6) 持ち堪える事の出来る形状にする。
大きな作品ほど、全体のバランスが大切です。極端に背が高かったり、底の面積が狭い場合や、
更には、手捻りの作品に多いのですが、左右の形状と大きさ、重量が異なる場合などでは、バランス
が悪く、制作時や焼成時に窯の中で作品が倒れたり、崩れる恐れがあります。
① 全体の重心が何処に有るかによって、置いた時の安定度が決ります。例え何かの調子で倒れ
掛かった場合でも復元力がれば、元の状態に戻る事ができますが、重心が高い場合や、左右
どちらかに偏る場合には不安定になります。尚、制作時に作品を手で持つ事が出来れば、おおよそ
の重心位置を知る事ができます。手に持つ事が不可能の場合でも、作品を揺らす事で判断でき
ます。少しの外圧で、作品が揺れる状態では、かなり危険性があります。
② 土を上に積み上げるにしても、下部が上部の重量を安定的に支える事が出来れば、更に土を
足す事が可能に成ります。しかし不安定な場合には、高く積み上げる事が出来ません。
例えば、極端に細くなった首状の部分の上に、容積や重量の大きい物を乗せる事は危険です。
例え載せる物が中空にして重量を減らしても、不安定度は解消されません。
一点で支える例としって、「ヤジロベイ」の様に左右バランスよく形作れば、比較的安全です。
但し、支点に全ての重量が掛かりますので、それなりの強度(肉厚、径などを考慮)が必要に
なります。 尚、素地同士を接着する際には、接着部分の乾燥度合いが一致していないと、
接着部分に割れが入り易くなり、接着部分から剥がれる事もあります。
③ 安定的な構造とは、エジプトのピラミットの様な形状ですが、いまいち面白味の無い退屈な
作品に成ってしまい勝ちです。 面白味の有る作品は、ある意味個性的で不安定差が必要かも
しれません。危険性(危なっかさ)のある作品には、見る人に緊張感を持たせ、作品に動きが
出て躍動感ある作品になります。
④ 粘土(素地)類は、高温の窯の中で、若干軟らかくなります。
乾燥した素地は機械的強度が増しますので、乾燥させながら土を継ぎ足して大きな物を作る事が
できます。但し、大皿などは、継ぎ足し部分の接着が巧く出来ず、一塊の土から作る必要が
あります。どの位軟らかくなるかは、素地の成分と窯の温度と焼成時間で決まります。
一般に鉄分を含む素地(赤土など)は高温に対して、素地を軟らかくする性質がありますので、
窯の中で「ヘタリ」易くなります。但し、鉄分は土を焼き締める働きがあります。
大皿を作る際、特に注意する事は高台径をどの位にするかです。一般的な皿であれば、口径の
1/2~1/3程度と言われていますが、大皿の場合、この基準は必ずしも適応できません。
即ち、この基準で作った場合、大皿の底の中央部が高温の為、下に垂れ落ちる恐れがあります。
出来るだけ高台径を小さ目にしたいのですが、径が小さいと皿の外周が、下に垂れる恐れが
生じます。その為、焼成時に底の中央部分を、下から何かで支える必要があります。
多く見られるのは、高台の輪を二重にする方法です。即ち外側と内側に高台を設け、下に落ちる
のを防止する方法です。
7) 大物の作品を作る際、「コテ類」を使う事です。
以下次回に続きます。
大きな作品ほど、全体のバランスが大切です。極端に背が高かったり、底の面積が狭い場合や、
更には、手捻りの作品に多いのですが、左右の形状と大きさ、重量が異なる場合などでは、バランス
が悪く、制作時や焼成時に窯の中で作品が倒れたり、崩れる恐れがあります。
① 全体の重心が何処に有るかによって、置いた時の安定度が決ります。例え何かの調子で倒れ
掛かった場合でも復元力がれば、元の状態に戻る事ができますが、重心が高い場合や、左右
どちらかに偏る場合には不安定になります。尚、制作時に作品を手で持つ事が出来れば、おおよそ
の重心位置を知る事ができます。手に持つ事が不可能の場合でも、作品を揺らす事で判断でき
ます。少しの外圧で、作品が揺れる状態では、かなり危険性があります。
② 土を上に積み上げるにしても、下部が上部の重量を安定的に支える事が出来れば、更に土を
足す事が可能に成ります。しかし不安定な場合には、高く積み上げる事が出来ません。
例えば、極端に細くなった首状の部分の上に、容積や重量の大きい物を乗せる事は危険です。
例え載せる物が中空にして重量を減らしても、不安定度は解消されません。
一点で支える例としって、「ヤジロベイ」の様に左右バランスよく形作れば、比較的安全です。
但し、支点に全ての重量が掛かりますので、それなりの強度(肉厚、径などを考慮)が必要に
なります。 尚、素地同士を接着する際には、接着部分の乾燥度合いが一致していないと、
接着部分に割れが入り易くなり、接着部分から剥がれる事もあります。
③ 安定的な構造とは、エジプトのピラミットの様な形状ですが、いまいち面白味の無い退屈な
作品に成ってしまい勝ちです。 面白味の有る作品は、ある意味個性的で不安定差が必要かも
しれません。危険性(危なっかさ)のある作品には、見る人に緊張感を持たせ、作品に動きが
出て躍動感ある作品になります。
④ 粘土(素地)類は、高温の窯の中で、若干軟らかくなります。
乾燥した素地は機械的強度が増しますので、乾燥させながら土を継ぎ足して大きな物を作る事が
できます。但し、大皿などは、継ぎ足し部分の接着が巧く出来ず、一塊の土から作る必要が
あります。どの位軟らかくなるかは、素地の成分と窯の温度と焼成時間で決まります。
一般に鉄分を含む素地(赤土など)は高温に対して、素地を軟らかくする性質がありますので、
窯の中で「ヘタリ」易くなります。但し、鉄分は土を焼き締める働きがあります。
大皿を作る際、特に注意する事は高台径をどの位にするかです。一般的な皿であれば、口径の
1/2~1/3程度と言われていますが、大皿の場合、この基準は必ずしも適応できません。
即ち、この基準で作った場合、大皿の底の中央部が高温の為、下に垂れ落ちる恐れがあります。
出来るだけ高台径を小さ目にしたいのですが、径が小さいと皿の外周が、下に垂れる恐れが
生じます。その為、焼成時に底の中央部分を、下から何かで支える必要があります。
多く見られるのは、高台の輪を二重にする方法です。即ち外側と内側に高台を設け、下に落ちる
のを防止する方法です。
7) 大物の作品を作る際、「コテ類」を使う事です。
以下次回に続きます。