【岩崎俊夫BLOG】社会統計学論文ARCHIVES

社会統計学分野の旧い論文の要約が日課です。

時々、読書、旅、散策、映画・音楽等の鑑賞、料理とお酒で一息つきます。

スティーヴン・スピルバーグ監督「アミスタッド(Amistad)」(アメリカ,1997年)

2020-01-31 23:36:05 | 映画


奴隷解放宣言(1863年)の24年前に起きた「アミスタッド(友情)号」事件を題材にした作品です。

内容は,奴隷として買われた人達が搬送中のアミスタッド号で起こした反乱とその顛末です。建国の理念とは異質な奴隷貿易の実態の告発,黒人の人権を擁護した人達の姿,スピルバーグの問題意識は明確です。

映像は力強く,リアルで,かつ具体的です。正視しづらい凄惨なシーンもあります。奴隷売買の実際はもっと苛酷で,ひどいものであったはずですから,目をそらしてはいけません。「独立宣言」に象徴されるアメリカの伝統,冒してはならない権利としての自由の尊さ,スピルバーグのメッセージが聞こえてきます。







クリスチャン・ジャック監督「花咲ける騎士道(Fanfan la Tulipe)」(フランス、1952年)

2020-01-30 22:01:26 | 映画


クリスチャン・ジャック監督「花咲ける騎士道(Fanfan la Tulipe)」(フランス、1952年)
ジェラール・フィリップとジーナ・ロロブリジーダの共演映画を観ました。

原題は「ファンファン・チューリップ」で、これは主人公の名前です。そして「ファンファン・チューリップ」はもともとフランス民謡で、この作品はその映画化です。民謡が物語に仕立てられ、ストーリーは途方もなくファンタジックです。
ジェラール・フィリップの演技が光っています。身体能力の高さに感心しました。

若い娘アドリーヌ(ジーナ・ロロブリジーダ))の占いに誘われたファンファン(ジェラール・フィリップ)は軍人の公募で入隊しますが、教練に嫌気がさし演習を怠けたために営倉に入れられます。しかし、すぐ脱獄し、隊内は大騒ぎになります。
捕まって戦争に駆り出されますが、名誉と権力をもとめて王女に会おうと城に忍びこみます。再び騒動になり、死刑宣告を受けます。

アドリーヌは実は軍人募兵官の娘で、騒動のなかで目立つファンファンに好意をもっていました。アドリーヌは自分のインチキ占いにも責任を感じ、単身王の許に行き、ファンファンの特赦を願い出ます。

可愛いアドリーヌは王に言い寄られますが、逃げ出して修道院に匿われます。事情をしったファンファンは修道院に向かいます。ここで先回りしていた王の部下とアドリーヌをめぐって激しい決闘になります。多勢に無勢、その結末は?

アキ・カウリスマキ監督「ル・ア―ヴルの靴磨き」(フィンランド・フランス・ドイツ、2011年、93分)

2020-01-29 16:15:13 | 映画


移民問題をとりあげた作品です。監督はフィンランドの巨匠、アキ・カウリスマキ監督です。
舞台は北フランスの大西洋を臨む港町ル・ア―ヴルです。そこで靴磨きを生業としているマルセル・マルクス(アンドレ・ウィルム)は妻・アルレッテ(カティ・オウティネン)と愛犬ライカと暮らしています。この街にアフリカから複数の不法移民がコンテナに隠れて漂着しました。警察の検挙をすり抜けた一人の少年イドリッサ(フロンダン・ミゲル)がマルセルの家に転がり込んできます。
マルセルはイドリッサを母親がいるロンドンに送り出してやるため、密航費の工面に奔走しはじめた矢先、妻アルレッティが体調の不調をうったえ入院、医師から不治の病を宣告されます。

それは近隣の人たちと善意と信頼に支えられた人間関係のなかで静かに暮らしてきたマルセルにとって人生最大の事件でした。









ルイジ・コメンチーニ監督「パンと愛と夢(Pane, Amore e Fantasia)」(イタリア、1953年)

