一言でいえば黒人女性ボーカルグループの成功物語ですが、単純ではありません。ショー・ビジネス界の無慈悲さに翻弄される女性たちの波乱の人生が織り込まれています。
舞台は1960年代のアメリカ一の車の町デトロイト。その町のとあるライブハウスで、ディーナ(ヴィヨンセ・ノウルズ)・エフィ(ジェニファー・ハドソン)・ローレル(アニカ・ノニ・ローズ)の三人からなる「ドリーメッツ」がライブハウスの出演を賭けてオーディションを受けていました。三人に目をつけたのが中古車ディーラーを営み、かつジミー・「サンダー」・アーリーのプロデューサーだったカーティス(ジェイミー・フォックス)。彼はソロ歌手ジミーの新しいバックコーラスを探していましたが、ドリーメッツの歌を聞きほれ込み、彼女たちを雇い、「Rainbow Records」を立ち上げます。
カーティスは徹底したビジネスマン。ヒットをとばし、売れることを第一に考えています。
ジミーのバックコーラスをしていたドリーメッツの3人は単独グループのザ・ドリームズとして活動し始めますが、この頃からエフィとその他のRainbow Recordsのメンバーの中に亀裂が生まれます。抜群の歌唱力をもったリード・ボーカルだったエフィがはずされ、客受けをねらってミシエルと入れ替えられます。看板歌手だったジミーも時代にそぐわなくなったとクビにされてしまいます。
ソロ歌手として細々と活動を再開したエフィは、本格的な再始動のため新曲を兄のC.C.ホワイト(キース・ロビンソン)に作ってもらい、ヒットの兆しを見せます。
しかし、カーティスはエフィの曲がまだ知名度が低いことにつけ込み曲を盗み、ディーナの新曲として大々的に売り出します。数日後、映画出演のオファーが舞い込むディーナでしたがカーティスと意見が分かれ、ディーナは自身の新曲がエフィの曲を盗んだものだと知ってカーティスから独り立ちする決心をします。
数日後多くのファンに惜しまれる中ザ・ドリームズの解散コンサートが開かれ、ディーナたちは最後のステージに上ります。そこにはエフィの姿もありました。