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わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

縄文土器(土器の形)1

2009-11-12 21:52:08 | 縄文土器の話、骨董の話
陶芸の「ルーツ」である、縄文土器の話を、続けます。

 6) 縄文土器の特徴

  ① 土器の形

    縄文時代は、約1万年の間、北は北海道から、南は九州に至るまで、全国に栄えた文化ですが、

    その中心は、東日本でした。(東日本は、住居跡地も多く、食料資源も恵まれていた為です)

    人口は推定、東日本で10万人、西日本で5万人位と言われています。計15万人位がいました。

   ) 草創期から早期までの土器

     この時期に作られた土器は、全て、食物の「煮炊き用」で、それ以降の土器も7割以上が、

     「煮炊き用」で占められていました。

     食用に適さなかった、山野草も、煮る事により、食べられる様になり、生や焼いて食べていた、

     獣の肉や、魚なども、煮る事で、汁も飲めるようになり、更に春から夏に掛けて、採取した

     大量の貝を、茹で上げ、乾燥させて、保存食にもしました。

     この事により、労力の軽減がなされ、健康面(衛生面)にも、良い影響が出て、

     寿命も延びたはずです。

    a) この時期の土器は、ほとんど深鉢形態で、草創期では、丸底又は平底で、早期では、

      底が尖った円錐形をしています。

      尖った底は、地面に置き難いですが、置くのではなく、地面や、灰の中に差し込み

      立てて使用しました。

    ・ 草創期では、表面の模様は、無文又は、豆粒文(とうりゅうもん=豆粒の様な、小さな粘土が、

      表面に斜めに、付けられている)。

    ・ 早期では、貝殻を使った、貝殻条痕文(じょうこうもん)、爪形紋(つめがたもん)、

      竹や縄目の押圧文があえり、何れも、連続模様や、繰り返し模様が、特徴です。

    ・ 早期終末期の、東日本では、胎土に植物繊維を、混入する方法が、拡がります。

      乾燥時に、収縮割れを防ぐ目的で、入れた物と思われます。

    b) 底には、火や熱で赤化した物や、白っぽく変化した痕が残り、土器の内、外部には、

     食物の焦げ付きや、「煮こぼれ」の痕が炭化し、煤状に「こびり付」いていたりします。

     尚、土器の色は、土の種類や、焼成(野焼き)によって、黒、こげ茶、茶、黄土色が、

     多いです。

   c) 疑問として、低い温度で、焼成した土器が、なぜ「煮炊き用」に使えたのか?と言う事です。

     焼成直後の土器は、当然水漏れを、起こします。その程度は、土の種類(目が細かい、粗い)や、

     土器造りの最終段階で、表面(主に内側)を研磨したか(小さな隙間を潰す効果あり)、

     又、焼成温度が低い、高いかによっても、水漏れの程度は左右されます。
   
   ・ 水漏れ防止は、「煮汁」を注ぎ込む事により、その中に含まれる、澱粉や、脂肪が、土器の隙間に

     入り込み、隙間を埋めます。更に乾燥させて固せます。これを繰り返します。

     この様にして、水漏れを防ぎ、更には、土器本体の強度を、増す効果もあります。

    (一番最初の、煮汁はどうやって、造ったのかのか?と言う問題も有りますが、

     ここでは、特に触れません。)

   ) 前期から中期までの土器

 以下次回に続きます。

縄文土器の形
   
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縄文土器(文様)

2009-11-11 21:20:08 | 縄文土器の話、骨董の話
陶芸の「ルーツ」である、縄文土器の話を、続けます。

 5) 縄文土器を造る(造り方)

