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尾形光琳、意匠の巨匠

2012-05-19 23:33:09 | アート

松島図屏風


紅白梅図(右隻)


紅白梅図(左隻)

今日の”美の巨人たち”、尾形光琳の”松島図屏風”。
国宝級なのに、アメリカのボストン美術館に所蔵されている。
それは、フェノロサがアメリカに持ち帰ったから。
フェノロサは、岡倉天心とともに東京美術学校設立と、また、日本美術の再評価と国際的評価の向上にも力を尽くした。

俵屋宗達を起源とする琳派の始祖である尾形光琳は、非常にデザイン性に富んだ画風を開花させた。
その思い切りのよい画面構成は、ドイツ圏のユーゲント・シュティール、イギリスのアーツ・アンド・クラフツなど西欧絵画に強い影響を与えた。

実に、斬新奇抜なその意匠、圧倒的存在感は、観る者に強い感銘を与える。
”松島図屏風”の文様のように誇張され繰り返される曲線で描く波と平行と俯瞰二つの視点から描いた波、
ありえない形でせり立つ岩島は、写実で表現しきれない凝縮し普遍化した風景がある。
宗達とは違う個性。
しかし、宗達無くしては生まれなかったかもしてない個性。
琳派とは、モチーフを共有し、伝承される画風なのだといっていたが、まさにその通りなのかもしれない。
光琳の継承者、酒井抱一にも時を越えて琳派イズムが受け継がれた。
継承しなおかつアレンジを施す精神も、琳派イズムなのだ。
いや、その精神そのものが、純日本的伝統なのかもしれないと、思いあたることがたくさんある。
ただの、目先の利益優先型のコピーではなく、自分好みにアレンジすることが日本流。

光琳は、まさに日本なのかもしれないと思う、今日の一枚であった。

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