おやじのつぶやき

おやじの日々の暮らしぶりや世の中の見聞きしたことへの思い

イラクどこ?4割が不正解

2005-02-23 22:55:19 | 教育
 大学生・高校生への調査結果である。北朝鮮は大学生で約1割、高校生で24%が誤答だったという(2/23日朝日・朝刊)。この調査は、最近メディアによく登場する国10カ国の位置を世界地図上に記した30の番号から選ぶという内容だった。
 アメリカ合衆国・イラク・インド・ウクライナ・ギリシャ・ケニア・北朝鮮・フランス・ブラジル・ベトナム。果たしてどこにあったか?ウクライナ、ケニアは、とつい考えてしまった。また、新聞に掲載された30の番号の国々は何という国だったっけ?とまたまた考える。
 特に高校生の誤答率はひどいもので、昨年夏にオリンピックが開催されたギリシャの位置は、なんと40%が間違っていたという。
 現在、高校では、社会科という教科はなくなって、地歴科、公民科と二つの教科になり、また「日本史・世界史・地理」と「現代社会・政治経済・倫理」という教科に分かれている。しかも、高校での必修は世界史のみで、他はすべて選択教科になっている。そのため、「日本史」を習得しない生徒や「地理」を全くやらない生徒も多くいるのが現状だ。
 中学校や小学校ではどうか?中学校では、自分の住む都道府県の他、北のほうから一つ、南のほうから一つほど選び、その都道府県について学習することになっているらしい。外国についても、アメリカは必ず学ぶがその他には1カ国を学ぶのみだ。
 勿論、農業や産業、輸出入などについては統計的な資料をもとにして、学習を行うことは行うが、それもかなりおおざっぱな授業内容。ゆとり教育の推進の中で、学習内容の3割削減、大幅な選択制の導入で、「地理」を学ばないままに高校を卒業し、大学に入る生徒もたくさんいるのである。小学校・中学校でも学ばないのだから、社会人になってからもほとんど知識がないまま。
 これで、国際化・情報化時代にあって、今の青少年たちがビジネスやスポーツなどを通じて海外に雄飛することが出来るのだろうか、世界に出ても恥をかく結果になりはしないか、と余計な心配をしてしまう。地に足の着いた、現実感覚がないまま、相手の国の文化・風習・自然環境などを知らないで、外国の人々と本当に交流が出来るのか、観光旅行さえもまともに通用しないのではないかと思う。
 まして、イラクへの自衛隊派遣をめぐる問題。北朝鮮の拉致問題や6カ国協議の行方。パレスチナ問題。・・・今世界を揺るがしているさまざまな国際問題、戦争、飢餓、大地震。平和や戦争の問題が、実際の地理的感覚のない青年たちに向かって語られていることほど空しいことはない。
 観念的ではなく、本物の、血の通った国際感覚は、少なくとも中学や高校の時に植え付けていく必要がある。英語の時間も大幅に削減され、地理も日本の歴史も学ばなくてもいいような「ゆとり」教育による授業時数削減は、将来に大きな禍根を残すものになっていくはずだ。
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