【 2014・9・6 掲載記事 】
いやあ、良い対戦相手でした。アドリアン・ルナ、24歳。メキシコの、現役バリバリのミドル級チャンピオン。
何しろ、オリンピックのミドル級金メダル獲得後、村田諒太のプロ5戦目にして、初めて、本当の意味で、現役の、且つ、手ごたえのあるプロボクサーとの試合でしたもん。
今までの相手? 過去の戦績を「お土産」に、リングから降りて、しばらくブランクあるのに、まるで「♪昔の戦績で出ていいまああ~すう」で、顔出し。
そんなヒトや、弱い相手に、どんどん勝って、戦績という数字だけは見栄え良かったボクサーとか、んなのばっかりと、鳴り物、ドンドコドンと、対戦。
それで、「勝った! カッタ!の、下駄鳴らして」4戦4KO!
おうおう、おうおう!
どう? 強いっしょ! 強いんだよ! と、宣伝されてもなあ・・・
そう想うしかなかった。
「強さってもんは、創れる」
「弱いチャンピオンや、実態は”元”や”前”を、世界中から、こまめに探してマッチメイクしていけば、それなりにランキングは、上がっていく」
日本のボクシング界のドンたる、帝拳ジムのマッチメーカーが、私にこっそりと、打ち明け、言ってくれた、ぶっちゃけ話しの、一片だ。
この村田は、まさにそのレールの上をひた走っていた。
あ~あ・・・・である。
神輿担ぎでは無い、少しはマトモかな?と思っていた、ボクシング・ライターと、その話しをしたときだ。
「良いんじゃないですか? 村田に傷付かないようにしてって、世界戦までに、持ち込めりゃ」
また、あ~あである。
この手合いが、ボクシング・マスコミ記者には、実に多い。
さて、今回は、そんな内幕を打ち撒くつもりで、始めた訳ではない。
村田が、5戦目にして、初めて「正真正銘の現役」と拳を合わせた試合が、9月5日、夜。東京・代々木の、下手すりゃ死ぬかもしれない、危ない蚊がブンブン飛び交う近くで、行なわれた。
相手の、アドリアン・ルナ(写真左の、左側)。
世界では、ランキング21位だそうな。んでもって、プロでは無冠の村田が、なんでか上位の12位。つい最近まで13位だったのにさ・・・・・。
ま、んなもん。そ~ゆ~世界。
で、ゴングが鳴った。
おおっ! 良いじゃん、いいじゃん! ルナちゃんが。
村田に向けて、上下ビシビシ打ち分けて、打ち込む。
村田のガードは堅い。しっかり、顔面とアゴをガード。その上から、構わず、ビシッ!ビシッ!と、打ち込んで行く。
村田も、黙っちゃいない。ト~ゼン応戦する。
左の腕を伸ばして、ルナちゃんとの距離を計り、んだけど、チカラは弱いストレートや、ジャブ。
そうしておいて、右フックを渾身のチカラを込めてブン!
「(パンチの)スピードは、あるけどね」
試合後、ルナちゃんに、そう評された。しかし、相手を一発で倒す破壊力は無い。
しかし、これが殆んど流れる、かする、正確に当たらない(写真左下)。
連打のつもり。でも、右の命中度、ヒット率、20%。
ルナちゃん、そんなに足使うタイプではないのに、捕まえ切れない村田。
振ってはいる。だが、ボン!
ビシッ!と、当たらない。ルナちゃんが、ウイービングで体を巧みに引いてもいないのに。
距離を詰めて、打ち抜くことも、出来ていない。
ブン!空振り。カスッ!かすり。
前日計量をパスした後、村田はこう自信あり気に言っていた。
「ボディが薄く、弱そうなので、狙っていく」
と、ところが、ボデイを上下打ち分けられて、打たれているのは、どっちかっちゅうと、村田。
村田も、思い出したかのように、左のリードの意味も兼ねたストレート、右フック、そして左ボディと、3連打。
のはずなのだが、正確にすべて当たることは、まれ。
流れる、流れてしまう。届かず、空振りブン、カスッ、ブン、カスッ・・・・・
パンチ、三発ならぬ、散発。
村田は「(対戦相手が)パンチを殺すのが、上手かった」と理解。
はあ? 都合良すぎる、曲解と言う他無い。
もはや、クセ。この先、このザマで、本気で世界のベルトを狙いに行くつもりなら、致命傷となりかねない。
それでなくとも、ミドル級には、信じらんないほど、強いチャンピオンが、ゴロゴロいる。
相手が、全て、今までのように早い回に倒れに来た実態・元プロボクサーではないのだから・・・・・
あの、驚異のスーパーミドル級チャンピオン、ゲンナジー・ゴロフキンとも、3回。計10ラウンドのスパーリングをさせてもらったと言う村田。
「パンチは、これまで感じたことの無い、異質なものでした。今、戦って勝てるか?というと、まったくそうじゃないことを、痛感しました」
4ラウンド。ルナちゃんが、ダウン気味のスリップ。
その前後に見せた、村田のラッシュ。だが、ここぞという、良いタイミングで出すパンチが、全部流れっ放し。
だから、仕上げが出来ない。仕留めること、出来ない。
「自分で攻めて、疲れてしまって・・・・弱気になって」「最後まで持つかな?と、心が折れそうになって・・・・」
フイニッシュ、このままでは、不可能。
なにしろ、ルナちゃん。ここら辺で倒れようかな?などと、微塵も思ってない。12位に勝ちたい!
