わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

ファインセラミックス 7

2010-10-16 22:07:14 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
ファインセラミックスの、話を続けます。

8) 主なファインセラミックス原料

 ① チタン酸バリウム: 誘電性を持ち、機械的、電気的、熱的な特性から、電気機械変換器、

   コンデンサとして、広く用いられています。

   又、ヒータ材料としても用いられ、 高温超伝導セラミックスの、原料です。

 ② 窒化ホウ素: 炭素とよく似た、グラファイト構造と、ダイヤモンド構造をとります。

 ③ フェライト: 磁性を持ち、変圧器の芯として用いられます。永久磁石の材料。

 ④ チタン酸ジルコン酸鉛(PZT): 高い圧電性をもち、センサ、アクチュエータ材料として、

   用いられています。

 ⑤ 炭化ケイ素 : 代表的な耐火材で、高温下でも、高強度を保持する、炭化ケイ素セラミックスです。

 ⑥ 窒化ケイ素 : 高い靱性をもち、構造材、研磨剤として用いられます。

   耐熱衝撃性にも、優れた窒化ケイ素セラミックス等があります。

 ⑦ ステアタイト (MgOSiO2):   代表的な絶縁材料

 ⑧ 酸化亜鉛 : 半導体であり、バリスタの材料として用いられる。

 ⑨ ジルコニア : 高い靱性を持ち、「セラミックナイフ」や「はさみな」どに、使われています。

    又、高温で固体電解質となり、燃料電池や、酸素センサの、材料としても、用いられます。

   ・ 近年、金属に変わる、差し歯や、ブリッジ等の、歯科治療材料としても、着目され、需要が

     増えています。

 ⑩  酸化マグネシウム: 酸化物の中で、最も融点(3098K)が高く、耐熱性、熱伝導性に、優れて

    いるため、過酷な条件下での、耐火物として、使用されています。


・ ファインセラミックスの材料は、日新月歩 で、開発が進められて、その用途も、拡大しています。

・ 従来以上の特性を有する、新たな材料が作り出され、ファインセラミックスの世界は、益々、

  発展していくと、思われます。

9) セラミック包丁

   最後に、セラミック包丁について、お話します。

  ① セラミック包丁の、切れ味は、非常に鋭いです。

  ② 金属の包丁と違い、臭いが非常に付きにくいので、魚やネギなど、臭いの強い物も、

    さっと洗っただけで、簡単に臭いが取れます。

  ③ セラミックは、陶磁器の様な、焼き物なので、非常に「モロい」です。

    冷凍してある、硬い物を切る場合などは、特に注意が必要です。

    又、ちょっと落としただけで、簡単に刃の部分が、大きく欠けてしまいます。

  ④ 普通の、金属包丁用の砥石では、まったく研げません。

    それ故、少しでも刃が欠けた時点で、陶器と同じく、ゴミになってしまいます。

   ・ 最近では、セラミック包丁対応の、ダイヤ入りの研ぎ機などが、市販されています。

     (但し、金属の包丁ほど、頻繁に研がなくても、切れ味は落ちません。)

  ⑤ 価格もそれなりに、高価ですが、上記の長所、短所を、理解した上で、使用されるので、あれば

    非常に便利な包丁だと思います。


以上で、「ファインセラミックスの話」を、終わります。

次回からは、別のテーマで、話したいと思います。
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