【岩崎俊夫BLOG】社会統計学論文ARCHIVES

社会統計学分野の旧い論文の要約が日課です。

時々、読書、旅、散策、映画・音楽等の鑑賞、料理とお酒で一息つきます。

こんな時代がありました!

2019-10-24 12:03:19 | スポーツ/登山/将棋
日本シリーズは、ソフトバンクが4連勝でした。工藤監督は名将の域に達しています。

わたしが子どもだったころの日本シリーズを思い出しました。3連敗した西鉄が稲尾の力投で4連勝した昭和33年の日本シリーズです。母が編み物をしながらラジオで聴いていたのを思い出します。母は西鉄を応援していたと思います。理由はわかりません。その影響があってわたしも子ども時代は西鉄ファンで、アンチ巨人でした。稲尾、中西、豊田の時代です。

いまはとくにどの球団をひいきにしている、ということはありませんが、心の底にはアンチ巨人があるのか、と思います。ソフトバンクのファンではありませんが、昨日はラジオを聴きながらしらずしらず、ソフトバンク側にたっていました。

手元に写真のような本がありました。新聞記事はその付録です。




ピョンチャン・オリンピック閉幕

2018-02-25 20:11:15 | スポーツ/登山/将棋
 

 約2週間にわたるピョンチャン・オリンピックが間もなく閉会です。雪上、氷上の熱いたたかいを観ていました。長く冬季オリンピックを観ていたものには、スキーのジャンプや回転、滑降などの伝統的種目もさることながら、新しい種目に注目していました。なかでもカーリングは毎日、ゲームがあり、観ていてなかなか面白いです。「氷上のチェス」ともいわれるこの種目は、戦略を練るところが刺激的です。わたしはまだ観ていてそこまで先を読んだりはできませんが、チームの戦い方の苦心のあとが理解できます。

他に、スピードスケートの小平選手、女子団体パシュート、男子ジャンプ・ラージヒルなど興奮してました。

 女子のこの種目の銅メダル、よく粘りました。道産子の底力です。チームワークがよかったです。北見のチームで、競技中の「そだねー」と北海道でよくきかれた言葉に親近感をもちました。


  

稀勢の里、奇跡の優勝。(大相撲大阪場所)

2017-03-27 11:56:59 | スポーツ/登山/将棋

                              

  大相撲大阪場所は、昨日が千秋楽でした。優勝は13勝2敗で、新横綱の稀勢の里。誰もが予想しえなかった優勝となりました。

 稀勢の里は13日目の日馬富士戦で、土俵下に転落したときに、左肩を打撲し、苦悶の表情でした。この時点で、休場かと思われましたが、14日目の鶴竜戦に出場。しかし、怪我のためか、あっけなく土俵をわりました。千秋楽は照ノ富士戦。照ノ富士はこの日まで14勝1敗で優勝争いの先頭をきっていました。照ノ富士もこの1年ほど脚の怪我で精彩がなく、大負けの場所があったり、勝ち越してもやっとのことでしたが、漸く、怪我がなおってきたようで、持ち前の怪力が復活していました。

 稀勢の里が優勝するためには、本割で照ノ富士に勝ち、さらに決定戦でも勝たなければなりません。ところが、このことが現実になったのです。

 本割で、稀勢の里は左に体をひらき、照ノ富士が右上手をとって、一気により進みましたが、稀勢の里は利き手の右手で突き落とすと、照ノ富士はバッタリ前に落ちました。19分後の決定戦。立ち合いから照ノ富士が珍しくもろ差しになり、稀勢の里は絶対絶命でしたが、右からの小手投げで照ノ富士をほふりました。稀勢の里自身も、後から言っていたように、「自分の力以上のものが出た」ということですが、体の敏感な反応は見事なものです。