2020-01-28 12:06:55 | 映画

監督は後に「ブーベの恋人」を製作したコメンチーニ。また「自転車泥棒」を監督したヴィットリオ・デ・シーカが主演で署長役を演じています。ジーナ・ロロブリジーダの野趣あふれる魅力がはじけています。コメディタッチの楽しく面白い作品です。

舞台は南イタリアのとある山村。ここに新任の警察署長アントニオ・カロテヌート(ヴィットリオ・デ・シーカ)が赴任して来ます。ここには気がつよく可愛いじゃじゃ馬娘マリア(ジーナ・ロロブリジーダ)がいて、彼女のあだ名は「山猫」。署長はこの娘の魅力にひかれますが、彼女は内気な巡査ステッルティ(ロベルト・リッソ)に恋心を抱いていました。

向いの家に住む助産婦アンナレッナに何かと話掛け、手助けしていた署長は、巡査ステッルティとマリアが森のなかで偶然にあうような作為を仕掛けます。この計らいが結実し、二人は一気に愛を実らせます。一方、署長はアンナレッラの愛を獲得しようと努力しますが、彼女は何故か訳があるのか受けいれてくれません。しかし、・・・。











ハーバート・ロス監督「マグノリアの花たち」(アメリカ、1989年)

2020-01-11 20:48:04 | 映画


ルイジアナ州の片田舎での6人の女性の交流と友情を描いた作品ですが、イーテント家の長女シェルビー(ジュリア・ロバーツ)の結婚、出産、そして死(葬式)がストーリーの中心です。結婚を控えたシェルビー、その母マリン(サリー・フィールド)は、女主人・トルーヴィ(ドリー・バートン)の経営する美容室でおめかしをしています。偏屈な初老の女性ウィーザー(シャーリー・マックレーン)たちがワイワイがやがや喋っています。

シェルビーは重度の糖尿病をわずらっていて、出産はやめたほうがよいと言われていました。しかし、夫である弁護士ジャクソンとの間に子どもが授かります。母親のマリンは出産に反対しますが、シェルビーは産むことを決心します。そしてかわいい男の子が生まれました。

シェルビーの家族は、アメリカの普通の人たちのように、クリスマス、ハローウィンを楽しみながら友人、知人に囲まれて幸せに過ごしていましたが、彼女は時間の経過とともに容体に異変がでてきて、ついに息子とあそんでいるさなかに倒れてしまいます。母マリンの腎臓を移植する手術に成功し、いったんは回復しますが、病が再発し、ついに帰らぬ人となってしまいます。悲しみに暮れる、父と母。そして友達。

 シェルビーの葬式の日、失意のマリンを励ます女たち。イースターの頃、今度は美容室に雇われていたアネルが妊娠していた。ウィザーも意外や意外、昔の恋人と愛を再燃させていまし。こうして生と死、喧騒のなかの友情は、人々の生活を流れてゆくのでした。



アナンド・タッカー監督「ほんとうのジャックリーヌ・デュ・プレ(Hilary and Jackie)」(イギリス、1998年)

2020-01-10 17:56:43 | 映画

実在し、28歳のときに不治の病に倒れたた天才的女性チェリスト・ジャックリーヌ・デュ・プレの生涯を描いた作品です。

ヒラリー(レイチェル・グリフィス)とジャクリーヌ(エミリー・ワトソン)の姉妹は、幼少の頃から音楽好きの母アイリスおもとで育ち、それぞれに才能を発揮します。姉はフルートで、妹はチェロで。

とくにジャックリーヌはパリの音楽を契機にチェリストとしての才能を開花させていきます。一方、ヒラリーは早くから自分の才能に限界を感じ、大学の同級生の指揮者キーファと結婚し、平凡な家庭夫人となります。

ジャックリーヌは22歳で、天才ピアニストのダニエル・ボレンバイム(ジェームズ・フレイン)と結婚し、さらに名声を高めますが、次第に演奏活動が彼女を疲労させて、精神的に病んでいきます。姉のヒラリーの家を訪れ、彼女の人生に嫉妬し、姉の夫のキーファと性関係をもちたいと突然に言い出す始末です。

