8月2日にAの言霊詩をご紹介しましたが、考えてみると言葉について書くのは、人間について書くのと同義かもしれません。
今日は、Tセレクト嵯峨信之の言葉の詩を3編ご紹介します。
言葉
ひとすじに遠く言葉をつたえながら
いたるところで数々の世界がつくられる
さっきまでだれかが腰かけていた揺り椅子が
廊下のはずれでまだ静かに揺れている
そのひとはふいにある言葉をおもいついて外へ出ていったのだ
それっきりどこかで別の世界がひらけはじめたのだろう
しかしほんとうはいままでかれは神の隣に座っていたのかも知れない
*
空をゆく鳥は跡を残さない
なぜ地上を歩くものは跡を残すのか
それは言葉があるからだ
あの言葉が魂の影を落とすのだ
詩
言葉にはすがたがない
しかし言葉にはあらゆる面がある
その言葉から詩が生まれたと考えよう
各々が採りあげる面の美しさ
夕日を映す高層の千の窓硝子のように
今日は、Tセレクト嵯峨信之の言葉の詩を3編ご紹介します。
言葉
ひとすじに遠く言葉をつたえながら
いたるところで数々の世界がつくられる
さっきまでだれかが腰かけていた揺り椅子が
廊下のはずれでまだ静かに揺れている
そのひとはふいにある言葉をおもいついて外へ出ていったのだ
それっきりどこかで別の世界がひらけはじめたのだろう
しかしほんとうはいままでかれは神の隣に座っていたのかも知れない
*
空をゆく鳥は跡を残さない
なぜ地上を歩くものは跡を残すのか
それは言葉があるからだ
あの言葉が魂の影を落とすのだ
詩
言葉にはすがたがない
しかし言葉にはあらゆる面がある
その言葉から詩が生まれたと考えよう
各々が採りあげる面の美しさ
夕日を映す高層の千の窓硝子のように