 館内は大騒ぎ。ここ何年も聞いたことのない歓声で沸き返りました。

 稀勢の里は、精神面が強くなりました。責任感が強い名横綱意になりつつあります。

 照ノ富士側からみれば、もう少し落ち着いてがっぷり四つに組み、時間をかけて大勢をよくしてから攻めれば違った展開になったように思います。

 相撲史に残る名勝負でした。
 


リオデジャネイロ・オリンピック雑感

2016-08-20 11:51:35 | スポーツ/登山/将棋

 リオデジャネイロ五輪が真っ盛りです。日本の選手の活躍が光っています。

 感じたことは、あきらめない粘り強さが選手のなかにあることです。以前は、窮地にたつと日本の選手は、やっぱりダメか、といったことが多かったのですが、今回は違います。

 重量挙げの三宅宏美選手がそうでした。スナッチで2回失敗し、最後の3回目。これに失敗すると失格です。試合前から腰痛があったと聞いていたので、もう無理か、と思って聞いていましたが(深夜だったのでラジオで)、見事に成功。そのあとジャークでも銅メダル狙いの107キロを持ち上げました。すごい。たくましさを感じました。
      

 男子体操は予選でミスが続き、最強といわれた日本選手らしからぬ成績でした。そのため、決勝ではやや苦手のあん馬からスタート。山室選手が落下し、もうだめかと思わせました。ところが跳馬、床で挽回し、最後に内村選手が鉄棒で高得点をたたきだし、逆転優勝の金メダル。見事でした。あきらめない強い心を感じさせました。

     

 まだまだ、あります。男子柔道、女子レスリング(伊調選手:金メダル)、男子テニス(錦織選手:銅メダル)でも、それを感じさせました。男子柔道では、ロンドンの汚名挽回もさることながら、準決勝で敗退し、銅メダルを争う試合で勝ち、そこ力をみせてくれました。金メダルに届かずともあきらめず、気持ちを切り替えて、銅メダルをとったのには感心しました。

     

 ただ、ひとつだけ苦言を呈しますと、メディアの競技の紹介の仕方に問題があります。ほとんど日本選手しか映さない競技があります。
 体操やシンクロナイズドスイミングはその最たるもので、日本選手がメダルをとったその競技で、外国の誰がどのような演技をしたのかわからないものがありました。
 柔道、レスリングなどもその傾向がありました。
 その対極で、日本選手の同じ映像が何度もしつこく繰り返されます。

 報道の仕方がドメスティックになっています。


「大相撲名力士風雲録」第6号(初代若乃花),ベースボールマガジン社

2016-06-11 01:02:52 | スポーツ/登山/将棋

        

 本屋で面白いものを見つけました。「大相撲名力士風雲録」というベースボールマガジン社が出版しているDVDマガジンです。毎月配本で第6号で、「初代・若乃花」編でした。DVDで46番の若乃花の相撲をみることができます。これまでに、北の湖、千代の富士、大鵬、貴乃花、栃錦が出たようです。


 わたしは小さいころから相撲が好きで、最初はテレビがなかった時代でしたから、ラジオで聴いていました。新聞に出ている取り組み表をチラシに書き写し、それに勝敗をつけて聴いていました。力士の四股名には難しいものがたくさんありましたが、親から習いながら書いて、小学校低学年でもかなりの漢字を理解していました。

 それはともかく、ラジオを通じて相撲を知り取り組みは動画では見れないので、アナウンサーの実況中継で想像しながら聴くといった感じでした。わずかに、翌日の新聞には相撲欄の記事に一枚だけ写真がついていて、これを見て楽しんでいました。

 このマガジンには観たことがない取り組みが、たくさん入っています。46番あるなかでは、昭和30年秋場所の若乃花対千代の山の死闘が圧巻です。水入り2回、取り直しで再び水入り、17分の死闘で「引き分け」となりました。その他では、昭和34年夏場所の若乃花対栃錦戦が印象的です。若乃花一敗差で栃錦を追っていましたが、千秋楽の本割で栃錦を下し、決定戦で再び勝ち、優勝しました。