それからもジャクリーヌの心身の異常は増し、闘病生活を続けましたが、1987年10月19日にこの世を去りました。天才女性チェリストの辛く悲しい人生の終焉でした。







真実の瞬間 (Guilty by Suspicion) アーヴィン・ウィンクラー監督,アメリカ,1991年

2020-01-09 20:00:06 | 映画
  映画を愛する人であれば、ハリウッドが果たした役割の大きさははよく理解しているはずです。しかし、ここでかつて「赤狩り」という思想攻撃があったことを忘れてはなりません。チャップリンが「赤狩り」を逃れてハリウッドを一時離れたことは有名です。この作品は、ハリウッドのかつてのこの汚点を告発した映画です。
1951年のハリウッド。20世紀フォックスの社長ザナック(ベン・ピアッツァ)に呼ばれフランスからハリウッドに戻って来た売れっ子の監督のデヴィット・メリル(ロバート・デ・ニーロ)は,監督としての新しい仕事に着くはずでした。しかしハリウッドの様子は,どこかおかしな感じです。
 デヴィットは新作の話の前に,勧められるまま弁護士グラフに会います。グラフはデヴィットに非米活動調査委員会に召喚される前に,嫌疑をはらしておくようアドバイスを受けます。デヴィット納得できません。
 召喚に応じないデヴィッドは,予定された仕事を失い,家屋の差し押さえにあい,アパートに引っ越します。仕事を求めてニューヨークに飛ぶがいい話はなく、そこにもFBIの手が伸びていて,彼は失職します。
そんなデヴィットに新しい仕事が舞い込んだ。台本も気にいったものでした。新作を前に,求めに応じてデヴィットは,1952年2月,非米活動調査委員会の公開召喚に臨みます。
 デヴィットと調査委員会の論戦は激しいものでした。この調査委員会が彼に対して,「知り合いの共産主義映画人の名前を挙げろ」とか,「どんな会合に参加し,そこに誰がいたのか」とかを尋問するくだりは,中世の魔女狩り裁判を彷彿とさせます。
 民主主義の母国のようにいわれるアメリカで,民主主義にもとることが平然と公開の場で行なわれたのかと,慄然とする思いになります。この映画は,正義の立場にたって真実を暴く姿勢で貫かれています。かつてハリウッドにはびこった悪を告発し,裁いた作品として記憶されるべき作品です。

鈴木浩介監督「ケアニン あなたでよかった」(104分、2017年)

2020-01-08 20:52:10 | 映画
        

浦和のパルコ6階にあるシネコンで鈴木浩介監督「ケアニン」を観ました。

 「ケアニン」は介護福祉士の別称です。新人の介護福祉士、これといってやりたいことがなかった大森圭は介護の専門学校を卒業したものの、小規模多機能施設で働いています。認知症の高齢者たちとうまくコミュニケーションがとれず、悩む日々が続いていた圭は、認知症を発症した79歳の星川敬子を初めてメインの担当としてみることになります。

 圭は悩みながらも、先輩スタッフたちの協力もあり、試行錯誤の中、徐々に敬子との関係性を深めます。そして、次第に、介護という仕事に本気で向き合うようになっていきます。この映画では介護という仕事を通じ、働くことの意味、人や地域の繋がりの尊さが描かれています。











<配役>
大森圭(戸塚純貴)
星川美沙(藤原令子)
星川光彦(山崎一)
佐藤夏海(松本若菜)
村松千尋(菜葉菜)
工藤博文(小市慢太郎)
星川敬子(水野久美)

今井正監督「武士道残酷物語」(1963年)

2020-01-07 23:09:03 | 映画

    

 今井監督が中村錦之助と組んでなった世にも残酷な物語。錦之助が七役を演じ分けている。有馬稲子、丘さとみ、岸田今日子、渡辺美佐子、三田佳子が出演。第13回ベルリン映画祭で金熊賞受賞。原作は南條範夫。

