575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

薫風と共にこの世を去らんとす  遅足

2024年05月31日 | Weblog

 少しドキリとする一句です。

「死」や「別れ」は悲しいものですが「薫風」との取り合わせで悲壮感はないような・・

晴代さん:こういう往生もいいですね。

泉さん:私の父もゴールデンウィーク中に亡くなって、心地よい風が吹いていたのを思い出す。

再生と活力のエネルギーを感じながら次のステージに進むように逝きたいという思い わかるような気もします。

 

薫風やさよなら告げる庭の木々  泉

能登さん:転居時のことでしょうか。この時季、この庭とのさりげない別れの心情が感じられます。

千香子さん:さよなら告げる、が様々な意味にとれ、それが魅力にも感じました

 (4月26日に親しい人が亡くなった。葬式の日の27日はまさに爽やかな風が吹き 無人の家の木々はそよそよと揺れて別れを惜しんでいるようだった:泉)

亡くなったお身内の方は、お父さまが戦死し、おばあさまとお母さまとともに生涯独身で暮らし、晩年はひとり施設で過ごされたとのこと。彼もまた戦争の被害者と思うという作者の気持ちのこもった句です。

 

薫風や軒先の軍手くるりくるり  童子

須美さん;軒先に干してある軍手の様子をくるりくるりと表現しているのが面白い。

 (念願の農作業してます。軍手を洗って干すと5月の風に可愛らしく舞います:童子)

 

保護猫の養子縁組風薫る  郁子

童子さん:譲渡が決まった喜びが風薫ると良く表現されています。

(高齢者のご夫婦がそろって施設に入られ、その家は空き家となりました。ところがその家に外猫が居ついていたのです。玄関先に座って動かない姿を見かねて餌を与える人もいたのですが、近隣のほとんどの家は糞やら鳴き声に悩まされ迷惑問題となっていました。半年くらいたったでしょうか。駅二つほどの距離を毎朝歩いて仕事にいらっしゃる女性が事情を知って連れて帰ることになりました。猫のほうも、毎日、家の前を通るその女性の顔を覚えて懐いていたのだそうです。その家の先住猫とうまくやれているようで安心しています:郁子)

地域猫の保護活動で何十年間、朝夕一日も欠かさず餌やりを続けている老婦人がいます。避妊の手術や怪我の手当など手厚くされていますが、なかなか理解は得られず大変だなと思います。

 

さて5月も今日で終わり。

余談ですが、今月私はまたひとつ歳をとりました。(笑) 郁子

コメント (1)
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