揺れるの詩パート9

共通テーマ「揺れる」でSが書いた詩を投稿します。

ゆれる言葉
病院のベンチ
夫だった男とは口喧嘩していた
喧嘩の相手がいていいね
寄ってきた老女が言う
だまっていると
人間ぎらいですか
と問われ　わたしは
人間のことが考えられなかった
あああ　とか　えええ　と
声にしただけ
宙にういてしまった言葉は
わたしという樹のてっぺんに
ぶらさがってゆれている
奇妙な瘤のかたちで
ゆっくりと立ち枯れるわたしと淘汰される

明日5日は14：00から逗子市民交流センター1階市民活動スペースで3月の合評会です。
見学希望者は「湘南文芸」と書いたホワイトボードを使っているテーブルに直接お越しください。