湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

立石公園泉鏡花文学碑

2014-08-22 17:11:55 | 三浦半島
横須賀西海岸、立石にある泉鏡花文学碑「草迷宮」。

口語現代文に慣れた私たちにはするすると読めませんが、泉鏡花の作品は深くインパクトのある表現で満ちていてカッコイイです。
詩人の蜂飼耳さんによる「草迷宮」鑑賞を、ご紹介します。
はじまりに近いところで、修行中の小次郎法師は、相州三崎をまわって、秋谷の海岸を通り、茶店に休む。茶店の媼が、口の長い鉄葉(ブリキ)の湯沸から渋茶を注いで出す。「引傾いた、湯沸の口を吹出す湯気は、むらむらと、法師の胸に靡いたが、其さへ颯と涼しい風で冷たい霧のかゝるやうな、法衣の袖は葭簀(よしず)を擦って、外の小松へ翻る」。茶から立ちのぼる湯気が、言葉を読むいま、このとき、目の前を流れる。その眺めは、作中に繰り返し出てくる手毬歌とともに、なぜか、ぴしりと心に残る。 (神奈川近代文学館 生誕140周年記念 泉鏡花展~ものがたりの水脈~「幻想と実感」より)
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