 若乃花といえば小兵ですが(105キロほど)、抜群に強い足腰をもち、土俵の鬼、荒法師などの異名をもちました。このDVDでも上手櫓、呼び戻し、二枚蹴りなどの技を繰り出しています。

 わたしの家にテレビが入ったのはたぶん昭和35年だと思いますが、それ以前の力士と若乃花の対戦はみたことがないので感無量でした。吉葉山、鏡里、東富士、鳴門海、三根山、潮錦などです。35年以降になると、実際にテレビで観たとの記憶がある一番がたくさん出てきました。朝潮、若羽黒、信夫山、若前田、柏戸などです。こうして通してみると、いま御存命の力士は全くいないので、寂しいかぎりです。

 今の相撲と比べると、みな体がしまっていて、力士そのものです。包帯をまいている力士は少ないです。現在は、みな体重がずっと増え、大型化していて、力士というよりは「お相撲さん」です。けがも多いせいか、包帯をぐるぐるまいて痛ましい姿の力士が多いです。


大相撲夏場所5日目(両国国技館)

2016-05-14 00:34:57 | スポーツ/登山/将棋

 国技館に座布団が舞いました(場内放送で、何度も投げないように注意があったのですが)。結びの一番、関脇の勢が4連勝中の鶴竜を向正面、土俵際で鶴竜が出てくるところを小手投げでほふりました。興奮さめやらぬ中、聡ノ富士が堂々の弓取り。観衆は、「よいしょ」の掛け声に、いつも以上の力が入りました。

 久しぶりに国技館に行きました。秋葉原から総武線で隅田川をわたると、もう相撲情緒が香り始めます。両国で下車、まっすぐ力士幟が翻るなか国技館へ。今回は土俵のすぐ近く、正面のたまり席での観戦です。

 3時ころ、十両の取り組みから見ました。土俵に近いので、力士の髪結に使うびんつけ油の匂いがうっすらとします。十両では小兵の宇良、石浦に声援が飛んでいました。


 呼び出し、行事には美声の人が多いです。よくとおる声で、四股名を呼びあげます。熱戦が多く、力の入った取り組みを堪能しました。横綱白鵬、日馬富士は盤石の勝ち名乗りでした。

 今場所は、毎場所、前半で星をおとしがちな稀勢の里、豪栄道が安定した強みを発揮して勝ち進んでいます。後半戦が、楽しみです。


              


大相撲初場所5日目(於:両国国技館)

2016-01-18 01:12:15 | スポーツ/登山/将棋

        

  大相撲初場所の5日目、両国国技館に観戦に行きました。大相撲は、2回目です。西1、7列目2番で、比較的よく見える桝席でした。西の花道の近くで、力士が通過していくのがみえます。


  十両の2番目の対戦あたりからの観戦でした。正月気分の華やいだ雰囲気が残っていました。力士の髪結いのびんつけ油のにおいが独特です。

  多くの力士は、国技館の横の通路から入ってきますが、そこから拍手が聞こえ、近寄ってみると逸ノ城関が付け人をしたがえて入場してきました。

  対戦では、宝富士と蒼国来の一番が力の入った長い相撲になり、お客さんは大喜びでした。熱戦の末、寄り切りで宝富士が勝ちました。人気の遠藤は、体調が悪いようで、元気がありません。嘉風はいい相撲で豪栄道を下しました。体がよく動いています。

  下位では、高安がいい相撲をとって全勝です。実力のある力士なので大勝しそうです。

  横綱では、鶴竜に土がつきました。2敗目です。日馬富士、白鵬0は横綱相撲で、勝ち進んでいます(日馬富士は2日目に負け、一敗ですが)。

  館内の博物館で、過日、亡くなった北の湖理事長を追悼する展示会が開催されていました。また、相撲甚句をうたって、ファンサービスに努めています。

  はね太鼓の音を聴きながら、これを観て、帰宅の途につきました。


  まだわたしが子どもで幼稚園に通っていたころ(5歳?)、当時札幌にいたのですが、園をとおしてとっていた子供向けの雑誌のお正月号の絵に、羽子板をついている女の子、お相撲さんが歩いている姿があり、どうしてお正月に雪がなく、そこにお相撲さんが普通に歩いているのか不思議に思っていましたが、その風景のなかにわたしが今いたわけです。


