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<リアル プロ野球 ルポ>前略 花巻東高等学校 野球部投手 大谷翔平 様> 2012・12・8

2013-03-28 22:35:00 | スポーツ

 なんだあ? 花巻東!? いつのハナシだ?

 そう思われる、読者も多いことでしょう。しかし、明日 3月29日、プロ野球開幕に向けて、異常とも思える”大谷フィーバー”。

 予期したように、絵に描いたような「客寄せパンダ」になってしまっている彼。

 これから間違いなく起こるであろう「厳状」も知って欲しく、再録します。まあ、お読みください。

 

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  明日12月9日、岩手県奥州市において、君は、プロ野球 日本ハム・ファイターズ球団への「入団”決意”発表 記者会見」に出席するとのこと。

 君の大きく揺れてた気持ちが、ようやく固まって、落ち着いたと思っていたら、岩手県も揺れに揺れた昨日の大地震には、驚きました。実家は、何の被害もありませんでしたか?

 それにしても、や~っと、と言うべきか、やっぱり、と言うべきか。

 現実の選択肢としては、コレしか無かったと思ってました。今の翔平君の実力では、アメリカの地に渡っての、すぐの大リーグ、メジャー入りは無理ですから。

 そのことは、厳しい言い方かも知れませんが”厳実”です。

 それは、君自身も自覚してますよね。

 ドラフト会議が開かれる4日前の、10月21日、君は取材陣に囲まれて、大リーグ入りへの夢を語りましたよね。

 「マイナーからの、スタートは覚悟してます。それでも、行って挑戦したい」

 そんな「夢」を語る、高校球児の気持ちは、痛いほど分かります。理解は、出来ます。しかし、そうして行った高校生や大学生で、成功してメジャー入りをめでたく果たした野球選手は、ただの1人もいません。

 それも、知っていますよね。

 確かに、マイナーの、いわば、メジャーが1軍なら、「4軍」に相当するチーム。そこは、高校の野球部クラスの実力でもやっていけます。その代わり、食うや食わずの、苦しい生活です。

 待っているのは、ホームシックと、後悔と、這い上がろうとする感情と、落ち込みだけ。

 そこからのメジャー入りは、まず、ありえません。

 ありえたら「バラエティ映画」の世界です。チョ~奇跡です。

 お父さんの徹さんは、社会人野球で過ごしたことが、ある方。その辺りは、おそらくよく知っているはず。お母さんの加代子さんは、日ハム球団のある「札幌でも遠い・・・」と、ポロリ漏らしたとのこと。

 全国各地をシーズン中は転戦する、ということを良く知らずにおっしゃった母心と、理解しました。

 とはいえ、お父さんの徹さんが翔平君の、現時点でのメジャー入りの為の単身渡米を反対し、難色を示したのは、なにも息子がいきなり遠くに行ってしまうからではなく、君の現時点での実力を、元野球選手の視点で、冷静に見定めたからでしょう。

 もちろん、厳しく辛い異国での生活が、透けて見えたからでもあると思います。

 君も、両親からこのような現実を聞かされ、説得もされたかと思います。

  確かに大リーグの球団のスカウトが数人、君のピッチングを見て、調査はしていきました。さらに、リップサービスも、残して去って行きました。

 しかし、実際には君の元へ、入団の正式どころか、予備交渉すら無かった。それが、今の君への”評価”です。

 やはり、面識はあったとはいえ、栗山英樹監督の熱意を感じたことが、揺らいでた気持ちを大きく動かしたと思います。

 明日の入団発表。

 君の意識としては”苦渋の選択”の結果かもしれません。

 しかし、晴れ晴れしい顔も、明日まで。

 正直に言い切れば、今の君のままでは、プロ野球では通用しません。間違いなく、3年は苦闘するでしょう。

 確かに、昨年、一関(いちのせき)学院高校相手の試合では、尻上がりに球速を増し、6回に160キロを出して、見事に三振を奪いました。

 その時の「160キロ」という数字が、いわば一人歩き。

 スゴイ投手との、マスコミ得意のヨイショ、神輿の担ぎ上げが、君の株をさらに揚げる結果となりました。私も同じ業界にいるので、よく解ります。

 しかし、君の制球力は乏しい。高校球界では「超」が付いても、プロの世界では、ただ球が速いだけでは通用しません。

 そのことは、初登板か、2度目で痛感するはずです。プロは、目が慣れると、バットの芯で、いとも簡単にボールを捕らえ、弾き飛ばします

 逆に球の出し入れの巧みさと緩急で、150キロを160キロに打者に思わせる投手も、山ほどいます。

 君の甲子園での防御率、3・77。四死球、16。そして、奪三振、14。

 18歳以下の国際試合では、通算10イニング投げて、防御率、4・35。四死球、11.でも、奪三振16。

 3年生のセンバツでの、大阪桐蔭戦では、四死球11も出して、9失点で惨敗。

 加えて、フォームの安定感の無さも、やはり気になるところです。かつて痛めた成長期の軟骨の骨折の治りも、いまだ気になります。

 これでは、メジャーどころか、日本でも駄メジャーと言われかねません。

 君の高校の先輩の菊池雄星の”惨状”を知っていますよね?

 それでも、来期の年俸は、今期より300万円アップの、推定2300万円。有りがたいというか、やさしいというか・・・・

 菊池君クラスじゃ、マイナーでは、クビです。ましてや、メジャーでは・・・・。

君の憧れるメジャーでは、どれだけ活躍しても、球団の事情でクビとなることは、君も知っているはずです。

 球団の先輩投手の、斎藤佑樹。高校時代から、かわす投球術と、打たしてとる投法でしのいできた人です。実力よりも話題でプロ入り出来たものの、やっぱり2軍落ち。

 「落ち」では無く、本来のいるべきところに戻ったと、私は見てます。もっとも、あのひ弱い精神力では、1軍へ這い上がったとしても、完投完封は、永遠に無理でしょう。

 かたや、楽天で活躍しているマー君こと、田中将大(まさひろ)は、最速150キロしか高校時代出ませんでしたが、制球力が悪い時は悪い時なりにコーナーをうまく突き、打者を打ち取るすべを知っていたのが、君と違うところです。マウンド度胸も、違いますね。

 楽天の入団時の契約金などは、君と同じ1億円、プラス出来高払い5000万円。そして、年俸1500万円。

 日本ハム球団としては、君を「客寄せパンダ」として、早く登板させたがるはず。君も、プロの打者に対して、自分がどれだけ通用するか、試してみたい気持ちがあるはずです。

 しかし、早々に打ち込まれたら、”ハンカチ王子”のように、恥と冷や汗をかく前に、すぐ降板させるはずです。

 いわば、乳母日傘の優しすぎる厚遇。

 そこで、ガクッと落ち込まずに、鎌ヶ谷で、練習に励んで下さい。

 な~に、マスコミとファンは、ホンの半年ほどで、潮が引いたように来なくなりますから。

 球団の先輩、中田翔などは、それをいいことに、遊び呆けてました

 そんな人間でも、自分の尻に火が付き、これじゃいけない!と自覚すれば、人間の意識って、ガラリ変わるもんです。手首、骨折しても頑張るんです。

 鎌ヶ谷の寮からの、見晴らしはいいですよ。玄関の目の前に練習グラウンドがあり、近くに遊ぶ所は無いので、練習に打ち込める環境は、バッチリ!

 ランニングも人を気にせず出来ます。

 食事もキチンととれるし、お母さんも安心出来る環境といえます。

 投球フォームは、菊池雄星先輩のように、いじられ過ぎたり、迷い過ぎたりして、修正に修正を重ねたりすると、グチャグチャになりかねません。

 いざとなれば、中田翔のように、打者転向させられるかもしれません。君の高校の通算本塁打56本は、球団にとっては魅力ですからね。

 「翔」つながりで、中田に誘われて”遊んで”は、いけませんよ(笑い)

 日本で実績を1つ1つ、積み重ねていけば、やがて、今の君が夢見ている大リーグ入りは、可能です。

 日本からアメリカへ。そんな”翔来”が、来るかも?知れません。

 韓国の選手の例を栗山監督に聞いたと思いますが、最初アメリカのチームでやって、それから日本へ戻っての、いわば”逆輸入”の形で成功した投手は、1人としていません。トライアウトでも、無惨に落ちています。

 何もあせることは、一つとしてありません。第一、君、英会話&米会話、出来てますか?

 日常生活はもちろん、捕手とのコミニュケーションも、基本は英・米語です。

 黒田博樹投手の活躍を、知っていますよね?

 彼は君と違って大学から日本の球界入り。そこでの「実績」を買われ、33歳で大リーグ入り。

 今や、ニューヨーク・ヤンキースの押しも押されぬ投手陣の大黒柱として、を付けても恥ずかしくない大活躍ぶりです。

 今、37歳ですよ。

 君が変に急ぎ、あせる必要は、まったくありません。

 海の向こうで君を欲しがらせるまで、まず”制球”力を身につけること。それを”性急”に身に付けることが、プロとしての第一歩です。

 キャンプでは、マスコミのカメラと視線が、気になるでしょうが、しっかり下半身を鍛えて走り込むこと。

 中田と”下半身”を鍛えに夜の妖しい闇に消えない様に・・・・・。

 マスコミ寄せパンダ&客寄せパンダで終わることなく、じっくりと実力をつけて、コーナーの隅を突く投球術も身に付けて欲しいものです。

 確かに球は速いのですから、ソレを確実にモノにすることが必須です。

 あと数年、「あの人は、今」と言われても、ガマンして、決して腐らないでください。

 数年後、「小兵」に過ぎなかった翔平が、チーム戦力の「大兵」に成長するよう願って、ペンを置きます。

 

<追伸記> 他の、大谷翔平、日ハム入団に関するブログが、大事なところを見落としている、あまりにくだらないシロモノが目に付いたので、再アップしました 2012・12・10

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 <再追伸記  ”2投流” みじめな結果になると思います。冷静に大谷を見ている、真のファンならば、紅白戦や、オープン戦の成績を列記すると、その将来性が、見通せるはずです。

 獲得に投じた巨額のカネを、早く取り戻そうと”営業サイド”先行の、マスコミも加担して、あおる空虚人気・・・・・

 菊池雄星、斎藤佑樹、そして・・・・

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はずれたあ!

 私の目、節穴・・・・・・・・か

 

 


<リアルボクシングルポ>36歳、斎藤泰広。3月25日(月)ラスト・ファイト!相手は長島謙吾だぞ!

