湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

段の詩パート8

2016-08-29 00:25:40 | オリジナル
共通テーマ「段」でKが書いた詩を投稿します。

海の怪談

昼間の賑わいなどおくびにも出さない濡れた浜辺
ほの暗い夜の中
西から東へ走り去る白き波
砂も私も意志も程よく持ち上げて巧みに連れ去る
されるがまま
私の顔色を見ることすらなく
したたかにも、手際よく浅瀬を仕込む
波は波
寄せては返すを繰り返し
言葉巧みに甘えさせ、意志の欠片まで舐め回し
仕込んだ罠で一騎に大海に戻す
連れ去られた砂も私も意志もそのままで
光の届かぬ海に落ちていく
ふところに引き寄せられた波は姿を変え、怒涛の如く迫り狂う。
遥か彼方の波の群れ
怒りに懲りることなどないのだろうよ
冷酷に静かをまとい
うなりをあげ
しかも神をも恐れぬ闇を広げ、すべてをさらいにやってきた。

共通テーマ段・洗うの詩の締切は8月31日(水)です。未提出のメンバーさん、よろしくお願いします。
コメント
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