東京六大学野球秋季リーグ戦・立教大学対東京大学2回戦(神宮球場)

2015-10-25 16:46:44 | スポーツ/登山/将棋

  晴天でしたが、風が強い一日でした。
       
                    6回、勝ち越し打の酒井田選手(立教大学)


  神宮球場に立教大学対東京大学戦を観戦に行きました。渋谷でJRを降り、銀座線で「外苑前」で降りると7分ほどで球場です。天気がよかったせいか、お客は結構たくさんいました。
  久しぶりの球場でしたが、グラウンドが芝生で綺麗です。チアーガール、応援団が両チームとも華やかです。

 試合は東大が1回の裏に2点を先制。すぐに、2回の表に、立教が二者連続ホームランで同点。中盤、東大が1点をもぎとって3対2とかちこしましたが、終盤立教が追いつき、逆転し、結局6対3で立教が勝ち、勝ち点を取りました。いい試合でした。


工藤隆一『大相撲 誰も教えてくれなかった見かた楽しみかた』河出書房新社、2015年

2015-09-27 10:05:59 | スポーツ/登山/将棋

                

  相撲人気が回復しつつあります。チケットはなかなかとれません。

  この文庫は、大相撲についての見方、そして背景にある広い意味での文化を伝えてくれる面白い本です。

   認識を新たにしたのは、相撲は相互のバランスの崩しあい、の競技だということです。だから、相手にバランスを崩されないように、四股を踏んで足腰を鍛えることが重要なのです。格闘技にはいろいろありますが、相撲の特徴がここにあるというのは、合点しました。そういうことを書いたり、言っている人は、あまりありません。言われてみれば、まさにそのとおりとうなずけます。

  目次を記します。
1章:ハッキヨイ!のこった!「取組」はココに注目する
2章:土俵入り、塩まき、仕切り・・・「パフォーマンス」の謎が解ける
3章:古いが意外に合理的?! この「仕組み」が大相撲を支える
4章:入門から昇進、定年まで・・・これぞ「力士の一生」
5章:角界入りでどれほど稼げる?! その「フトコロ事情」とは
6章:行司、呼び出し、床山・・・「裏方さん」の素顔を知る
7章:親方や関取りに聞けない ちょっときわどい「大疑問」
8章:今も語り継がれる時代を彩った「10の名勝負」

  勝ち力士は、土俵をまわる懸賞でいったいいくらもらえるのか?
  力士の給料はどれくらいなのか?
  番付は誰がどのように書くのか?
  土俵上で力士がまく塩はどれぐらいの量なのか?
  7勝7敗の力士が千秋楽に勝つ率はなぜ高いのか?
  大銀杏を結うのにはどれくらい時間がかかるのか?

 いろいろな疑問に最前線の資料で、答えています。 


桑田真澄・佐山和夫『スポーツの品格』集英社新書、2013年

2014-02-14 21:27:44 | スポーツ/登山/将棋

             

  対談形式。スポーツの「品格」と標題にあるが、要するに「フェア・プレイ」精神を貫こう、ということである。当たり前のことなのだが、スポーツ技術を高めるためと称して、「暴力」が後を絶たない。日本のスポーツ界では、何度もその体質が取沙汰されたが、最近また、高校のスポーツクラブや女子柔道で、「暴力」が明るみになった。