2013-03-22 23:08:16 | スポーツ

Dscf2585 うわっ!いかにも、マジメで、気が・・・そう。予想したより、写真が大きく載ってしまって、当人が、ビックリしてるだろうなあ~。スパーリングを終えて、バンテージを取る、ひとときに、初のインタビュー。

 坊主頭の彼が、ただいま36歳のプロボクサー、斎藤泰広(やすひろ)。この5月14日で、37歳の誕生日を迎える。

 プロボクシングに、ちょいと詳しい読者なら、お分かりだろうが、規約で、元・前・現役のチャンピオンの経歴を持たない限り、37歳になったら、試合が出来ない。リングに、上がれない。

 つまり、斎藤にとっては、この3月25日(月)が、泣いても、笑っても、怒っても、悲しんでも、悔やんでも、ラスト・ファイト

 さぞかし、燃え盛る意気込みを胸に・・・・と、思ったら、アレレ~?

 たんたんと言うか、ひょうひょうと言うか、ありゃりゃあ・・・・・

 且つ、182センチ、73キロの巨体なのに、蚊の鳴くような、もんのすごい小声

 それでなくとも、この最終戦の相手が、剛腕で鳴る長島謙吾(角海老宝石ジム)。同じ5月生まれだが、まだ26歳。一回り下だ。

 ーー勝てます?

 「なんとか、なるんじゃないかなあ~。(試合)やってみなきゃ、わからないけど・・・。スピード上げていけば、当たると思うんで」

 「課題? スタミナですね」

 そうクチにして、自分で苦笑した。

 実は、前の昨年12月12日の試合も、途中まで互角、いやそれ以上の戦いぶりを見せていた。

 なのに、後半に入るにしたがって、スタミナ切れか、足もパンチもガクッ! と落ちてゆき、8ラウンド、集中打を浴びて、レフェリーストップ負け。

 「もう1回、やりたいですね」と、少しだけ、言葉で意地をみせた。なんか、ホッ・・・・

 「あの試合、勝ってたよ!」と、本人そこのけに、熱く熱く、力説してくれたのが、担当トレーナー

 ジムの会長は、「あの試合? 誰が、そんなコト、言ってるんですか?」と、首を傾げていたものの、熱い指導ぶりは、おおいに買っている。

 渾身の想いを込めての、”熱烈&熱血指導”。ときには、キチンと練習スケジュールを守らないと、叱りつけ、怒鳴りまくる。

 その反面、ジムの多くの選手に慕われており、彼らのブログにしばしば、写真と、笑いを誘う人で登場する陽気な人。真剣に、選手の能力を伸ばそうとしている姿勢が、指導を受けて居なくても、見ていて分かるのだろう。

 斎藤のインタビューは、受付と、選手用にと並べられてる筋肉増強マシンと、マットが置かれたフロアの一角で行われた。

 近くで選手たちが、キツイ練習を終えて、ホッと一息つきながらの談笑。

 斎藤選手、言葉を発してくれているんだけど、よく聞こえない。聞き取りにくい。

 彼のそ~ゆ~ことを知っていたのか、「どこか、部屋とりますか?」と、事前に会長夫人。

 「いや、いいです」と、私。まさか、こんな小声とも知らずに・・・。始まってからは「あなたたち、静かにして!」と、会長夫人が言ってくれるものの、談笑は全くうるさくない。斎藤が、小声なだけ。

 もう、結婚してるとのこと。交際期間6年間。妻になった方。聞き耳立てたろうなあ。そばに寄って、聞き取ろうと、もっともっと寄り添ってるうちに・・・・と、なったのかも知れない。

 テープレコーダー、回してはいたが、こちらも聞き耳立てて、必死にメモ。

 生まれは、栃木県鹿沼市。古びた町並みが、どこか郷愁を誘う良い町だ。伝統のお祭りを、見に行ったこともある。なるほど、あの町でね、と妙に納得。

 高校時代は、野球部で、ピッチャーをやってたという。それも、監督の見立てと即断で、アンダースローに変更させられて。部は、県大会でも、そこそこの成績だったが、先輩の身のまわりの世話をさせられるなど、上下関係の異常な厳しさがいやになって、やめる。

 だから、大学では、野球を続けなかった。

 地元に会社員として務めたが、2年で退職し、アルバイト生活。やがて上京し、別のボクシングジムに入門。

 聞いた。なんで、ボクシングを始めようと思ったんですか?

 「う~ん・・・・・なんとなく」

 苦笑いを、浮かべる。

 で、このワタナベジムに移籍したキッカケは? だって、自宅から通って来るには、かなり遠いじゃないですか?

 また、苦笑しながら「う~ん、なんとなく・・・・・」 「6戦目で負けて、それで環境も変えようというか、まあなんとなく・・・・・・」

 おいおいおい。でも、本人、マジメに答えてる。

 プロデビュー戦は、遅咲きの、28歳の時。「最終4ラウンド、TKOで勝ったんです 」

 おお、いい滑り出しっ!

 「でも、そこからは、勝ったり、負けたりで」

 調べてみると、前のジムのトレーナーの教え方に、斎藤にとって、ズレと違和感が、それとなく、あったようだ。

 で、今までの通算戦績、6勝7敗1引き分け。KOないし、TKO勝ちは、一つだけ。つまり、デビュー戦の時だけ。それっきり、無し。

 「やったからには、上にいきたいんで」

 そうそうそう! そうこなくっちゃ!

 このジムに移籍してきたとき、30歳。それから、もう6年の日々が流れた。しばらく休んでた時期もあるが、昨年は4月に勝って、8月に負けて、で12月にも負けて・・・・

 これで、辞めるわけには、いかないぞ!! と、強い負けじ魂こそ、表には出ないものの、秘めた意志が!・・・・う~ん、滲み出てこないっ!

 「もう1試合、やらせたいっ!」と、強く思ったのは、”熱血”トレーナー。それも、ウエルター級のランキングに入っている、強いやつと、戦わせたい! と、。

 でも、斎藤選手・・・・・。そ~ゆ~、性格なんだろうな。話した言葉が、まんま、活字に、なりにくいタイプ。こちらが、推し測るしかない。

 

 「ここ(のジム)、居心地がいいんで」

 言って、ニコッと笑顔を見せた。

 先ほど終わった、スパーリング。今度の3月25日(月)の試合は、68キロ契約。5キロ近く落とさなきゃいけないが。それは、そんなに苦じゃなさそうだ。

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 4ラウンドの、スパーリング。

 迎える相手は、この3月27日(水)に晴れてデビュー戦を控える、木田尚遥(なおはる)19歳、ジム入門は、丸1年前の3月。

 満を持して、佐藤匠との試合に臨む。

 ちなみに、相手の佐藤匠(たくみ)。秋田県出身の28歳。ライト級で、すでに丸1年前、1試合を経験し、何もしないまま、0-3の判定負けで1敗。

 セコンドの熱い指示も聞かず、手を出すことも無く、お見合い状態のまま、リングを降りている。今度こそ、なんとしてでも勝ちたい! と、必死で立ち向かって来るはず。

 所属は、ワンツー・スポーツクラブジム。どこかで聞いたジムだなあ、と思ったら、五輪メダリストの、故・櫻井孝雄さんが名誉会長のジムだった。

 昨年、行われた「お別れ会」にも参列し、会長の息子さんにも、来ていた他のベテラン記者1人と共に、話しを伺った身。

 でも、今回、そんな感情を排して見ても、木田の力量は、ハンパじゃない。佐藤がたじろいでる間に、先制パンチを見舞い続け、悪くても判定勝ちに持ち込めるのでは、ないだろうか・・・・。ラッシュかけての、TKO勝ちの可能性もある。

 

 んん~ん、さてさて、斎藤の、迎え撃つクセは、変わっていない。先制されて、打たれてから、打ち出す。

 性格が、色濃く反映しているのかも。そのことを、知ってか、知らずか、木田は一発喰ってやろうとばかりに、1ラウンドのゴングが鳴ったとたん、ガンガン前へ出まくる。勢い余って、スリップダウンしてしまうほどだ。

 しかし、斎藤。 大振りだが、左右のフックは良いし、上下の打ち分けも、良い。グイッと、体ごと押して、コーナーにぐいぐい詰めていって、畳み掛けてのまとめ打ちのスタイルも、良い。

 ジャッジや、レフェリーに、アピール度は高い。しかし、その前に、相手の長島謙吾の強打が炸裂したら!?

 いまもって、スロースターターなのが、気がかり。前半から、ガンガン、後先かまわず飛ばしていったら? 

 スタミナ配分の思慮ゆえか? 来るぞ~!委細かまわず、 長島謙吾というボクサ-は。

 それにしても、初めて見る木田尚遙というボクサーは、良い。

 「あまり、今から誉めないでよ。 いい気になると、良くないので」と、トレーナーに、たしなめられた。

 さあ、長島謙吾の「今」も知りたく、角海老宝石ジムへと足を運んだ。いる時刻も、あらかじめ調べておいた。練習の空き時間を待って、コメントも、もらった。

 Dscf2604 彼が、「長島謙吾」。「長嶋建吾」とは、別人だ。

 「長嶋建吾」の方は、日本と東洋・太平洋(OPBF)スーパー・フェザー級とライト級のチャンピオンだったボクサーで、37歳の今は、現役を引退している。

 ーーボクシングファンには、当初、間違われませんでしたか?

 「ええ」と、苦笑い。

 ーー今度の相手は、知ってます?

 「ええ。結構、トシ喰ってるみたいですね。ノーランカーだと言うし」

 --ラスト・ファイトに、なるんですよ。今、36歳なんで

 「ああ、そうなんですか。 だったら、なおのこと、プロボクシングの怖さを、身にしみて、体に覚えさせて、リングを降りて戴きますよ!」

 そういって、ニヤリ。不敵に、とクサく、付け加えてもいいくらい、ニヤリ。

 身長は、175センチ。斎藤より、12センチも低い。しかし、数字以上に大きくみえる。体も、すでに絞り上げていた。

 バンテージを巻いて放つシャドーパンチは、早く、且つ、鋭い。この日、スパーリングは予定なし。パンチをぶち当てるサンドバッグも、グラリグラリと、揺れる。

 元々は、関西のジムにいた。生まれは、兵庫県の西宮市。高校は、報徳学園。スポーツの、名門だ。

 地元のジムで、15戦をこなしてきた。実は、2歳上の兄は、格闘技界では、知らない者がいない、チョ~有名人。

 自演乙☆雄一郎が、そのヒト。

 いかつい顔で、女装コスプレ姿。そのまんま、花道から女の子たちと、BGMに乗って、下半身をくねらせて、踊って、りングに登場し、一転、試合が始まるや、鮮やかにKOで勝つ!

 一躍、マスコミの脚光を浴び、キックから、k-1へ。しかし、その衰退とともに、今は総合格闘技に闘いの場を移している・・・・らしい。

 かつて、k-1の取材に行った時、コスプレの出方と人気について、兄の長島雄一郎に、家族や弟の反応を、聞いたことがある。

 とたんに、それまでのイケイケの発言と打って変わって、困り果てた表情に。

 「良くないんですよ、実家じゃ(笑い)。それだけは、出来れば、止めてくれって。だから、最近は、そのことに触れない(笑い)。語らない。弟? こんな兄をもって、どうなんでしょうねえ(苦笑)・・・・・・」

 片や、弟の長島謙吾。

 かつて、兄がマスコミの寵児だったころ、ある日、謙吾も鮮やかなKO勝ち。

 控室で、兄さんは、観に来てたの? という質問が飛んだとたん、それまでの笑顔は、一瞬にして消えた。

 「さあ?  見には来てるんじゃないですか? わからないけど」

 空気を察し、その関連の質問は続かなかった。むろん、私も聞かなかった。で、この日も。兄は兄。弟は、弟だ。

 先に書いたように、11勝のうち、10勝がKO&TKO勝ち。はまると、剛腕がうなりをあげ、相手はリングに崩れ落ちていた。

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  しかし、昨年12月3日の最新試合では、5ラウンドTKO勝ちこそしたものの、自らのブログに、「やっと勝ちました」と、正直に書いている。

 実は、それまで4連戦、続けて負けてきた。

 自らの剛腕に頼るばかりに、左右のフックが、ブワン、ブワン!と、大振りになりがち。空振りも目立ち、見切られても、どんどん、大股のベタ足で、グイグイと相手をコーナーに追い詰めてゆく。

 クセか、必ず左のリード ストレートや左のロングジャブを先に先に繰り出し、自分の攻撃のパターンと、リズムを作ってゆく。

 そして、上からブン!と、振り落とすパンチを、見舞う。

 顔の両サイドを、両グローブでガードしてるのだが、攻撃に入ると、途端にがら空きになり、ジャブを顔面に打たれ放題になりやすい。

 結果、パンチ力は、長島より劣っていても、緻密に、的確に、シャープにパンチを要所要所に当てられて、ポイントを少しづつ奪われていってるパターンが、客席からも見て取れる。

 文字通り、パンチの「軌道修正」は、素人目にも、必要かも知れない。

結果、通算戦績、11勝(10KO&TKO)9敗の、2引き分け。

 

 あえて、ラストファイトに、KO率90%の長島謙吾を充てたのを知って、最初は驚き、トレーナーに聞いた。

 --勝算は、あるんですか? ラストに、長島謙吾というランカーを持ってくるなんて!

 「大丈夫! ”秘策”は、あるから。あっ、コレ、相手側には、内緒だよ」

 言い終えて、ニヤリ。

 この前書いた、ランカー山元浩嗣 対 ノーランカー 一場仁志の例もある。

 先日、後楽園ホールの客席で、本望信人(ほんもう のぶひと)さんを見かけた。元日本と東洋・太平洋のスーパーフェザー級チャンピオンだった人。

 6年前、WBAの世界チャンピオン エドゥイン・バレロに、挑戦。互角以上の戦いぶりを見せ、ひょつとしたら!? と思わせた時、古傷の右目上をカット。傷は深く大きく、やむなくドクターストップがかかり、残念ながら、形はTKO負けに。

 その夜、11年間のプロボクサー生活に、別れを告げた。人柄、良い人と評判だった。引退後、しばらくして、長島のいる古巣の角海老宝石ジムで、トレーナーをやっている姿を、見かけていた。

 なんと、2年前から、埼玉県さいたま市大宮区で、「本望整骨院」を開業してるとのこと。

 自分がトレーナーとして、教えたのであろうか、中野晃志の試合を見つめ、試合後、惜しくも負けたものの、挨拶に来た彼に、やさしく言葉をかけてから、去って行った。

 その前に、知っているであろう、長島謙吾と、このノーランカーとのことを尋ねてみた。

 黙って聞いていたあと、一息ついて、元チャンピオンは、こう言った。

 「試合は、やってみなければ、分かりませんよ」

 そのあたりの怖さは、当の長島謙吾も、当然の如く、知っていた。

 最新ブログで、彼はこう書いている。

<足元すくわれない様にしないと、いけませんが、快勝します>

 そして、こう続けた。

 <倒して、勝ちます>

 

 タイトルマッチでもない試合だが、この2人、どう戦うか!?

 「秘策」 爆発するか、ラストマッチ!

 悔いのない試合を、是非、是非、して欲しい!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 


<リアル ボクシング ルポ>日本最強の世界チャンピオン 内山高志。7度目の防衛戦と、河野公平の初防衛

2013-03-20 21:25:36 | スポーツ

 会場は、昨年の大晦日でも使った「大田区総合体育館」でやりたいというのは、早い時期に2人が所属するワタナベジム会長の渡辺均が、クチにしていたからだ。それも、ゴールデン・ウイークの頃に、と。

 Dscf3603 問題は、挑戦者だった。WBAスーパー・フェザー級チャンピオンの内山高志(写真・左側)には、早い段階から、ボクシング・マスコミや、したり顔でモノ言う、ボクシング・フリークからは、同級1位の、ユリオルネス・ガンボア(キューバ)の名前が、挙がっていた。

 内山自身も、やりたい気持ちは、あった。記者団に聞かれ、そう答えてもいた。

 だが、世界戦ともなると、「やりたい」「はい、やりましょう」と言えるほど、簡単なことではない。

 以前も1度書いたことがあるが、さまざまな背景と事情が複雑怪奇に、絡み合う。

 

 プロモーター、マッチメイク担当者、そして主要ボクシングジムの会長たちの発言をまとめると、

 日本タイトルマッチまでは、電話1本で交渉成立の可能性がある、という。

 実際、タイトルマッチではないが、4回戦の試合は無論のこと、ランキング入りしている中堅ボクサー同士の試合が、電話1本で、互いのジム会長同士の話し合いで決まるのを、真横で聞かせてもらったことがある。

 ところが、大概の世界戦ともなると、相手は海の向こう。おまけに、コレは先のボクシングフリークたちの書いてることが、当たらずとも遠からず。

 WBAと、WBCの節操の無さというか、訳わからん、あやふやな空手形を何度も振り出すために、近年、日本サイドが、しばしば振り回されているのが現実。

 

 この先、参入決定した、IBFや、WBOの団体まで、もし空手形を振り回し始めたら、一体どうなっちゃうんだろう? と危惧する。

 さて、注目される、ガンボアとの試合。調べてみると、すでにガンボアには、3月か4月に試合が組まれていた。一方の、内山サイドは、当初から4月末~5月上旬ぐらいの予定で試合を考えていたため、そもそも、日程そのものが合わない。

 交渉を断念し、並行して行なっていたランキング入り選手のなかから、中継録画するテレビ東京の意向もあって、強くて、且つ、無敗のボクサーを探していくうちに、今回の相手ハイデル・パーラが最適となった。

 もともと、ハイデル・パーラ側から、挑戦したいという意向があったこともあり、間に立った日本人マッチ・メーカーが交渉し、契約に持ち込んだ。

 パーラは、ランキングこそ10位ではあるが、21戦して、20勝(うち、10KO)1引き分け。まだ、30歳。無敗のうえ、実兄が、4歳年上の、あのロレンソ・パーラだ。

 あの、と書いてもボクシング・ファン以外は、誰それ? と言うかもしれない。

 兄のロレンソは、元WBAフライ級王者で、たびたび来日。

 坂田健史(たけふみ・現在は引退し、東京都稲城市議会議員で、2女の父)と3度に渡る激闘を繰り広げた男だ。

 日本のボクシングファンには、その強さと、坂田戦でたびたび駆使した、クリンチやホールドのずるさと上手さは、まだ目に焼き付いているはずだ。

 ひょっとしたら、まだユーチューブで、2人の試合が見られるのではないか?

 おそらく、今回、弟に伴って、話題作りと、セコンドに立つために、来日するだろう。

 さて、再度、ガンボアのことだが、先述した試合が結局、流れて中止になったようだ。とはいえ、選択権は指名試合で無い限り、この場合は、内山サイドにある。

 前回の防衛戦は、決まるまでWBAに振り回されたこともあり、今回はワタナベジムが、キッチリ主導権を握った。

 ボクシング・フリークや、2チャンネルで跳梁跋扈する者たちが、憶測するような、ガンボアから逃げたとか、避けた、とかいうことは、まったく無い。

 ハイデル・パーラの母国は、南米のベネズエラ。チョ~反米と、国民の生活を豊かにしたことで、全世界に名を知られることとなったチャベス大統領が、ガンと闘った末、先ほど死去したことは知られている。

 そのパーラの、無敗。実は、コレ! という誰もが知る強打者と戦って積みあげてきた結果の無敗ではない。また、タイトル挑戦も、これが初めて。

 とはいえ、安心は出来ない。50%が、KO勝ちや、レフェリーストップ勝ち。倒れそうな時も、兄のロレンソのように、クリンチやホールドで、しのいできた、したたかなボクサーという可能性も捨てきれない。顔は、見るからにごっつい。おまけに、老けて見える。

 もっとも、内山は、これまで”優勢”とか”有利”とか”圧倒しそう”とか、試合前に報じられても、それで余裕を持つとか、油断したとか、そう意識することも、「1度もなかった」と、本人が以前、キッパリと言っていた。

 それどころか、先日こう言った。

 「お互い、無敗同士。その”プライド”を賭けた戦いになるでしょう」

そして、続けた。

 「100%、勝ちます!」

 前回の大晦日の防衛戦では、60~70%のパンチ力で、倒した。そのため、拳を痛めることもなく、いつもより早く練習を開始。ミットやサンドバックに、小気味いい音を初日から響かせた。

 これまでの防衛戦の相手の、過去の試合の映像は、いつも1度くらい見るだけ。それで、イメージを掴み、佐々木修平トレーナーとミット打ちを重ねていくなかで、こう来たら、こう! こう、ディフェンスしておいて、こう打って! と、シュミレーションを、さまざま、積み重ねていく。

 ちなみに、この佐々木トレーナー。ロンドン・オリンピックに行く前に、かねてより親交のあった、あのミドル級金メダリスト 村田涼太にアドバイスし、練習相手になった人だ。控えめな人なので、自分からは決して言わないが。

 内山とは、教えるというより、2人で形作って進む。足の運びも含め、まさに2人3脚。

 あえて、今のところ、といっておこう。日本最強の世界チャンピオン、内山高志には、どんな”刺客”が来ても、”死角”は無いだろう。

 そんな内山高志が、埼玉県の春日部市で育ったことは、ボクシングファンなら、知らない者は、いないはず。

 そして、もう一人、春日部高校定時制職員で、いわば”春日部の星”とも言うべき、市民ランナー・川内優輝

 このスター(星)同士が、ラジオで、初対談をする。期日は、3月31日(日)の、12時55分から、1時間。埼玉県のFM「NACK5」(79・5FM)の、「ザ・埼玉レジェンド」という番組で実現する。

 収録は、3月24日(日)、川内が「さいたまシティマラソン」の「ハーフ部門」で走り終えてから、スタジオに行き、話しに花が咲いたという。

 聴くことを、お薦めする。

 

  さて、死角ならぬ”刺客”が、予定していたはずの相手が、ガラリと変わったのは、河野公平

 当初は、タイの、昨年対戦したこともあるペッチバンボーン・ゴーキャットジムと思われていた。当の河野も、そう思っていた。

 というのも、昨年の大晦日、絶壁断崖に立たされた河野が、無敵と思われていたチャンピオン、テーパリット・ゴーキャットジムを、4ラウンドに3度倒し、まさに”必死”が産んだ、奇跡的なKO勝ちをした。そして、新チャンピオンとなった。

 しかし、俗にオプションと呼ばれる「興行権」は、ジム所属の全選手のリングネームに、男女とも付いているゴーキャットジムという名称のボクシングジムが保有していた。

 だから、ジムの意向として、新たな挑戦者に、ペッチバーンボーンを起用。勝てば、引き続きジムが興行権を保持できるし、負けてもあと2試合分、河野の試合の際の興行権の金銭が入る仕組みだ。

 勝てるチャンスは、ある!と、踏んだ。

 実は河野、昨年の9月10日、1度、ペッチバンボーンとは、対戦している。この試合は、河野が判定勝ちこそしたものの、明らかな苦戦。

 もしも、その時の試合を、タイでやっていたら、まず負けにされていただろう。

 この試合。原因は、予想外に”ペッチ”が強かったこともあるが、河野が彼を大して強くないとみくびっていたこと。舐めきっていたこと。

 3か月後の大晦日、テーパリットが、試合開始のゴングが鳴る直前まで河野に対して思っていたことの、全く逆のパターン。

 ボクシングという、格闘技スポーツは、勝敗にコレが、意外や大きく作用・影響する。

 

 以前書いたが、9月の当日、河野は控え室でバンテージを巻いた後、客席にいたジムや自分の後援者たちへと、客席を巡って御礼と、挨拶回りをしていた。

 また、國重隆というボクサーも、会場入り口でバンテージを巻いたまま、客と雑談に興じていた。

 その光景と心理に驚き、思わず國重に、こう声を掛けた。

ーー大丈夫ですか? 試合直前に、こんなところにいて?

 國重は、笑顔を浮かべ、余裕たっぷりに、こう答えた。

 「大丈夫ですよ。相手はタイ人ですから」

 アッ! この神経、まずいな!と、感じた。そして、言ってあげた。

 強いタイ人ボクサーも、中にはいますよ。気をつけたほうが良いと思うよ。

 危惧した通り、國重はダウンを喫した挙句、あわてふためき、辛くも立ち直ってから、逃げ切っての、ド辛勝。

 そして、河野も、というわけだ。

 伸び盛りの、ペッチバーンボーンは、大晦日、金城智哉を、1ラウンド、ノックアウトでリングに這わせ、さらに進化を見せた。

 河野にすれば、負ける可能性もあるが、今度こそ、キチンと圧勝して、真の実力を見せつけなければならない相手のはずだった。

 だから、WBAの本部あてに、興行権のことも含め、ペッチバーンボーンと、初防衛戦を行なうことで、話しが進んでおりますと、2月7日付けで書面を送り、分かりましたとの返答もあったと聞く。

 あやふやだった、1位で、且つ、暫定王者のリポリオ・ソリスとの”王座統一戦”は、立ち消えとなった、はずだった。

 テレビのゲスト解説をした2月27日、河野に話しが聞けたとき、「いや、(ペッチとの試合に)ならないみたいです」とだけ言って、後はクチをにごし、いつものように、次の質問を無視し、そそくさと去った。

 以前よりは、記者たちに対してちゃんと、徐々にではあるが、対応するようになってはきた。質問を聞いたあとに、無視するかのように平気で携帯電話でメールを見たり、打ったりするクセ。

 その作業が終えたあと、「で、なんでしたっけ?」と言うのには、いつも驚かされた。そんなことが度重なったせいか、ボクシング専門記者ですら、ひとり、また2人と、どんどん離れていった。

 負けて、誰も来ず、うつむいてケータイを手に、とぼとぼ歩く河野を何度か見かけた。

 最近も、内山が練習開始の記者会見のあとの、囲み取材を受ける前のこと。

 偶然、河野が別の入り口から入ってきた。「こんにちは」の一言も、礼をするわけでもない。記者団も、チラリと見かけるが、ひとりとして、声も掛けない。

 河野自身が、はからずも積みあげてきてしまった関係が、こんなカタチで現れてしまった。

 彼、記者会見では、もちろん、キチンと受け答えする。内山と違い、決して軽妙な語り口ではないが、その後の囲み取材に移ると、もうダメ。

 少しずつ目が泳ぎ、早く終えたい素振りをみせる。いつも、いつも。

 さらに、その後の流れの、個別取材となると、すかさずケータイを取りだし、ぞんざいの極み。私にだけではない。

 なぜなんだろう? と、毎回思う。取り上げて欲しくて欲しくて、たまらない性格なのに、逆行する言動をとってしまってる。

 その点、内山は、見事! という他ない、プロフェツショナル。

囲み取材で、質問が出尽くして、しばらく無音になるまで対応。

 そして、さりげなく笑顔で、切り出す。

 「まだ、何か(質問が)ありますか?」

 その後の、テレビ、スポーツ新聞などの個別取材にも、誠実に応えていく。答えにくい質問には、「まあ~」と苦笑いで、サラリとかわす。

 2人の性格の違いが露呈しているといえば、それまでだが、世界チャンピオンには単に勝てばマスコミが、寄ってくる訳では無い。

 そういう、「プロ意識」も必要だろう。

 それが乏しく、欠けていて、サ~ッと潮が引くように、負けたとたんに、誰も取材にも来なくなり、試合チケットを手売りでファンも、買ってくれなくなるボクサーを、何人もこの目で見てきた。

 不思議なほどに、見事に連動している。

 

 同じジムの他の選手のように、ジム内で見知らぬ人に会っても、河野だけは、「こんにちは」と、殆んど挨拶もしない。

 自分のことが書かれていようがいまいが、気にもしないタイプのプロボクサーもいる。それなら、それでいいのだが、そんな対応をしておきながら、自分の出た記事を非常に気にする。

 どこにどう出たのか、目を皿のようにして探し出し、時には、見知らぬタイの雑誌に載ったことさえ、自らのブログでこまめに書き、写真まで載せて宣伝する。

 だったら、ヒトに対する対応を改めればいいものを・・・・

 まだまだ世界チャンピオンとしてという以前に、人間としての”課題”は多い。

 ちなみに、内山は気にしないタイプだ。膨大なテープと記事をこまめに見ていたら、練習時間が少なくなるということも、後押しする。

 昨年の大晦日、劇的な勝利を収めた後の記者会見。河野は先輩王者の内山高志について、見習うべき点を問われ、こう言ってのけた。

 「今回の試合の前日計量の前、外でファンの人にですかねえ、内山さんが囲まれてサインを求められていたんですよ。フツ―、プロボクサーって、きつい減量もあって、こういう時は、誰もがいらついていて、そんなこと応じたくもないものなんですよ」

 聞いてて、えっ! と、驚いた。

 「でも、内山さんは嫌な顔一つせずに、サインや写真撮影に応じてましたからねえ。見習わなきゃと思いましたね、世界チャンピオンとは、こうしなきゃいけないんだなあって」

 聞いてて、さらに驚いた。前日計量で、いらついてる選手を、私は一度も見かけたことがない。確かに、全身キツイ状況はこちらも、分かるが、番記者の、目もあるにせよ、終えた後は、選手は短くフツ―にコメントも、くれる。

 ましてや、ボクシングファンは、他のスポーツに較べ、ファンは多くない。大事にしてこそ、世界チャンピオン。

 そんな雰囲気をいつも漂わせているからか、後楽園ホールで、1人で試合を見ている河野に、誰一人として、サインや握手や、写真撮影を求めるボクシングファンを見かけたことは、1度もない。

 連れだって見に来る同僚の選手たちも、あえて声を掛けない。いつだって、孤高のひと。そう言い換えてもいい。

 同じスーパー・フライの世界チャンピオンでも、河野に2年前に勝ったWBCの佐藤洋太は、気さくで、極めて明るい。ファンの求めに応じて、記念撮影にひょいと加わるし、子供も抱く。

 河野の、防衛戦の3日前の5月3日、なんと挑戦者が誘い込むタイの奥地へ招かれ、防衛戦をする羽目に陥った。9日には、3人目の男児誕生の予定だ。

 それでも、めげてなんかいない。明るく、突き抜けてた。

 「明らかに勝ってるのに、4ラウンドの公開採点で負けてたら、冗談じゃねえ! と怒って、試合止めて、リング、降りちゃおうかなあ」

 ホントに、ベルト、理不尽に奪い取られる確率、70%。もう、中止は出来ないのだが・・・・・。

 さて、試合にハナシを戻そう。

 WBA側の、”ペッチ”との防衛戦の了承もとり付け、いよいよ「苦勝」から「圧勝」への道が開けた。ある種の、リベンジ。今度こそ、油断しちゃいけない!