世界ランキング、上げたい。今までのボクサーと違い、勝って帰国したいっ!
そう、本気で思って、ジャパンに来たヒト。
村田の、右フック、荒い。荒過ぎる。
言ってみりゃあ、運よく当たったら儲けモン程度。上下の巧みな打ち分け、ド下手。4つ、年下のルナちゃんの方が、数段上手い。
右パンチの打ちおろしも、しばしば流れる。
ルナちゃん、村田のパンチを見切って前傾姿勢取って屈むため、しばしば、村田。彼の後頭部周辺を打つはめに。
試合後、ルナちゃんから不満が、漏れた。 9ラウンド。連打出来たが、その先・・・アレレ~? 村田、休んでやんの!
スタミナが、無い。いったい、全体、どんな練習してんだろ? 遊んでんのかな? クチほどにも、無く。
ロード・ワーク、さては、してねえな。こりゃ、さぼってんな。ボクシング、舐めてんな。
走る、その場所が、アメリカだっちゅうんで、ホントのトコが見えてこない。
日本での所属ジムは、最近、帝拳ジムに変わった。というより、今までの三迫ジムは、あくまで名義上。タテマエとしてのジムだったんで、元に戻ったということだけ。
ラウンドは、ファイナルの10へ。
まだ、パンチの2発目は流れる。よく見ると、ひじ打ちにも見えてしまいかねないほど、腕、拳、ヒジがダラダラと、勢い無く、流れる。かする。
試合終了の鐘が鳴らされると、自分のコーナーに戻る時など、体、フラフラ、ふらふら~・・・・・。
んでも、トータルスコア。
驚いたことに、98-92.99-91.そして、とどめは、100-91!
おいおいおいおいおいおいおい~っ!!!! ジャッジさんよ!
で、締めて3-0!
スコアだけを見ると、村田、圧勝。村田、完勝。
これじゃあ、村田ひでぇ~お!
んん・・・・コレ、10(テン)ポイント、マストシステムの悪弊害ゆえの産物としか、思えない。
どちらかに、強いてでも、10点付けなきゃいけないというやつ。点差付けなきゃ、いけません!ちゅうやつ。
んん・・・厳しく見ても、村田。負けてはいませんでしたよ。しかし、甘く見ても、3ポイント差。
精度、高く判定すれば、2-0か、2-1での、古今亭辛勝。
ルナ。予想以上に、強かった。
村田。予想通りに、弱かった。
左手首掴まれて(写真上)、これで締めて、5戦5勝(4KO&TKO)
イヤイヤ、困ったもんだねえ・・・・。
この表情見てても、何か感じるでしょう? ボクシングファンの皆様。
「6ラウンドくらいから、きつくて。ココロが折れそうでした」
「倒したかったんですけどねえ。そうは、上手くいかない」
「すべて、未熟ですね。情けない・・・・・自分に、ガッカリしました」
そうクチにして、苦笑いの村田。
「しっかり、練習したいですね」
やっぱり、してねえんだあ。ボクシングちゅうもんを、甘く見てるねえ・・・・・
八重樫東(やえがし・あきら)の試合が、例え負けても、観る者のココロ打つのは、どうしてなのか?
自分の試合。
ど~して、視聴率低いのか? 下がり続けているのか?
ど~して、どんどん忘れられていっているのか?
そして、ど~して観る者が、胸打たないのか?
ど~して、カケラも感動させられないのか?
ど~して、観客席から、「何、やってんだよお!」と、いらだちと、怒りのヤジが飛ぶのか?
試合が終わった瞬間、4000人弱の観客から、「あ~っ・・・・」という、何とも言えない声が出るのか?
寝ないで、考えて欲しい。
CM出演料で、大学職員時代と違って、大きなカネ入って、人間、腐りかけてないかい?