  ① 文様を付ける

   ) 流行を取り入れる

      縄文土器は、時代により、場所により、形や文様が異なっています。

      新しい技術や文様は、除々に、周囲に広がって行きました。

      (この時代でも、人の交流は、かなり有りましたので、衣類や文様も、流行があったと、

      思われます。) それ故、土器の文様も、新しい物が、取り入れられて、いたはずです。

  ) 縄文(縄目)模様

     縄文土器の言われとなった、縄目紋が付けられた土器が、多量に造られていました。

    a)   縄目とは、草や紐(組み紐)で編んだ縄の事で、軟らかい土の表面に、圧し当て、その文様を

      作品に移しました。

    b)  縄紋は、単に縄のみでなく、紐を丸い木の棒に、巻きつけ、転がしながら、模様をつけました。

      その巻き付け方によって、模様も変化します。

     例、平行に巻きつける。綾目に巻きつける。細い紐と、太い紐を交互に巻き付ける。

       紐を二等分し、その中央を、棒の真ん中に、置き、巻きつける。

       こうすると左右逆方向に巻きつきます。

       紐に「こぶ」を造り、縄目に変化を持たせるなど。

       その他、工夫して色々の、縄目が考案され、表面に圧し付けられました。

   ) 縄目以外の文様

    a) 縄文土器には、縄目以外にも、貝や木の実などを、押し当てて模様にしています。

    b) 沈線紋と言い、「ヘラ」や棒で、作品に陰刻(凹み)し、丸や渦巻き紋をつけました。

    c) 筋張り紋:土で細い紐を造り、思い思いに、作品表面に、貼り付けています。

      この紐を直線や、複雑な曲線にしたり、紐上に色々細工した物も、見受けられます。

      この紐が、蛇などの動物や、炎(火)などを、表現したものも、有ります。

  ) 文様の意味

    文様は、飾り(装飾)の意味が一番大きな、理由だと思いますが、作品の補強の意味も、

    有ったと思われます。 何度も言いますが、作品が壊れる事が、一番恐ろしい事です。

    それ故、常に壊れない様に、何らかの、対策や、工夫を行いました。

    その一つが文様です。即ち

   a) 文様を圧し付ける事は、土を締める働きが有ります。外側から、模様を付ける為に、

     力が加わり、結果的に、土を締め、乾燥や、野焼きの際の、割れを防いでいます。

   b) 筋張りの技法で、紐を貼り付けるのも、その部分の強度を、増す事に成ります。

    他にも、文様の効果(意味)は、有ると思います。(例、手が滑り難くするなど)

  以上の様に、必要が有って、縄文土器の文様は、出来たとも、考えられます。

 6) 縄文土器の特徴

  ① 縄文土器の形
  
以下次回に続きます。

 縄文土器の文様
 
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縄文土器(造り方)

2009-11-10 21:34:20 | 縄文土器の話、骨董の話
陶芸の「ルーツ」である、縄文土器の話を続けます。

 5) 縄文土器を造る(造り方)

  ① 土の採取

    土器に適する土が、何処に有るかは、男性陣が知っていました。

    男性は、獲物を求めて、常に野山を駆け巡り、川や水辺で漁をしていました。それ故、周辺の

    地理や地形の他に、何処へ行けば、どんな獲物や、木の実が取れるかも、頭に入っています。

    当然、何処へ行けば、良い土があるかも、知っています。 重い土を運ぶにも、慣れています。

    なぜなら、数十Kgも有る、獲物(獣)の狩をし、仕留めた獲物は、家まで持ち帰る必要が有り、

    その為の、運搬手段を用意しています。

    獲物が無い場合には、以前から頼まれていた、土を持ち帰る事は、苦になりません。

  ② 土の精製

    精製と言っても、土を乾燥させ、砕き、土に混ざる、木の根や枯葉、小石などを、取り除く事です。

    又、土は取れた場所により、色や粘りなどの、性質が違っています。

    土器造りで、一番の問題は、作品が壊れる事です。

    壊れるのは、色々な場面で起き、原因も様々ですが、土が原因の場合も、考えられます。

    (この事は、現在でも事情は、同じです。)それ故、幾種類かの土を「ブレンド」したでしょう。

    縄文土器の土には、砂が入っています。これは、収縮を抑えて、割れを防止する目的で、

    故意に入れたものです。又、他に「雲母」が入っている物も、有ります。

    (現在の粘土にも、「雲母」入りのものが、市販されています)
  
