1) 粘土類の出来た訳。(以上が前回の話です。)
2) 陶芸に適する土とは。
粘土質であればどんな物でも陶芸に適している訳ではありません。
但し、どんな土(畑の土など)でも焼き締まり、使う事が可能と言う人もいます。
その場合単味では無理だが、他の素地を混入させる事で陶芸用にも利用できるそう
です。
ここではそのような観点からの土ではなく、一般的な使い方が可能の土のみを取り
上げます。
以下、その条件を述べます。
① 成形のし易い土である事。
土の伸び(延び)が良好な事と、腰がある物質です。一般にこの様な状態を可塑性
があると呼びます。作品にする為には必要な事柄です。伸びる事は粘り気のある
物質であり、粘土質と呼ばれています。粘土質に成る為には、10μ以下の細かさで
ある事の様ですが、土が粘る為には、粒子が5μ(マイクロ)以下の細かさの物を
多く含む、必要があるとも言われています。
注: 1μ = 1/1,000 mm
尚、粘りの少なく成形し難い土も、木節土を数10%を混ぜて改良できます。
逆に強過ぎる場合にも成形がし難くなります。その場合には、シャモット(焼粉)を
適宜まぜ改善させます。
② 成形後の乾燥で強く固まり、強度が増す事です。更に乾燥による「ヒビ割れや亀裂」
が発生し難い事です。当然成形方法や乾燥の仕方によって、「ヒビや亀裂」が入る事
もあります。
水分が含まれている物質は、水分が取り除かれると必ず収縮しますが、その際強度が
増す物質である事が大切です。
③ 焼き締まり耐火度がある事。
ある温度範囲の高温で焼成した場合、素地の乾燥時よりも更に収縮し、強度が増す
物質である事。楽焼などの低い温度で焼成する場合と、本焼きと呼ばれる約1,200℃
以上で焼く焼き物があります。高い温度で焼成した場合、素地本体が熔け形が崩れる
様な土(特に鉄分を多く含む土)は不向きです。即ち一定以上の温度で焼成可能な土
です。更に、焼成温度範囲が広い事も大切な要素です。窯を焚く際窯全体の温度を
ある温度で一定に保つ事は意外と難しいです。即ち窯の容積が大きい程、窯中の温度
は「バラツキ」ます。或る場所では十分に焼けたが、他の場所では焼きの過不足が生
じる事は、窯焚作業が難しくなります。焼ける温度範囲が広い程、苦労なく焼成で
きる事に成ります。素地を焼成する事で、ガラス質を生成させます。
そのガラス質の量によって、素地が強固になり腰(焼腰)の強い素地に成ります。
④ 焼成収縮率(素地から焼成までの収縮率)が12~18%程度の土である事。
一般には上記の範囲内に収まりますが、備前土の様に20%以上の土もあります。
焼成収縮は最高温度と、寝らし(一定温度に保つ)時間に左右されます。
大きく収縮する事は素地の密度が増し、強度的に強くなり、水の浸透を少なくする事に
成ります。磁土では、形が崩れずに熔化する物でなければ成りません。
収縮率は他の粘土を混入させる事で、調整可能ですので、使用に耐える可能性があり
ます。尚、焼き締まりの強さや、収縮率は粘土の粒子の細かさにも比例します。
⑤ 焼成後の素地の色艶が美しい土である事。更に釉との相性が良い事も重要です。
色艶が美しい為には、素地に不純物を含まない(出来るだけ少なくする)事です。
陶芸用の土の主な成分は、珪酸(シリカ)、アルミナの他、少量の石灰(CaO)、
マグネシア(MgO)と酸化鉄(FeO,Fe2O3)と水分などを含む物質に限られます。
尚、素地に有害な物質は、硫化鉄、石膏、多量の砂、その他有機物等がありますが、
有機物は制作時には邪魔に成りますが、素焼きをすればなくなります。
3) 素地の粗さと色について。
