わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

陶磁器と色彩 13 (色のイメージ4)

2010-12-27 22:14:27 | 陶磁器と色彩
同じ色であっても、光沢のある色と、光沢のない所謂、マットでは、色の印象が、かなり異なります。

光沢のある色は、光を反射し、明るく、「きらびやか」に見えます。マットでは、光を乱反射しますので、

「きらびやか」さは、有りませんが、「渋い」感じと成ります。

 色の好みは、人により違いますが、マット系の好きな方も、結構多いです。

  (但し、市販されている釉は、マット系は少ないです。)

 マット釉を施した物は勿論、光沢のある釉の和食器では、使用する前に、しばらく水に漬けて置くと、

 光沢が出て、見違える様に、生き生きした表情が、出て来ます。

 (勿論、器が油等を、浸み込み、汚す事を、防ぐ意味も有ります。)


 前回の話を、続けます。

 6) 緑のイメージ: 緑は色の名前だけで無く、近年では、自然その物を指す、言葉と成っています。

   特に環境問題が、大きく取上げられる様になると、その「シンボルカラー」と成っています。

  ① 緑色は、「安らぎ」「癒し」「落ち着き」「若さ」「新鮮」「安全」「平和」「再生」「生命力」等の

    イメージが有ります。

    一方「未熟で若い」「幼い」等、やや否定的な意味と、その他、西洋では、「不幸を招く色」「悪魔」

    「毒」「不実な愛」を表す、色とも言われています。

  ② 人類は初期の頃、森の中に住み、次第に草原へ、進出したと考えられています。

    それ故、緑は人類の故郷である、森の環境や、植物等を、思い浮かべます。

    実際に、樹木には、「フィトンチット」と呼ばれる、揮発性の物質を、発散させ、人のホルモンや

    血圧、脈拍に良い影響を与え、更に、抗菌作用もある事が判明し、緑は本当に人を、癒している

    ます。

  ③ 我が国では、緑には良いイメージが有ります。

   「緑の黒髪」の褒め言葉や、「嬰児(みどりご)」等の「生命力」、神様に捧げる、「榊(さかき)」等も、

    神聖な色とされています。

  ④ 西洋では、特に中性ヨーロッパでは、「混色を嫌う」キリスト教の影響で、緑が嫌われていた

    そうです。(当時単色で、緑色を出す染料が、少なく混色で、作られていた様です。)

    又、支配できない、自然の脅威から、「運命の力」「偶然に関るもの」等のイメージとなり、

    賭博の色とも、成って行きます。

    (ビリヤードの台に、緑が使われるのも、この賭博=賭け事を、表す為と言われています。)

 ⑤ 緑は、お金を象徴する色でもあり、アメリカのドル紙幣に、使われています。

   又、イスラム文化を、象徴する色とも言われ、キリスト教徒と、敵対し、支配できない民族の色と、

   言われています。

 ⑥ 釉で緑色を出すには、銅や酸化クロムを、利用します。

   代表的な釉は、織部釉や、青銅マット釉で、酸化焼成する事によって、得られます。

   その外、均窯釉、銅緑釉、緑色釉、松緑色釉、青磁(一般には鉄系)等が有ります。

 7) 青のイメージ

以下次回に続きます。
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