永子の窓

趣味の世界

源氏物語を読んできて(貴族の生活と財政・貴族の邸宅)

2008年08月03日 | Weblog
貴族の生活と財政

 源氏物語は、天皇家と貴族の世界の物語である。三位以上の公卿と言われる貴族は二十名を越えない。これらの家の経済を覗いて見ることにしました。

◆貴族の邸宅
 不動産としては、宅地および邸宅、荘園、牧場などがある。これらの不動産は、自分の代に得たものもあるが、多くは、親から、妻から、あるいは夫などから相続したものである。従って、邸宅にしても、一人でいくつも所有することになる。
 
 源氏は、二條の院を母から、または祖母から、二條の東(ひんがし)の院を桐壺院から得ている。六條御息所の邸宅を、前斎宮を養女とすることによって預り、須磨へ退居している場所は自分の荘園であり、牧場のようである。それを留守中は紫の上に所有権を示す証券のようなものを預けている。
 
 源氏の政治力を見落としがちだが、美貌と色好みの展開の裏に、当時の人々は当然源氏の経済観念のしたたかさも読みとっていたことと思う。


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