湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

雫の詩パート6

2016-03-03 00:44:30 | オリジナル
共通テーマ「雫」でSが書いた詩を投稿します。
 雛の会「ひなあそび」展で
雫のレパートリイ

たとえば少女も小鳥もよく喋るが
それは記憶ではなく 音楽的哲学的なものに近いのではないか
彼女らのしたたりおちる清らかな汗

蛇口から 家出をした娘の泣き声が聴こえて 父親の耳へ入る
雨垂は等身大になる
近視眼のはてしもなくせまい空間

ポスターほどの絵のなかで
けっして乾かない夢のシャツを
干す女 絵だけ黄ばみ端がめくれている
胡麻よりもちいさな雫のレパートリイがふえ続ける
わたしが父を捨てたのだ
コメント
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