「負けた」ルナちゃん。こう言って、ジャパンを去った。
「完璧にやられていたという気がしなかった。自分に足りないところが分かった。また、上を目指して頑張ります」
「次、(試合)やったら、勝てそうな気がします」
いろんな意味で、良いコメント。
メキシコのベルトは失わず。ファイトマネーも、いつもより破格に良かったはず。
自国、メキシコで、この試合してたら、間違いなく、逆にルナちゃん、3-0で勝っていたはず。
これからも、注目しておきます。
良いファイト、見せてくれました。
村田のアタマ叩いて、少しだけ目を覚まさせてくれた?・・・・し・・・・・
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【 2022・3・3 追記 】
コロナ禍を、オモテ向きの理由にして、延びに伸びていった、上記、ゴロフキンとの試合。
よ―――――――――――――――――――――やく、4月9日に決定し・・・・・たようだ。
2年4か月も試合していない、村田。
スタミナ、もちろん、パワーも、当て感も、ゼロに近くなっている。
まず、間違いなく、負けます
昔、スパーリングした時のように
4・9
しくしく、泣くかな
引退覚悟の、ラスト・ファイトになるでしょう
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喰うには、困らないでしょう。引退しても
なにしろ・・・・
大学職員のまま、金メダルを栄光の土産にして、定年退職するつもりでいた村田
そこに、スターを欲しがったフジテレビが、一計を案じ、当時、三泊ボクシングジムの会長に打診。
その意を受けた,三迫会長が、問いかけた
ちなみに、君、大学で、定年退職したら、いくら、もらえるんだい?
「多分。。。¥¥¥¥¥¥¥¥位だと思います」
「じゃあ、その金額、今、君に出そうじゃないか。それなら、悔いはないだろう?」
・・・・・・・・・
考えた末、
一転して、プロ入り決断
カネ出したのは、フジテレビと、世界戦を組める、マッチメイクのチカラある、ジムのオーナー
支度金も出して、練習姿見られないようにと、アメリカのジムへ行かせた
そこで・・・・厳しい目が無く、見張られてもいないもんで、多少、ロードワークなど、手を抜き抜きで・・・
コレが、結果まずかった
その代わり、ゴロフキンと、スパーリングのチャンスにも恵まれた反面、世界のミドル級の、とてつもない層の厚さを、身を以て知ったわけでして・・・・
内弁慶
日本に呼んで、勝てそうな相手選んで・・・・・
んで、勝った、カッタの、下駄の音、たま―――――――――――――――ーに、響かせて
CMで稼ぎ、ボクサータレントで、イベントにまで出て稼ぎ・・・・
ハイ、打たれまくって、今春、しめです
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【 2022・3・6 追記 】
村田の会見の翌日、帝拳ジムで、5ラウンドのスパーリングを行なったと,ジムの、告知記事、
ところが・・・・・
写真、一枚だけ。
それも、パンチも繰り出していない、カッコだけのカット。
相手してくれたのが、一体誰なのか?
その人物次第で「手ごたえ」も、計れるのに・・・・・・
ソレすら書いてないばかりか、着衣のまま。
フツー、世界戦の前の、スパーリングと言ったら、マスコミに、公開し、出来具合、試合前、1か月の仕上がり状態を披露するもの
それが、通常の決まり
見せない
見せたくない
隠したい
相当、自信が無いのであろう
ボデイ、ぶよぶよだったりして(笑)
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【 2022・4・9 追記 】
やっぱり・・・・予測した通り、負けた。
それも、後半強い、ゴロフキンの、強烈なパンチ食らってダウン。
9ラウンド、テクニカルノックアウト負け
これで、村田引退します
もともと、強くなりたいという、強烈な思いではなく、記事のように、お金に転んだ性格の人ですから
今回、ファイトマネー、
彼は、5億円などと、吹聴、報道されておりますが、実際には、10分の一の、5000万円くらいと、思われます
日本防衛戦でも、だいたい200万くらい
最高でも、300万円貰えれば最高額です
それでも、タレント、村田としては、退職金すでに、プロデビュー前に、もらっているので、食うには、困らないと思います
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『 2022・4・14 追記 』
試合後の翌日、桑子真帆のインタビューを受けていた、村田
高いギャランティーを積まれ、受けたはず
そこでは、すでに、本心は引退するほかないと、決めているはずなのに、言いよどみ、自分を美化している言葉の数々に、あきれた
だってすでに、帝拳の会長は、あいつは、引退するしかないはず
もう1回、やらせてくれなんて、言ってきたら?
勝手にすればと言い返すよ
もう、こちらでは、世話する気ないからね
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ちなみに、大人気だった、大盛況に終わった・・・とされた、この試合興業
さいたまスーパーアリーナでの、観客席
コンサート仕様ではなく、「メインアリーナ」仕様
最大2万2500席、主催者発表で、1万5000人
ふくらましている印象だが、それでも、7割の入りであったことを書きそえておきます