

私はそこには一種の悔しさも感じますが、担任の先生たちがしている日頃の努力や苦労を私も痛いほどしっているので、納得できます。

私は担任じゃない弱点をいつも背負って授業をするわけですが、そこには注意すべきことがあると思っています。

担任ほどの信頼関係がない私が、担任と同じように子どもに接してはいけない面があるはずです。
担任だから認められる言動があります。
担任だから認められる態度があります。
担任と子ども、親しい者どうしの世界観というのがあることを、私も経験上知っています。
私も、授業の中で色々な形で子どもとコミュニケーションをとるわけですが、そんなときの発言や態度には気をつけないといけないと思っています。
担任として子どもたちに接していた半年前と、今とではすっかり立場が変わっていることを、常に認識しておくべきだと思います。


算数の授業で、こんな子がいました

2014-10-12 15:17:48 | 授業中の攻略法
今日は5年生の算数での話です。

単元は「分数」
「分母も分子も違う分数の大きさを比べるにはどうしたらよいだろうか」という課題。
2/3と3/4の大きさ比べです。
子どもたち(少人数編成だから20人)に予想させてみると
2/3が大きい…4人
3/4が大きい…9人
どちらも同じ…7人
というものでした。
人数が分かれ、おもしろいことになりそうだと思いました。
大きさを比べる方法として、子どもたちが考えたのは
・図にして表してみる
・数直線に表してみる
・分数の形を変えてみる
という3つの方法が出てきました。
ある程度、私の予想通りです。
3つの方法から自分なりに選ばせてから、いよいよ問題解決に取り組ませました。
すると、どの方法に取り組んだ子も、そう時間はかからないうちに答えが分かったようでした。
(3/4が大きいね)
もちろん、ここでは通分して大きさ比べができることを学習していく場面なので、授業では最終的にその方法にスポットを当てていき、今日の授業を終えました。
最後に取り組ませた練習問題では、全員の子が「通分」できていたし、私も
「まぁよかったかな」
という印象でした。

授業が終わり、休み時間になったときに、その中の一人の女の子が私のところにかけよってきました。
「先生、こんな風に考えたんですけど」
と、ノートを広げました。
見ると、何やら図やら式やら書いてあります。
それらを指し示しながら、その子が説明を始めました。
「あの時計なんですけど」
「へ?」
教室にある円形の時計を指差して言いました。
「ケーキをあの時計と見たんです」
(ケーキを例えに出していたので)
「あぁそういうこと」
「あの時計の回りの部分をぐーっと引っ張って一直線にして、それを仮に30cmとしたんです。」
「ほぉ」
「それを3つに分けた2つ分と、4つに分けた3つ分では、どっちが大きいか調べたんです」
「すると?」
「すると2/3は20cmになって、3/4は22.5㎝になりました。だから3/4の方が大きいと。これって変ですか?」

私はガツンと頭を殴られた気分でした。
この子の独特な考え方がうれしくもあり、授業の中でこれを取り扱うことができなかった悔しさもあり。
この子は別に際立って賢い子でもなく、いつもコツコツと真面目にがんばるタイプの子です。

立派な数学的な考え方です。
具体量と見立てて、その中で既習方法をなんとか用いて答えを導き出す。
一種の帰納的な考え方として、高く評価できるものです。
「変ですか?」
「とんでもない!!すごいよ。すごい考え方だよ。みんなにもぜひ紹介したいものだよ。次の時間に紹介させてもらっていいかな」
どうもその子は突拍子もない考えだと思っていたらしく、不安そうでしたが、最後には笑顔で帰っていきました。

教師の予想を越える子どもの思考力。
それに触れたとき、教師はまたこの仕事のおもしろさと、奥深さを知ります。
そんな子の考えを生かすも見過ごすも教師次第。
単に声をあげた子だけの考えで授業を進めるのではなく、内に秘めたままの子の考えまで引き出せるようになりたいです。