  ③ 土器を造る

   土器は当然、手作業で造りました、手が最高の道具であり、補助の道具に、木の枝を、

   「へら」の様に、使いました。

   ) 造り方は、ほとんどの場合、紐造りです。

     紐造りは、万能で、どんな大きさや、形にも対応できます。

     一般に、「輪積み」や、「巻き上げ」による造りで、紐を積み上げ、紐と紐の間は、

     土を伸ばして、繋ぎ目を消します。

    a)  勿論、設計図は有りませんし、物差しもありません。大よその形と大きさを、

      地面に書くしか、方法は有りません。

    b) ほとんど即興の、思いつきで、どんどん作ったと思われます。

      但し、縄文初期の頃は、実用的な物を、造りましたから、使い道の無い物、使い難い作品は、

      造らなかったはずです。高さの大きな作品は、下部が乾燥したら、上部に積み上げる方法を

      とり、数日を要しました。

   ) 文様を付ける
   
以下次回に続きます。

 縄文土器の造り方


      


 


   
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縄文土器(造り手)

2009-11-09 21:32:06 | 縄文土器の話、骨董の話
「縄文土器の造り手は、主に女性であった」の、話をしたいと、思います。

縄文時代の食料は、野山に分け入り、獣や動物類を獲る狩猟、川で魚を獲たり、海で貝などを獲る漁労、

及び、野山で木の実や、野草を採る、採取の3本立てが基本でした。

仕事の役割分担は、明確では無いが、狩猟や、漁労などの力仕事は、主に男性が、住居近くの、

日常作業や、育児、土器造りなどの道具造り、布造りなどは、女性が行っていた様です。

 1) 土器を造った際に出来た、指跡の大きさ、爪跡等の他、縄文の組紐、布目など、女性が造った物

   と思われる、痕跡が多く見られます。

 2) 但し、土器造りには、土の採取、運搬、小石や葉っぱ等を、取り除く土造り、製作、燃料の調達、

   野焼きと、色々な工程が有りますので、男女共同作業も、必要に成ります。

   土は崖の側や、川の岸や、川の中など、採取する場所が、危険な場所に有る事も多く、運搬も、

   力仕事ですので、男性が担当した事と、思います。

 3) 土器に使える土は、至る所に有るように、思われます。

   ① どの家にも、数種類の土器が存在している事。

   ② 重い土を遠い場所から、運んだとは、思われない事。

   ③ 商品の様に、一箇所で造った土器を、持ち込んだとは、思われない事。

     (壊れ易い土器を、遠くまで運ぶとは、考え難いです。)

     但し、土器造りの、新しい技術は、常に導入されていたはずです。

   ④ 土は赤土が多く、良い土が出る所は、少ないですが、器に出来る土なら、割合簡単に、

     手に入ったのかも知れません。

   以上の理由で、土は現地調達し、女性が自分で(又は、その集落の特定の人が)土器を造ったと

   見るのが妥当です。

 4) 土器造りは、或る季節に、集中して作られていた。

   ① 野焼きは、ある程度の量の作品が、出来てから、行います。

     野焼きの労力から考え、たぶん数十個の作品を、一度に焼いたはずです。

     回数は、年に1~2度程度と、思われます。

     尚、当時の一集落は、5~10軒程度が普通で、一軒で3~5個作れば、直ぐに、数十個の

     作品を造る事が、出来ました。

   ② 作品を短い期間で、集中的に造る必要が有る事。当然他の作業が、暇の時期に成ります。

     入梅時期では、土は乾きませんし、雪や氷が出来る時期は、作品が凍り破裂します。

     集落中の女性達が、一箇所に集まり、「ワイワイ」言いながら、製作に励み、周囲では、

     子供や、男達が、見物していたかも知れません。

   ③ 燃料の収集も大切で、燃料が常備されては居ても、野焼き用の燃料までは、難しいはずです。

     それ故、容易に燃料が、手に入る時期(例:枯葉、枯れ木、落ち葉のある秋など)に、

     野焼きをし、それに合わせて、作品を造ったとも、考えられます。

 5) 縄文土器の造り方

以下次回に続きます。

縄文土器を造る  
縄文土器と女性


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縄文土器(土を焼く)