  元読売ジャイアンツの投手、桑田さんは小中学校時代、そうした「暴力」を受けたし、またみてきたという。チームのある一人がエラーや失敗をすると、メンバー全員が「鉄拳」を受けるということもあったらしい。勝利至上主義が背景にある。

  著者たちに共通しているのは、スポーツの喜びは、勝利を目指すそのプロセスにあるのであって、「暴力」によっては技術は向上しないということである。

  本書の後半は、現在、東大野球部で指導している桑田さんの体験記である。「自分で試行錯誤して、考えて、発見する」ことが大事なのである。桑田さんはまた、ロシアの少年、少女にも野球を教えている。その話も面白い。この話も含めて、スポーツの価値、真髄を示す、生きたエピソードが話題になっているのも、楽しい。


野村克也『私が見た最高の選手、最低の選手』東邦出版、2013年

2014-02-03 20:54:12 | スポーツ/登山/将棋

               
  
  野村克也さんと言えば、わたしの少年時代から南海ホークスの名捕手として知られ、三冠王もとり、監督になってからも阪神タイガース、ヤクルトスワローズ、東北楽天ファイターズなどを歴任、データ野球を普及しただけでなく、見切りをつけられた選手を再生させる手腕をみせた。

  この本にも書いてあるが、日本のプロ野球がスタートとしたのは1936年で、野村さんはこの年に生まれた(長嶋茂雄は同級生)。まさに日本のプロ野球の歴史ともにあった野村さんだ。その野村さんが、自分の体験にてらし、実際に眼でみてきたプロ野球の最高の選手を選ぶ、評したのがこの本である。

  投手編、捕手編などと8つの分野に分けて選出している。投手では金田正一、江夏豊、杉浦忠、山口志、稲尾和久、野茂茂、藤川球児、伊藤智仁、ダルビッシュ有、田中将大などの名前が挙がっている。松坂大輔は、あまり評価が高くない。以下、捕手編、一塁手編、二遊間編、三塁手編、外野手編、打者編、監督編と続く。ここに、各分野の選手、監督の名前を列挙するのは差し控える。ただ、イチローはもちろんあがっていることと、榎本喜八、山内一弘、中西太などの往年の名選手がいることだけをここに書いておく。

  この本は、名選手を紹介しているだけでなない。打撃論、投球術、名監督の条件など、かなり細かい野球論が下地にある。つくづく野球は難しい、頭脳や直観的判断が必要なことを思い知らされた。

  なお、標題にある、「最低の選手」などは書かれていない(当り前だろう)。何人かの、十分な能力がありながら、思ったほど開花しなかった選手への注文が(いまとなってはどうしようもないが)あるだけである。


佐山和夫「箱根駅伝に賭けた夢」講談社、2011年

2014-01-16 22:29:52 | スポーツ/登山/将棋

佐山和夫「箱根駅伝に賭けた夢-「消えたオリンピック走者」金栗四三がおこした奇跡-」講談社、2011年

                  

  日本の陸上競技のパイオニアであり、第5回オリンピック・ストックホルム大会(1912年)にマラソンランナーとして出場した金栗四三の物語。

  金栗四三はこのオリンピックでマラソンに出場したが、26キロ地点で離脱。棄権、行方不明となった(ペトレ家の庭に迷い込んだ。その家は今はない)。クロスカントリー風の難コースで、灼熱の気候。そして、種々の悪条件。くわえて金栗四三がそれまでにフルマラソンを走ったのは、日本での予選でのただ一度。外国選手とは、もともと太刀打ちできなかった。

  著者はその金栗四三が「消えた」場所、事後のことを取材しようと思い立ち、ストックホルムに飛ぶ。現地で、思いもよらない協力を得て、著者は金栗四三のその後を、追い続けた。

  本書は、その記録である。金栗四三は、箱根駅伝の発案者である。アメリカ横断の計画(実現しなかったが)のなかで(途中にロッキー山脈という途方もない山岳地帯がある)、また長距離ランナーを日本で育てるとう目標をもって、箱根駅伝はスタートした。金栗四三は、この駅伝だけでなく、陸上競技全体の普及、とくに女性のスポーツ振興に、多大な貢献をした。

