わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

造る4(抹茶々碗1)

2013-01-04 17:21:11 | 陶芸入門(初級、中級編)

作品を造る方法には、ご存知の様に、手捻り(てびねり、手つくね)と、轆轤(ろくろ)を使う方法が

あります。

1)手捻りによる成形

  轆轤や型を使わず、手や指先のみで成形する方法で、最も原始的な方法ですが、轆轤成形など

  には無い素朴さの中に、個性的で暖かさや、風雅を感じる作品に仕上がります。

  古い時代より、わざわざこの方法で造られていた程です。何よりも、竹べらの2~3本の道具さと

  土さえあれば、自宅で容易に造れ、陶芸の簡単な基本的事項を学べば、初心者で

  あっても、容易に作品に出来る事が大きな魅力です。

  更に、手捻りで造った作品は、各々個性を持ち同じ人が造っても、全く同じ形になる事はありません

 ① 土の調整: 作りたい作品に応じて、土の種類を選ぶ必要があります。

    一種類の土のみでなく、他の土や砂、はぜ石(長石粒)などをブレンドする事もあります。

    土は手に「べとつかない」程度の軟らかい方が、成形作業が容易です。 

 ② 造り方:  一般的な手捻りの造り方でも、幾つかの方法があります。

   回転板(盤)があれば、便利ですが新聞紙などの上に土を置いて作業しても、土(作品)を容易に

   回転させる事が可能です。又、回転板(手轆轤)を使用しない方法もあります。

  ) 玉造り(塊造り): 500~600g 程度の土を取り、団子状に丸めます。

    a) 土の塊を回転板の中央に載せ、塊の中央を両方の親指で掘り込みます。

      底が抜けない様に注意。後で述べますが、高台を設ける必要が有ります。その際削り出す

      方法と、別の土を貼り付ける方法(付け高台)があります。削りの場合でしたら底には、

      ある程度の厚みを残しておく必要があります。

      付け高台の場合では5mm程度の厚みが有れば十分です。  

    b) 底の厚みまで掘り込んだら、内側の底の部分を広げます。この際土を上から押して圧を

      加え、底割れを予防します。

    c) 底の部分以外は肉が厚く成っていますので、土を両手の指を使い、薄く上に伸ばします。

      伸ばす際、土を締める(圧を加える)事を意識しながら行います。

     ・ 注意点は、以下の通りです。

      イ) 底の脇から上に向かって薄く伸ばす事です。上から下へ作業すると、底の部分に指が    

         届かなく成ります。

      ロ) 土の厚みをなるべく一定にします。但し、高台や高台脇は後で削り、形を整えますので

         ある程度の厚みが必要です。作品を回転させながら、伸ばすと厚みが一定になり易い

         です。

      ハ) 土を伸ばす際、外径が大きくなり易くなりますので、土を内側に締めて広がらない様に

         します。内側に締めると、土の重なりや拠れ(よれ)、ギャザーが出来易いですから、

        出来ない様に注意します。出来たら直ぐに直す事です。又急いで締めますと出来易い

        ですので、ゆっくり土をつまんで下さい。

     d) 土を伸ばしながら全体の形を作っていきます。

        必要な高さと外形の寸法までは、伸ばす必要があります。

        当然ですが、土は焼成すると縮みますので、その分を見込んで大きく作る必要があり、

        縮み率は予め知っておかなければ成りません。

   ) 土を薄く伸ばしてから、形造る方法。

     上記の玉造りの方法では、形を作りながら土を薄く伸ばしましたが、最初に薄く伸ばしてから

     形を作る方法もあります。

     a) 必要量の土を手に取り、ひらべったい円形にしてから両手の手のひらで挟み、強く叩いて

       円形に薄く伸ばします。厚さは後で削る事を考慮して、やや厚くしておきます。

       この場合、付け高台が向いていますので、底になる中央部は5mm程度の厚みにします。

       かなりの大きさの円に成りますから、手の大きな男性に向いている造り方です。

     b) この土を回転板(盤)に載せ、底の部分を残して、周囲の土を持ち上げ形を作ります。

       持ち上げる際には、土が柔らか過ぎると「へたる」事になり、形造りが難しくなりますので、

       やや硬くなってから行う事です。

     c) 立ち上げる際の注意は、「上記c)の注意事項」と同じですので参照して下さい。

     d) 小さ目の作品ですと、回転板を使わずに、手のひらに載せた平べったい円の中央を

       内側に凹ませながら、手のひらの中で回転させながら、次第に全体を丸め込む様にして、

       形を作る事も出来ます。

    尚、口縁を予め形作る方法と、後で削り出しによって作る方法があります。

2) 削り作業: 上記作業で造った茶碗は、削れる程度に乾燥後に、形を整え更に、高台を付ける

   作業に入ります。

以下次回に続きます。 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする