木瀬部屋での稽古は、観に行かなかった。
親方の壁が厚そうだし、観覧費を取られるのは、いまいち合点がいかないままなので・・・・。
とはいえ、宇良のコトは気になっていた。
今日の、名古屋場所の初日。
ファンの方は、すでに結果はご存じだろう。
「突き落とし」で、宇良(うら)が、幕内経験者のベテランと言って良い「富士東」(ふじあずま)に勝った。
改めて驚いたのが、カラダ全体が、ふっくらと丸みを帯び、太ってきたこと。
筋力トレーニングの成果もあるのだろうが、その代わりか、仕切り前後の足の上がり具合、腕の伸びが美しく見えなくなった。キレが、無い。
さらに、立ち合いが、その他大勢の、並みの力士に成り下がってしまった。
以前は、キチンと両拳を土俵に付けて、低い姿勢からもぐっていたのに、今日初日は、ひどい!
右拳を付けただけ。左拳は、明らかに付けず、降ろさず、上体を起こしている。
基本を忘れたのだろうか?
慢心か?
心から、ガッカリした。
あとの取り組みで土俵に上がる、「佐藤」(写真右側)でさえ、キチンと両拳を素早く土俵に降ろして、付けているというのに・・・・・。
日本人をタニマチ以外は、舐め切っている「旭秀鵬」(写真左側)は、前場所全休。立ち合いも、コレこの通り、両手土俵にいつも付かず。日本の協会のお達しすらも舐め切って、無視。
佐藤は完勝!
取り組みにムラがある「石浦」も勝った。
ラグビーの五郎丸歩ではないが、自身のルーティンは、きっちり守る。
対戦相手を、なぜか、カラダを斜めにして、渋い表情を浮かべて、じっと見据える。
その間に、これからの取り口を確認したり、変更を考えたりしているように思える。
で、その次は。
まるで猫や犬が、路上で糞を出した後、ソレを隠そうとするかのように、後ろに何度も何度も、土俵の砂を蹴る、蹴る、蹴る・・・・・・。単なる、クセか、ルーティーンか。
石浦も、立ち合いは、この初日は正しく両手付き。
すぐさま、阿夢露(あむ~る)に、体勢低くもぐり込んで、一気に!
2人は、自分の取り口で完勝スタート。
とはいえ、冷静に見ると、やはり、佐藤が一番早く幕内に上がる地力がありそうだ。
宇良のカラダの柔軟さは、本日も、コレこの通り。
突き落としで、勝ちはしたものの、実際は左に体勢をサッと変えての、はたき。
危なげは無かったものの、まあ、さまざまな勝ち方が出来るという立証にはなった。
にしてもなあ・・・・・「片手落ち」は、まさに片手落ちの、正しくない立ち合い!
十両や幕内の取り組みの際、行司は、ハッキリと左右の両力士に叫んでいた。
「両手、付いて!!」
宇良。”宇良ぎる”なよ!
人気の下落は、君が考える以上に早い!
並みの力士に、人は支援・注目はしない。