 そう思った矢先、試合をやらないと言っていたはずのリポリオ・ソリスが、急にやると言ってきた。戦績14勝(7KO)3敗1引き分けだが、同級1位。おまけに、いつの間にやら、最近はやりの乱造暫定王者になっていた。

 受けざるを得ないことになり、決定に。それも、「王座統一戦」と銘打たれちゃった。

 ちなみに、このリポリオ・ソリスも、内山高志と戦うハイデル・パーラと同様、ベネズエラのジムのボクサーだが、違うジムだとのこと。

 ソリスは、どんな戦法をもったタイプのボクサーなのか?

 当方は、詳しい情報を今のところ、持ち合わせていないが、渡辺均会長によれば、「ユーチューブで、見られるらしいですよ」とのこと。

 当の河野は、すでにソリスの試合映像を見たらしく

 「いきなり、王座決定戦になって、ビックリしました」と、言った後、

 「前へ前へと出てくるタイプですね。噛みあうと、思います。スタミナ勝負に成る気がします」

 スタミナなら、河野はずば抜けている。初めて、しばらく見続けた頃、後半に入ってからのスタミナは、驚異的だった。

 「タフボーイ」のキャツチフレーズは、ダテじゃなかった。

 ただ、気に掛かるのが、少し、練習不足に成ってはいないだろうか?ということ。

 やっと初めて、世界チャンピオンになった。それも、感動的で、劇的な、3回、相手をダウンさせて巻けたベルト。

 その喜びを長く保ちたいのは、分かるが、3月に入ってからも祝勝会続き。自宅で練習を済ませる日もある。

 「チャンピオンとしてではなく、挑戦者として試合に臨む」とクチにしているので、大丈夫かも? とは思うが・・・・

 初防衛戦で勝つことが、いかに難しいかは、シロートが言うまでもない。知っているはずとは、思うのだが・・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


<リアル ボクシング ルポ>急告!明日3月21日の「東洋・太平洋ミドル級タイトルマッチ」は、中止です!

2013-03-20 17:33:29 | スポーツ

Dscf2791 ボクシングファンを自称する人なら、知らぬ者がいない、清田祐三(写真・上)。

 ご存じ、東洋・太平洋(OPBF)ミドル級チャンピオンだ。バンテージを両こぶしに巻き、スパーリングへと臨む直前に、撮ったものだが、いかにシャドーのスピードが、鋭く、且つ、早いか、分かるだろう。

 この3月21日(木)、後楽園ホールのメインで、フィリピンのアーニエル・ティナンパイと、防衛戦を行なう予定だったが、急きょ、中止になった。

 理由は、「チャンピオン清田祐三の、急病のため」

 偶然、後楽園ホールへ、本日、別件で問い合わせることがあり、それで知った次第。

 もう、その確認と問い合わせの電話がひっきりなしにかかってきているようで、てんてこ舞いが、目に見えるようだ。

 本日は、祭日。清田の所属するジムは、休み。おまけに、メインが中止になったとの告知は、ジムのホームページにも、何一つ、記載なし。

 ジムのマネージャーらしき人物のブログにも、記載なし。

 ボクシングコミッションの試合日程にも、そのまま試合が実行されるかのように記載のまま。東日本ボクシング協会のも、「見どころ」が、載ったまま。

 まあ、大橋会長のジムに所属する、井上尚弥が、井上「直弥」に誤って載せたまま、もう2か月、そのままなくらいだから、仕方無いか・・・・。

 とはいえ、後楽園ホールには、清田の所属ジムである「フラッシュ赤羽ジム」から、お詫びのコメントが、送られてきたというのだから、「中止」は間違いないことだろう。

 それにしても、この試合は、見たかった。

 というのも、ティナンパイは、これまで2度、来日。いずれも同じ相手に、判定負けを喫してるものの、今まで1度もKOも、TKO負けも無い。

 清田のパンチがうなりをあげて、ティナンパイを生まれて初めて、リングに這わせることが出来るかどうか?

 防衛も堅いところだっただけに、中止は残念だ。

 昨年から、固定の恋人も出来たようだし、急病でも、看病して支えてくれるだろうが・・・・

 

 

 

 

 


  < 漬け物 コンテスト >

2013-03-20 03:10:00 | 食・レシピ
 
 
 
 
 
 その「ブログ」を、見かけたのは、ひょんなことからだった。
 パソコンを使い始め、必要最低限のことはやれるようになった頃のことだ。
 
 
 ふと、全国各地をよく仕事も兼ねて巡り、つかの間の”旅気分”も味わっていた時のことを、想い出した。
 
 とある、北国。
 まさに、上のような雪景色が、寒風を切り裂いて走りゆく列車の車窓から見ることが出来る雪国。そこに息づく人達の生活感あふれる短文が、見たい。そう、思った。
 
 懐かしさも後押し。探す中、とある女性のブログが、目に留まった。
 日々の想いや、迫りくる四季折々の自然の移り変わり、地域の夏祭りや、主婦や、母としてや、パート勤務したり、家族との日々が、時折り更新されて、綴られていた。
 
 
 そんななかに、料理の写真が、載っていた。
 
 
 まるで、プロの料理人が作ったかのような、見事な、色鮮やかな盛り付け。
思わず「プロ並み」。そう、感じた。
 
 例えば、地方の温泉旅館の夕食の膳。小鉢や、ちょいとした小皿にのった、食欲をそそられる一品。いうなれば、そんな印象。
 
 そのうち、その地方に代々伝わる名物を、彼女なりに、一手加え、食品コンテストに出品したらしいことが、控えめに書かれていた。
 
 ほお~っ。その後、どうなったんだろうと、その地方の新聞をパソコンで引き出し、翌日の朝刊を検索した。
 
 なんと、2位にあたる準グランプリを獲得。どうやら、2位ながら、その都道府県の大会に1位と共に出場できる、とか。その代わり、往復の交通費は自腹。「名誉」と、裏腹。現実は、キビシ~!
 
 
 おめでたいことには、ねたむオヒトは、いるものだ。なにしろ、その料理。その田舎では、たいがいの家で作っている。一手、確かに加えてはいるが、あの人が賞もらえるんなら、ウチのほうが味がいい。うまいよ、おかしいねと。
 
 直接、本人にぶつける人、裏でこそこそ言う人、いろいろいるらしい。元々、何かと悪口を言ってる人たちがいることは、本人からのメールなどで、知った。
 
 
 田舎ならでは、ともいえた。この時点で、ひと目会ったことも話したことも無く、純粋に「いい人」だと、勝手に夢想、していた。
 
 日々の、信じられない忙しさ。早朝から、深夜まで。ホントかよう? と、疑うほど。それが、ブログから伺えた。
 
 そんななかでの大会出場。
 
 なんと、「準」でしかなかった彼女が、今度は「グランプリ」を獲っちゃった。信じらんないような、ホントのハナシ。
 
 
 いよいよ、全国大会。それまで、1か月半ほどある。
 
 
 
 
 ここに至って、「いい人」を、支援、バックアップしてみよう。そんな、山っ気を起こしちまった。頼まれたわけでも無いのに・・・・・・
 黙っていたら、取材など1つも来るわけが無いのだから。
 
 
 
 まずは、大会のホームページに長らく載ったままの、彼女の名前の表記の間違いを指摘した。
 
 ものの、見事に数日後、訂正されていた。感謝された。
 
 次に、メディアへ。
 
 
 
 
 以前、そこの地域にある新聞社の支局のいくつかに行ったことが、あった。
一番、取材力とフットワークがある支局へと、メールを送った。
 
 
 地域の権力構造に組み込まれず、嫌われても、煙たがられても、公正無比に、真っ向勝負で取材し、書いていた。そのことを、眉間にしわ寄せてる権力者側からも聞いていた。
 
 とはいうものの、ざっくり言ってみれば、たかが1食品コンテスト。それも、始まってわずか数年目。知名度は、無いに等しい。そこで、グランプリを獲って、全国大会へと、いったところで、すぐ動いて取材してくれるほど、甘い世界じゃないことは、良く知っていた。
 
 そこで、一案二案、無いアタマひねり、こねくり回して、考えた。彼女の短文に、”地域の代表として”、はたまた、”ココで獲れる、日本一おいしいものを全国のみなさんに知らせたい&食べて欲しい”。そんな純粋な想いを持ったヒト、のようです
 
 
 
 その点を強調。
 
 そんなことを、クサくなく、さりげなく依頼文に染み込ませて、送った。多分、イケルかな?と、思いつつ。
 
 数日後、「取材依頼が、ありました」と、彼女からメールあり。
「そうですか。良かったですね。実は・・・・」と、初めて”手の内”を明かした。そして、上記のポイントを強調すれば、良い。そう、アドバイスしておいた。
 「すご~い」と、ヨイショされ、愚かにも調子に乗った。
 
 載った記事は、彼女から送られてこなかった。
 
 
 だから、パソコン上で、探し、見つけ、読んだ。
”狙った”通りに仕上がっていた。御礼代わりに記事くらい、すぐ載ったら送ってきても良いのでは? と思いながらも、もう一手やってしまった。
 
 
 その地方では、最大購読部数を今も維持している新聞に狙いを定めた。部数は多いが、先の新聞と違い、狭いながらも今も厳然とうごめいてる地域権力に、てい良く利用され、組み込まれているのは残念だったし、支局編集長以下、取材力は劣っていた。しかし、こういう暇ネタには、2番煎じであっても、パクっと喰いつくだろうと推測。
 
 
 で、その通り、になった。
 
 本人、ご多忙らしく、日に日に、メールは途絶えがちに。ん? これは!? と、感じ始めた。
 
 
 試食したいと言ってたので、それならば、一般審査員希望者として、並んで下さい。先着100名らしく、早く並んで、審査員になってくれませんか?
 
