湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

自由題「友」

2017-08-13 01:14:35 | オリジナル
Tの自由題作品を投稿します。

 

きょう
君の細い肋骨のような雲が出ていた
その中を夏が通り過ぎて行くのが見える

ベッドから見上げる君は薄く笑うだけだ
ボクは手を握ってうなずく
密度濃くなっていく言葉のないやりとり

ボクは君に十分聞いただろうか
君はボクに君を話しつくしただろうか
ボクは ポツリ ポツリの君の言葉を
拾っていただけだ

錨のようにボクの中に沈んでいる君の言葉が
重みを増していく

晩夏になる頃
君はもういないのだ
そして
雲のような君の肋骨を
ボクは拾うだろう
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする