湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

断つの詩パート5

2017-08-26 00:17:05 | オリジナル
共通テーマ「断つ」でEが書いた詩を投稿します。



巨人を父とするのは不幸である
乗りこえるべき高い壁
幸い父は平凡な職人で
小山にも当らない
シベリヤの抑留に耐えたのは
手の職がものを言ったらしい
帰還して黙々と家族を養い
教育をほどこした
ひそかにかなわないと思う
丘にも満たない場合も
時には威圧を与えるらしい
速断はあぶない
猿でさえ岩盤の下で生きた
かと思うと陽光の下で
ひねこびるあしもある
舵輪を握るのは
運か命か
意か気か
八十年の時をもってしても
指呼に迷う
コメント
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