 そんな、メールは、きた。ひょつとして、利用されてるのかな?と思い始めた。
 
 少しのオゴリと、本気でグランプリを欲しがってる気持ちの両方が、メール画面の裏に滲み出ていた。
 
 他の人の介在で、全国大会に旅立つ前、夫と共に市長と面会もするらしい。
 
 本人の「意識」が、すっかり変わり始めていた。危惧していた通りに、成り果てていた。
 
 
 
 「”時の人”になってしまって」
 そう嬉々として、メールがきた。
 
 
 ブログを見ると、自分の記事が載ったいくつもの新聞が、一面に広げられた写真が掲載されていた。
 
 そのコンテストの広告との関連か、業界の新聞や、全国紙も加わっていた。
 
 「テンション、上がりますねえ~」
 
 すっかり天狗になっていた。スター気分に、どっぷり浸り切っていた。
 
 はしゃぐな。あえて、こんな時だからこそ自己規制しなさい。我を忘れては、いけないよ。
 そんな言葉を、例え本人に会えて、注意したところで、もはや、聴く耳持たず、ブレーキは、半ば壊れた車状態。そう、感じた。
 
 哀しいのは、そこに”たまたま私が、地域代表で出てるだけなんです” という殊勝な気持ちが、いつの間にか、すっぽり抜け落ちてしまっていたこと。
 
 こちらも、ココロならずも、多少ヨイショしたのも、いけなかった。
 
 実は、コレが、彼女の元々の「素」だったのかもしれない。そう誤解や曲解させるナニかを彼女の言動が、引き起こすのかも。だから、いろいろ、周りと裏でアレコレ言う人がいたのかも・・・・・・・
 
 {メディア戦略}成功が、ねじれた方向へ、疾駆していってた。
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<リアル なでしこジャパン ルポ>”新生”ではなく、ベテラン2人が巧みなゴールテクニックを魅せた

2013-03-12 12:18:44 | スポーツ

 昨日、初めて良い動きを、見せた”新生”なでしこジャパン

 終始、デンマークに押し勝っていた。というより、デンマーク選手全員の動きが、何故か信じられぬほど、悪かった。

 そんな展開のなかで、鮮やかにゴールを決めたのは、ベテランと言っていい27歳になった川澄と、大儀見だった。

 川澄の、とっさに、クロスから、大きい浮き球に変えて蹴った判断。

結果オーライ! 「運が良かった」という試合後のコメントは、本音だろう。

 大儀見の、ゴールキーパーを前に、一瞬の間とタイミングをずらしてのゴール。

 2ゴールとも、鮮やか! という他ない。

 連係、そう言えなくもないが、個人技のくくりに入るだろう。

 前文で、危惧したゴール・キーパーの山根

 押し寄せるゴールキックが、1つも無し。はずれた、デンマークの2本に対しての反応は、とても良いとはいえない。

 まだまだ、”正捕手”には遠い。

 残る1戦。5位決定戦は、13日だ。

 視聴率。観客無しに等しいなかで、第1戦、6・8%。これ、正しいかどうか、今となっては、分からない。しかし、「WBC」も重なり、こんなモノだろう。目安にはなる。

 第2戦以降は、全く分からない。

 テレビ局が、公表しなくなった。

 元々、キー局でいうなら、TBSと、テレビ朝日と、テレビ東京は、非公表、一般には教えない。

 とりわけ、前2局は、官僚的体質が今も濃く、その流れととらえている。そのくせ、数字が、良い時だけ、広報してくるのには、昔から嫌だった。

 だが、フジテレビですら、昨年まで広報に聞くまでも無く、「視聴者センター」の段階で教えてくれていたのだが、今や、門を閉ざした。

 おそらく、わずかに開かれていた日本テレビも、そうなっているのではないか?

 ちなみに、公表していた昨年。

 アルガルべカップの、公表平均視聴率。なんと第一戦の、対ドイツ戦 21・7%、第2戦のデンマーク戦 16・1%。

 それが、わずか丸1年で、一けた台に。熱しやすく、冷めるのが早い日本人の体質が出た、1例か。

 ちなみに、今は、電通と深い関わりがある、ビデオ・リサーチ社、1社のみ。ニールセンと競り合ってた時代の誤差は、大きく、いつも首を傾げていた。

 とはいえ、ある家庭には、たしかに機械があった。ウソでは、なかった。それも、テレビ局の名プロデューサーから、教えられた。

 いずれ、視聴率の謎と真実については、書く(打つ)機会もあると思う。

 今は、これだけは、書いておこう。

 あらゆるテレビ局のなかで、1番、視聴率を気にしているのは、NHK。スタッフ、チーフも含むプロデューサーの、何人もから聴いている。そのあからさまな、言動も数多い。


<リアル なでしこジャパン ルポ>佐々木則夫監督、試合を捨てたな!それとも、大きな賭けに出たか

2013-03-11 19:56:13 | スポーツ

 2試合、連敗した、”新生”なでしこジャパン。

 今夜負けると、最下位の可能性もある。佐々木則夫は、言う。

 「何がなんでも、勝つ!」 「負けるわけには、いかない」 「次は、勝ちたい」 「勝ちにこだわる」 「悪運を、取り払いたい」

 ならば、なんで? と、首を傾げる。

 伝え聞いたところによれば、今夜9時20分、キック・オフとなる、デンマーク戦へ、なんとゴール・キーパーに、山根恵里奈を起用するという。

 かねてより、佐々木が、彼女に目をかけ、期待していたことは、よく知っている。

 たしかに、187センチメートルという身長は、国際試合には捨てがたい。

 しかし、それは、その身体能力が、100どころか、120%発揮されてのことだ。

 瞬発力、判断力、ボールへの反応、そして、胴体視力。

 ところが、ポルトガルに向けての、離日直前合宿での、山根の動きは、良くないどころか、悪かった。ボールへの、瞬時の反応も、遅い。

 明海大学サッカー部との、練習を見ていた、サッカーフリークの2人の若者は、山根を指して、こう言った。

 「ゴール・キーパーじゃなくて、フォワードにポジションを変えて取り組んだほうが、あの体を生かせるぜ。きっと」

 ポルトガル入りしてからも、なんと3月5日、練習で左ひざを負傷した。それから、わずか6日。

 大胆抜擢起用の理由を、佐々木は「このところ、動きと調子が上がってきているから」と、語る。

 2戦目のドイツ戦の、後半。

 ドイツ選手たちのゴールポストへ向けてのラッシュをしのげたのは、キーパーが海堀あゆみだったからだ。

 もちろん、ドイツ陣のキックの精度が悪かったこともあったにせよ、同じ条件で、山根だったら? と、シュミレーションをしてみると、顔をくもらせるしかない。

 チームとしては、紅白戦をするなかで、連係プレーの確認をしたりしたという。昼食では、バーベキューを楽しみ、佐々木は、焼き役に徹したそうな。

 日本は、FIFAランク3位。それに較べて、デンマーク13位。

 だが、10位の差は、今のチームには、無いに等しい。

 ドイツ戦での、田中美南のゴールキックは、タイミングの判断も含め、個人技で得たモノ。

 今夜の主将は、岩手県出身の、岩清水梓だ、うまくチームを起動させ、勝利を祝って(岩手)もらえるかどうか?

 期待だけを込めて、見守る他ない。


「東日本」大震災なんてものは、無かった!!

2013-03-11 04:42:08 | ニュース

 「東日本」大震災から、この3月11日で、丸2年だそうな。

 しかし、表題で、あえて挑発的に、ぶち上げたが、「事実」として、「東日本」大震災なるものは、無かった。まったく、無かった。

 あったのは、「東北地方 太平洋沖地震」。発生場所は、三陸沖。

 これは、気象庁が、地震直後に命名したもの。しかし、これに、津波と、福島第一原発の「事件」を加えて、「東日本大震災」という、苦しい言い回しをしていている。

 本当は、誰もが納得する、正しい名称 であれば、「東北地方三陸沖 地震巨大津波大震災」であろう。

 少なくとも、東日本などという、テキトーなくくりの、誤った地域ではない。

 我が国のマスコミ、とりわけ記者クラブに群れる村民たちは、強制もされないのに、無批判に右にならえが習慣づいてる子羊。そのせいか、すぐ訳の分からない、おかしな「東日本大震災」なる名称を受け入れちまった。

 「東日本」というなら、東京都、神奈川県、静岡県などは、大きい震災受けましたか?

 千葉県は、旭市、浦安市の一部では、地盤沈下はあった。

 山形県、秋田県、新潟県で、「大きい」震災被害、ありましたか?

 むしろ、被災者をいち早く、ホテル、寺、旅館、施設、空き住宅などに、迎え入れた県だ。

 青森県は、一部地域が被災。さらに、いうなら、宮城県では仙台市が、一部の区のみ被災。岩手県は、盛岡市などは大きな被災は、皆無。

 もっと言うなら、大被災地の象徴である、釜石市や塩釜市など、三陸沿岸の都市でも、高台や山間地は大きく揺れただけで、幸運にも被災を逃れた。高低の地形が明暗を分けたのだ。

 これで、「東日本」ですか?

 それでも、「東日本」全域が震災したと、いえますか?

 取材もしてきたから書ける。この2年間、原発も含め、、被災者たちの被ったひどさを、1日たりとも忘れたことはない。

 

 実は、しばらくの間、日本赤十字社も、中央共同募金会も、独自に、東北や、太平洋や、三陸沖を入れ込んだ名前を付けていた。それなのに、今は、削除している。

 何を、そんなに名称にこだわっているんですか? と、これを読む人の中には、疑問を持つ人が、いるかも知れない。

 実は、こんな、誤った名称を付けたため、日本という小国と、日本のあらゆる業種は、現在に至るまで、さまざまな被害を被っているからだ。

 「東日本大震災」と名付けたのは、調べてゆくなかで、総務省の官僚たちということが判明した。これから、書き連ねることで、思い当たる業種・業者の方々は、民事訴訟を起こして、損害賠償を求めて欲しい。

 早々に「東日本」をアタマに付けたことにより、外国からの観光客が激減。東京”鬼畜”電力福島第一原発のメルトダウン、水素爆発により、予約大量キャンセルが、拍車を掛けた。それも、全国に波及していった。

 そして、日本国内各地で行われるはずだった、国際大会や世界大会の類いが、すべて急きょ中止に追い込まれた。

 誤解が、生んだモノ!?

 いえいえ、「東日本」と付けたからだ。「がんばれニッポン」なるキャンペーンが、日本中で頑張らなきゃならない、とんでもない被害状況に、陥っているんだ。そう、全世界に思わせた。

 あの巨大津波の映像が、公的ニュース映像と、インターネットを通じて、繰り返し全世界に流布された。

 そのうえ、枝野”無能デカ耳”官房長官(当時)の、放射能日本国内散布飛散についての、「ただちに、影響はない」という発言が、さらに後押しし、確信に変えた。

  日本が、恐ろしいことになっている。少なくとも、「西日本」は、まだ大丈夫にしても、「東日本」に足を踏み入れることは、危険だ!

 ジャパンの半分は、全滅だ。怖い。行ったら、放射能を浴びて、死ぬかもしれない、危険だ!

 ましてや、狭く、ちっぽけな島国。逃げようがない。

 日本人でさえ、そう思い込んだ人がいる。北海道や、遠く九州の観光地にまで、「被害」が及んだ。

 

 そう思いこんだ。そう思い込んでも、仕方のない状況を、政府が作った!