  感動的なのは、スウェーデンのスポーツ関係者が金栗四三を忘れていないことだ。1967年、金栗四三はストックホルム大会55周年行事に招待され、同じマラソンコースでテープを切った(最後の数メートル)。スウェーデンのスポーツ関係者の、いきな計らいだった。

  この本、標題に「箱根駅伝」の文字が大きかったので、そこに関心をもって読み始めたが、以上の内容のとおり、金栗四三の生涯をつづったもので、内容とギャップがありすぎた(確かに、金栗四三が構想した「箱根駅伝」に関する章立てはあるが)。それでも、金栗四三のことがよくわかって、望外の成果を得た。


坂詰真二『やってはいけないストレッチ-「伸ばしたい筋肉を意識する」のは逆効果!』青春新書、2013年

2013-07-02 21:12:39 | スポーツ/登山/将棋

            

  わたしはいまアンチエイジングとして、スクワット、腕立て伏せ、柔軟運動、ダンベル体操などをしている。毎日、行った運動の記録をExcelに記入している。それが励みになってずっと続いている。


  体を鍛えるという発想はもうない。退化していくプロセスに歯止めをかけるだけの気持ちしかない(それでも続けていると、筋力はついてきている)。

  そんなときに、この本に出会った。わたしの運動のやり方は自己流だから、「やってはいけない」ことをしていたら、それは素直にしたがったほうがいいと思って、この本を買った。

   表題は、「やってはいけないストレッチ」と否定的な表現だが、内容はどちらかというと前向きに、あーしたほうがいい、こうしたほうがいい、といったお勧めスタイルで記述されている。

  要は、衰えて硬くなていく筋肉をストレッチして、リラックスし、柔軟性のある体つくりをこころがけようというもの。ストレッチは「筋力トレーニング」とも、「有酸素トレーニング」とも異なり、柔軟性に的をしぼったトレーニングということになる。効果的なストレッチをするためには、まずもろもろの固定観念(たとえば、「生まれつき体か硬い」「ストレッチをすると脂肪が減る」とか)を放念し、筋肉の仕組みを理解し、長く続けることだ、と著者は言う。

  「柔軟性チェックテスト」が4つあり、これでまず自分の現状を知る。最小で最大の効果をあげる7原則を確認する(「確実に効せたいなら、体温に敏感になれ」「狙った筋肉のベストポジションを追求せよ」「一人で頑張るより、体重を味方につける」「リラックス効果を妨げる機能性ウエアに注意」「呼吸を変えたら、思いのほか伸びる」「柔軟性には左右差があって当然」「動的ストレッチ、その真の実力」)。そして、老けない体をつくる基本ストレッチ12種(肩のストレッチ、胸・肩・腕のストレッチ、背中・腕のストレッチ、ふくらはぎのストレッチ、股関節のストレッチ①②、内もものストレッチ、腰のストレッチ、もも裏のストレッチ、もも前のストレッチ、脇腹のストレッチ、腹部のストレッチ)が示されている。

  わたしの、アンチエイジングの新たなメニューに加えることにした。


Art on Ice 2013 in Japan (於:代々木競技場)

2013-06-04 00:11:24 | スポーツ/登山/将棋

       
  何とも素晴らしい氷上の祭典でした。オリンピックや世界選手権のメダリストの演技と歌手のコラボレーション。2時間半ほどがあっという間に過ぎました。


 登場したフィギュアスケートの選手は、下記のとおりです。この種の催し物は、以前、札幌市に住んでいた頃にみたことがありますが(30年ほど前)、そのときは、ジャネット・リンとか、ビールマンなどの華のある選手のかげに隠れた感じで、日本の選手が演技していたのですが、いまは日本選手の実力がグンとあがり、外国の選手と力が拮抗しています。

