湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

洗うの詩パート2

2016-08-11 00:00:44 | オリジナル
共通テーマ「洗う」でTが書いた詩を投稿します。お題にちなんで写真は鎌倉十井シリーズ。今日は小町通りの鶴岡八幡宮寄りにある鉄(くろがね)の井です。湘南の竹下通り、小町通りの人出は猛暑でも衰えませんね~。

洗う

五月晴れが続くと
解いてあった着物の布を洗い
糊付けし 板に張り付けていた母
空気が入って膨らんだ部分を
水分を絞った布で丹念に伸ばすのが
私の役目だった
乾いてはがした布はきれいによみがえり
母はそれを又仕立てていた

人も汚れたら 洗いよみがえるのだ

還暦を過ぎた今は
洗い過ぎてはいけない
たくさんの澱の中には
二千年も眠っていた蓮のように
まだ発芽できる種がいくつかある筈だから
コメント
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