以下次回に続きます。
2) 陶芸に適する土とは。
粘土質であればどんな物でも陶芸に適している訳ではありません。
但し、どんな土(畑の土など)でも焼き締まり、使う事が可能と言う人もいます。
その場合単味では無理だが、他の素地を混入させる事で陶芸用にも利用できるそう
です。
ここではそのような観点からの土ではなく、一般的な使い方が可能の土のみを取り
上げます。
以下、その条件を述べます。
① 成形のし易い土である事。
土の伸び(延び)が良好な事と、腰がある物質です。一般にこの様な状態を可塑性
があると呼びます。作品にする為には必要な事柄です。伸びる事は粘り気のある
物質であり、粘土質と呼ばれています。粘土質に成る為には、10μ以下の細かさで
ある事の様ですが、土が粘る為には、粒子が5μ(マイクロ)以下の細かさの物を
多く含む、必要があるとも言われています。
注: 1μ = 1/1,000 mm
尚、粘りの少なく成形し難い土も、木節土を数10%を混ぜて改良できます。
逆に強過ぎる場合にも成形がし難くなります。その場合には、シャモット(焼粉)を
適宜まぜ改善させます。
② 成形後の乾燥で強く固まり、強度が増す事です。更に乾燥による「ヒビ割れや亀裂」
が発生し難い事です。当然成形方法や乾燥の仕方によって、「ヒビや亀裂」が入る事
もあります。
水分が含まれている物質は、水分が取り除かれると必ず収縮しますが、その際強度が
増す物質である事が大切です。
③ 焼き締まり耐火度がある事。
ある温度範囲の高温で焼成した場合、素地の乾燥時よりも更に収縮し、強度が増す
物質である事。楽焼などの低い温度で焼成する場合と、本焼きと呼ばれる約1,200℃
以上で焼く焼き物があります。高い温度で焼成した場合、素地本体が熔け形が崩れる
様な土(特に鉄分を多く含む土)は不向きです。即ち一定以上の温度で焼成可能な土
です。更に、焼成温度範囲が広い事も大切な要素です。窯を焚く際窯全体の温度を
ある温度で一定に保つ事は意外と難しいです。即ち窯の容積が大きい程、窯中の温度
は「バラツキ」ます。或る場所では十分に焼けたが、他の場所では焼きの過不足が生
じる事は、窯焚作業が難しくなります。焼ける温度範囲が広い程、苦労なく焼成で
きる事に成ります。素地を焼成する事で、ガラス質を生成させます。
そのガラス質の量によって、素地が強固になり腰(焼腰)の強い素地に成ります。
④ 焼成収縮率(素地から焼成までの収縮率)が12~18%程度の土である事。
一般には上記の範囲内に収まりますが、備前土の様に20%以上の土もあります。
焼成収縮は最高温度と、寝らし(一定温度に保つ)時間に左右されます。
大きく収縮する事は素地の密度が増し、強度的に強くなり、水の浸透を少なくする事に
成ります。磁土では、形が崩れずに熔化する物でなければ成りません。
収縮率は他の粘土を混入させる事で、調整可能ですので、使用に耐える可能性があり
ます。尚、焼き締まりの強さや、収縮率は粘土の粒子の細かさにも比例します。
⑤ 焼成後の素地の色艶が美しい土である事。更に釉との相性が良い事も重要です。
色艶が美しい為には、素地に不純物を含まない(出来るだけ少なくする)事です。
陶芸用の土の主な成分は、珪酸(シリカ)、アルミナの他、少量の石灰(CaO)、
マグネシア(MgO)と酸化鉄(FeO,Fe2O3)と水分などを含む物質に限られます。
尚、素地に有害な物質は、硫化鉄、石膏、多量の砂、その他有機物等がありますが、
有機物は制作時には邪魔に成りますが、素焼きをすればなくなります。
3) 素地の粗さと色について。
以下次回に続きます。