2009-11-08 22:41:24 | 縄文土器の話、骨董の話
陶芸は、土を焼いて、石の様に硬くして、作品に仕上げます。

土を焼くと、硬くなるのを、最初に発見した人達は、日本では縄文人と、言われています。

縄文人は、土を焼いて、日常使う道具として、又、器として、盛んに土器を、造り続けて居ました。

 (勿論、南方や、北方から、土器造りの技術が、伝来したと言う、説も存在しています。)

即ち、「陶芸のルーツ」は、この縄文時代に、有ると言っても良いと、思います。

新たな道路や、建物を建てる前、発掘調査が行われる事が、多くなりました。

埋蔵文化財と言い、人が定住していたと、思われる場所(川や、沢、池など、水の有る所)は、

必ず調査が、行われている様です。

その結果の多くが、地域の博物館や、郷土資料館に、展示されています。

縄文時代は、炭素14(放射性炭素)による、年代測定で、紀元前(B・C)1万年頃~

紀元前(B・C)300年頃まで、1万年以上続いています。

その間、色々な作品が作られ、早創期、早期、前期、中期、後期、晩期と、色々な作品が、

時代と伴に、変化して造られています。


話が逸れてきましたので、本日のタイトル「土を焼く」の、話に戻ります。

 1)土を焼く事の発見(どの様にして発見したのか?)幾つかの説がある様です。

  ① 山火事説

    人類の火の利用は、山火事によって、発生した火を、持ち帰り、利用したのが最初と、

    されています。

    同様に、崖などに露出していた土が、山火事後に、石の様に硬く替わって居るのを見て、

    この土を焼けば、硬くなることを発見した、と言う説です。

  ② 焚き火説

    焚き火をしていて、発見したと言う説で、自然な、かまどの様な所で、火を使った所、

    周囲の土が、熱により、固く変化したのを見て、発見したとする説

  ③ 焼き石説

    人類は、大昔より、火を使い、料理して来ました。特に縄文時代には、石を焼き、その上に、

    大きな葉っぱで、食物を包み、熱したり、焼いた石に水を掛けて、蒸し焼きにして、料理しています。

    遺跡には、大きな石がかたまって、配置され、利用した様子が、伺われます。

    この石を焼く際、石に付いた土が、焼け硬く変化する様子や、料理用の葉に、偶然付いた土が、

    焼けて、硬くなり、この事を「ヒント」に、土を焼いて硬い物を作る方法を、考えたと言う説

  その他、色々な説があると思います。

 いずれにしても、硬い石を、加工して使う石器より、軟らかい土を、加工し硬くする方が、

 労力が少なくて済むと言う事は、容易に考えつく事だと思います。

 又、石器は、加工上の労力から、小さな物が多いですが、土を焼いて硬くした物は、かなり大きな物を、

 作る事が可能です。

 2) 縄文土器は、女性が作っていた

 以下次回に続きます。

 縄文土器 土を焼く    
   

   
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電動ろくろ(底削り8、高台の内側を削る)

2009-11-07 21:38:11 | 電動ロクロ入門
引き続き、「底削り」の話を、進めます。

3)  底削り
  
 ③ 底を削る

  f) 高台内側を削り出す

    高台の幅が8~10mm程度に成る様に、内側に円を描くます。

    この円を消さない(削り取らない)様に、底を削ります。

    轆轤の回転はやや速くし、一度に深く削らず、少しずつ削り、削る回数を多くして削ると、

    安全です。

    (高台の幅は、仕上げで、調節いたします。描いた円も同様に、仕上げで、削り取ります。)

