湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

鬼の詩パート2

2017-02-13 16:46:36 | オリジナル
今日は2月の合評会パート2をやりました。参加者5人で楽しく言いたい放題、有意義に詩を勉強できてよかったです。
では、共通テーマ「鬼」でTが書いた詩を投稿します。
 川鏡富士見橋
女優

あなたはいつも考えていた
撮影に向かう車の中でも
遅い昼の食事の時にも
あなたは独りだった
出を待つ楽屋裏で
メーキャップ室の鏡の前で

自身とは違う女を演じても
あなたは知っているだろうか
足の裏の白さに 髪をかき上げる手の指に
自身が息を殺して隠れていることを
それは濃縮され 発光して
舞台に零れ落ち
あなた色に染まっていくことを

見過ぎることを知らず
知り過ぎることに気付かず
あなたはいつも欲していた
裸木の下 凍える風をまとい
化け物のような光源を内蔵して
独りあなたは鬼になっていった
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする