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ジュリエットからの手紙(DVD)

2012-03-30 22:38:12 | 学・楽・感
世界中の女性たちが、様々な形の恋愛の悩みを投げかける場所、
それがイタリア・ヴェローナにある「ジュリエット・ハウス」
そして、その場に集い、
おそらくはボランティアとして悩みに応えるのがジュリエットの秘書たち。

一観光客であるソフィーは、どちらかというとジュリエットに手紙を書く境遇なのに、
婚約者の帰りを待つ時間つぶしに飛び入り秘書となり、
ある手紙に返事を書きます。シェークスピアの秘書にでもなれそうな文学的な文面で。

ある手紙というのは50年前に15歳の少女クレアが書いたものでした。
彼女は今や成人した孫を持つ妙齢のマダムです。
しかし、届いた手紙が記憶の箱を開ける鍵となり、
孫を伴ってかつての恋人を探す決心をしました。

一般的な観光地から、郊外の農園をたどるその道のりは、
明るい太陽に照らされたイタリア各地の美しさを見せてくれます。
そして、
女性をほめちぎって口説き落とそうとするイタリア男の神髄が、
年を重ねても衰えるどころか磨きがかかるのもよくわかりました。
何人もの同姓同名をやり過ごし、探すロレンツォ本人がみつかったらきっと、
偽物たちのようにチャラいおっさんではなく朴訥な農夫だろうと思いきや、
やっぱりいきなり愛を語りだしたのには少しばかり笑えました。

クレアが『この人』と確信を持ったのは、本人を見たときではなく、
記憶の中にあるロレンツォの姿をしたその孫を見たときでした。
かつての恋人を探し回る間、気持ちは恋する15歳だった彼女が、
そのとき50年の歳月を思い知ったのです。
どちらも同じだけ年を取っているのに、
自分の老いた姿は愛した人に見せたくない、と。

体も、心も消耗させた数日間の旅、
50年前に勇気を出していれば、こんな労苦はなかったわけです。
50年は長すぎます。けれど、
50年たったからこそ実る恋もあったのです。

いくつもの擦れ違いを現世では修正できなかったのが、本家、
「ロミオとジュリエット」

新しいお話では少しだけ強い気持ちとタイミングで、
消えそうな恋を一つならずも救う結末となりました。
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