575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

やっと会えたけれど         草女

2007年08月31日 | Weblog
 三年前の三月、ウトナイ湖サンクチュアの湿原に、立ち枯れて円錐状に実をつけている草がたくさんあった。何だろうと注意深く看板を見て歩き、クサレダマだろうという結論に達した。
 以来花の咲いているクサレダマに会いたいと思い続けていた所、この7月ひるがの湿原植物園で花が咲さいているのに会う事が出来た。
 片仮名で読めば「腐れ玉」を連想する。が、実は「草連玉」であり、サクラソウ科のオカトラノオ属の植物。レダマというエニシダに似たマメ科の低木があり、その草版という意味だそうだ。
 エニシダは江戸時代の末に渡来し、それと同じ頃にレダマもやって来たと考えられている。クサレダマは自生している在来種だから、名前のつけ方が逆である上に花の色が黄色と言う以外何も似ていない。
 宮尾登美子の「天涯の花」で一躍有名になったキレンゲショウマもそうだ。
 黄色のレンゲショウマ(蓮華升麻)という意であるが、レンゲショウマとはまったく似ていないし科も違っている。あえて似ているといえば、どちらも数や生息地が限られていて会う事が難しいという共通点くらいであろう。
 
 このように、明治以降に名付けられた植物名には、名付け親のセンスを疑いたくなるなるものにしばしば出会う。
 ハキダメギクやブタナは可愛らしい花なのに汚いイメージがつきまとう。掃溜めで発見したからとか、フランスで豚が食べているからと言うのが名前の由来であるが、植物本来の姿が名前に無い。
 名付け親になるのはむずかしいことだ。

※ 写真はクサレダマ。
コメント (1)
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