斎院として(朝顔姫君の場合)
「朝顔」という名は、源氏からアサガオの花を添えた和歌を贈られたという「帚木」や「朝顔」の逸話からきており、そこから「朝顔の姫君」「朝顔の斎院」または、「槿姫君」「槿斎院」などの呼び名がある。
源氏が若い頃から熱をあげていた女君の一人で、高貴の出自のため正妻候補に幾度か名前が挙がり、正妻格の紫の上の立場を脅かした。
朝顔も源氏に好意を抱いていたが、源氏と深い仲になれば、六条御息所と同じく不幸になろうと恐れて源氏の求愛を拒み続ける。源氏とは終始プラトニックな関係だった。
朱雀帝時代から斎院を長く続けたため婚期を逃し、そのまま独身を貫き通して、出家、物語の表舞台から消える。
◆写真 朝顔に心を寄せる源氏