 おまけに「がんばろう、ニッポン」 「がんばろう、東北」などという、まことに馬鹿の後押しの極みとしか言えないキャッチフレーズを、国内外に向けて、大金投じて、流した。

 もはや、「風評被害」などという、あやふやなシロモノではない。元凶は、明白だ。税金、公金まで使って、被害をさらに広げた。お笑いぐさでは、すまない。

 

 この数行を、あなたが、外国人の立場として、お読み戴きながら考えを及ばせれば、分かるだろう。

 それでも、わからない人、実感がない人には、こう書こう。

 外国で大震災や、大津波が、しばしば起こる。

 近年でも、太平洋を越えて、日本にも押し寄せた「チリ地震津波」、はたまた、フイリピンやタイなど、アジア各国のリゾート観光地で起こる地震と津波。ニュージーランドの極地的に起こった地震。

 実際には、その国の1部地域だけの被災なのだが、日本人のあなたは、どうその時、思ってましたか? 全域かも?と、勘違いしてませんでしたか?

 ましてや、この国は「渡航制限」や、「渡航禁止」のおふれを、そのたびに垂れ流す。キチンと、事実を調べることもせずに・・・・。

 今だに、海外からの留学生が減っているニッポン。

 敵は本能寺にあり、ではなく、政府・官僚にあり、なのに。

 最後に、具体例をひとつ、示しておこう。

 一昨年、全国各地で世界的ラグビー大会が、開催される予定だったが、先の理由で急に、中止に追い込まれた。日本側が、事実を説明して、撤回を求めたが、無駄だった。

 6月、ラグビーを世界的に統括する団体の会長や、事務局長が、この目で実態を見ようと来日した。

 成田空港で、驚いたという。

 質問した。

 ひょつとして、東日本どころか、日本という国全体が被災していたのではないか?そう、思っていたのではありませんか?

 そうだ、とのニュアンスの答えが返ってきた。

 「がんばれ ニッポン」という標語も、伝え聞いていたという。

 そばにいた、元日本国総理大臣は、苦笑し、深くうなずいていた。

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 2年目を超えてもなお、「東日本大震災」 「がんばれニッポン」「がんばれ東北」は、流布され続けている

 

 マスコミは、はたまた、日本国民は、そんなに愚かなのだろうか?

 そんなに、あやつられやすいのだろうか?

 そうじゃないと、信じたいのだけれど・・・・

 

 

 

 


2020年 東京オリンピックなんぞ、いらない!ゴーマン猪瀬が”政治芸者”やりまくりにはアキレル

2013-03-10 19:45:00 | スポーツ

 日に日に、石原慎太郎譲りの”ゴーマン”ぶりが、目に余り始めてきた、猪瀬直樹。

 2020年の「東京オリンピック」なんぞ、いらない! 今の時点で、すでに巨額の無駄使いが、膨れ上がっていることは、かつて国交省を追及していた猪瀬なら、馬鹿じゃなければ、分かるはず。

 立場変われば、人、変わるか!?

 その、悪しき典型か????

 かつて、信州大学の全共闘議長を務めていた当時から、うすうす、その危惧は、感じていた。

 しかし、蓄膿症の悪化のように、どんどん態度も悪化していった。

 毎週金曜日の、午後3時開始予定。

 都知事の、定例会見を見た人なら、そのゴーマン不遜ぶりに、誰しもが、驚くはず。

 過日の、「ミス」なんとかを呼んだ時の、態度たるや、慎太郎もひっくり返る、何様ぶり。

 記者連中が、ご無理ごもっともの、哀れな子羊だからか。

 だから、慎太郎が頭に乗った。

 それが許されんなら、俺も!

 そう勘違いし、猪瀬も神経が歪んできたか。

 赤字が膨らんでゆくことは、猪瀬よ、快感か?

 すでに使ったゼニを返してもらって、2つもある部署の招致運動を止めて、慎太郎の馬鹿息子の、愚にもつかない模型代も、返してもらえ。

 東電に対する、ガレキ処理の矛盾する儲けさせ方といい、どこか、歪んでる猪瀬のアタマ。

 もう、後戻りできなくなってしまっている、ということはない。

 今回、接待費に、約6億円もの税金を浪費し、ドブに捨てた。

 お前が、昔のように、一介のライターなら、この無駄遣いに、絶対に疑義を感ずるはず。

 小泉と関わって、本来あった神経、歪んで、狂ったか?

 裸の王様か?

 

 猪瀬に言いたい。

 身の丈にあった政治をしろ!

 背伸びするな!

 どうせ、他人のカネだと、無駄遣いするな!

 鼻、治せ!

 重ねて言う。東京でのオリンピックなんぞ、いらない。

 地に足の着いた、身の丈にあった政治につとめろ。

 お前に”オトコ芸者”は、似合わない!


<リアル なでしこジャパン ルポ>やはり、と書いたら、かわいそうか!? ドイツ戦1-2で負けた。

2013-03-09 00:01:26 | スポーツ

 グラウンドには、雨が降りしきっていた。加えて、強い風。そのうえ、土砂降りに変わった。

 芝にどころか、選手の体にも容赦なく叩きつけた90分間。

 それは、22人、同じ条件だ。

 それで、負けた。やはり、負けた。

 試合展開の、詳報や、くだらぬうんちくは、他にゆずることにして、ここからは、敗戦後のコメントを列記しよう。

 

 佐々木則夫監督  「選手1人1人は、頑張ってくれた。が、連係(プレー)のところで、ミスが出てしまった。相手のパワーに対して、1対1のところで、簡単に倒れてしまう。”接触”する部分で、(日本人の)小柄なりに、小柄な中でやれるところが、あると思う・・・」

 

 大儀見優季・主将  「チームとして、やりたいことが、少しずつ出たと思う」

 「1対1で、簡単に倒れてしまう」  「球際で、(ボールを)奪われてしまう」

 「これからも(なでしこを)見て欲しい」

 

 川澄奈穂美  「ルーマニア戦で、出来なかったことが改善できた。ドイツは、つなぎが、強い。自分自身も、今後、しっかり成長したい」

佐々木の、”小柄なりに・・・”のポイントに、期待したいし、それが、出来るはずだ。

 3戦目まで、どうしてゆくか、見守る他ない。

 いばらの道は、しばらく続く・・・・・

 視聴率も、第1戦目が、6・8%。このドイツ戦は、野球のWBCと、もろにかぶったこともあり、さらに低くなるだろう。

 第2戦目の雨風の日はともかく、晴天で、絶好のコンディションだった6日のルーマニア戦と時でさえ、バックスタンドと、両ゴールサイドは、客席、無人。

 聞こえてくるのは、おそらくメインスタンドからであろう、ニッポンの応援団の声援。熱狂的な追っかけともいうべき、彼ら、彼女らによって「なでしこ」は、支えられてゆく。


<リアル なでしこジャパン ルポ>ポルトガル ベラ・ビスタスタジアムで「アルガルべ カップ」第2戦

2013-03-08 19:56:21 | スポーツ

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 前半早々、連続してゴール・ポストを揺らされ、0-2で負けた、
新生なでしこジャパン(上の写真。国内合宿時)

 敗因の根本は、前回のルポを、お読み戴くまでも無く、出場した大儀見優季と、人気先行し過ぎた 田中陽子の、惨敗後のコメントが、分かりやすい。

 「選手に(国際試合の)経験が少なく、連携プレーの部分でも、合わないし、うまくいってない。そういうところを、すぐ修正していかないと、強い相手には、まったく通用しない」(大儀見優季)

 「フォワードの動きとか、もう少し早くみていかないといけない」(田中陽子)

 個々の力量は、澤がチームの柱だった時より、正直、上がってはいない。が、極端に劣ってもいない。

 ルポで、指摘したように、大儀見の言うように、連携プレーが、まったく噛みあっていないのだ。

 経験の少ない田中陽子ら、”国際”新人。

 

 当たり前だが、サッカーは1人、2人で成り立たない。11人が、1つ、一体となって起動・回転して、初めてチームといえる。

 他人の、うんちくブログを見ると、大儀見どころか、姉妹を嫌いな人もいたが、優季の技量は、ある。ダテに、ポツダムが採ってはいない。

 しかし、合流してすぐ、うまく噛みあうほど、サッカーというスポーツは、安易ではない。

 今夜の、ドイツ戦は、佐々木則夫によれば、「ベストメンバーで、臨む」という。

 先のルポで、上田栄治 女子チーム委員長も語ったように、ドイツが、今回のターゲットだ。

 そのドイツもまた、新旧入れ替わりの時期だった、今大会。なんと、デンマークに初戦で勝てなかった。

 もし、このジャパン戦で負けたものなら、ドイツが絶壁に立たされることになる。

 おそらく、かつて以上に、激しく体を当てに来るはず。

 そこで、仮想ドイツに見立てた、明海大学サッカー部とのシュミレーションプレイの数々が、生きてくるか、どうか!?

 合宿では、殆んど通用しなかったが、いくつかでも試合で、通用すれば、勝てる可能性はある。あとは、意地と気迫の個人技か。

 あの5日間の短期合宿が、無駄ではなかったことになるのだが・・・・・

 なでしこの花を根っこから、刈り取ろうとばかりに、ドイツは、いつも以上に、異常に必死で、立ち向かってくる。

 90分間、どう対抗出来るか? どう、防げるか?

