湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

声の詩パート1

2017-02-15 22:32:50 | オリジナル
共通テーマ「声」でTが書いた詩を投稿します。



中央に穴の開いた箱をのぞいて
彼は何かを言っていた
「あー、おーい、ぶつぶつ」
真剣な姿が可愛くて
急いでいた足を止めた
「何しているの?」
「だって、こえをいれてください、ってかいてあるよ」
字が読めたのだから六歳の頃だ
私は笑いながら彼の頭を撫でた
「声っていうのは、感じたことや意見という意味なの」
「なあんだ、そうか」
三十年過ぎてもこのシーンは時々思い出す

「何もできなくてごめん、迷惑はかけないから許して」
珍しく母の日に彼の声が届いた
コメント
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