 大手建設会社に勤務する板倉進は、競争相手の同業の建設会社から、ダム建設に関わる入札資料を極秘で手にいれる。彼の婚約者、人見杏子がタイピストとしてこの会社で仕事をしていて、そのルートから得たものであった。仲人を引き受けていた上司は、事の成り行きが落ち着くまで、結婚を延期するよう示唆する。進はそのことを杏子に伝える。会社の命運を優先させなければならなかったのである。絶望した杏子は、睡眠薬を飲んで自殺を図る。

 この映画はその場面から始まる。自殺は未遂に終わるが、この知らせを聞いた進は、代々の先祖の日記に記された武士の過酷な歴史に思い至る。そこには己を犠牲にして主君や国家に忠誠を誓い、武家・板倉家の話が書かれていた。主君をかばって切腹した次郎左衛門、侍の忠義を守り割腹自殺した佐治衛門、不義の責任をとらされ去勢された久太郎、老中へ愛娘を献上した修造、日清戦争で戦死した進吾、第二次世界大戦で特攻隊として散った進の兄・修。その進も会社への忠義を個人の生活に優先させたのであった。



ジッロ・ポンテコルボ監督「アルジェの戦い(La Battaglia di Algeri)」(イタリア/アルジェリア,1966年)

2020-01-05 17:05:02 | 映画


ジッロ・ポンテコルボ監督「アルジェの戦い(La Battaglia di Algeri)」(イタリア/アルジェリア,1966年)。

1950年代後半から1960年代にかけてアルジェリアでは独立運動が展開され,独立戦争の規模に発展しました。この映画は解放戦線のリーダーの一人であったアリ・ラ・ポワンテを中心とする解放戦線の運動を描いた作品です。独立のために立ちあがった解放戦線と植民地主義の立場にたつフランス政府軍との戦いがドキュメンタリー・タッチで映像化されています。

ストーリーはカレンダーをきざみでつながれ,臨場感があります。冒頭の政府軍による拷問の場面から,解放戦線側のテロ,ゲリラ活動,それらへのフランス側の空挺隊を中心とした対抗措置,そして「アルジェリア万歳」のデモ行進で象徴される独立国家アルジェリア誕生の最後の場面まで,息もつかせぬ緊張感が続きます。
 一旦は鎮圧されたかに見えたアルジェリアの独立運動でしたが,1960年12月再び,自然発生的に民衆の蜂起が起こり、それがフランスの世論にも影響をあたえ,アルジェリアとの新しい関係を求める動きが生まれました。自由と独立を求める運動は昂揚し,1962年7月,独立国家アルジェリアが誕生しました。

ダンサー(Dancers)ハーバート・ロス監督,アメリカ,1987年。

2020-01-04 17:49:39 | 映画
バレエ映画の主役トニー・セルゲエフ(ミハイル・バリシニコフ)と彼を取巻く女性たちに焦点を絞り,練習段階から本番にいたる経過をモチーフに描いた作品。バレエは「ジゼル」。ジゼルを踊るのは彼の恋人だったフランチェスカ。アルブレヒト役はトニーである。森の女王役はナディン。映画撮影はローマという設定で,映画出演のためにリサ・ストラッサー(ジュリー・ケント)が現地入りするシーンでこの映画は始まります。
 ストーリーにはあまり起伏がなく,終盤,アルブレヒト役のミハイル・バリシニコフ,ジゼル役のアレッサンドラ・フェリ,女王役のレエスリー・ブラウンが踊りをたっぷりと披露しているので,バレエ映画として楽しめます。また,練習風景で登場人物の解釈や演技の仕方などで役者たちが意見をぶつけ合うシーンが何箇所か出てきます(ジゼルの母親役を演じるムリエルがトニーと,母親が狂っているかどうかで,意見を交わす場面など)が,役者たちがしのぎを削って作品を完成させていく過程がみえ、興味深いです。



ビル・コンドン監督「ドリームガールズ」(アメリカ、2006年)

2020-01-03 21:35:08 | 映画
一言でいえば黒人女性ボーカルグループの成功物語ですが、単純ではありません。ショー・ビジネス界の無慈悲さに翻弄される女性たちの波乱の人生が織り込まれています。

