ブログ 「ごまめの歯軋り」

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「文語訳 旧訳聖書 Ⅱ 歴史」 岩波文庫

2020年03月22日 | 漢詩・自由詩
村社の桜

イスラエル民族はカナンの地でダビデ・ソロモンのもと統一国家を形成し、後南北王国に分裂しアッシリアに滅ぼされバビロンの幽囚となる時代の歴史12書

2) 「文語訳旧約聖書 Ⅱ 歴史」(岩波文庫2015年)(その3)
2-1) ヨシュア記 (その3)
第10章: ヨシュアがエリコとアイの邑を全滅させ、ギデオンの民と誼を結んだことを知ったエルサレムの王アド二ゼデクは大いに驚いた。そこでヘブロンの王ホハム、ヤルムデの王ピラム、ラキシの王ヤビア、エグロンの王デビルの五王は共同して、イスラエルと誼を結んだギベオンを撃つこと決め戦闘となった。ギベオンの人はギルガルの陣営に人を派遣し救援を請うた。ヨシュアはエホバに伺いを立てると、エホバは勝利を約束した。ヨシュアはギベオンにおいて彼らを夥しく殺し、アゼカ、マッケダ迄追い迫り、ベテホロンの坂道でエホバの神は大石の雨を降らし彼らを殲滅した。五人の王はマッケダの洞窟に逃げ込んだが、大石出入り口を封鎖し五人の王を捕えてヨシュアの前に引き出した。ヨシュアは5人の王を吊るし首して、5本の樹に掛けた。死体をその日のうちに降ろして洞窟の中へ投げ込み、大きな石で蓋をした。こうしてヨシュアはすべてのイスラエル人を率いてマッケダからリブナに攻め込んだ。次にラキシを攻撃し敵を全滅させた。ラキシを助けるために上ってきたゲゼルの王ホラムの軍をも全滅させた。さらにエグロンに進みその日のうちに攻略し殲滅した。エグロンからヘブロンに進攻しこれも一人残さず滅ぼした。またデビルに至りこれを攻めて一切の人を滅ぼした。こうして破竹の勢いで5王とその領地をことごとく滅ぼした。ヨシュアはカデシバルネアよりガザまでの国々およびゴセンの全地を滅ぼしてギベオンまで支配地を広げた。
第11章: ハゾルの王ヤビンはイスラエル人の侵攻を前に、マドンの王ヨバブ、シムロンの王、アクサフの王、北の山地に居る王たち、すなわちカナン人・アモリ人・ヘテ人・エブス人・ヒビ人に使いを出してメロムの水門に陣を取り対イスラエル戦の前線とした。その数の多さにヨシュアはエホバに伺いをして勝利を誓った。ユシュアは連合軍をメロムの水門で打ち破り、ミズパの谷まで追撃し全滅させた。そしてハズルを攻略し王ヤビンを殺した。ハズルの邑を悉く焼き払った。こうしてエホバがかってモーセに命じたことは、今ヨシュアがすべて成し遂げた。ヨシュアはゴセンの全地、アラバ平野を取り、南はハラク山から北はヨルダンまでの王をことごとく撃ち殺した。周辺の邑はイスラエルと誼を結んだ。またヨシュアはヘブロン、デビル、アナブ、ユダの一切の山地よりアナク人を絶滅した。
第12章: ヨルダン川の東の地において、アルノンの谷からヘルモン山および東アラバまでの間で撃ち滅ぼした国の王たちの名前は、アモリ人の王シホン(ヘシボン)、パシャの王オグ(アシタロテ)である。ヨルダン川の西の地において、バアルガデからハラク山までの間で討ち滅ぼした王たちの名前は、エリコの王、アイの王、エルサレムの王、ヘブロンの王、ヤムルテの王、ラキシの王、エグロンの王、ゲゼルの王、デビルの王、ゲゼルの王、ホルマの王、アラデの王、リブナの王、マッケダの王、べテルの王、タップアの王、ヘベルの王、アベクの王、ラシャロンの王、マドンの王、ハズルの王、シムロンの王、メロンの王、アクサフの王、タアナクの王、メドンの王、ケデシの王、ヨクネアムの王、ドルの王、ギルガルの王、テルザの王合わせて31人であった。
第13章: ヨシュアの征服戦争は45年間続いたが、ヨシュアも年を取ったが、エホバはさらにユシュアに取るべき地はまだ多くあると次のように取るべき地を示した。①ペリシテ人の全土、エジプトのシホルからカナン人の北エクロンまで5人の王が支配する地である。ガザ人・アシド人・アソケロン人・ガテ人・エクロン人の地 ②南のアヒ人・カナン人の全土、③シドン人に属するメアラ、およびアモリ人のアベクまでの地 ④バアルガデからハマテまでのゲバル人の地およびヨルダン川東の全土 ⑤レバノンからミスレポテマイムまでの山地の一切の民すなわちシドシ人の全土 である。その地をイスラエルの9つの支派とマナセの支派の半ばに分配して産業を興す。マナセ支派、ルベン支派、ガド支派、ルベンの支派、ガドの支派、マナセの分派、マキルの支派らに支配地を分配するというエホバの命であった。
第14章: イスラエルの民の最高指導者、祭司エレアゼル、神の代理人ヨシュア、そして12人のイスラエルの支派の長老(牧伯)は、支派の取るべき土地に関するエホバの命令を籤によって9つの支派と半ばの支派に分配することを決定した。レビ人は産業を持たない神への仕え人であるので、土地の分配からは除かれた。ここにケニズ人エフネンの子カレブはヨシュアに、カデシバルネアに関するモーセとの約束を持ち出し、カデシバルネアの偵察の命を受け、任務を全うし報告したが、イスラエルの民が侵攻をひるむ中前進を主張したのは私とヨシュアであった。エホバに仕える者で85歳になってなお意気高建である。カデシバルネアをカレブに与えよとヨシュアに申し出た。ヨシュアはカレブを祝福し彼にヘブロンの地を与えて産業となさしめた。民数記第13章に書いたように、偵察隊の中で侵攻を主張したのは、ヨシュアとカレブであった。二人は固い友情で結ばれていたからである。

(つづく)


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