  ・ 高台外側を削る様に、作品の底中央に指を置く事は、出来ません。この指は、作品の外側を、

    軽く押せ、両手の親指を、繋げて削ります。

  ・ 「削りカス」が出ないのに、高台内側が、掘り込める場合が有ります。

    これは、掘れたのでは無く、「カンナ」で下に押し付けた為に、出来た凹みで、底の内側が、

    出っ張っているはずです。乾燥が甘い場合に、多いですので、注意してください。

  ・ 掘り込む、底の深さは最低でも、釉が掛けられる位(最低でも1.5mm以上)の、深さにします。

  ・ 抹茶々碗に多い形ですが、底の中央を、凸状に削り出す、「兜巾=ときん」高台が有ります。

    その際、凸が高台の高さ以上になると、「独楽=こま」の様に、くるくる回転しますので、

    必ず、低くします。

   ・ 「三日月高台」の場合には、内側を削り出す前に、作品を、中心より、わずかにずらして、

      轆轤上に据え、削ります。

  g) 仕上げ削り

    内、外の底削りが、一通り終えたら、仕上げに掛かります。

   ・ 高台外側の側面を、綺麗な円に削り、高台から高台脇に掛けて、削り傷や、凹凸が有れば、

     綺麗に、削り取ります。

   ・ 同様に高台内側の側面も、綺麗な円に削り、更に高台の下面(糸尻)を、平らに削ります。

   ・ この時、描いた円は削りとります。又、高台の幅も削り、調整します。

   ・ 高台の角を、削りとります。(外側は少なめ、内側は大目に削ります。)

   ・ 「切り高台」「割り高台」の場合は、この段階で、加工します。

  h) その他

   ・ 「カンナ」は削る為の道具ですが、「刃物」ですので、時々研(と)いで、切れる状態にします。

      (使い続けると、「刃」が丸まり、切れが悪くなります。)

    又、削る際には、「刃」を立て、一番削り易い、角度を見つけてください。

 以上で、底削りの話を、終わります。

  電動ろくろ入門 底削り  

     
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電動ろくろ(底削り7,高台外側を削る)

2009-11-06 22:39:54 | 電動ロクロ入門
「底削り」の話を、続けます。

3)  底削り
  
 ③  底を削る

  d) 針で描いた円まで、削ります。

     「削りカス」が、細い帯状になって、「カンナ」から離れて行く状態が、理想的な乾燥具合です。

     「カンナ」の刃に「くっ付く」のは、乾燥が甘く、「カス」が細かくなり、切れたり、

     粉になる場合は、乾燥し過ぎです。(「カンナ」が「キーキー」音を発するのも、乾燥し過ぎです)

   ・ 甘い場合は、時間を置いてから、作業するか、「ドライヤー」で、短時間(1~3分)

     乾燥させます。(ドライヤーは、表面だけが乾き、内部までは、中々乾燥しませんので、

     「削っては、乾かし」を、繰り返します。)

   ・ 乾燥し過ぎの場合には、濡れた「スポンジ」で、表面を拭きながら、作業するか、

     濡れた布を掛けて、しばらく放置した後で、削ります。

   ・ 削ると作品は、径が段々細く成ります。形も刻々変化しますので、全体の形を見て、

     何処まで削るかを、判断して下さい。

   ・ 底削りは、作品の外側全体を、削る訳ではありませんので、削った所と削らない境が、出来ます。

     その境目が目立つ場合は、削りで「ぼかし」を入れて、目立たない様に、します。

     「ぼかし」は、「カンナ」を片手で持ち、軽く境目付近を削ります。

     即ち、ある程度、相手の形に合わせて、削る行為です。

   e) 「碁笥底高台」の場合は、ここで、外側の削り作業は、終わりに成りますが、

     「輪高台」の場合には、「輪」を削り出します。

     針で描いた円の、外側を、段を付けて削ります。(円は削り取らずに、残して置いて下さい。)

   ・ 段差を少しずつ、大きくして行きますが、段差を大きくしたら、その下(腰の部分)も同時に、

     削ります。段差のみを大きく削ると、穴が開く恐れが有ります。

   ・ 描いた円が大きいと、腰の形が、角張り易く、且つ、高台が、やや高めになり、

     小さいと、丸く成り易く、高台が、やや低めに成ります。

     (理由は、底の内側の形状が、中央が低く、端に行く程、肉厚になる傾向が有る為です。)

   ・ 高台の高さは、施釉の際、ここが安心して、持てる高さ以上にします。
    
   ・ 削る際、どの位肉が残っているか、不安です。特に初心者の方は、削り足りない方が、

     ほとんどです。その為、作品が重たく成ります。

     肉厚を直接測る事は、出来ませんので(作品が伏せて有る為)、音で判断します。

     即ち、作品を指で弾き、その音が低い場合には、まだ削れます。削るに従い、音は高く成ります。

     しかし、慣れない内は、どの音が限界の音なのか、判断できません。

     指導者に聞いてもらいながら、練習を重ね、会得してください。

     尚、面倒な事は、弾く位置(底、腰、胴の部分など)によって、音色が違う事です。

     これも、何度も音を聞き、ご自分で判断出来る様に、して下さい。

   
 以下次回に続きます。

  電動ろくろ入門 底削り  

     
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電動ろくろ(底削り6)