うわ~はさみで切って捨てちゃうんだ

2014-10-10 06:22:02 | 教師の仕事術の攻略法
教務主任として毎週出す
「職員週報」
学校の直近のスケジュールを示すものとしてとても重要なものです。
私も担任時代にはこれを頼りに自分のスケジュールを管理していました。
漏れなく
分かりやすく
発行が遅れることなく
作成しようと努めています。
前任の教務主任から引き継いだデータがあったのですが
「何か新しいことやりたがり」
な私ですので、それをそのまま転用するのでは気がすみません。笑
しっかり私なりにアイディアを加えて作り替えてみました。
今のところ好評です。

毎週火曜日に週報を配布し終えるとホッとします。
大事な仕事を今週もぬかりなくできたという感じがして。
しかし、最近はここでもう一歩意識を高めています。

配り終えたところがゴールではなく、その先を見てみることにしました。
要するに、私が配布した週報を、それぞれの先生たちはどんな風に扱っているのか、
それをできるだけ見届けるということです。
それを見て、私が知りたいのは、私が作った週報が
どれくらい見られているか
どこを見られているか
どこは見られていないのか
どう処理されているか
そういったことです。
週報づくりのPDCAです。
「C」と「A」を強化する作戦です。

それで実際に週報の行方を見てみると…
なるほど、いろいろと見えました。
先生たちがどこにアンダーラインを引いているのか
どこにアンダーラインを引いていないか
どのようなメモを加えているか
どのようにファイリングしているか
学年会などでどのように話題にしているか
コピーでわざわざサイズ変更している先生もいました
はさみで切り取り、捨て去られている部分もありました

リアルな実態が分かりました。
アンダーラインはうれしく思うし、切り捨てられればがっかりです。笑
なぜアンダーラインを引いてもらえたのか
なぜ切り捨てられたのか
それを分析し、次の週報づくりに生かします。
そしてめざすは
「だもが全面たっぷり使う週報」
づくりです。


改めて、去年と全然違う今年

2014-10-06 21:55:50 | 教師力UPの攻略法
教務主任という仕事について、
「線引きのない仕事」
だと日々感じます。
どの校務についても、明確かある程度か、その範疇があるものですが、私の場合それがとことん見当たりません。
もちろん、分掌上では明確に仕事は割り振られてはいるのですが、それのみにとどまらないというのがこの立場です。

例えば、最近私のした仕事を思い返してみると…

緊急の電話連絡のために授業を空けた担任の代わりにそのクラスの授業に入った
校長先生が作成した「~対策マニュアル」にアイディアを加えた
各学級に設置しているテレビの位置を動かす工事をした
給食コンテナ室の返却の仕方に問題があるということで、しばらく昼休みにコンテナ室に立って指導した
教頭先生が校外に出て留守の間に代わりの番をした
全校朝会でプレゼンを使った講話があるために、事前にセッティングした
各学年の算数の定着を図るために「公式集」のようなフラッシュ教材を作った
生徒指導的な問題で悩んでいる先生の相談にのった
主事さんといっしょに、シーズンを終えた花鉢の片付けをした

「仕事」としましたが、どうも「仕事」とは言わないような気がするものもあります。
「好意」でしているものもあるし「自然と」しているもの、「思い付き」でしているもの…

そういった感覚が、いわゆる「線引き」をなくしてしまっているのでしょうね。

あ、別に私がこのことに不満を感じているわけではありません。
この教務主任という仕事の特殊性を改めて自分なりに整理してみようとしているだけです。
線引きなく、いろんな場所でいろんな人と仕事をできるこの立場のおもしろさも感じていますし、今後も線引きなんてせず、あっちこっち、どんどん顔を出せる教務主任でありたいと思います。
少なからず、私が動くことで誰かの役に立つのであれば。

若い先生が
「先生はなんでも屋ですね」
と笑いながら言ってくれたことがあります。
私にはうれしいほめ言葉でした。