 日本の選手ではまず、鈴木明子選手がスケーティング。小柄ながら、きれのいい演技です。安藤美姫選手は、先のウィンターシーズンには、出場しませんでしたが、久しぶりに、その演技をみました。

 人気があるのは、荒川静香選手、高橋大輔選手です。荒川選手はすでに現役を引退していますが、スケーティングには気品があります。高橋選手は、今が円熟した時期、女性のファンが多いです。ステップが魅力です。

 羽生結弦選手は、全日本選手権を制し、急速にうまくなっていますが、まだセンが細いです。この日もジャンプの回転で、2度ほど転倒。観客に「ごめんなさい」のサインを出していました。

 外国選手では、スイスの・ステファン・ランビエル選手が、演技が大きく、大胆で見応えがありました。人気も十分です。タチアナボロンジャル&ロビン・ゾルコビー、アリョーナ・サブチェンコ&ロビン・ゾルコビー、ナタリー・ペシャラ&ファビアン・ブルザのペアの演技も華麗にして、力強く、ほとほと見とれていたことでした。

 この催し物が贅沢なのは、スケーティングのバックで、歌手が歌っていることです。一部ではキャサリン・ジェンキンスさんが、二部では藤井フミヤさんが、その役をつとめました。キャサリン・ジェンキンスさんはメゾ・ソブラノ。抜群の歌唱力で、歌だけで十分な価値があります。そして、生のオーケストラつきです。

<登場スケーター>
・荒川静香
・安藤美姫
・羽生結弦
・鈴木明子
・無良崇人
・高橋大輔
・ステファン・ランビエル
・サラ・マイヤー
・タチアナボロンジャル&ロビン・ゾルコビー
・アリョーナ・サブチェンコ&ロビン・ゾルコビー
・ナタリー・ペシャラ&ファビアン・ブルザ
・ゲフ・マニキャン
・エカテリーナ・テスナ&アレクサンダー・チェスナ
・ウラジミール・ベセディン&アレクシイ・ボーリシェク


大相撲歴史新聞編纂委員会編『大相撲歴史新聞』日本文芸社、1999年

2013-01-29 00:09:38 | スポーツ/登山/将棋

           

 先日、元横綱の大鵬がなくなった。享年72。


 子どもの頃から、相撲が好きだったわたしは、大鵬がまだ下位の力士で納谷と呼ばれていた頃から応援していた。わたしは幼少のころから札幌で住んでいたので、大鵬が北海道出身だったこと、またその姿が力士というよりスマートな兄貴のようで、相撲ぶりも力相撲というより、流れるような感じがあって、それが好きだった。
 ちなみに、わたしは最初はラジオで相撲を聴いていたが(小学生低学年?)、その頃の横綱は千代ノ山だった。テレビが家庭に入って、リアルタイムで相撲の取り組みを観戦できるようになり、その時には横綱は若乃花、栃錦になっていった。大鵬、柏戸はその直後である。

 前置きが長くなったが、今日、取り上げた本は、相撲の歴史を新聞の体裁に仕上げて、まとめた珍しい本である。たくさんの取り組みの写真が掲載されている。
 歴史的な死闘、若乃花VS千代ノ山という記事がある(昭和30年)。また「若乃花、水入りの大相撲で千代ノ山破る」という記事がある(昭和31年)。ラジオで相撲を聴いていた時代で、記憶がある。アナウンサーの絶叫が耳に残っている。

 そのあと、栃若対決、柏鵬時代の相撲の記事があり、さらに輪島、北の湖、千代ノ富士、曙、貴乃花、小錦など。力士の名前を連ねるだけで、相撲の歴史が彷彿としてくる。昭和は遠くなりにけり。

 これらの記事は何と、日本最初の相撲、当痲蹶速(たいまのけはや)VS野見宿禰(のみのすくね)から始まっている。何ともユニークな本だ。