無常観
当時、人々の心を支配した思想は仏教思想である。仏教は人生無常を説くが、この物語でも「常なき世」という言葉を、作中人物が口にする。
源氏でみてみると、わずか三歳で母に先立たれ、正妻葵の上の死を経験し、父帝の死後の弘徴殿女御方の圧迫をうけて須磨流謫の憂き目に合って、世の無常を経験している。
肉親の死は人生の無常、世のはかなさを知る最大の契機であるが、政治的に栄華と衰退を味わった源氏は道心を起こしている。しかしそれを妨げる柵(しがらみ)に、なお生きねばならない。
物語中での藤壺や六條御息所の出家は、自身で決められたようであるが、これから展開される紫の上では、源氏は最後まで許さない。
◆参考:源氏物語手鏡
当時、人々の心を支配した思想は仏教思想である。仏教は人生無常を説くが、この物語でも「常なき世」という言葉を、作中人物が口にする。
源氏でみてみると、わずか三歳で母に先立たれ、正妻葵の上の死を経験し、父帝の死後の弘徴殿女御方の圧迫をうけて須磨流謫の憂き目に合って、世の無常を経験している。
肉親の死は人生の無常、世のはかなさを知る最大の契機であるが、政治的に栄華と衰退を味わった源氏は道心を起こしている。しかしそれを妨げる柵(しがらみ)に、なお生きねばならない。
物語中での藤壺や六條御息所の出家は、自身で決められたようであるが、これから展開される紫の上では、源氏は最後まで許さない。
◆参考:源氏物語手鏡