わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

化粧土と色土7 化粧土のトラブル2

2013-10-12 21:20:45 | 陶芸入門(初級、中級編)

1) 化粧土の剥がれ(剥離現象)。

 ① 化粧土を施した直後に剥がれる。

   ) 化粧土の重ね塗りした場合の剥離。

      化粧土を濃くする為、数度に分けて重ね塗りする場合があります。その際前の化粧土と

      次に塗った化粧土の間で、剥離が起こり易いです。

      原因は、下の化粧土と上に塗った化粧土の乾燥の差が大きい事です。それ故、下の化粧土

      が完全に乾燥する前に、上の化粧土を塗り乾燥の差を少なくする事です。

      但し、全く乾燥させずに、重ね塗りをしても、化粧土は厚くなりません。どの程度乾燥してから

      重ね塗りをしたら良いかは、土の種類や化粧土の成分や濃度等にも左右されますので、

      試行錯誤など、経験を積む必要があると思います。

 ② 焼成中の剥がれ。

    乾燥中には剥がれる事も無い化粧土でも、素焼きや本焼きの際に、剥がれる場合があります。

   ) 素地と化粧土との収縮の差による。

      空気中の乾燥時より、焼成中の方が当然高温になります。しかも乾燥具合も急激に変化

      します。低温ではゆっくり収縮した土も、急激な温度上昇に晒されると、急激に収縮する

      事になります。問題を解決する為には、素地と化粧土のどちらが多く縮むのかを判断して

      から対策を考えます。

     a) 化粧土が素地より縮み率が大きい時。

        化粧土に珪石の割合を増やし、化粧土の縮み率を小さくする。

     b) 素地が化粧土より縮み率が多きい時。

        化粧土に含まれる珪石を減らす。又は媒熔剤を添加し、接着効果を増す。

    ) 表面張力の大きい釉が、化粧土を「捲り(めくり)」る。

        この場合釉に問題があります。表面張力の大きい釉では、釉が梅皮(かいらぎ)状に、

       釉が凝り固まります。その際、化粧土も釉の凝縮に従い素地から引き離される様に成り

       ます。特に、化粧土のガラス化が少ない場合には顕著に現れます。

    ) 素地と化粧土の間に空気が入り込んだ場合。

       化粧土を何度も重ね塗りした場合、その中間に空気が閉じ込められ易いです。

       閉じ込められら空気は、温度上昇と共に膨張し、爆発して上に乗った化粧土を吹き飛ばし

       その欠片(かえら)が、周囲に飛び散る事すら起こり得ます。
  
       特に、作品の表面に凹凸がある場合や、硬めの化粧土を使用した時に起こり易いですので
 
       注意が必要です。
 
2) 化粧土の「ひび割れ」に付いて。
 
以下次回に続きます。
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