Gomaler's~神社仏閣巡り~癒しを求めて

主に関西の神社仏閣巡りと御朱印集めが趣味です。

旧嵯峨御所 大覚寺門跡(2011年9月24日参拝)

2011-10-08 | 近畿三十六不動尊
大覚寺は嵯峨天皇の離宮を寺に改めた皇室ゆかりの寺院で、
後宇多法皇がここで院政を行う等、
日本の政治史に深い関わりをもつ寺院である。
また嵯峨天皇に始まるという華道嵯峨御流を今に伝える寺でもある。



所在地:京都府京都市右京区嵯峨大沢町4
宗派:真言宗大覚寺派
御本尊:不動明王、五大明王(重要文化財)
創建:貞観18年(876年)
開基:嵯峨天皇
札所:真言宗十八本山5番、近畿三十六不動尊13番、神仏霊場巡拝の道 第89番


【広沢池】






大覚寺近くにある広沢池。
ここの風景がたまらない。

なんというかこれぞ日本の風景だなという感じがして、
とても郷愁にかられます。


大分県の「初沢の池」・奈良県の「猿沢の池」とともに日本三沢の一つ。

平安時代の中期、989年(永祚元年)に遍照寺の建立にあわせ庭池として
本堂の南に造営されたとも言われている。
異説として嵯峨野一帯を開墾した渡来系豪族の秦氏一族が溜池として
造ったとも言われている。


【表門】


江戸時代初期建立。

門跡寺院らしい門構えですね。


【大玄関 松の間】


今回は御輿が置かれていました。
松の間の襖の絵は狩野永徳筆ですが複製です。


【勅使門】


嘉永年間(1848~54)の再建。

こちらのお庭も落ち着きますね。


【正寝殿】




重要文化財。

南北に3列の部屋が配置されており、
東列は「剣璽の間」「御冠の間」「紅葉の間」「竹の間」、
中央列は「雪の間」「鷹の間」、西列は「山水の間」「聖人の間」を並べ、
その南と東に狭屋の間を配置する。
 
上段の間は後宇多法皇が院政を執った部屋で、
執務の際は御冠を傍らに置いたことから「御冠の間」と呼ばれている。


【村雨の廊下】


中庭がいい雰囲気を創りだしています。
歩くとキュッキュッと廊下が啼くのもまたいい。


【霊明殿】






総理大臣を務めた斎藤実が昭和3年(1928年)、
東京の沼袋に建てた日仏寺の本堂だったが、
昭和33年(1958年)当時大覚寺門跡であった草繋全宜が移築したもの。

阿弥陀如来が祀られています。


【宸殿】


重要文化財。

江戸時代、後水尾天皇より下賜された寝殿造りの建物。
天皇に入内された徳川2代将軍秀忠の娘東福門院和子が、
女御御所の宸殿として使用していたものだそうです。


【御影堂】


大正14年建造で大正天皇即位式場に建てられた饗宴殿を
式後賜り移築したもの。

心経殿の前殿であります。

内陣左右に嵯峨天皇、秘鍵大師(弘法大師)、後宇多法皇、恒寂入道親王など
大覚寺の歴史に大きな役割を果たされた方々の尊像を安置されています。


【御霊殿】


「安井門跡蓮華光院の御影堂」を明治4年(1871)に移築したもので、
天井には雲龍が描かれています。

今まで雲龍が描かれているのは知りませんでしたが、
ちょうど檀家を引き連れたお坊さんが説明されていたのを偶然聞いて、
この度めでたく知った次第でございます。

殿内は撮影禁止でした。


【勅封心経殿】


重要文化財。

大正14年(1925)後宇多法皇600年、後亀山天皇500年の御遠忌記念事業として、
法隆寺の夢殿を模して建立された。
殿内には嵯峨天皇をはじめ後光厳・後花園・後奈良・正親町・光格天皇の
勅封心経を奉安し薬師如来立像が安置されています。


【心経宝塔】




昭和42年(1967)嵯峨天皇心経写経1150年を記念して建立。

放生池と大沢池のほとりにあり朱塗りの宝塔が美しく映えます。


【聖天堂】


心経宝塔とともに聖天堂も時代劇ロケに使われているようです。


【大日堂】



【閼伽堂】


約1200年前の平安時代初期に寺の前身となる嵯峨天皇の離宮「嵯峨院」が
建立された頃、嵯峨天皇と親交を深めた弘法大師がこの地で
嵯峨院持仏堂「五覚院」を建てた際に閼伽井を掘ったとされる。

閼伽堂内にありこれまで一般公開せず、
仏前に供える水をくむ特別な井戸として受け継いできたが、
今秋、初公開に踏み切るそうです。


【大沢池】








日本最古の人工の林泉(林や泉水などのある庭園)。
嵯峨天皇が離宮嵯峨院の造営にあたって、
中国の洞庭湖を模して造られたところから庭湖とも呼ばれる。

日本三大名月観賞池だけあって、
こちらで見る中秋の名月はさぞ美しいのだろう。

いつの日か見てみたいものである。


【護摩堂】


こちらも時代劇によく登場するそうです。


【鳥居】


大沢池の天神島に小さな鳥居と祠がありました。


【御朱印】


近畿三十六不動尊の御朱印。



真言宗十八本山の御朱印。



御詠歌の御朱印。



大覚寺は由緒正しく、かつ気品のある伽藍と、
ノスタルジックな風景がマッチしたとても素晴らしい門跡寺院でした。