山の中の別世界 九州国立博物館
またまた大宰府にある博物館へ行ってきました。
御三家筆頭 尾張 徳川家の至宝
はい、お見事な国宝の数々。
この展示は、今年2月に東京でもやっていたもの。
東京行の日程が合わなくて、残念ながら見逃したのですが、
九州にもやってきてくれて万々歳!
しっかり堪能してまいりました。。。
特別出品されている国宝「源氏物語絵巻」は、現存最古の物語絵巻。
新聞でも詳しく解説されていたので、是非是非見たい!
ま、現物は色も少々褪せておりまして、解説がなければ
ん??って感じなんですが、
作品は「横笛」の帖。
夜、激しく泣き出した子どもをあやす雲井雁とそれを見守る夕霧が描かれています。
源氏物語・・・というと、ついつい光源氏と彼にまつわる女性達を思い浮かべてしまいますが、
そうそう夕霧と雲井雁のお話もあったんだ。。。。
当時、身分の高い女性は自分では授乳せず、乳母に任せているのですが、
この絵では、雲井雁が、子どもをあやすために授乳の動作をしています。
雲井雁と乳母の間には、物の怪を追い払うための米が置かれており
当時の習俗をしっかり伝えているところも
この絵巻が貴重な資料という証拠なんだとか。
もう一つの特別出品 初音の調度
こちらは徳川3代将軍家光の長女千代姫が、尾張徳川光友に嫁いだ時に持参した豪華な調度。
源氏物語『初音』の帖の
年月を 松にひかれて ふる人に 今日鶯の 初音きかせよ
の歌の意を全体の意匠とし、和歌の文字を絵柄の中に埋め込んでいます。
源氏物語って、どこまでも影響あたえてますね~~
私が見たのは、蒔絵貝桶
六角形の丈の高い箱で、中には貝合わせに使う360個の貝が収納されていました。
貝合わせとは、離ればなれになった蛤の殻を
貝の内側に描かれた源氏絵や花鳥文様などを手掛かりに元の組み合わせにもどしていく・・・という
みやびやかな遊戯です。
殻がぴったりと合うのは同一の個体だけ・・・という二枚貝の特性を生かした遊びで
「貞女は二夫にまみえず」という道徳観を重ねていたそうで
大名家の婚礼調度と言うと、必ず入っていた大切なもの。
ほかにも、尾張徳川家の財宝いや至宝の数々を見てきたのですが、
武家らしい甲冑・刀や、教養としての茶器や能装束、書や絵など
見ごたえのある展示ばかり。
面白かったのは秀吉から家康にわたった花生。
銅製のなんてことないシンプルなものですが、
家康との碁の勝負に勝った石川貞清が秀吉からもらいうけたもので
関ヶ原の合戦で西軍についた貞清が、この花生を家康に贈って
死罪を免れた・・・・というからちょっとビックリ。
命が安価なのか、この花入に価値があったのか。
12月8日までの開催ですが、途中で展示品が交換されるので、
もう一度、行ってみようかな~~
とにかく見ごたえたっぷりの展覧会です。
(写真は、すべて徳川美術館のHPから拝借してます。館内は撮影禁止ですよ~~)