2009-11-05 21:25:41 | 電動ロクロ入門
前準備が、長くなりましたが、いよいよ、「底を削り出す」の、話をします。

 3) 底削り

  ① 高台の種類

    高台には、「べた高台」、「輪高台」、「碁笥底高台」などが有ります。

   ) 「輪高台」は、一般的な高台で、底に「ドーナツ状」の輪が付いた物です。

     「輪高台」には、末広がりの「撥高台」や、「切高台」「割り高台」「三日月高台」「竹の節高台」など

     色々な、形が有ります。(特に茶道の抹茶茶碗に、多い形です)

     「輪高台」は、「輪」の部分を持って、釉薬が掛けられ、指跡が付き難い、利点が有ります。

   ) 「碁笥底高台」は、作品外側の「ライン」が、底まで連続している形で、高台内側のみが、

      削られ「えぐられて」います。尚、釉掛けの際、少々苦労します。

  ② 底削り前の作業

   ) 底を水平に削る

     糸で切り離した際、斜めに切れたり、糸の痕が残っていたりします。

     先ず、作品の底を「カンナ」で、水平に削ります。(口と底とが、平行に成る様にします。)

   ) 底の上部中心に、凹み(お臍)を作ります。

     この凹みに、中指を押し当て、軽く上から押さえて、作品を固定する為に、使います。

   ) 高台の外径を決め、底に針などで、円を描きます。「碁笥底高台」は、径をやや大きく

      取り、「輪高台」は、作品の口の大きさの、1/2~1/3位と言われています。

      (高台の内径を、同時に書いても良いが、外側を削り終えてから、描いた方が良いです。)

  ③ 底を削る

   ) 轆轤の回転方向は、左右どちらでも良く、削りのみ、左(反時計)回転で行う人も居ます。

      回転速度は、「轆轤作業の基本」で述べた、径の小さい時は早め、径が大きい時は、

      遅めにします。削る道具は、「カンナ」や「削りべら」を使います。

   ) 外側を削る。

    a) 作品の外側の、腰から底面に掛けて、削ります。(この部分は、肉が厚いはずです。)

    b) 道具を持たない手の、中指を、上記②ー)で述べた「臍」に置き、軽く上から押さえます。

      左右の親指は、必ず繋げて、「カンナ」が、振ら付かない様にします。

    c)  作品の底周辺は、綺麗な円が出ているとは、限りません。先ず綺麗な円に削り出してから、

      轆轤の回転を速くします。最初から速いと、「カンナ」が作品に食い込み、大きな傷や、

      最悪、作品が轆轤より、飛び出す恐れが、有りますので、注意して下さい。
  
    d) 針で描いた円まで、削ります。

 以下次回に続きます。

  電動ろくろ入門 底削り  

     
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電動ろくろ(底削り5、中心に置く4)

