湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

詩「夏の海」

2014-08-02 23:45:02 | オリジナル
会の名称TAKのイニシャル順でお送りしてきた詩の連載。最終回は、北斗七星第3号に収められたKの作品です。

ジリジリ 砂焼く夏の陽は
ジリジリ 人の肌も焼く
焼かれりゃ 辛いはずなのに
油を塗って こんがりと
顔焼く 背を焼く 腹を焼く
誰かに召せと 言うのだろうか
不思議な 不思議な 夏の海
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マイナーですが入選作

2014-08-02 00:00:20 | オリジナル
「現代詩」は読むのも書くのもむずかしそうで、短歌や俳句のように親しめない。書店に行っても詩の本はごく少ないし、勉強の仕方もわからないからという声がある。たしかにこの国ではまだ少数派だが、今年の「文芸コンクール」は前年を上回る200篇の応募があった。
(選考を終えて 平林敏彦 2011年10月12日神奈川新聞より)
まあ、そういう少数派ですが、神奈川新聞文芸コンクール現代詩部門で200篇中11篇(佳作)に入ったAの詩をどうぞ~。

言霊は夜に飛ぶ
人がやってきて
言葉が行き交って
現実に対処する。

知らなくてよかった事を、
知るべき事として教えてもらう。
感心してみせる。面白くはない。

あいつはなんでも言葉で説明してみせる。
現況、意味、ルール。
なんでも誰かが説明できる
実用的で退屈な昼間の世界。
でも感謝して、溶け込んで
うんざり顔は見せないで。

役目が終わったら長居はしない。
昼間の光が残っている内に帰ってくる。
あいつの手が届かない場所で夜を待つ。
多彩な闇の沈黙の中から
言葉を手繰り寄せることができる時間を待つ。
飲みながら待つ。眠くなってしまう。

目覚めると白い光があたりを覆い始めている。
実用的な昼間へと、自分を追い立てなければならない。
寝てしまった事を後悔するのも忘れて急ぐ。

今夜こそ言霊を闇に飛ばすのだ。
それまでは実用的な世界で。
面白くなくても、何が何でも
呼吸を止めないように。


これは心霊写真ではなく、逗子メディアアートフェスティバル@逗子文化プラザフェスティバルパークで撮ったもの。プロジェクションマッピングが投影されているのは逗子市立逗子小学校。今秋も、逗子市内あっちこっちで開催予定。
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