舞台は1960年代のアメリカ一の車の町デトロイト。その町のとあるライブハウスで、ディーナ(ヴィヨンセ・ノウルズ)・エフィ(ジェニファー・ハドソン)・ローレル(アニカ・ノニ・ローズ)の三人からなる「ドリーメッツ」がライブハウスの出演を賭けてオーディションを受けていました。三人に目をつけたのが中古車ディーラーを営み、かつジミー・「サンダー」・アーリーのプロデューサーだったカーティス(ジェイミー・フォックス)。彼はソロ歌手ジミーの新しいバックコーラスを探していましたが、ドリーメッツの歌を聞きほれ込み、彼女たちを雇い、「Rainbow Records」を立ち上げます。

カーティスは徹底したビジネスマン。ヒットをとばし、売れることを第一に考えています。

ジミーのバックコーラスをしていたドリーメッツの3人は単独グループのザ・ドリームズとして活動し始めますが、この頃からエフィとその他のRainbow Recordsのメンバーの中に亀裂が生まれます。抜群の歌唱力をもったリード・ボーカルだったエフィがはずされ、客受けをねらってミシエルと入れ替えられます。看板歌手だったジミーも時代にそぐわなくなったとクビにされてしまいます。

ソロ歌手として細々と活動を再開したエフィは、本格的な再始動のため新曲を兄のC.C.ホワイト(キース・ロビンソン)に作ってもらい、ヒットの兆しを見せます。

しかし、カーティスはエフィの曲がまだ知名度が低いことにつけ込み曲を盗み、ディーナの新曲として大々的に売り出します。数日後、映画出演のオファーが舞い込むディーナでしたがカーティスと意見が分かれ、ディーナは自身の新曲がエフィの曲を盗んだものだと知ってカーティスから独り立ちする決心をします。

数日後多くのファンに惜しまれる中ザ・ドリームズの解散コンサートが開かれ、ディーナたちは最後のステージに上ります。そこにはエフィの姿もありました。





「やぐら」(杉並区上高井戸1-8-18 サンハイツ八幡山1F)

2020-01-03 20:44:15 | 居酒屋&BAR/お酒
外見からしてなかなかよさそうな居酒屋。なかに入ると広い空間。壁には日本酒、焼酎の銘柄がずらりと並んで壮観です。この景色はあまり見たことがありません。

カウンターのすみにすわり、旬のたけのこ、うみくらげ、コロッケ、焼き鳥などを注文しました。最近は家ではもっぱら焼酎を少々ですが、久しぶりに日本酒をたのしみました。浦霞などです。

店員さんは胸に名前のプレートをつけていました。そのなかの一人が、北海道出身だとわかったので、「北海道のどこ」と聞くと、釧路だそうです。大学在学中で、アイスホッケー部の選手でした。





フリッツ・ラング監督「スカーレット・ストリート」(アメリカ、1945年)

2020-01-02 20:04:22 | 映画
幻の作品で、長く日本では未公開でした。ナチをきらってアメリカに亡命したドイツ表現派のラングがあぶらののりきった時期に撮られました。

勤続25年で金と宝石の装飾つき懐中時計までもらった個人紹介の出納係クリストファー・クロス(エドワード・G・ロビンソン)は雨の夜、男性に殴られていた若い女性キティ(ジョーン・ベネット)を助け、知り合いになります。これがクリスの運のつきでした。恐妻家のクリスはキティにぞっこんになり、彼女に金銭的援助をはじめ、趣味で描いていた自分の絵をキティの家に持ち込みます。件の男性はジョニー(ダン・ドゥリエイ)といい、キティのヒモ的存在でした。ジョニーはクリスの絵がたまたま高額で売れたことをきっかけに、クリスの絵をキティの作品と偽ってひと儲けをたくらみます。クリスは自分がだまされていることもつゆ知らず、キティとの結婚を考えます。

ところが事態は思わぬ方向に、そしてクリス、キティ、ジョニーは三者三様の厳しい悲惨な結末を迎えます。