2009-11-04 22:28:07 | 電動ロクロ入門
引き続き、底削りについて、お話します。

2) 轆轤の中心に作品を置く

 ) 「シッタ」の上に、円形の土を、載せる方法

    土を使うのは、作品と「シッタ」が、直に触れ合わない様に、する為です。

    首や口が細い物や、小さい物は、首や口が内側に、「ゆったり」入る、「シッタ」を使います。

    そして、「シッタ」の内側を、使います。

    又、口縁が凸凹な容器や、大鉢、大皿は、「シッタ」の上部や、上部外側を使います。

   a) 轆轤中央に置いた、「シッタ」の真上に、土で作った「ドーナツ」を載せます。

   b) この土を上から、手で軽く叩き、「シッタ」にめり込ませます。

   c) 轆轤を回転させ、この土の真上を、「カンナ」や、「竹へら」で、水平に削ります。

   d) 「シッタ」の内側を使う場合には、「シッタ」内側の土を、「竹へら」で削り、綺麗な円を、

     出します。更に内側の角を、約45度の角度で、切り取ります。

   e) この穴に、逆さにした作品の、口や首を差込ます。更に、作品を「シッタ」の中心に置きます。

     作品の底が水平になれば、ほぼ中心に、置かれた事に成ります。

     傾いている場合には、一度真上に引き抜き、再度差し込みます。

   f) 作品を「シッタ」に固定します。即ち、止め土で細い紐を作り、約45度に削り取った場所

     (作品と「シッタ」の境)に、この紐を3ヵ所、置いていきます。

   g) 「シッタ」の上や、外側を使う場合、上に載せた土の外側の角を、約45度の角度で、

     切り取ります。作品は、この「シッタ」に載せたり、かぶせたり、します。

     この場合の中心の出し(置き)方は、前記④の方法を使います。

     注意する事は、この場合、止め土は使えません。それ故、削る時は、作品が動かない様に、

     底の中心を、中指で押さえます。(詳細は後で、述べます。)

     又、土が「クッション」の役目をし、作品を痛める事も、少なく、土の抵抗によって、

     底削り時に、作品の移動も、少ない利点も有ります。

 3)底を削る

 以下次回に続きます。

  電動ろくろ入門 底削り




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電動ろくろ(底削り4、中心に置く3)

2009-11-03 22:32:04 | 電動ロクロ入門
引き続き、底削りについて、お話します。

2) 轆轤の中心に作品を置く

  ⑤ 轆轤上に、粘土の「座布団」を敷く方法

    この方法は、作品の口縁が、凸凹だったり、高さが、傾斜している場合などに、有効です。

    「座布団」の厚さは、作品の口の凸凹度によって、違いますが、1~2cm程度です。

   ) 土を作品の、口縁の形に合わせて、ドーナツを造ります。

     これを轆轤上に置き、軽く叩いて、轆轤に密着させます。

   ) ドーナツ状の土の、上面は、「カンナ」や「竹へら」で平らにします。これが、「座布団」です。

   ) この座布団上に、針で、作品の口よりやや大きめの円を、描きます。

   ) この円に合わせて、作品を伏せて置きます。

      当然、口が凸凹していますので、底面は水平になりません。

      水平に成る様に、作品の出っ張ている部分を、座布団に潜り込ませてます。

      (座布団の土は、軟らかくし、作品の口が、一部潜る程度とします。)

      又、背の高い部分は、ドーナツの一部を切り、切った所に、落し込みます。

      作品の底が、水平に成る様になれば、ほぼ轆轤の中央に、載っていると思っても、

      良いとでしょう。

      但し作品の高さが10cm以上有る場合には、前記④の方法で、作品を移動します。

   ) 中央に置けたら、止め土で、3点を押さえ、作品が回転で、移動や、飛び出すのを防ぎます。

  ⑥ 「シッタ」を使う

    「シッタ」は、作品を宙に浮かせる為の、台ですので、代用品で済ませる事も出来ます。

    一般に「シッタ」は、筒型の形状をした物で、素焼して、汎用的(色々な作品)に使います。

    使い方は以下の通りです。

  まず、作品に応じて、使う「シッタ」を、選びます。

  「シッタ」は、先端の細い物と、太い物、背の高い物と、低い物の組み合わせ、4種類を用意し、

  作品に応じて、使い分けます。

   ) 使う前に、約5分程度、水に浸して置きます。

   ) 轆轤の中心に置き、止め土で3箇所で、止めます。

      (水に浸して置かないと、止め土が、「シッタ」に付かない。)

   ) 「湯呑み」の様に、内側の底や、腰の部分が、変形せず、綺麗な円が出ている物は、
    
     a) 「シッタ」に直に「かぶせ」る方法。

       組み物(数物)の様に、同じ形状の作品の底を、次々と削り出す場合に、大変便利です。

       「かぶせた」作品の底が、水平になる様に、置くのが、「コツ」です。

     b) 轆轤を、回転させながら、②で述べた方法で、作品を軽く指で弾いて、中心に移動します。

   ) 「シッタ」の上に、円形の土を、載せる方法

 以下次回に続きます。

 電動ろくろ入門 底削り

  

   

    

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