 冷静に、見つめたい。


<リアル なでしこジャパン ルポ>3月6日 アルガルべカップ初戦の相手ルーマニアには0-2で負けた

2013-03-07 00:37:55 | スポーツ

 

 3月1日、”新生”なでしこジャパンチームは、ポルトガル目指して、成田空港を飛び立った。

 今や、女子サッカーの顔となってしまった澤穂希(ほまれ)や、宮間あや、など、チームの主将をつとめ、チームを牽引してきたベテランをはずし、2月の大分でのセレクション合宿を経て、選抜、編成、混成した、まさに”新生”メンバーだ。

 もっとも、澤の全身は、満身創痍。実は、とても、海外の強豪選手との激闘に90分間耐えうる体では、すでに無い。

 後半、チームの動きと、試合の流れが良くない時や、攻守が中だるみしている時に「カンフル剤」「強化剤」としての役割を担って投入されるには、まだまだ充分使えるが・・・・・・・。

 むろん、”新生”と文字を打ったが、川瀬奈穂美海堀あゆみ鮫島彩岩清水梓など、今までのチームの主力は残り、これまでの役割と、経験を生かす。

 その、離日直前合宿が、2月25日から、離日する3月1日の午前中まで、5日間に渡って行われた。

 いずれも、千葉県下にある、地元の人にしか知られていないサッカー場。そこは、男子の監督を務めていた”名将”オシムが、気に入って使い、その後も、岡田監督なども、日本代表の合宿に、好んで使っていた経緯がある。

 何より、芝の状態と管理が、良い。そのうえ、使用料が、メチャ安。1日、使って1万円でおつりがくる。夜間照明使うと、ちょいと出るくらい。

 年間予算が、200億円を優に超える「日本サッカー協会」にとっては、屁でもない金額。こんな好都合はないし、安いに越したことはない。

 今後も、佐々木則夫は、好んで使っていくはずだ。宿舎としているホテル群が立ち並ぶ地域にも近く、好条件であるし。

 さて、私が見に行ったのは、合宿4日目の2月28日。

 初日こそ、うまくチームとして「起動」していなくとも、離日前日ともなりゃ、動きや、攻守のフォーメーションも、固まってきているだろう 。そう予測して、足を運んだ。

 ところが、ぎっちょん・・・・・・

 いやはや・・・・・

 その「厳状」を、私がグダグダと書くより、監督である佐々木則夫の、叱咤する声を、ありのまま列記したほうが、読む人もわかりやすいだろう。

Dscf3544 「チャンスだと思ったら、行け!」

 「ここで、終わるんじゃなくて、もう1歩、行け!」

 「その時、その時、・・・・・そう! そう!」

 「その、浮き球の時~っ!!」

 グラウンドには、新生なでしこジャパンのメンバー20人だけじゃなく、紺のジャージを着た男子チームと思われるメンバーも、同数近くおり、ボールさばきで、競り合わせている。

 おそらく、明海大学のサッカー部の選手たちだろう。調べると、やはり、そうだった。

Dscf3559 この明海大学サッカー部。実は、数年前から、なでしこの練習相手としての、御用達チームとなっている。

 チームには、澤を始めとするなでしこの選手たちの感謝を込めたメッセージとともに、ペタリと「のりお」と書かれた千社札が貼られたサイン色紙が贈呈されている。

 しかし、片やチョ~有名。片や、”黒子”の無名。でも、当たり前だが、上の写真のようにグラウンド上では、すぐ近くで話せる位置にいる。

 そこでこっそり携帯電話の番号を聞きあったり、メールアドレスの交換などは、・・・・全く無い。噂すら、無い。恋は、ご法度ではないのだが。

 つまりは、なでしこが、AKB48のように、腰が軽くないということ。

 ちなみに、「なでしこ」という名の花、驚くほど地味な花。まったく華やかさは、ありません。

 で、この明海。千葉県の大学サッカーリーグ1部に入っており、決して強豪とはいえないが、そこそこの戦績を残している。まだ、トップJリーガーは、輩出していない。

 そのチームに、実は、練習試合で、いつもなでしこは、ボロ敗けしている。澤が、いてだ。ロンドンオリンピック前の、壮行試合でも、ゴールポストに、ボンボン放り込まれた。

 スコアは、5-1とか、4-1など。その、なでしこの1点は、まあ、ちょっと差し上げますよという印象が残るゴールキック。

 いつだって”御神輿担ぎ”の、サッカーマスコミは、そのコトは、報じない。

 男女の差は、歴然として、まだある。「最強なでしこ」といえども、残念ながら、ある。

 この日も、ポルトガル行きの直前ということもあり、激しいコンタクト(接触・当たり)プレイは、無し。それでも、簡単に競り合いで、ボールを奪われてしまっていた。

 視察も兼ねて、練習を見つめていた上田栄治に、話しを聞いた。彼は、11年前、女子サッカー日本代表の監督を経験。3年弱、勤めた。

 現在は、協会の理事と、女子チームの委員長をこなし、佐々木則夫を継続して監督になってくれるように、強力に熱意を持って契約交渉にあたった人物だ。

 人選は、無し。徹頭徹尾、佐々木の力量をかった。

 上田は、言う。

 「ここ1~2年、澤とか、ベテランを使い過ぎたので、今回は休ませようということです。そうですねえ、競り合い、球際のさばき方など、おっしゃる通り、男女の差は、確かに歴然としてあります。それはもう、認めざるを得ません」

 「明海さんを相手にしてるのは、 ドイツ戦 を想定しての対策です。あの、ドイツとの体格差をどのようにして、縮めていくか!? それが、今度のアルガルべカップへの課題ですね。今回のチームが、どこまで伸びてくれるか? ということです。数年先も見越してのチーム作りです」

 「コンタクトプレイをしないでいるのは、ここ連日、明海さんと、午前、午後と練習を続けて、選手に疲れが溜まっている頃だと思いますのでね。今日の午後の練習は無しとなる予定です」

 シャレでは無く、”明解”な答えが、返ってきた・

 報道では、田中、田中と、明日のスターを作り、仕立て上げようと、ことさらにしていた。

 19歳の田中陽子、「アッス~」とチームメイトに呼ばれている田中明日菜、そして18歳の田中美南などが連日、名前が連呼されていたが、取り立てて動きに良いモノは見られない。

 また、身長187センチ、体重78キロと、まさに頭1つ抜けている、ゴールキーパーの山根恵理奈だが、大きい体躯を、まだ全く生かしていない。

 それどころか、積極性すら見られない。かつて、椎間板ヘルニアや、右ヒザ半月板損傷など、ケガを多発。その影響が、無いとはいえない。

 体が大きいのには目がない、ラグビー男子日本代表監督の小柄な男、エディー・ジョーンズには注目されたが、本人にとっても、つまらないハナシだ。

 オッ! と、気になる選手が、目に付かないうえに、選手間に声が出ていないのが、逆に気になった。

 ホワイトボードを手にした、佐々木。中に、攻守の陣容が書き込まれている。

 ゴール前で、明海となでしこ、7対7で、攻守を入れ替えながら、佐々木は、いろいろ試していた。

 あせって前へ出過ぎて、山根、こける。見てるこっちも、コケル。おいおい・・・。

 明海は、軽くガードしてるだけなのに、ゴール出来ないまま、時はどんどん過ぎてゆく。

 グラウンドには、VTRカメラマンを中心に、11人。記者は、20人ほど。

 やがて、2手に別れて、ゴール前での競り合いと、パス回しを繰り返す。

 

 佐々木の声だけが、グラウンドに響く。

 「ロングボールが、来たらあ~」

 「このエリアで~」

 「あと2人、ココ」

 「センターフォワードがあ~」

 しかし、いとも簡単、明快に、明海が競り勝ち、ボール奪う。

 佐々木、競り合った時の姿勢まで、アドバイス。”新生”は、まだそのレベルということ。

 明海、一度抜けて、水呑み、休憩。

 すぐ、戻る。むろん、ノーギャラだ。謝礼も、無し。

 ゴール前、1対1の、競り合い。う~ん・・・・・

 佐々木、叫ぶ!

 「ゴールにまで、時間かけない! 時間かけない!」

 ゴール前。

 「ボール、上げる時に~」

 競り合って、競り合って・・・・良いカタチで、ゴールポストに蹴り込むことが、や~っと出来た。とたんに、なでしこのメンバーから、拍手が起こる。

 おいおい、も~・・・・

 ボードに、また新たに書き込む、佐々木。新たに、指示。

 ゲーム形式、試合スタイルで、始まる。

 攻め入る、なでしこ。

 「もっと、横から!」

 佐々木の檄が飛ぶが、逆に速攻で1本、入れられる。

 すぐ、ゴール前でのフォーメーションを、佐々木が指示。

 しかし、今度はヘッディングで、入れられる。うかつ、という他ない。

 なでしこのメンバー、交代。

 「逃げられてるよ!」 「体、張って!」

 佐々木の指示むなしく、また入れられる。

 「すいません。リアクションで、先に先に、早めに(打ってください)」と、明海のコーチ

 しかし、なでしこ、攻め入っても、サイドからのボールとの、蹴り込むタイミング、合わず・・・・・

 「遅いよ!」

 佐々木が、怒鳴る!

 今度は、パスのためのパス回しになってしまってる。攻め込むためのパスには、まるでなってない。

 声が出てない、なでしこ。

 佐々木、全員を呼び寄せ、赤玉、青玉をピンでボードに止めて、フォーメーションを説明。

 「センターバック、4人、来てもらえますか?」と、佐々木。明海の4人に、なでしこのビブを着させ、紅白戦。

 「寄せて! 寄せて!」

 長船加奈の胸に、もろにドン!とボールが当たり、うずくまる。大事には、至らず。しばし休んで、戻ってくる。

 う~ん、意味の無いパス回し続く。

 「チーム」として、起動していない。期間が短いとはいえ、個々の能力が、まだまだ合体されていない。1+1+1=2ぐらいにしか、まだなっていない。

 手締め、1本で、練習、終了。

  これからの、毎夜のミーティングで、どこまでカタチになってゆくだろうか・・・。危惧が、よぎった。

 

 さてさて、遅筆ゆえに、ノルウエー戦の前に、この国内ルポが仕上がらず。

 そして、先ほど、0-2で、初戦のノルウエーにリードされたまま、負けた。

 危惧した通りになった。

 ”新生”が、チームとして、機能・起動するには、まだまだ時間がかかるはず。期待は、している。

 幸い、なでしこ人気を当て込んで、全戦、地上波で見られる。ひょっとすると、全戦、善戦で終えて帰国することになるかも知れない。

Dscf3578 続く、第2戦の「ドイツ」戦には、善戦はしても、勝利は厳しい。どんな戦いぶりを見せるか!? に、目を注いで欲しい。

 3戦目の、デンマーク戦で、カタチがまとまりかけるかもしれない。

 産みの苦しみ。そう、言い換えてもいい。

 まとまるのは、6月20日。佐賀県での、ニュージーランド戦。

 そして、イングランド遠征での6月26日、同地でのイングランド戦あたりだろう。

 次いで、6月29日。ドイツでの、宿敵ドイツ戦。

 この試合で、どうリベンジするか!?

 そこが、ポイントだ

 咲くか、再び、なでしこの花。今は、つぼみ前か。

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 ちなみに、ノルウェー戦の、地上波(フジテレビ系)視聴率 6・8%だったとか

 かつては、澤率いる時代は、10%台後半を誇ったが、このまま負けが込んでいくと、さらに低下していくはず。

 視聴者の目は、いとも軽く、流されやすい反面、ときに厳しく正しい。