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福井県勝山市の「赤とんぼ先生」絞殺事件。前園泰徳・被告の初公判へ向けての現状と最新情報<後篇>

2016-04-02 19:40:35 | ・犯罪

 まだ、この事件を覚えている人がいらっしゃるのは、書き手としては取材しがいがある。

 この「赤とんぼ先生」こと、前園泰徳(まえぞの やすのり)(左下・写真)被告が起こした、絞殺事件から、もはや1年以上が過ぎ去った

  昨年の3月11日。丁度、三陸沖超津波大地震から丸4年目。年を重ねるごとに「イベント化しつつある追悼式」が行われたその深夜。

 福井県勝山市で、翌未明にかけて、その絞殺事件は起こった

 加害者は、この前園泰徳。殺された被害者は、菅原みわ

 

 心身ともに、その深い関係となったいきさつや、「赤とんぼ先生」や「魔王さま」と呼ぶに至った事実経過は、すでに数回、記事化したし、その経緯を知ったうえでこの記事を読んでくださっていることと思う。

 

 交通事故に見せかけようと殺害後、画策。証拠隠滅も図った。

 逮捕後に至っては、殺しは認めたものの、まるで、止む終えなかった嘱託殺人であるかのように供述。

 通常殺人と、嘱託殺人では、刑期は天と地の差がある。それに、虚偽供述と、計画的殺人と証拠隠滅が加われば、さらに重くなる。

 彼女は、こう言ったと言う。

 「殺して欲しい。もう、無理です」と。

 ???

 かなり、無理がある。

 ただ、その供述の発想の根源には、泥沼の恋に溺れこんだ際に、多くの女性が思わず吐く言葉が有りそうだ。

 「もう、どうなってもいい。わたし、死にたい。死にたくなっちゃいそう・・・」

 本気では無いことは、その手の恋をした体験のある女性なら、理解出来るだろう。

 そして、4月3日、前園泰徳は殺人罪などで、起訴された

 あれから・・・・・丸1年

 月日の流れは早く、通常であれば、すでに2回くらいは公判が開かれていても、おかしくない。

 そう想っていた。昨年末には、8か月経っても、まったく初公判の期日すら決まっていない現状を書いた。

 数日前より、さらに取材を重ねた。その結果を、ご報告したい

 逮捕・拘留され、起訴が決定後、前園は、「福井拘置所」へと移送された。

 拘置所は、福井刑務所の同じ敷地内の別棟に置かれ、未決囚として区分けされている。

 福井県内には、刑務所も、拘置所も、ここにしか無い。

 なので、「その被告人が、ここに入っているか、どうかは、お答え出来ません」と、拘置所職員は私に答えたが、もはやココで決定だ。

 主食は、麦7割、米3割の割合。3食、出る。

 ただし「刑務所の収容者と違い、菓子や弁当など、おカネが有れば、購入は出来ます」「労役は、有りません」

 部屋は、自然冷暖房。つまり、エアコンは、暑かろうが寒かろうが、設置されていない。

 福井の冬は、寒い。そして、夏は暑いが、「ウチは、扇風機は置いてません。他の拘置所では、置いてある施設も有ると聞いてはおりますが」と、同職員。

 「寒さが厳しい日には、毛布などを支給しております」とも言う。

 事件が起こる直前まで、家族4人で住んでいた一戸建て借家(写真左下)に、妻・美樹を始め、男女2児の姿は、すでに無い。

 

  妻が、差し入れを送っていると言う話しもあったが、「そういうことについては、一切お答え出来ません」と、拘置所職員。

  いわゆる初公判に向けての、裁判官、検察官、弁護人が集まっての「公判前手続きも兼ねた協議」は、これまで何度か行われてきていることは、福井地方裁判所の職員も、書記官も認めている。

 裁判官は、すでに記事化したように、入子光臣(いりこ みつおみ)が裁判長を務め、左右の陪席裁判官は、熊谷大輔河本薫に決定。

 というより、福井地裁には、刑事裁判官の人数が少なく、もう一人の簡裁の裁判長も兼ねている者との、計4人で、数多くの刑事事件を「切り回して、次々と片付けていっているようなもの」と、地元の司法担当記者は言う。

 さらに調べてゆくと、刑事法廷は、たった一つしかなかったことに、早く気付くべきであった。

 愚かなコトに、東京地裁の感覚でいた。

 確かに、傍聴席は司法記者の席も入れて、95席もある。だが、一つきり。

 そのために、順次刑事事件の裁判を、4人でこなしているのだが、「赤とんぼ先生」の初公判にまで、たどり着いていないのが、実情だという。

 まして、裁判員裁判正規裁判員が、6名。もしものコトを考慮しての、補充裁判員を2名選出しなければいけない。

 その募集は、初公判の期日が内定してからのこと。

 短期集中ともいうべき、公判期間。その8人ものスケジュール調整も考えなければいけない。

 地元の司法記者に聞くと、「今の流れでいくと、おそらくこの裁判の初公判は、夏ごろになるんじゃないかとみてます」と、言う。

 となれば、起訴されて1年4か月後にもなる。

 選ばれた裁判員は、果たして、前園・被告人の「嘱託殺人」という、身勝手極まりない主張を、理解してくれる・・・・・であろうか?

 理屈に合わない、詭弁ばかりの法廷供述を繰り返すと、入子光臣裁判長の表情は険しくなり、語気が荒くなりがちだという。

 ましてや、事件直後、あれほど数多くの詳報が、ワイドショーで報じられたこの事件。裁判員とて、一切知らないわけではないだろう。

 そんな、世間の耳目を集めたこの事件の弁護は、一体、誰がやるのか?

 今の段階で、ここで実名を明らかにするにはまだ早いので控えるが、かなり力量あふれる弁護士が、私選の主任弁護人として、前園・被告に付いた。

 その主任弁護人は、偶然にも事件のあった福井県勝山市の出身だった。東大の法学部を卒業し、まだ40歳台ながら、その事実経過をたんねんに追うと、明らかに冤罪の可能性強い「福井女子中学生殺人事件」の、再審請求の弁護団に加わっている。

 なんと、逮捕から25年目の再審請求であった。

 さらに、「高速増殖炉もんじゅ」や、「大飯(おおい)原発、3、4号機運転禁止請求」訴訟の弁護や、「じん肺訴訟」などにも携わってきた。

 弁護団を結成し、公判には3人ほどで立ち向かうと言われている。

 下手をすると、最強布陣。

 裁判とは、言い換えれば、勝つか負けるかの真剣勝負だ。

 万が一、前園・被告の詭弁が通って、認められようとも、執行猶予は付かない。

 どのような量刑になるのか?が、勝負の分岐点だ。

 今しばらく、今後の推移を見守りたい。

 



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